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平成24年第22回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:153605

平成24年第22回教育委員会会議

第22回教育委員会会議録

 

1 日時  平成24年7月24日(火曜日)午前9時30分~午後2時

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

矢野 裕俊  委員長

長谷川惠一  委員

勝井 映子  委員

高尾 元久  委員

大森不二雄  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長兼総務部長

沼守 誠也  教育次長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

小畠  稔  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

森本 充博  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

川阪  明  人事・効率化担当課長

玉置 信行  総務課担当係長

山野 敏和  企画担当課長代理

渡部 祥代  教職員資質向上担当課長

原田 公寿  教務部担当係長

濱﨑 正行  生涯学習担当課長

松原 俊幸  生涯学習担当課長代理

松村 智志  生涯学習部副参事兼担当係長

森  知史  高等学校教育担当課長

長谷川義高  指導部指導主事

島田 保彦  特別支援教育担当課長

北口 直樹  指導部総括指導主事

片山 雅之  指導部指導主事

赤石美保子  教育センター主任指導主事

藤巻 幸嗣  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

 

4 次第

(1)矢野委員長より開会を宣告

(2)矢野委員長より会議録署名者に勝井委員を指名

(3)議題

議案第100号 大阪市教育委員会事務局事務分掌規則の一部を改正する規則案

議案第101号 大阪市社会教育委員の解嘱及び委嘱について

議案第102号 平成25年度大阪市立学校教科用図書の採択について

議案第103号 ステップアップ研修後の措置の決定について

議案第104号 指導が不適切である教諭等の認定及びステップアップ研修の決定について

議案第105号 職員の人事について

なお、議案第103号から議案第105号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第100号「大阪市教育委員会事務局事務分掌規則の一部を改正する規則案」を上程。

荻野教育次長兼総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

市長部局では、区長が局・室長を指揮監督し、行政区単位で局横断的に事務を所管できるよう「区シティ・マネージャー」の職を設置し、区長をもって充てる予定となっている。教育行政においても、区長が集約した区民の意見を反映すべき事務事業があるため、地教行法の規定に鑑み、教育委員会事務局では、教育長の下に「区担当理事」を設置し、区長をもって充てることとしたい。区担当理事が専決できる事項は、これまでも区役所が何らかのかたちで関わってきた7項目の事務とする。また、専決権限は持たないが、担当する事務として、中学校給食の選択方式の決定や、適正対象校の統廃合に関する計画の立案や地域住民等との協議に従事させることとする。また、音楽団の自立化や区との調整を行うため、区長や有識者等との連絡調整を担当する部長として、生涯学習部に連絡調整担当部長を設置する。

質疑の概要は以下のとおりである。

勝井委員「5ページの改正の趣旨のところで区シティ・マネージャーは市長、副市長の下にあるが、区担当理事は教育長、教育次長の下にあるわけではないのか。条文を見ると教育次長の仕事は教育長を補佐するということなので、教育長の業務全般を補佐することになる。その上で区担当理事は担当理事の仕事をするということか。この図でいいのかどうか。改正の趣旨で地教行法の規定の趣旨に鑑みとあるが、具体的にはどういう意味か。」

荻野次長「教育長が教育委員会事務局に属する全ての事務を司るとなっているので、教育長の上に立つことはできないが、局長級の職員として区担当理事に教育長の事務の一部を専決権を与えるということであり、この図の位置に担当理事を位置付けているところである。2つ目は、地教行法にある首長と教育委員会の職務権限に基づいてという趣旨である。」

勝井委員「教育委員会の事務の一部を専決させるということか。」

荻野次長「教育委員会の事務のままであり、教育委員事務局の職員となり専決権を持って事務に関与するということである。」

勝井委員「区担当理事に専決権がある事項は教育次長とは別に権限を有するという趣旨か。」

荻野次長「そういう趣旨である。」

大森委員「区長は区シティ・マネージャーという職名が別に出てくるが、最後のページの図を見てもその区シティ・マネージャーという職名が出てこない。区シティ・マネージャーについて詳しく教えてほしい。連絡調整担当部長について、何を連絡調整するのか。生涯学習センター機能及び音楽団自立化という説明があったが、連絡調整という言葉はかなり広範な意味があるが、詳しく教えてほしい。連絡調整担当部長は一人か。」

