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平成24年第12回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:153593

平成24年第12回教育委員会会議

第12回教育委員会会議録

 

1 日時  平成24年3月29日(木曜日)午前9時30分~午後0時

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

矢野 裕俊  委員長

長谷川惠一  委員

佐藤友美子  委員

勝井 映子  委員

高尾 元久  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長兼総務部長

沼守 誠也  教育次長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

三宅  卓  生涯学習部長

沢田 和夫  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

小畠  稔  学校経営管理センター所長

川阪  明  人事・効率化担当課長

玉置 信行  総務課担当係長

武井 宏蔵  総務課担当係長

徳岡 信英  学事課長

砂  敬三  総務部担当係長

藤巻 幸嗣  教職員人事担当課長

三田村珠央  教職員人事担当課長代理

高井 俊一  教職員人事担当課長代理

橋本 洋祐  教務部担当係長

宇野新之祐  教務部担当係長

栗信雄一郎  教務部担当係長

渡部 祥代  教職員資質向上担当課長

原田 公寿  教務部担当係長

辻井 昭之  教職員給与・厚生担当課長

吉岡 範行  教務部担当係長

深見賢一郎  学校保健担当課長

大島 一晃  教務部担当係長

赤銅 久和  初等教育担当課長

田中  節  指導部主任指導主事

寛座 純一  高等学校教育担当課長

森  知史  指導部首席指導主事

長谷川義高  指導部指導主事

朝田 佳明  教育センター主任指導主事

森本 充博  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

ほか係員2名

 

4 次第

(1)矢野委員長より開会を宣告

(2)矢野委員長より会議録署名者に高尾委員を指名

(3)議題

議案第53号 大阪市立高等学校学則の一部を改正する規則案

議案第54号 教育委員会所管の学校の教員の期末手当及び勤勉手当に関する規則の一部を改正する規則案

議案第55号 学校給食物資購入基金管理規則の一部を改正する規則案

議案第56号 教育委員会所管の学校における指導が不適切である教諭等の研修に関する規則の一部を改正する規則案

議案第57号 指導力向上支援・判定委員会委員の委嘱について

議案第58号 指導が不適切である教諭等の認定及びステップアップ研修(校外研修)受講の決定について

議案第59号 平成24年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト採用者の決定について

議案第60号 職員の人事について

議案第61号 職員の人事について

議案第62号 職員の人事について

報告第 3号 平成25年度大阪市立高等学校入学者選抜の主な日程等について

報告第 4号 労使関係等の調査について(報告)

なお、議案第58号及び議案第60号から議案第62号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、議案第59号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号及び第5号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第53号「大阪市立高等学校学則の一部を改正する規則案」を上程。

小川学校配置計画担当部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成24年4月1日の大阪ビジネスフロンティア高等学校の開設にあたり、同校の収容定員に合わせて、東商業高等学校、市岡商業高等学校、天王寺商業高等学校の収容定員をそれぞれ段階的に調整してきたところ、天王寺商業高等学校の英語科について、平成24年3月末をもって在籍する生徒がいなくなることから廃止するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「3つの学科があった中で英語科をいち早く募集停止したことに伴っての改正ということか。」

教育長「そのとおりである。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第54号「教育委員会所管の学校の教員の期末手当及び勤勉手当に関する規則の一部を改正する規則案」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

大阪府において、大阪府人事委員会の意見を踏まえて、評価結果を勤勉手当に反映するための原資の一部として対象者全員の勤勉手当基礎額に0.015月分を乗じて得た額を充てているが、これを0.03月分に改める改正がされたことを受け、大阪府に準じて給与制度を定めている市費負担教員についても同様の改正を行うものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「成績率をかける対象は何か。」

辻井課長「教職調整額を含む給料月額と地域手当と職務段階別加算をたしたものが勤勉手当基礎額となり、これがベースとなる。」

高尾委員「説明が市民にはわかりにくい。標準的な例としてSの評価であればいくら加算されるという例があればわかりやすく説明することができると思うのだが。」

林田部長「勤勉手当基礎額が35万円の者で試算すると、基本となるB評価と比べてA評価はこれまで26,600円の加算だったのが、改正後は38,500円の加算となる。S評価はB評価と比べて53,200円の加算が77,000円の加算となる。」

