市電1601型1644号車輌 1輌
2019年1月9日
ページ番号:8811
市電1601型1644号車輌
分野/部門
所有者
大阪市高速電気軌道株式会社
所在地
大阪市住之江区緑木1
紹介
大正9年から昭和4年にかけては、第1次大戦が終わり、商工業がますます盛んとなった。交通量も増大し市電を利用する乗客数も激増し、市内の路線網はこの時期にほぼ頂点に達した。路面電車の黄金時代ともいうべき時期である。大量輸送の必要性から、市電の型式もそれ以前の中小型車輌では輸送力が不足となり、大型車輌が必要となったことから、1001型、1081型、1501型、1601型などの大型車輌が、合計430輌、製作された。
1601型は大阪市電最初の鋼鉄製大型低床ボギー車で、台車は“大阪市電型”と呼ばれており、住友製鋼(現住友金属)の製造である。当時としては画期的な鋳鉄製のウイングバネ式全コイルスプリングが使用されており、乗り心地の良いものであった。
全長13,171mm、車幅2,488mm、高さ3,267mm、自重16.33t、定員90名である。主電動機はAEG製50馬力2台で、制御装置はエアブレーキである。サイドパネルが鉄板でスマートになり、リベットレスの車体など、新様式を採用している。また制御装置、主要電源、軸受けなどに最先端の技術が取り入れられていた。
この1601型式の車輌は昭和3~4年にかけて100輌が製造されたが、現存するのはこの1644号車のみである。この車輌は昭和4年(1929)に梅鉢鉄工所で製造され、戦災で被害を受けたが、昭和23年に復旧された。昭和31年に片側3箇所であった出入口扉が2箇所に改造され運行されていたが、同41年(1966)に廃車されたものである。
市電の黄金時代を代表する型式の車輌として貴重である。
参考文献
大阪市交通局編『大阪市交通局五十年史』(大阪市交通局1953)
大阪市交通局編『大阪市交通局七十五年史』(大阪市交通局1980)
大阪市電編集委員会編『大阪市電-路面電車66年の記録』(鉄道史資料保存会1980)
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