荻野次長「区シティ・マネージャーは市長部局の話であり、市長部局で各局長を指示できる職として市長、副市長の下に区シティ・マネージャーを置き、局長を指揮できる職としている。各区長は区シティ・マネージャーを兼ねており、各局長に指示ができる位置にある。教育委員会では法律上、教育長の上に置くことができないので、教育長の下に担当理事を置くこととしている。そこが区シティ・マネージャーとの違いである。連絡調整担当部長については、市政改革プランの中で音楽団の自立化の問題があり、最終的に26年度の自立化ということで調整がされている。その中で25年度に向けて予算化をするにあたり、8月、9月の短い期間で作成する必要があり、役所内の調整や有識者との調整など、短期で高度な調整が必要であり、連絡調整担当部長を設置してその職にあたってもらうことと、8月に新しい区長が配置されるので生涯学習センター等の存廃の問題が市政改革プランが議論されており、各区の中でどのように生涯学習を担ってもらうのかという調整が必要になるので、新しく設置するものである。局内では生涯学習担当や音楽団と連携しながら、総務部の企画部門と連携して業務を進めてもらうことを想定している。」

大森委員「連絡調整担当部長は次長の下の各部長級と同列ということでよいか。」

荻野次長「よい。」

高尾委員「担当理事の権限としては第2条に掲げる専権事項及び中学校給食の選択方式と対象校の統廃合に関する連絡調整ということで全てということでいいか。」

荻野次長「現時点ではこれでスタートし、今後新たに担わせた方がいい事項が出てくれば軽易なものを除いて教育委員会会議でお諮りする。」

高尾委員「連絡調整担当部長は区担当理事とは一線を画すると考えていいのか。」

荻野次長「まったく別で理解をいただければいい。部長級のポストの新設である。」

高尾委員「第2条に掲げられた専決事項はどういう観点から切り取られたのか。」

荻野次長「現在すでに何らかの形で区が関与しており、実質的に区と教育委員会で協同してやっている事務をあげている。すでにある程度区で事業に関わっている事業について専決権を与えるものである。」

高尾委員「区とは連携をとっていくことが重要であり、今後多くの事項が出てくると思うので柔軟に対応してもらいたい。また、連絡調整担当部長はそういう区との連携を担当してもらえるものと考えているがどうか。」

荻野次長「連絡調整担当部長は短期間に行う必要がある業務のために設置することとなっているが、区との調整は、現在それぞれ所管をもって行っているので、現在の仕事の中でそれぞれ部長が担うものついてはそれぞれの部長が担当することになる。」

長谷川委員「実務レベルの問題として、実務的な内容を専権事項として渡すことについて、今後教育振興基本計画を市長と協議していくことになると思うが、その中で学校選択制も一つの事項になると思うが、そういった具体的な内容を区担当理事と区長が協議するというようなイメージで考えればいいのか。」

荻野次長「区担当理事は区長をもって充てるので同一人物である。区長の立場があり、一方で教育委員会の区担当理事の立場もあるので、区の中で教育行政に反映すべき事項を区担当理事として関わってもらうという趣旨である。」

長谷川委員「ということは、教育長の下に置かれているので、実務レベルでは教育長と区担当理事の間で話が行われると考えていいのか。」

荻野次長「例えば学校選択制は教育委員会で決定する事項なので、区担当理事に専決をおろしていない。各区の実情や区としての考え方を区担当理事に説明してもらって、会議の場で判断してもらうことになる。その過程の中では教育長と区担当理事の話し合いも当然に行われる。」