長谷川委員「勤勉手当基礎額は給料月額と地域手当と職務段階別加算をたしたものとのことだが、いわゆる本俸とは違うのか。」

林田部長「いわゆる給料がここでいう給料月額のことである。」

長谷川委員「長期間の反映と短期での反映という説明があったが詳しく教えてほしい。」

林田部長「長期の反映というのは昇給へ反映させることであり、短期の反映が勤勉手当への反映である。長期の反映はこの規則には出てこない。短期への反映に重きを置くという考え方になっている。昇給に関しては、これまではS評価とA評価が5号給、B評価が4号給、Cが3号給、Dが0号給の昇給だったのがS、A、B評価が4号給で、Cが2号給、Dが0号給の昇給に改正され、反映の程度が低くなっている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第55号「学校給食物資購入基金管理規則の一部を改正する規則案」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

財団法人大阪市学校給食協会が公益財団法人認定を受けたことに伴い、当該協会の名称変更を行うものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「公益認定を受けたのはいいことだと思う。基金と協会のお金の流れはどのようになっているのか簡単に教えてほしい。」

深見課長「食材費については、保護者の給食費で賄われており、各学校から給食協会へ学校単位で食材費が支払われるが、給食協会から食材納入業者へ代金を支払う時期と各学校から給食協会へ支払われる時期にずれがあり、給食協会が納入業者に支払わなければならない額よりも学校から集まった額が不足するタイミングが生じるため、基金から一旦立て替え払いをし、後に各学校から給食協会へ支払われた食材費を基金に繰り戻している。」

高尾委員「主として時間差によるものということか。」

深見課長「そうである。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第56号「教育委員会所管の学校における指導が不適切である教諭等の研修に関する規則の一部を改正する規則案」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

近年、法律及び条例によらない審議会等の設置が違法とした判決が出されていることを受け、全市的に審議会等の管理や運営の適正化を図るため、条例に寄らない審議会等については、意思決定をする場ではなく、意見を聴取する場であるとして、規則要項等の整理を行うこととされたことに伴い、意見聴取の場として利用する会議として整理するなどの規定の整備を行うものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

佐藤委員「今のような観点で改正しなければならないものは他にあるのか。」

渡部課長「教育委員会ではあと一つ条例に寄らない審議会があり、改正を検討中である。その他は条例で定められているか、要綱に基づいて設置されており、要綱は適宜改正している状況である。」

高尾委員「任期や人数が削除される改正となっているが、これはその時々の会議の時に指定することになるのか。」

渡部課長「規則上は削除されるが、委員の任命に当たっては教育委員会会議でお諮りすることになるので、その際には審議を賜りたい。」

委員長「任期は定めないとのことだが、実態として同じ人がずっと続けることには問題があると思うが、規則上は定めなくても目安は考える必要があると思う。」

林田部長「これまでと同様に2年を目安にしたいと考えている。」

教育長「規則上はなくなるが、委員の委嘱は教育委員会会議が議決すべき案件として残り、そこで任期を2年とするということである。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第57号「指導力向上支援・判定委員会委員の委嘱について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

指導力向上支援・判定委員会委員について、委嘱期間満了に伴い、5名を再任し、狭間惠三子氏の後任については候補者が決まるまで欠員とし、木原俊行氏の後任に専門的知識を有する者として大阪教育大学の臼井智美氏を新たに委嘱し、任期は平成24年4月8日から平成26年3月31日までとする。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「臼井氏の業績をもう少し詳しく教えてほしい。」

渡部課長「ケーススタディについて、教員の研修を校内研修の中に位置づけ、しっかりと初めの授業をみて評価をし、助言を行って、教員がどう変わっていったかということをビデオに撮影しながら研究し、様々な先生方に見ていただいてその成果をあげている。地道に学校をまわって実践的な研究をしている。また、外国籍の子どもが学校の中でどう育っていくかについて研究をしており、そういった子どもへの指導にも造詣が深いと聞いている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

