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【第1号】「子どもに伝わるほめ方・叱り方」 カウンセリングスペース・リヴ 佐藤まどか

2022年10月30日

ページ番号:120993

幼児期編(3歳~6歳のころ)


幼児期は、大人との距離を測りながら、これはやっていい、これはだめなんだということを覚えていきます。どう叱っていいかわからないとよく聞きますが「しつける」と「叱る」は決して同義語ではありません。極端な方法はいけませんが、理想の親になろうとするのはかえって負担になります。「これは嫌だよ」「ママは困る」とまずは自分の思いを子どもに伝えることもいいですね。怖がらずに自分流を見つけていきましょう。

「嘘やごまかし」

子どもが小さいと、つい、嘘やごまかしをしてしまうことがありますね。やめさせたいことを「あとで」とか、お菓子を持っていても「お菓子ないよ」など。大人だって用事がある、それは当然です。でも、「あとで」と言ったら、必ず「後で」声をかけてあげてください。自分が忘れていても、覚えてくれていた、この人の言うことなら聞いてみようかと思ってくれます。お菓子の件も同じですね。子どもは、「ないよ」と親が言った時も、あとから出てくるのを知っています。それなら「あるけど、これは公園で食べようね」「用事を待ってくれたら一緒に食べようね」など、ないことにするのではなく、先を楽しみにして、我慢をする力をつけてあげましょう。もちろん「よく待てたね」と言って頑張ったことも評価しましょうね。できないことは、ごまかさないで、こどもが泣いても「あとで」ではなく、「できない」と伝えましょう。できないこともあることを知るのは大事なことですね。嘘やごまかしが多いと、大人がいくら、しつけしようと思っても、話しを聞く土台が出来ないことになります。子どもの育ちは体験学習。してもらったことをちゃんと、心に刻んでいきます。耳触りの良い言葉をもらえば、子どもは話を聞こうと思ってくれます。

「譲らない」

そして、大人から見たら困ることをした時は、「やりたかったなあ、残念やけど出来ない」、「欲しかったね、残念やけど、お友達のおもちゃなんよ」、など、こどもの気持ちは、汲んであげて、残念に寄り添ってあげてください。気持ちは汲むけれど、行動は受け入れない姿勢は大事ですね。子どもが、泣いたり、わめいたりしながら、仕方ないと諦めようとしていることを、認めましょう。泣くのもわめくのも、大事な表現です。それは認める、「叱らなくてもいいけれど、譲らない」姿勢を大事にしましょう。そして、ここでも、おとなの話を聞いてくれたことを評価しましょう。

学童期編(小学校低学年~中学年)


学童期に入ると、子どもの世界はいっきに広がります。見えない部分も増えてきて、気になることもありますね。

「困ったを取り上げない」

困らないように、出遅れないようにとの親心から、「~出来たの?」「~しなさい」と先回りの声かけを多くしがちです。子どもが困るのを見るのは親は辛いものです。また腹立たしくもあります。それでも、チャレンジする気持や、前向きに考える力は、困ったり、失敗したりすることから育ちます。失敗を責められることは逆効果。失敗しないようにすることに気をとられ、かえって失敗する場面を植えつけてしまいます。友人関係、勉強、スポーツ、うまく出来なかった時に、「そうかー」と聞くだけでいいんです。子どもは自分で考えて、次はこうしようと学びます。それでも一回でクリアできないかもしれないけれど、その小さな積み重ねが、いつか大きな挫折を味わった時に、ポキンと折れてしまわない、強い心を育てるのです。

思春期編(小学校高学年~中学生)


思春期は親からもらった価値観を一旦壊し、再構築する時代です。親を真っ向うから批判することもありますね。「子どもといい関係を作るにはどうしたらいいか」と聞かれますが、人との関係が深くなるということは、もめることも出てくるものなのです。揉め事があって、どうやって立て直していくか、揉め事があっても、関わっていくにはどうしたらいいのかということを考える、相手にわからせるという発想ではなく、お互いにこう思っていると伝えることがさらに必要になってくるでしょう。そして、我が家の方針があってもいいのです。残念ながら我が家では許せないことなんだと伝えるのも大切です。その時に、「残念ながら」を大切にしてください。自分の要求が通らないことは残念なことだということは事実です。子どもとの関係を親も怖がらずに作りましょう。まずは正直に思うことを伝える、子どもの言い分もわかる・・と思うのであれば、正直にそれを口にすればいいのです。そうやって、怖がらない人間関係の作り方を見ることで子どももまた、外との関係を作っていく力をためるのです。

最後に


どの時期でも、関係なく「出来ていない」ことではなく「出来た」ことに着目して『ここまで出来たね』と伝えられるといいですね。親は、だめ!と怒ることは上手に出来ますが、なかなか「当たり前」と思うことを「出来たね」とは言いにくいものです。
親も子もお気楽に失敗したらやり直す気持ちで、関わってみましょうね。

                       執筆者:カウンセリングスペース・リヴ別ウィンドウで開く 佐藤 まどか

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