【第4号】「思春期その1 お母さん、くたびれていませんか?」 フェリアン 津村 薫
2025年1月15日
ページ番号:121018
「私の子育てって失敗だった?」はNG

子どもが産まれた頃のことを懐かしく思い出してみてください。泣いていたら、なんで泣いているかわからずおどおどしたり、静かに寝ていたら寝ていたで気になって、呼吸を確認してしまった新米ママの時代。そんな緊張がありましたよね。
すくすく育てと願い、頑張って育ててきた我が子。あやせば笑い、ハイハイし、よちよち歩きで、その可愛かったこと。ところが、その可愛い我が子が成長してきたと思ったら、あれよあれよという間に思春期突入。
あんなに可愛かったのに、いまや、ひとりで大きくなったような生意気な口をきく。
「別に」「うざい」「無理」「ムカつく」「ヤバい」と単語で話す。突然くってかかってくる。親を一人前に批判してくる。ちっとも素直じゃない。心配ばかりかける。やきもきさせるようなことばかりする。この時期の子どもの反抗的な態度に悩まされていませんか?あるいは、無愛想で、ろくに話してもくれない場合もありますね。
私の子育て、いったい何がまちがっていたのかな?もしかして、私の子育てって失敗だった?そんなふうに落ち込んだことはないでしょうか?でも、この考え方は、NGです。
いま、親の目から見て、子どもの人生がうまくいっていると感じられなかったとしても、それは長い人生の一時期のことですよね。子育て中は、「このままでは将来どうなるの?」と、ついつい先のことまで思い煩い過ぎてしまいますが、これを失敗だとは決めつけないようにしましょう。
思春期は、誰もが揺れ動き、不安定になる時期です。この時期に何もかもがうまくいき、まるで問題なしということはありえないのです。では、思春期って、いったい何が起きているのでしょうか?
思春期って、どんな時期?
小さな頃、親の価値観を絶対的だと思って育ってきた子どもたちが、それを疑い、自分の目で点検し、「じゃあいったい、自分って何者?」と、「親の子ども」だけだった自分ではない、新たな自分を獲得しようとするのが思春期です。いったん積み上げたものを崩すというこの作業は大変だし、危機的です。誰にとっても大変な時期なのです。
思春期になると、多くの子どもたちに、友達や先輩など親以外の人からの影響を大きく受け、それを重んじる態度が目立ってきます。
未熟なのに冒険したがるし、先々が見えていないのに生意気言うし、親から見ると、あぶなっかしくてたまりませんが、子どもは子どもなりに一生懸命、自分自身を築いていこうとします。親も大変ですが、子どもたちも戸惑っていることを忘れないようにしたいものです。この時期の子どもをよく理解して、応援してあげられるといいですね。
子どもたちの身体的変化

さて、この時期の子どもの大きな特徴として、体の変化があります。目まぐるしく変化していく自分の体に戸惑い、もてあまします。親の目から見ると特に理由などないのに、いきなりくってかかってきたりする態度は理解しにくいですが、子ども自身が揺れ動いているのです。
第二次性徴、この言葉、懐かしくありませんか。保健体育で習いましたよ。もちろん個人差がありますが、この時期の子どもは身長などの伸びも目覚しく、性的な変化も著しいのです。これもまた、時期に個人差がありますが、性毛、射精、初潮などの変化が表れます。
女の子は乳房の発達や、皮下脂肪がついて体つきが丸みを帯びてくるし、男の子は骨格や筋肉が発達して、たくましい体つきになってきたり、声変わりなどの変化があります。
情緒的・知的な発達も目覚しい時期になります。
とにかく難しいこの時期の子ども。でも、誰もが通る道でもあります。忘れないようにしたいのは、どんなに生意気でも憎たらしくても、そこにいるのは、あなたの可愛いお子さんにまちがいないということ。
そして、お子さんはまだまだあなたを必要としているということ。では、どんなふうにこの時期の子どもたちと向き合えばいいのか。次号からは、それを考えていくことにしましょう。
【参考文献】
FLC21子育てナビシリーズ7『思春期の危機と子育て』村本邦子・前村よう子著 三学出版
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