報告第3号「平成25年度大阪市立高等学校入学者選抜の主な日程等について」を上程。

小川学校配置計画担当部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成25年度大阪市立高等学校入学者選抜の主な日程について、前期入学者選抜のうち、専門学科の全日制及び総合学科の全日制の出願期間を平成25年2月13日から2月14日とし、学力検査を平成25年2月20日とし、合格者発表を平成25年2月26日とし、後期入学者選抜のうち、普通科の全日制及び定時制の課程の出願期間を平成25年3月4日から3月5日とし、学力検査を平成25年3月11日とし、合格者発表を平成25年3月18日とする。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「卒業式よりも早く後期選抜試験を行ってほしいとの要望が保護者からあったとのことだが、この卒業式とは中学校の卒業式のことか。」

小川部長「そうである。」

委員全員異議なく承認。

 

報告第4号「労使関係等の調査について(報告)」を上程。

荻野教育次長兼総務部長及び林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

前回の教育委員会会議で承認されたアンケートを実施したが、現時点での集約状況について報告する。事務局について、事務局職員のうち、1名が部下職員について組合活動と思われる電話を見かけたり、注意した事例があり、指導主事のうち、1名が所属教職員による勤務時間中の組合活動に関するビラや機関紙等の配布を見たまたは聞いた事例があった。また、事務局職員のうち、1名から3名の職員が異動候補者や人事配置案について組合に協議、説明又は意見聴取を行うなどの事例があったが、いずれも組合からの内容を受け入れておらず結果の報告のみであった。市会議員等からの口利きについて、1名が職員の採用について依頼を受けた経験を、2名が採用・昇任以外の人事関係について依頼された経験がある旨の回答があった。学校園について、勤務時間中に所属教職員が組合活動しているのを見聞きしたことがあると回答した者が延べ99名いた。また、組合や市会議員等から、人事異動・校内配置・昇任等に関して何らかの意見等を受けたと複数名が回答しており、そのうち実際に教育委員会への要望に反映させたと回答した者が延べ9名おり、組合や市会議員等に対し、人事異動全般に関して何らかの頼みごとをしたと回答した者が複数名おり、実際に効果があったと実感した者が延べ4名いた。また、勤務時間中に政治活動に関するビラや機関紙等を配ったことがあると回答した者が2名おり、所属の教職員がビラや機関紙等を配っているのを見聞きしたという者が7名いた。なお、自由記述欄については現在集計中であり、集計結果については第三者調査チームにも報告を行う。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「本日は速報ということで説明を聞いた。現時点での調査結果についてどう評価しているのか。」

林田部長「今回無記名での回答であり、期間を示してアンケートを行ってはいるが、どの時期のことかというところまでははっきりと確認できない。勤務時間中の組合活動について複数名の回答があるということは、不適切な実態があると言わざるを得ない。今回これを調査チームへ報告する。そして、全市的な方向性が出されるかと思うので、十分連携をとりながら適切に対処したい。今後生じさせない取組が重要である。不適切な実態を見聞きすることがあれば厳正に注意し、教育委員会へ報告を求めるということを学校園に周知していく必要がある。」

佐藤委員「学校園の調査結果の(3)の2つ目について、教育委員会が関係している可能性が疑われ、問題が大きいと考えるが、この点についてどう評価しているのか。」

教育長「3ページの(3)と4ページは対の質問であり、これについては我々の方でもこの間携わってきた課長級に調査する必要があると考えている。第三者調査チームは年度内に調査報告書を出すと聞いており、その内容をみたうえで考えていきたい。」

高尾委員「任意調査だったのでわからなければ答えてもらわなくてもいいが、学校の回答率が81.6%となっており、回答しなかった人はなぜ回答しなかったのか。」

林田部長「それは確認できない。」

高尾委員「正確に聞けなかったことがあろうかと思う。見たと聞いたでは評価に差が出てくると思うし、いつのことかわからなければ評価しにくいところがある。そういう前提条件を踏まえて言えば、(3)で頼んで効果があったと答えた人が数人でもいるという事実は重い。人事に組合を関わらせたという実態があったのは不適切であると感じる。いずれにしても速報なので自由記述欄を見てから教育委員会としての方針を出さなければならない。」

