市電散水車25号車輌 1輌
2019年1月9日
ページ番号:8819
市電散水車25号車輌
分野/部門
所有者
大阪市高速電気軌道株式会社
所在地
大阪市住之江区緑木1
紹介
大阪市電の車輌には、客車のほかに貨車、散水車があった。散水車は、未舗装道路の多かった昭和初期まで、市電運行時の砂塵飛散を防止するために運転された車輌である。
明治44年(1911)から昭和7年(1932)の間は通年散水が実施され、それ以降は散水自動車の導入などにより散水期間を短縮していき、昭和13年(1938)に全廃された。散水車が最初に登場したのは明治44年8月で、6輌が導入された。容量約8立方メートル入りの丸型水槽を備え、止水弁の上下動によって放水した。このタイプの散水車は、大正5年(1916)までさらに14輌が製造された。大正14年(1925)には、営業路線の延長に伴い、新たに5輌が製造された。昭和4年(1929)には、大型ボギー散水車を5輌投入した。この車輌は、容量12立方メートル入りの角型水槽を持ち、渦巻きポンプと圧力槽を備え、制水弁によって散水量を調整できるものであった。
現存する散水車25号は、大正14年4月、藤永田造船所で製造されたものである。丸型水槽を搭載する単車で、全長5,660mm、車幅1,981mm、高さ3,201mm、自重9.70t。台車はブリル21E型で、主電動機はGE製25馬力2台である。水槽の積載容量は8.12立方メートル(45石)で、散水管は各運転台右側に取り付けられている。
参考文献
大阪市交通局編『大阪市交通局五十年史』(大阪市交通局1953)
大阪市交通局編『大阪市交通局七十五年史』(大阪市交通局1980)
大阪市電編集委員会編『大阪市電-路面電車66年の記録』(鉄道史資料保存会1980)
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