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住吉大社境内

2019年1月9日

ページ番号:8875

住吉大社境内

すみよしたいしゃけいだい

分野/部門

記念物/史跡

所有者

宗教法人 住吉大社

所在地

大阪市住吉区住吉2

紹介

住吉大社境内 太鼓橋 写真

 住吉大社は航海守護・和歌の神として信仰され、摂津一の宮とされた大阪最大の名社である。底筒男・中筒男・表筒男の三神および息長足姫(神功皇后)を祀る。『日本書紀』・『古事記』には、息長足姫が三神の助けを借りて新羅遠征を行い、帰国後これを祀ったという創建伝承が見えるが、詳しい時期については不明である。その後、『日本書紀』朱鳥元年(686)、持統6年(692)に「住吉大神」、「住吉社」の記載がある。また、天暦6年(952)には正一位の最高の格付けをうけた。
 本宮は四殿から成り、第一本宮、第二本宮、第三本宮が東西の直線上に並び、第三本宮の南に第四本宮(神功皇后)が配される独特の配置となっている。幾度かの火災に見舞われ、その度に建て直されたが、住吉造とよばれる独特の建築様式をよく伝えている。現存する本殿は文化7年(1810)の建築で、国宝に指定されている。

 境内には本殿の他にも貴重な建築物が多い。摂社大海神社も住吉造で、宝永6年(1709)に建築され、重要文化財に指定されている。また、南門と東西の楽所、石舞台は慶長12年(1607)の建築とされ、重要文化財に指定されている。招魂社と2棟の高庫は大阪府指定の有形文化財に指定されている。他にも多くの摂末社があり、楠君社や反橋のように市民に親しまれる建造物も多い。

 神社に伝わる神事も多く、御田植え神事(国指定無形民俗文化財)、夏越大祓神事(府指定無形民俗文化財)若水の儀、住吉祭、踏歌神事、白馬神事などがある。

 建碑は、川端康成文学碑、島津忠久誕生石、生田南水句碑、蜀山人歌碑など多くが境内に散在している。また、無数の石灯籠の中には、池大雅、頼山陽、富岡鉄斎などの名筆による献灯もあり、目を楽しませてくれる。

 このように境内は種々の文化財の宝庫といってよいが、緑豊かな老樹・巨木もそれ自体が文化財といってもよい。楠君社の裏および表、反橋詰のクスノキなどは大阪市の保存樹に指定されている。これらの保存樹は老樹であるだけでなく、夫婦楠、縁切り楠などの伝説を帯びたものもあり、庶民の信仰の対象となっているものもある。

 緑陰に抱かれるように歴史的建造物、石造物、池、御田などが散在する住吉大社境内は市民に親しまれた憩いの場となっている。

 住吉大社は大阪のみならず、わが国の歴史・文化と深い結び付きがあり、その境内は歴史性を良く伝えており貴重である。

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