教育長「教職員人事担当からは口利きによって影響されたことはないと聞いている。人事のことであるので、依頼があろうがなかろうが当然そうなるということがあり、それについて効果があったと思われることはありうる。」

委員長「効果があったと感じるかどうかは非常に主観的なもので、そういう口利きや介入に影響されることはあってはならないが、そうならないためにもそういう話は聞かないということを徹底してもらわないといけない。話を聞いてしまうと、中身として妥当な人事であったとしても、言った方は効果があったと感じる。」

教育長「数年前に九州地方で教職員人事を巡って不祥事が起こり、それを受けて我々も厳格にしており、最近ではないと考えている。それ以降は教員の採用や採用の方針についても教育委員会会議で案件として諮るように変えており、今そういう恣意が働く状況というのは極めて少ないと考える。」

荻野次長「地域の声や要望、先生の評価と人事の口利きをどう線引きするかという問題がある。学校の先生に関することを聞くのを一切シャットアウトすることはできないので、線引きや考え方を整理する必要があると思う。今後検討したい。」

高尾委員「最終の結果が出るのはいつか。」

教育長「自由記入欄を整理するのに時間をもらいたい。2週間程度かかるかと考えている。」

委員全員異議なく承認。

 

議案第58号「指導が不適切である教諭等の認定及びステップアップ研修(校外研修)受講の決定について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

中学校数学科教諭について、管理職や在籍校の教諭、資質向上推進室指導員などからの指摘やアドバイスを受けているにもかかわらず、教科における基本的な指導力が不足しており、改善が十分には見られないため「指導が不適切である教諭等」と認定し、平成24年4月1日から平成24年7月31日まで、第一次ステップアップ研修を実施してまいりたい。

質疑の概要は以下のとおりである。

勝井委員「以前講師で採用されているが、講師の時はどのような問題があったのか。」

渡部課長「1つ目の学校では習熟度別学級にチームティーチングで入っていたが、適切なサポートができなかったということがあり、2校目は1学期の早い時期に学級での授業が成立しない状況が生じ、管理職や周りの教員が入りこんで授業を行うということがあった。」

勝井委員「そういう人を採用してしまっているという問題がある。そのような情報を採用にも何らか反映しないといけないのではないか。」

教育長「当該職員が採用された時は合格基準点の制度がなかったが、今は基準点を設けているので、今の制度であれば不合格になっていると思われる。当時は筆記の点が非常に高ければ、面接でいくら点数が悪くても合格になっていた。」

勝井委員「それはわかるが、講師をやっているので、適格性についてはある程度わかっているはずである。それを反映させないと、点数だけでは失敗する。」

教育長「ただ、競争試験なので、そういうことは難しい。」

委員長「筆記が高いというのはどの試験か。」

教育長「2次の筆記試験であり、数学の専門試験である。自分では問題を解けるが、子どもに教えられない。数学的な能力はあるが、子どもに考えさせるということができていない。そのあたりを指導することになる。」

勝井委員「本人に意欲はあるのか。」

教育長「態度はいい。おそらく子どもがつまずくところが理解できていないのだと思う。」

勝井委員「採用試験の際に子どもにどう教えるのかも書かせるような試験をするなど工夫はできないか。」

教育長「合格基準点を導入しているので、これからはこのような受験生は合格しない。」

勝井委員「もちろんその問題はあるのだろうが、教え方の上手い下手はあるので、それをみる試験を課すことはできないのか。」

教育長「以前は模擬授業をやっていたので、そういうことを見れたが、今は模擬授業をやめて場面指導をとりいれている。どういう工夫ができるか考えたい。」

勝井委員「今後そういう人を採用しない方法を考えないといけない。」

林田部長「数学及び理科は受験者数が少なく、講師として不十分とわかっていながら、講師が配置できないという状況があり、そういった中で力量が十分でない人がいるがその人を講師として配置しないのかどうかというぎりぎりの判断があり、それが最終的にこういった新規採用に至ったことは反省しなければならない。」