委員長「イメージ図と規則改正案の表現に関わって、イメージ図で区担当理事が教育次長の上に書かれており、規則案でも「区担当理事及び教育次長」と教育次長より区担当理事の方が先に来ているが、これはまずいのではないかと考えている。教育次長は教育長を補佐する者として2名いるわけだが、イメージ図ではその間に区担当理事が来ており、区担当理事と教育次長の間に引かれた線が気になる。現在のところ区担当理事の職務は限定的であるが、その限定された事務について委ねるという考えはあるだろうと思う。区の意向を反映させるという流れができているので、そういうことを設けるということに異論はない。現在明記されている専決事項は限定的だが、なお書きで専決事項を追加することが可能となっており、担当事務が増えることが想定されているなら、あらかじめこのような上下関係にしておくのは問題が起こりうるのではないかという気がする。私としてはイメージ図の教育次長と区担当理事の間の線は外してもらう方がいいのではないか。それと規則案についても「教育次長及び区担当理事」としてもらう方が誤解を招かない、より適切な表現だと思う。区担当理事と教育次長の関係性について検討する余地があるのではないか。」

高尾委員「私は問題ないと考えている。このラインは区担当理事の権限事項について指揮命令できるとなっているという関係になっており、全てのことにわたって指揮命令できるとはなっておらず、これは整合性はあると考える。」

大森委員「組織の上下関係は職位との関係がある。職務範囲は教育次長の方が広いと思うが、教育次長は局長級であり、他方で区シティ・マネージャーは局長を指揮監督できる局長より上位のポストである。また、教育委員会の中の極めて限定された職務ではあるが、専決権できるようになっており、教育次長はおそらく専決権はないと思われる。実質的な影響力は教育次長の方があると思うが、上下という関係では組織論として区担当理事が上に来ざるを得ないと考える。」

勝井委員「最初にした質問もその辺の違和感からだった。教育長がトップにあって、事務の全権を担い、それを全般的に補佐するのが教育次長であるので、区担当理事の下に教育次長を置くのは違和感を覚える。条文の中に専決事項に関して所属職員を指揮するとあるが、専決事項に関して区担当理事は教育次長をも指示できるのか。」

荻野次長「専決を与えられた事項についてはそういうことになると考えている。」

勝井委員「そこまでの専決を与えることに違和感がある。これまでの教育委員会のあり方からは異質な感じを覚える。専決があるから教育次長より上だというのは違和感がある。本来的な教育行政のあり方からも区担当理事と教育次長の位置づけは違うと思う。専決事項が追加することができるということについて再考してもらいたい。」

教育長「次長を区担当理事の下に置かなければ、区担当理事は専決事項については教育次長を通さずに部長以下に指示をして仕事をすることになる。この図では専決事項について教育次長を通ることになる。区担当理事の仕事も教育次長が関わるというイメージである。」

長谷川委員「市長と教育振興基本計画を協議していく際に、区担当理事の職務が拡大解釈がされるのではないかということを危惧して先ほど質問をした。大きな教育目標にはあらゆることが入ってくるのであり、専決事項にとどまらないのではないかという気がする。そういう意味で言うと、委員長の提案は一つの見識ではないかと思う。区担当理事が今後教育委員会の業務全般に関わっていく可能性があるということを残してこの組織で行くというのは、慎重に考える必要がある。私も委員長の意見に賛成である。」

教育長「基本的には市長と教育委員会との法的な職務権限と同様の問題が区長と教育委員会に起こる。区長は外部の職であるが、区担当理事は教育委員会の中の人間として動くものであり、教育委員会の法的権限に基づいて動くということになる。区長はそのあたりの二つの立場を持って仕事をすることになる。区がどの程度学校教育に関わるのかということについて、この仕組みの中で教育委員会のコントロール下にあるということで、法的な問題はクリアされるという仕組みを考えている。」

