平成22年第25回教育委員会会議
2024年7月10日
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平成22年第25回教育委員会会議
第25回教育委員会会議録
1 日時 平成22年12月24日(金曜日)午後3時~午後4時10分
2 場所 大阪市役所本庁舎屋上会議室
3 出席者
勝井 映子 委員
池田 知隆 委員
長谷川惠一 委員
永井 哲郎 教育長
中尾 寛志 教育次長
沼守 誠也 教育次長
岡田 俊樹 総務部長
荻野 哲男 教務部長
山條 哲男 教職員資質向上担当部長
三宅 卓 生涯学習部長
吉田 豊治 指導部長
大東 正則 教育事業監理担当部長
小畠 稔 学校経営管理センター所長
藤巻 幸嗣 教職員人事担当課長
渡部 祥代 教職員資質向上担当課長
三田村珠央 教職員人事担当課長代理
中野下豪紀 教務部担当係長
原田 公寿 教務部担当係長
辻井 昭之 教職員給与・厚生担当課長
朝田 佳明 教育センター主任指導主事
小川 芳和 総務担当課長
川本 祥生 総務担当課長代理
松浦 令 総務部担当係長
ほか係員1名
4 次第
(1)勝井委員より開会を宣告
(2)勝井委員より会議録署名者に長谷川委員を指名
(3)議題
議案第156号 指導が不適切である教諭等の認定及びステップアップ研修の決定について
議案第157号 ステップアップ研修後の措置の決定について
議案第158号 職員の人事について
議案第159号 職員の人事について
報告第 26 号 市会提出予定案件(その17)
なお、議案第156号から第159号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、報告第26号については教育委員会会議規則第6条第1項第5号に該当することにより採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。
(4)議事要旨
議案第156号「指導が不適切である教諭等の認定及びステップアップ研修の決定について」を上程
渡部教職員資質向上担当課長からの説明要旨は以下のとおりである。
中学校体育科教諭について、授業を構成する力、授業中の生徒管理、生徒の安全に対する配慮ができない状況であり、とりわけ体育の授業で危険な場面も見受けられたため「指導が不適切である教諭等」と認定し、平成23年1月1日から平成23年4月30日まで、第一次ステップアップ研修を実施してまいりたい。
質疑の概要は以下のとおりである。
長谷川委員「この資料を読んでいると、ガバナンスが効かない授業はこの教諭だけではないのではないのか。理由としてあげていることが揚げ足をとるような内容が多いと感じる。書き方としてこれでいいのか。学校がこの教諭に関わって本当に困っている状況を書くことはできないのか。この教諭は病気を抱えている可能性があるが、それは明確にできないのか。」
渡部課長「病気について、複数の病院へ行っているが、異常なしと診断されている。病気があるかどうかについては、ステップアップ研修に入った後もフォローしていきたいと考えている。」
長谷川委員「このぐらいの教諭は他にもいるのでは。」
渡部課長「この教諭の課題は少しでも生徒がざわざわすると、すぐに職員室に誰か来てくれと助けを求めるが、その後騒いだ生徒を指導する際には同席しないということであり、他の教諭と協調せず連携もとらないので、学校は非常に困っている。」
長谷川委員「それは研修を受けても変わらないのではないか。こういうステップアップ研修をやった結果をまとめた場合に、改善したケースは少ない。書いた内容は揚げ足取りだと言われる可能性がある。揚げ足取りになるのではなく、この人のために改善しようというスタンスで書いたほうがいいのではないか。ステップアップ研修に入れるために、これらの事由をとりあげているような文章に思える。」
山條部長「教育公務員特例法で指導力不足教員は適切な研修を行い、その結果を見て措置しなければならないと定められており、状況によっては分限免職もある。今は指導力不足の現状を説明したつもりである。まず研修に入ってもらって、ステップアップ研修では教員を育てるつもりで指導して欲しいと指導員にお願いしている。結果は結果として判断しなければならないこともあると思う。一つでも完全に改善されれば現場復帰できる可能性もあるかもしれない。本件については体育の教員としての観察結果を受けての判断であるが、今後も十分検討していきたい。」
池田委員「私も長谷川委員と同意見である。前任校での状況はどのようなものだったのか。」
渡部課長「前任校でもすでに問題があった。」
池田委員「今回こういう問題が生じたのは年齢的な問題と燃え尽き症候群みたいなものがあるのではないか。現場では生徒指導などで疲れて、校内で他の教員とコミュニケーションがうまくとれないということになって、いろいろなところで意欲が低下していって、指導力が低下していったのではないかという印象を受ける。こういう人に意欲を持たせるのは難しいが、どのように研修をしていくのか。」