教育長「高校の不合格者を中学校にまわせるように変更したので、今後は状況は少しましになると思う。」

委員長「前から言っているが、講師への研修が枠外になっているのが問題である。講師に対する制度的な研修なり力量向上のための仕組みがないにもかかわらず、講師を経験したら採用試験で優遇していることは問題である。講師を1年したら教師らしくなるだろうということでやっているのだと思うが、こういうケースが出てくるということはそれが当てはまらないということである。子どもや保護者からしたら、自分が教わっている先生が本務なのか講師なのかはわからないし、選ぶことができない。講師についてもっと考える必要がある。教員免許があれば教えられることに制度上はなっているが、教員免許があってもそれだけでは十分ではないのではないか。」

教育長「ただ、研修を受けさせるとなると、その間学校に穴が開くということがある。」

委員長「年度途中から学校に入るとなると、通常よりも力量がないと難しい。それが逆になっているのではないか。例えば管理職で退職した人で急場を助けてもらえる人がいればいいのだが。そういう人を広く呼び掛けるとかできないか。」

林田部長「再任用の講師はいるが、年度途中というよりも1年間を通しての講師になっている。年度途中の欠員に対応できるようプールすることについては、府費の総枠の問題から困難である。」

委員長「再任用は3年までであるので、再任用を終えた人に頼むなどはどうか。」

林田部長「確かに講師に定年はなく、65歳でも元気な方はおられるので、声かけはより積極的にやっていきたい。」

高尾委員「理科系の先生は教え方が難しいということはあるか。」

沢田部長「専門性をもって教員になるのでそういうことはない。授業づくりについての経験が欠けており、生徒が何につまづいているのかがわからないということがある。当該教員は自分で問題を解くことはできるが、それをどう教えればいいかわからない。数学のおもしろさを伝えず、答え合わせしかせず、答えを導きだすための教え方しかしていない。」

高尾委員「講師のスキルアップのための取組をお願いしたい。ステップアップ研修でどのように改善するかを見届けたい。今後として講師時代の状況も報告してもらって、採用に反映できるようしてもらうことが必要ではないか。」

荻野次長「現行の試験制度上、試験の科目以外の要素を取り入れることはできない。例えば講師としての力量を考慮することは現行制度上はできない。」

高尾委員「それも課題である。講師特例についても、経験があるから一律に軽減するのでなく、一定レベルに達していたら優遇ということにならないか。」

教育長「当該教諭についても面接官が面接時に授業ができそうかどうかチェックはしている。合格基準点を導入したので今後は少し違うと思う。」

荻野次長「当該教員は面接試験の2回とも点数が低く、こういう状況になりかねないことが分かっていながら採用せざるを得なかった。面接官のスキルアップと合わせて考えていかないといけない。」

佐藤委員「筆記試験の中で授業のプロセスが見えるようなことができればいいが。」

沢田部長「指導案を書かせる試験を課し、その中でプロセスは見れるようにしている。当該教諭がどのようなことを書いたかはわからないが、点数をとっていることから、書けることは書けるのだろうと思う。」

勝井委員「高校の免許があれば、小中は合わなくても、高校でできる子であればフィットするかもしれない。高校生なら自分で聞きに行くということができる。向き不向きはあると思うので、いいところがあれば見つけて伸ばしてあげてほしい。」

長谷川委員「これだけの人数を採用すればこういう人は出てきても当たり前だと思う。精度を上げる努力は今後も必要だが、当該教員の人生を考えたときにステップアップ研修は本当に当該教員のためになるのか。当該教員のためを思うなら、新しい進路を示してあげる方がいいのではないか。どこかでそういう役割をしてあげて、できれば進路まで支援してあげるところまでした方がこの人にとっていいと思う。ステップアップ研修は弱いところばかり指摘することになるので。」

沢田部長「校長も当初は当該教員をほめながら育てるようにしていたが、そうすると、ほめられているのでできていると勘違いしていたようである。今回の研修についても当該教員は前向きにとらえているとのことであり、ことの重大性を認識していない。ステップアップ研修では本人の人格、教師として認めることから入るので、ステップアップ研修に入ることになった原因がどこにあるのか振り返って積み上げていくことになり、その時点で本人が教員に向いていないと気付けば新しい進路を示すことができる。最終的な場面では別だが、決して追い詰めていくような研修にはしない。丁寧にしていけば教員に向いていないことに気づくと思う。」

