市電11型30号車輌 1輌
2019年1月9日
ページ番号:8817
市電11型30号車輌
分野/部門
所有者
大阪市高速電気軌道株式会社
所在地
大阪市住之江区緑木1
紹介
市電開業当初に運転された1・2号車は、台車がドイツ・ヘルブランド製、車体が汽車会社製の木製車輌であった。また、明治36年(1903)12月に投入された5号車は、2階付きの電車であった。しかし、これらをはじめとする初期の車輌であった10輌は現存していない。
これに次ぐ型式の車輌が、11型である。第2期線の開通に伴って投入された2本ポールを持つ単車(四輪車)で、明治41年(1908)6月から45年(1912)5月の間に280輌が製造された。戦災を受ける直前には21輌が残存していたが、戦災で15輌が焼失した。現存する車輌は、明治45年6月、梅鉢鉄工所で製造された285号車で、昭和11年(1936)6月に廃車となった。その後、留置されていたものを昭和30年(1955)に当初の形に復元したものである。
全長8,306mm、車幅2,350mm、高さ3,289mm、自重7.98tで、定員は42名。台車はブリル21E型で、主電動機はGE製20馬力2 台、制御装置はハンドブレーキである。屋根は段落ち屋根で、側面には腰細サイドパネルを付ける。運転台には窓ガラスがなく、出入口扉もない。
この形式の車体は、その後3度にわたって改造され、運転台ガラス窓の設置、出入口折戸の取り付けなどが実施された。
参考文献
大阪市交通局編『大阪市交通局五十年史』(大阪市交通局1953)
大阪市交通局編『大阪市交通局七十五年史』(大阪市交通局1980)
大阪市電編集委員会編『大阪市電-路面電車66年の記録』(鉄道史資料保存会1980)
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