市内の就学前児童の状況
2024年7月22日
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次に、大阪市内の就学前のこどもたちの状況について見ていきます。
年齢別、こどもの在宅数と保育所・幼稚園在籍数の状況
在宅で子育てされているこどもと保育所・幼稚園に在籍しているこどもの比率をみると、平成20年度現在の市内就学前児童数約12万8千人のうち、0歳児では約9割、1歳児で7割以上、2歳児で6割以上が在宅で子育てされているのに対し、3歳児では約8割が保育所または幼稚園に在籍するようになり、4~5歳児ではそれらへの在籍比率が約9割5分に達しています。
就学前児童健全育成にかかわる機関・施設の概要
市内の就学前児童健全育成にかかわる主な機関・施設について、認可保育所、幼稚園、在宅子育て支援関係機関および各区保健福祉センターの概要と平成20年4月現在の箇所数は次のとおりです。
機関・施設 | 箇所数 | 概要 | |
---|---|---|---|
保育所 | 公立 | 114※ | 保護者の方のいずれもが、仕事や病気などのため、家庭で保育できない場合に、0歳から小学校入学前のこどもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設である。 |
公設置民営 | 21 | ||
私立 | 220 | ||
幼稚園 | 公立 | 60 | 3歳児から5歳児を対象として、集団生活を通してこどもたちが遊びや活動を創造し、互いの力を発揮するよう援助する幼児教育施設である。 |
私立 | 145※ | ||
国立 | 1 | ||
子育ていろいろ相談センター | 1 | 多様化する子育てニーズに対応するため、子育て相談、子育て支援講座の開催、子育て支援情報の提供、子育て支援ボランティアの養成などの事業を実施している。 | |
保育所地域子育て支援センター | 44 | 子育ての知識やノウハウを蓄積している保育所の機能・施設を活用し、育児に関する相談や情報提供などを行っている。また、こども同士の遊び場の提供や遊びの紹介などを通じて育児指導を行ったり、保護者の交流を促進している。 | |
子ども・子育てプラザ | 24 | こどもたちと乳幼児のふれあい、地域の子育て仲間との交流の場所として、講座・イベントの開催など、子育て層を応援するとともに、さまざまな子育てに役立つ情報を提供している。 | |
つどいの広場実施施設 | 32※※ | 主に乳幼児をもつ親とそのこどもが、気軽に交流できる場を提供し、ボランティアを活用しての育児相談や情報提供を行い、子育ての不安をやわらげ、安心して子育て・子育ちができる環境を提供している。 | |
各区保健福祉センター | 24 | 母子保健関係事業、児童福祉関係事業、子育て支援室における子育てに関する総合的な相談援助などを実施している。 | |
(※休止中含む、※※子ども・子育てプラザ含む) |
これらの各機関・施設が、本プログラムの積極的な活用を通して、こどもをめぐる課題や「生きる力の基礎」育成の視点などについての認識を共有し、それぞれの役割と特性を生かした就学前児童健全育成の取り組みを進めていきます。
生活実態アンケートから見る大阪市内就学前児童の状況
平成19年10月から平成20年1月にかけて、市内の1歳児、3歳児、5歳児の保護者を対象に実施した就学前児童生活実態アンケートにより、市内の就学前児童の状況について、次の点が明らかになりました。(アンケート結果詳細は別冊資料編に収録)
1 基本的生活習慣
(1) 約半数のこどもは夜9時台に就寝していますが、4人に1人以上が10時以降も起きています。
(2) 就寝時刻が遅いこどもに見られる傾向として、次の点が指摘できます。
(3)朝食の習慣について、全体では「必ず食べる」が85.7%、「食べないことが多い」が3.9%であるのに対して、養育者が朝食を「食べないことが多い」場合は、こどもが「必ず食べる」が66.5%、「食べないことが多い」が15.2%と、養育者の朝食の状況がこどもに大きく影響しています。
2 遊び
(1)平日の家の中での遊びは、全体では絵本やお絵かきが多いですが、年齢があがるにつれてテレビ、ビデオ、DVD、ゲーム機などが増えてきます。
(2)家でもっている絵本の冊数は、平均で1歳児が16.9冊、3歳児が23.9冊、5歳児が24.3冊となっていますが、絵本の読み聞かせの回数は、年齢があがるにつれて減っていきます。
(3)テレビの視聴時間は、年齢があがるにつれて増えています。また、テレビの視聴時間が長いこどもは、テレビゲーム、携帯ゲームの時間が長く、絵本に触れる回数が少ない傾向があります。
(5)戸外での遊び相手は親、家の中ではきょうだいが最も多く、異年齢の友達との遊びがいずれも少なくなっています。
3 保護者の意識
小学校に入学するまでに、どんな力を身に付けさせたいかを尋ねた中で、その力を付ける上で「家庭の役割」と「幼稚園・保育所の役割」のどちらが大きいかを選んだ回答では、どの年齢でも「基本的生活習慣」に関することは9割以上が家庭の役割が大きいとし、集中力や積極性など「学習への意欲・態度」と、きまりごとを守ることや友達関係を築く力など「対人的な能力」では、家庭の役割が大きいとする回答が約6割、幼稚園・保育所の役割が大きいとする回答が約4割を占めていました。
(2)「養育者が知りたい情報」は、どの年齢も1位は「これからの教育機関などの情報」、2位は「急病時の対応法や病院の情報」と共通していました。これに対して3位は、1歳児では「生活習慣の自立のさせ方」、3歳児では「こどもへの接し方」、5歳児では「こども同士の遊ばせ方」と、それぞれの成長の時期に沿った内容が現れています。4位は再び全年齢共通で「こどもの遊び場所」となっていました。
以上の結果より、就学前から睡眠や食事などの基本的生活習慣についての課題が見られること、遊びの中でも特に異年齢の友達と遊ぶ機会が著しく少ないこと、多くの保護者は子育てに一生懸命ですが、こどもとのふれあいや生活習慣のしつけなどの具体的な方法が分からず悩んでいる姿などが読み取れました。
その結果、本プログラムにおいて、基本的生活習慣育成や親子のふれあい(愛着形成)など具体的に行動に移せる方法の提示や、保育所や幼稚園などでの異年齢を含む集団活動や多様な体験機会の提供に資する内容を織り込むことの必要性が明らかになりました。
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