長谷川委員「報告書にはそういうことが書かれていない。当該教員が本当に信頼できる先生との出会いがあれば、おっしゃった内容のこともありうるが、この報告書を見る限り難しいと思う。ステップアップ研修を時間稼ぎとして実施することによって、最終的に辞めさせる研修ととられる可能性がある。この報告書では気づきが本当に起こるか疑問である。そういうシステムが流れとして必要ではないか。指導官との信頼関係を結べる人が指導する仕組みを考えればどうか。」

佐藤委員「私はステップアップ研修の委員をしていたが、指導員は信頼関係を結ぶ所からやってくれる。目覚める人は目覚めていく。この教諭は能力はあると思う。自分で気づきがあればなんとかなるかもしれない。彼にとって有益な経験となる可能性はある。それだけ一人の人間に関わってくれることは他にはあまりない。ステップアップ研修を受け、だめなら本人もあきらめがつくのではないか。」

委員長「当該教員は自分自身を見る目に欠けている気がする。教師で大事なことは自分自身を見つめなおすことである。そこをステップアップ研修の中でやってもらいたい。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第59号「平成24年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト採用者の決定について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成24年度の大阪市立学校・幼稚園教員採用選考テスト採用決定者数について、合格者数645人から辞退者が51人出たので、採用決定者数は594人である。

質疑の概要は以下のとおりである。

佐藤委員「この辞退率であれば、配置は十分できるか。」

林田部長「そう考えているが、学級数の増減にもよる。」

委員長「中学校の辞退率が高いが、前年比はわかるか。」

林田部長「今細かい資料がないのでわからない。辞退者は他の自治体へ行く人がほとんどである。」

勝井委員「これらの人は合格基準点をクリアしている人か。」

林田部長「そうである。」

委員長「採用者数が少ない科目などで追加合格はないのか。」

林田部長「追加合格は行っていない。」

委員長「そうすると逃げられると穴が開くことになる。ちょっともったいないと思う。2番手でもそれなりの力量をもっていると思う。」

林田部長「そういった指摘を受け、平成25年度の採用から高校の受験者は、高校が不合格になっても中学で合格点をクリアしていれば中学にまわれる制度を導入した。」

勝井委員「辞退がわかった時期と補欠合格を出して決める時期との問題から補欠合格をしないのか。」

林田部長「結果通知を発送するまでに辞退がわかれば、穴埋めをするが、一旦通知を出した後に追加合格はしていない。」

勝井委員「できる仕組みがあればもう少し補充ができそうな感じがする。」

教育長「以前は名簿登載方式というやり方をしており、採用者よりもたくさんの人に合格を出しておいて、順番に採用していた。ただ、それをすると合格しても採用されるかわからないという状況があるので、受験者側に配慮して今はしていない。」

長谷川委員「補欠合格はできないのか。」

教育長「その人の身分が不安定になる問題がある。」

荻野次長「名簿登載方式をしていた頃は、名簿登載は1年間有効で、年度末に採用することが多くあり、不安定な立場に置くことがよくないだろうということでやめた経過がある。」

勝井委員「名簿に載せておくだけであれば、他に採用されればそこに行ってもいい。そういう緩やかな拘束であればいいのではないか。」

教育長「受験者側からすると辞退者がいれば繰り上がるというのはいいことだが、それをどう整理するかである。」

勝井委員「制度設計は難しいかもしれないが、もったいない。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第60号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

中学校教員について、禁止されている職員室へ入室してきた生徒に対して注意したところ、当該生徒の反抗的な態度に感情的になり、当該生徒の頬を掌で3回叩くなどの体罰を行い、右目下瞼擦過傷及び外傷性虹彩炎のけがを負わせたことにより、懲戒処分として減給10分の1 1月を科すものである。

委員長「当該教諭はなぜここまで感情的になったのか。入室を禁止しているなら入ったらだめだと言ったら済むことではないか。」

宇野係長「当該教員は当該生徒と関係ができていると認識しており、職員室に入ってきたときに注意したら、反抗的な態度をとられたので、今までの信頼関係にもかかわらずそういう態度をとられたことにかっとなったと言っている。」