山條部長「子どもの捉え方について振り返ってもらい、いつからそうなったのかを自覚させたい。先生になりたかったときの気持ちを思い出してもらい、いつからこうなったのか振り返ってもらいたい。振り返りができないと変われないので、その点に一番気をつけてやっていきたい。」
長谷川委員「5人の指導者がつくことになっているが、5人が指導すると無責任体制になってしまうのではないかと思う。1人に対して1人の指導者をつけて具体的な現場で指導するほうがもっと効果があがるのではと思う。このようなOFFJTの研修は誰か1人がその人をきちっと面倒みていくという関係のほうがうまくいくと思う。今すぐではないが、検討してもらいたい。」
山條部長「主担者は決めており、その指導者が主となって研修をすすめている。」
勝井委員「やる気が出ない原因が何かあるのではないか。ステップアップ研修の中で最初になぜ子どもに向き合えなくなったのかを十分時間をかけて聞いてあげて、なぜそうなったのか自分で考えるようにしてもらいたい。この教員のいいところやがんばってきたところも少しは評価してあげてほしい。聞く時間を長くとってやってほしい。」
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
議案第157号「ステップアップ研修後の措置の決定について」を上程
渡部教職員資質向上担当課長からの説明要旨は以下のとおりである。
平成22年9月より第一次研修を実施してきた小学校教諭について、第一次研修の状況及び指導力向上支援・判定委員会からのステップアップ研修の延長が妥当であるとの意見を鑑み、平成23年1月26日から平成23年5月25日までステップアップ研修を延長するものである。
質疑の概要は以下のとおりである。
長谷川委員「二次研修へ行く率はどれくらいあるのか。」
渡部課長「これまでは100%である。」
長谷川委員「それではPDCAサイクルで回すとほとんど成果があがっていないということになる。」
山條部長「確かに1期4ヶ月では全く成果があがっていない。ただ、本件はアルコール依存の状況が明らかになり、この段階でようやくアルコール依存の治療を行うと本人が決意し現在入院中である。アルコールの影響がどの程度あったのかの検証がある程度必要である。」
池田委員「大阪市はうつや精神疾患の教員が多い状況がある。全国平均の3倍と言われている。全国より3倍高いという根本原因を見極め、予防的対策をもっと考えていかなければならない。予防策についてどのように考えているのか。」
荻野部長「早期発見のため、メンタル不調とはどういうものかということを管理職を中心に周知している。また、メンタルということがわかった場合の対処方法がわからないということが課題としてあるので、校長が部下のメンタル不調を把握したときにどうすればいいか相談できる仕組みを作っている。セルフケアとして健康診断の中でメンタルに関するチェック項目を設けている。カウンセリングルームも設けているので、メンタル不調を感じたときに外部の人に相談ができる仕組みがあると教職員に周知をはかっている。管理職にメンタル不調に関する研修もやっている。来年の4月頃をめどにメンタルヘルスに対する基本的な指針を作ってそれにあわせた取組を進めていくことを考えている。」
池田委員「大阪は大阪なりのしんどさがある。大阪の教員は全国よりも孤独なのかと思ってしまう。コミュニケーションのあり方や職場環境を含めて真剣に考えないといけない。」
長谷川委員「もう一つ前の段階に考えないといけないことがある。発見する仕組み作りをしようとしているが、それよりも前に、職場の雰囲気作りをやっていかなければならなない。管理型の職場では精神的に弱い人は倒れてしまう。ポジティブな雰囲気、ほめる機会を増やすような雰囲気作りが必要である。悪いことばかり指摘すると全体の雰囲気が崩れてしまう。そこにポイントを置いたほうがいい。校長や教頭が教員のいいところをほめるような仕組み作りにウェイトをかけてほしい。心理的に弱い人が増えているのは事実なので、そういう仕組みに移行しないといけない。管理型では余計にメンタル疾患が増えると私は考えている。」
荻野部長「例えば課題とされている保護者対応について、個人的に対応するのではなく組織的に対応しようとしている。マニュアルも整備し周知している。もっと進めていけば委員がおっしゃるようにマネジメントの問題になる。校長、教頭を中心に学校の中で問題を組織で解決する姿勢や日頃いろんな課題を共有しようとする職場の雰囲気作りなどをどうしていくかが原点であると思っている。マネジメント研修や校長の研修もやっていきながら、今後も意識して取り組んでいきたい。」
