平成23年8月27日の記録的な大雨と大阪市の浸水対策の取組みについて
2012年4月3日
ページ番号:140316
1 概要
平成23年8月27日の土曜日に発生した大雨により、浸水被害に遭われた市民の皆様方に心よりお見舞い申し上げます。
大阪市では、概ね10年に一度に発生する1時間に60ミリの大雨を対象に浸水対策事業を進めてきていますが、今回の雨は、大阪管区気象台(大阪市中央区)で1時間77.5ミリという、昭和54年に並ぶ最大クラスの雨量が観測されるなど、大阪市内の広い範囲において、本市下水道で整備目標としている1時間60mmを超える記録的な大雨となりました。
この浸水被害をもたらした今回の大雨について、その分析概要と大阪市の浸水対策の現状及び今後の取組みについて報告します。
2 雨量記録
大阪市建設局が下水処理場・抽水所(ポンプ場)に設置し、所管している市内30か所の雨量計記録は下図のとおりです。
市域の中心部および東部において、大阪市の浸水対策の計画目標降雨である1時間60mmを超える雨が観測されました。
また、10分間の最大雨量では、60mmの雨が1時間で均等に降った場合の10分間10mmを超える雨が市内のほぼ全域で観測されており、1時間の合計で60mmを超えていなくても、短時間に集中して強い雨が降った地域が大阪市の広い範囲にわたっていたことが今回の大雨の特徴です。
そのため、今回の大雨では、10分間で10mmを超える雨が降った地域で浸水が発生し、特に、1時間の合計で60mmを超える降雨のあった地域で多数の浸水が発生しました。
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3 これまでの浸水対策の取組みについて
大阪市では、概ね10年に一度に発生する1時間に60mmの大雨を対象に浸水対策事業を進めています。
平成23年3月末現在、浸水対策の進捗を表す指標である雨水対策整備率は79.3%となっています。
具体的な取組みとしては、抜本的な浸水対策として「淀の大放水路」をはじめとする大口径の下水道幹線の建設や、「此花下水処理場内ポンプ場」をはじめとする雨水排水ポンプ施設の新増設を進めています。
また、局地的な浸水対策として、局地排水用マンホールポンプの設置など、早期に実施可能なきめ細かな浸水対策も進めてきています。
こうした取組みの成果により、今回の大雨と同じクラスの大雨のあった昭和54年と比較しますと、浸水被害は大幅に軽減いたしましたが、大雨時には今なお浸水が発生しています。
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4 今回の大雨を受けた今後の浸水対策について
水害に強い大阪市のまちづくりを進めていくためには、まず、現計画の1時間に60mmを対象とした下水道幹線やポンプ施設の整備など、「抜本的な浸水対策」を今後とも着実に進めていくことが基本であると考えています。
その一方で、これらの大規模な雨水排水施設の整備には長い年月を要することから、今回のような局所的な大雨に対応するためには、こうした抜本的な浸水対策を推進することと並行して、早期に実施できるきめ細かな対策やソフト対策の充実をより一層図っていく必要があります。
具体的には、局地排水用マンホールポンプを適所に設置する他、枝線管渠のネットワーク化などの対策を検討してまいります。
計画を超える局地的な大雨に対しては、こうしたハード整備はもとより、防災マップの配布、ホームページを活用した大雨時の備えに関する啓発や雨量等のリアルタイムの情報提供など、浸水被害の軽減に向けたソフト対策にも取り組んでまいります。
今後とも、抜本的な対策、きめ細かな対策、ソフト対策をバランス良く実施し、水害に強い大阪市のまちづくりに向けて、市民の皆様方の安心・安全を支える持続的な下水道事業の推進に努めてまいります。
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大阪市 建設局下水道部調整課事業計画担当
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北2丁目1番10号 ATCビルITM棟6階
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