佐藤委員「当該校は生徒指導について状況が緊迫しており、ピリピリしている学校であり、やった行為はもちろんだめだが、当該教員を罰するだけでは解決にならない。こちらとして何ができるのかということも考えないといけない。当該校はいろんな火種を抱えている。当該教員を罰することによって教員間の協力関係がどうなるか不安があるが、その辺はどう考えているのか。」

林田部長「当該校は生活指導に非常に課題のある学校である。人事異動に際しても力を入れなければならない学校と認識している。ただ、体罰は許してはならない。教育委員会として人事異動での教員の強化及び日頃の連携の中で取り組んでいきたい。このことで教員間の協力関係が壊れないようフォローしたい。」

長谷川委員「保護者との和解には校長は関わったのか。」

宇野係長「関わっており、校長として了解している。」

沼守次長「校長は当該校で生徒指導主事及び教頭を務めており、地域から信頼されている。その校長が様々な点を勘案してここまでせざるを得なかったというのは教員に非があったのだと思う。」

勝井委員「状況からはある意味やむを得ないと思う。当該教員の体罰はちょっとやり過ぎだと思う。」

高尾委員「生徒指導で先生方がピリピリしていた中で信頼関係を裏切られたという思いから起こったのだと思う。ある程度のゆとりが持てるような対応が今後必要なのではないかと思う。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第61号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校教員について、図工の授業中に絵の指導を行ったところ、指導を受けた児童が舌打ちをしたように聞こえたため、当該児童を指導しようと右手で当該児童の左襟の胸倉をつかんで座席から立たせようとして引き上げる体罰などを行ったことにより、懲戒処分として戒告するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「当該児童は3学期は全く登校しなかったということか。」

宇野係長「3学期は指導部も入って対応しており、家庭訪問をしたり、放課後に登校してもらい補充学習をしている状況である。」

高尾委員「若い先生であるが、子ども相手にキレるというのが短絡的である。ゆとりがなくなっているような気がする。」

林田部長「日頃から当該児童の態度が反抗的に感じていたということもあった。」

勝井委員「普段からの関係が悪いのは児童が先生を信頼していないということである。その理由を先生がどう感じていたか。丁寧にフォローしないと信頼関係が築けない状況が続くと思う。」

宇野係長「保護者説明会でも1年の担任になって言葉がきつくなったという意見は出ており、ただ、最終的には一生懸命頑張っているということになったので、被害者側の保護者が余計に怒ってしまった。」

勝井委員「一生懸命さが子どもとかみ合っていないのではないか。小学校1年生はうまく伝えることができなくて当然なのに、その辺のゆとりや受け止めができなくてイライラしたのではないか。

宇野係長「当該児童は当該教員が板書を間違えたときに、また書きなおさなければならないといったことを言うことがあり、当該教員はそういう点について思いがあった。」

勝井委員「1年生だからそういうことも言うことはあると思う。コミュニケーションに問題があるのではないか。」

林田部長「当該教員は反省しており、まだ経験不足のこともあるので、処分だけでなく研修などによりフォローしたい。」

高尾委員「当該教員は一人で授業をしていたのか。」

林田部長「一人で行っていた。小学校なので基本的に一人で授業を行う。」

高尾委員「若い先生なので気をつけないといけない。」

沢田部長「通常は学年主任がペアになってフォローするものである。」

沼守次長「新学期になって変われば復活することも十分考えられるので、周りの教員がフォローして、今回の件をいい経験として今後に活かせるようにしていきたい。保護者に対しても働きかけをしてまいりたい。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第62号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校教頭について、児童の個人情報が記載されたファイルを定められた手続きを怠り無断で持ち出したことにより、懲戒処分として戒告するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「本件は持ち出したことによる処分なのか、一時的にでも失くしたことも含むのか。」

栗信係長「無断で持ち出したことによる処分である。紛失したことを加えるならさらに加重することになる。」

勝井委員「書き方としては持ち出したことに対する処分と読める。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)矢野委員長より閉会を宣告

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