長谷川委員「教育長が上におられるので、それがなくてもコントロールはできると考えるが。」

高尾委員「区担当理事は教育長の命を受けて担当事務を担うとなっており、当然に我々教育委員の指揮を受けることになるので、そこから逸脱することはないと思う。権限が広がるのではないかということについては教育委員会会議で判断することになっているので我々が適切に判断すればいい。教育委員として積極的な関与をしていない区の実情などについて担当理事から聞くことができるのは、有機的につながって、非常にいいシステムになると考える。」

大森委員「区担当理事の権限がふくらんでいって、教育委員会会議や教育長のコントロールが及ばなくなるという懸念があるという趣旨に聞こえたが、今後どのような業務を区担当理事にしてもらうかは我々教育委員会に権限があるので、また、一旦専決事項として渡したとしてもいつでもとりあげることができるので、知らないうちにどんどん区担当理事に権限を取られてコントロールできなくなるというのはあり得ないことである。どの程度専決事項を増やすかどうか、あるいは問題点があるので専決を取り上げるかどうかは、我々がコントロールできる。区担当理事はあくまでも事務局の一員なので、理屈を明確に整理して考える必要がある。職位の上下の問題について、市長部局で局長より上位のポストを教育委員会事務局では局長級である教育次長より下のポストに就けるというのは組織論としてあり得ないと考えている。上下の問題ということと実質的な権限の大きさは別問題であるので、限定された事項について専決権を与えられているという意味での上位のポストではあっても、教育委員会全般の所掌事務を総括する教育長を補佐するのは教育次長であり、権限の及ぶ範囲の広い狭いは別の問題であり、理屈の上できれいに整理された議案が出されていると考える。」

勝井委員「教育委員がコントロールできるという指摘があったが、区担当理事の専決権限を定める教育長専決規程は教育長が定めるものであると理解するがどうか。」

教育長「専決規程そのものについてはそうであるが、今回なお書きを入れているように、軽易なものを除き教育委員会会議に諮るという決定をあわせてしていただきたいと思っている。」

勝井委員「それは規程の中で教育長がそのように定めるのではなく、今回の規則案に伴う決定なのか単なる説明なのか。規定上は教育長が定めることができるようになっている。なお書きに書いていることを明確にするには規則の中にそのような条文を入れていただく必要があるのではないか。」

山野代理「規程はあくまでも教育長の決裁で行うものであるので、規則の議案に附帯したものとしてこのなお書きを含めてご判断いただければいいと考える。我々事務局はその判断に拘束されると認識している。」

勝井委員「教育行政が正しく進んでいくという思いはみんな同じ思いであるが、区長はあくまでも行政の執行者であり、その方がいくら教育委員会の下に位置付けられたとしても教育としての独自の判断をする教育委員会事務局とは立場が違うと思うので、担当事務を増やすのであれば必ず会議で諮るということを決めておくべきである。このなお書きは規則案を採択するのであれば附帯して決議するべきである。区担当理事と教育次長の関係はやはり実際にされている仕事の立場や内容からすると違和感があるので、規則案上は「教育次長及び区担当理事」と並びを変えてもらいたい。」

委員長「私も勝井委員と同感である。事務を統括する教育長がおり、それを補佐する教育次長がおり、全体的な事務を統括するという仕組みである。そこに限定的な権限であるとはいえ、教育次長より上に位置付けるということになると事務局の組織の重大な変更である。その変更を一連の流れで承認することは、教育委員会制度の中で非常に重要な変更を認めることになり慎重であるべきである。教育委員会によって名称は違うが、府教委であれば教育長の下に教育監として、教育長を補佐する体制がとられており、これはどこへ行っても変わらない。それを市の中で局長より上だからという理由で教育次長の上に位置付けることは大きな疑問がある。せいぜい横並びの形が納得しやすい考えだと思う。これはこの件だけの話ではない。教育次長という重大な職責をどう考えるかと関わっている。イメージ図の修正をしても支障はないと思う。その方が安心して区担当理事に業務を任せられると考える。」