中尾次長「現状は市長部局でも締め付けになっている。職場を明るくする、前向きな姿勢をつまないような雰囲気作りもあわせてやっていかなければならないと思う。」
荻野部長「我々として考えている課題として長時間勤務があり、長時間勤務を減らすよう取り組んでいる。長時間勤務の調査をして、その理由を調べている中で、反応としてこんなに頑張っているのに早く帰れというのかという意識があった。なんとか組織的に対応したり、事務を工夫することで少しでも教員の負担を減らすことを考えていきましょうという姿勢を示すことが大事だと思う。教育委員会と学校現場で一緒によりよい方向に変えていきましょうという姿勢を示していきたい。」
長谷川委員「カウンセラーは症状が悪い人を治す人であり、カウンセラーではなくメンターを管理職の横に置くことにより、ポジティブな雰囲気を作っていくようにしてほしい。その人が学校の指導に責任をもってもらうような仕組みづくりをしていってほしい。」
教育長「副校長など校長をサポートする人材について、法律上は置くことができるが、大阪府では置かないという方針である。すべての人事権をもらえればいいのだが。現状ではおっしゃるように校長をサポートする人がいない弱さがある。教員以外の職を市単費で置くことは方法的には可能だが現実的には難しい。ただ、学校長がポジティブアプローチができるような取組はしていきたい。」
勝井委員「いいところが全くない人はいないと思うので、いいところも少しは言ってあげてほしい。その人のこれまでの状況を見て、いいところがあれば、そこを伸ばしてあげるようにしないと、いつまでたってもよくならないような感じがする。できたら次回から口頭でもいいので教えてほしい。」
教育長「当該教諭はアルコール依存症があるので、それが治れば大幅に改善する可能性もある。」
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
議案第158号「職員の人事について」を上程
藤巻教職員人事担当課長からの説明要旨は以下のとおりである。
中学校の事務職員について、学校維持運営費の執行管理業務を担当していたところ、平成20年度から平成21年度にかけて385件で本来行うべき支出起案書の作成などの適正な会計事務を怠り、公務運営に支障を生じさせ、また、校長及び教育委員会事務局から再三にわたり支出起案書の作成などの指導を受けていたにもかかわらずこれに従わなかったため、懲戒処分として減給10分の1 3月を科すものである。
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
議案第159号「職員の人事について」を上程
藤巻教職員人事担当課長からの説明要旨は以下のとおりである。
小学校の事務職員について、学校維持運営費の執行管理業務を担当していたところ、平成21年度から平成22年度にかけて13件で本来行うべき支出起案書の作成などを怠り、無断で業者と契約し、購入代金を私金で支払うなどの不適正な会計事務処理を行ったため、懲戒処分として減給10分の1 3月を科すものである。なお、当該職員は、平成21年5月から11月にかけて適正な会計事務を怠り、契約代金の支払遅延を招いたとして平成22年1月に文書訓告を受けている。
質疑の概要は以下のとおりである。
勝井委員「自分のお金で支払おうとしたとのことだが、なぜそういうことが起きるのか。」
中野下係長「予算がないのに発注したり、支払いをすべき期間を経過していて公金で支払うことができなくなってしまったということである。自分のミスなので自分で立て替えたら済むと思ったと本人は言っている。」
勝井委員「予算が足りない場合はどうすればいいのか。」
中野下係長「校長に相談した上で、事務局から予算を追加配当してもらってから契約を行うなどである。」
勝井委員から、内容の主旨に異議はないものの、一部に適切でない表現があることから、内容について原案どおりとし、表現については再調整してほしい旨の動議が提出された。
採決の結果、委員全員異議なく、動議のとおり可決。なお、再調整した議案は、会議終了後に各委員の了承を得た。
報告第26号「市会提出予定案件(その17)」を上程
辻井教職員給与・厚生担当課長からの説明要旨は以下のとおりである。
大阪府において、国庫負担金の算定基準の改定に準じて平成23年4月より義務教育等教員特別手当の支給額を引き下げることとなったため、大阪府に準じて制度を定めている市費負担教員についても同様の改正を行うものである。具体的には、現行月額11,700円を超えない範囲を月額8,000円を超えない範囲に改める。
採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。
(5)勝井委員より閉会を宣告
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