【第5号】「思春期その2 『びみょー』『うざい』ってなんなの?」 フェリアン 津村 薫
2025年1月15日
ページ番号:121021
「いまどきの若者は」
学校で禁止されているのに、メイクや茶髪にするとか、ズボンを思い切りずり下げて履いたりする子どもたち。「娘の目、瞬きしたら音がしそうなんですよ」「ズボンの裾が擦り切れて大変なんです」とこぼすお母さんたちに何度も会いました。
「いまどきの若者は」という言葉は、なんと紀元前にそのような書き込みが石造にあったというほど、古くからある言葉だと言われます。お母さんの青春時代、そんな言葉を年長者から言われたことはありませんか?
そういえば私も青春時代、流行の服を着たら、「いまの若い子のファッションはわからない」と言われた記憶があります。友達は、「スカートの裾からシュミーズが出てるよ」と、駅で知らない人に親切に注意されたと言っていました。そういうファッションだったのですが。当時、ズタ袋を持つのが流行っていて、私も持ってみたけれど、「お米屋さんみたい」と言われたこともありました。思い出すと、クスッと笑いがこみあげます。
若者文化

当時の流行をいまの思春期の子どもに話しても、「無理!」(笑)と言われてしまうことでしょう。カッコイイ!と思われるものが移り変わっていく、それが若者文化なのでしょう。
中学二年生の大樹くんは、お母さんが何を聴いても「うざい」「無理」「びみょー」「別に」「ムカつく」「終わってる」など単語で返事が返ってくるのだそうです。
ある時お母さんは、その都度繰り返してみることにしたそうです。「うざいんや?」「無理なんや?」「びみょーなんや?」「ムカついたんや?」「終わってるんか?」などです。そうすると、機嫌の良い時は、「そやで。だいたいアイツな」などと話が続くこともあるのだとか。これは良い方法ですね。言葉を繰り返してみると、意外に相手は「聴いてもらった感」を持ちやすいのです。
それにしても彼らの言葉といったら、本当に不思議です。食べ物がおいしいのに、なんで「ヤバい」んだろう?「普通にムカつく」というのは、どの程度腹立たしい状態を指すんだろう?と、私も不思議でなりませんでした(笑)。「どんなふうに微妙だと感じたの?」なんて言葉がけで、話がふくらんでいくと良いかもしれませんね。
いまの若者たちの課題

このような言葉遣い以外にも、地べたに座るとか、邪魔になっているのに迷惑な行為をすることがあるかもしれません。
社会のルールに反することについては、子どもと話し合ってみると良いですよね。こういう場合は頭ごなしに叱り飛ばすのではなく、「反対の立場だとどう感じるか、考えてみようよ」と、他の人の立場に立って考えてみるなど、想像力を広げる手助けをしてあげられると良いですね。また、私たち大人の態度も、彼らのモデルになっているのか、考えてみたいものです。
地域社会が崩壊し、人と人とのつながりが薄れ、携帯文化が定着した世代の若者たち。生身のコミュニケーションが苦手だという子が多く出てきました。ドキドキしながら友達の自宅に電話をかけ、電話口に出た相手の親に挨拶をする、近所の人と会えば会釈をするなど、過去には当然だった文化が退れた分、若者たちは人間関係のトレーニングの場を失ってきたのかもしれません。
若者たちへの刺激・誘惑・罠
そして、コンビニ、カラオケやレンタルビデオ店、ファーストフード、または出会い系サイトなど、過去にはなかった文化からの刺激・誘惑・罠があります。中学1年生の敦美さんは、「15分ルール」に緊張しています。友達からメールがあった時に15分以内に返信しないといけないというものです。
携帯の着メロが鳴ると、そわそわと落ち着かなくなる敦美さんを心配したご両親が親子で話し合いを持ちました。携帯電話を持つことのメリットってどんなことだろう?デメリットは何だろう?一緒に確認した上で、メリットの多い使い方について考えてみました。
夜、携帯電話はリビングに置く、自分の部屋に持ち込まない、時間や料金の制限を設けて、それ以外の時間も大切に使っていこうね、など、本人も自分が楽になる方法について意見を言い、それを守ることにしました。この時に、ご両親は決して叱り過ぎず、「一緒に考えてみよう」という態度で臨み、一方的に決めつけた態度をとらないように気をつけたといいます。
携帯やゲームなども、いかに自分が上手にそれとつきあうか、振り回されるのではなく、自分がコントロールできるか、それらが課題になってきます。親子で良いコミュニケーションが持てると良いですね。
執筆者:女性ライフサイクル研究所Felien(フェリアン) 津村 薫
【参考文献】FLC21子育てナビシリーズ7『思春期の危機と子育て』村本邦子・前村よう子著 三学出版
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