教育長「その場合、区担当理事は教育次長を通さず部長以下を使って専決事項を判断できることになる。」

委員長「専決があると言っても、教育長や教育次長が何も知らずに業務をすることがあってもいいのか。」

教育長「専決権限なので最終的に判断するのは区担当理事である。」

委員長「意思決定に関与するということであれば教育次長を区担当理事の横に持ってこなければならない。それで両者で協議を行って専決権を持つ区担当理事が決めればいい。」

教育長「横のラインがあると権限的に混乱する。」

委員長「教育次長に協議してもらいたいが、協議をすることが制度上必要ないということならそれでもいい。教育次長を下に位置付けていても意思決定上は変わらない。教育次長を下に位置付けることによって何が担保されると考えているのか。」

教育長「教育次長の立場で教育行政上の意見を申しあげることができ、その上で区担当理事が判断することができる。広く教育行政を所管している教育次長に関与してもらう方が区担当理事として適正な判断ができるのではないかと考えている。」

委員長「区担当理事の専決事項に教育次長が関与してもらいたいということであれば、教育次長との協議を経てということを盛り込めばその問題はクリアできる。」

教育長「教育次長はスタッフではなくラインとして置いているので本来協議について規定する必要がない職であり、区担当理事もライン職として置くものであり、ライン同士の位置づけの問題になる。」

勝井委員「教育長が本来は専決事項を持っており、教育次長は専決権を持っていない。今回区担当理事の専決事項については、教育長が区担当理事に決めてくださいと言えば、意思決定の過程には教育長が関与しないということか。」

教育長「そうである。これまでも部長専決、課長専決事項があるが、それについてはその人の責任で決めてもらうということである。」

勝井委員「部長や課長はまさに教育委員会の人間なのでよくわかるが、区担当理事は教育委員会の職とするだけで公募区長である。区担当理事が専決事項を持って、それについては教育長が関与しないというのは大きな改正であり、併せて定めようとしている教育委員会事務局専決規程もあわせて全体を示してもらいたい。教育行政とは違う部門の方を入れ、その人にこれだけの権限を与えるということであるので、我々の中で意思疎通を図る必要がある。専決とは違ってもこれまでも委任や補助執行という形でスムーズにやってきたものもあるので、少なくとも意思形成過程に教育次長か教育長が参加するのが教育行政の本来のあり方だと考える。」

教育長「区長への委任は区の職員に業務をさせるものであるが、今回の専決事項は現在教育委員会事務局で処理している事項であり、内容的に区の関与が大きいので、事務局の職員が仕事をするのは変わらないが、その決定権を区担当理事に渡すというものである。」

勝井委員「そうであるなら教育長のコントロールの下で意思決定をするという職員の置き方もあると思うし、そのようにする方がこれまでの教育行政のあり方と整合性がとれると思う。このような区担当理事の置き方をしなくてもいいと思う。」

荻野次長「意思決定のルートとしては、提案している内容では係員、係長、課長、部長、教育次長、担当理事という決裁のルートになるが、教育次長が外れてしまうと、教育次長に決裁が通らずに区担当理事にあがるので、教育委員会としてできるだけ多く関与しようということであればこのあり方が望ましい。それと今回の専決事項は教育長が担っている事務ではなく、生涯学習部長なり生涯学習担当課長の専決として担っている業務を担当理事に関わっていただくという位置づけである。区シティ・マネージャーとの関係では市長部局と調整をした上で、均衡を図るという点から一番適しているとしてご提案申しあげているものである。」

大森委員「専決というのは現時点でも事務局内部の仕事のことであり、いつでも教育長の判断で専決権をとりあげることができる。区担当理事を事務局の一員に位置付けるとしても他の事務局の職員とは違うということを懸念されているということなので、その専決の部分についてのコントロールを教育長が決めるのではなく、教育委員会会議の関与を明確化することがポイントになると思う。職位の位置づけについて、ラインの職は協議しあう横並びというのは責任の所在がどちらにあるかわからないので、通常は組織としてはあり得ない。どちらかが上、決める権限を持っている方が上とすべきであり、教育次長が関与するためには、限定された狭い範囲の仕事については次長を区担当理事の下に置くということが懸念されていることに対応するためにも必要だと思う。」

委員長「議論が平行線をたどっているが、どのようにすべきか。」

教育長「8月1日に公募区長が就任するので、それまでに規定整備を行っておく必要がある。」

山野代理「新区長が着任するにあたって、全市的に職制を整備することになっているので、8月1日までにこの規則を決めていただく必要があり、勝井委員のおっしゃるような形で修正するのか、事務局原案の通りとするのか、この場で決めていただく必要がある。」

委員長「教育委員会において区担当理事の新設が遅れた場合にどのような支障があるか。」

山野代理「事務として支障はないかもしれないが、全市的な流れの中で進めてきており、以前にもこの内容についてご説明申し上げ、ご了承いただいたものを規則案として正式に提案しているものであるので、本日ご判断を願えればと考えている。」

委員長「これまでの説明の中にここまで詳しい内容はなかったのであり、その点は違うと考えている。」

大森委員「議案についている資料で教育委員会会議で議決した内容に事務局は拘束されると私は考えているが、それを無視して事務局が専決規程を勝手に変更するということがありうるという懸念があるのなら、議案書1ページの修正案を直ちに事務局で考えてもらい提案してもらって本日再度審議することが最善の解決方法ではないかと考えるがどうか。」

委員長「今大森委員から提案のあったように、事務局で修正案を考えてもらうということについてどうか。」

山野代理「論点を整理したい。まず、担当理事と教育次長の順番を入れ替える。それと4ページの第4条「教育長が定めるものを所管し」とあるのを、「別に教育委員会で定めるものを所管し」とし、今回の議案に附帯するものとして専決規程にあげている7項目についてもあわせて議決をいただき、それに基づいて規程上は、教育長の専決規程でそのことを明示するということでどうか。」

大森委員「具体的に定めるものを今5ページで書かれている項目を専決規程ではなく事務分掌規則にも掲げ、さらに教育長が決定する専決規程にも再び掲げるということか。」

山野代理「事務分掌規則には専決事項を定める条文がこれまでもないので、事務分掌規則とは別に7項目を区担当理事に専決させるという議案を追加で提出して、それらについてご判断いただき、その判断に基づき教育長が専決規程を改正させてもらうということでどうか。」

教育長「議案が事務分掌規則の一部改正と専決規程についての確認事項についてという2つがセットになった議案に変わるということである。」

大森委員「区担当理事及び教育次長という順番を審議する必要がある。組織の秩序として上下の関係とは異なる順番で職名を規定することが問題ないかという見解を聞きたい。その点で問題なければ私はこだわらない。」

委員長「私は全市的な位置づけと教育委員会内部の職の位置づけが厳格な対応関係に必ずしもなくてもいいと考えている。」

事務局として議案を修正し再提案

荻野次長「まず、議案の題名を「事務分掌規則の一部を改正する規則案及び区担当理事の所管事務について」と変更している。具体的な変更箇所について、教育次長と区担当理事の項を分けて規定している。第2項の教育次長の項はそのままとし、第3項に区担当理事の設置を規定。第3条、第4条は教育次長の項はそのままにして、第2項として区担当理事の項目を新設し、別に教育委員会が定めるものを所管すると改めた。また、区担当理事の所管事務を正式に案件とし、専決事項として7項目、その他所管事務として中学校給食及び適正化対象に関わっての業務を具体的に明示して議案としてあげている。また、留意事項として教育長がこの議決に基づき専決規程に区担当理事の専決事項を定めて明示するものとし、上記の他に担当事務を追加する場合には軽易な事項を除き教育委員会会議に諮るとし、これを案件として審議いただくこととした。」

大森委員「4ページの3の留意事項について、上記の外に担当事務を追加する場合にはの上記の意味は上記1と上記2を指すのか。1と2を指すとすると外にという表現は問題があるのではないか。」

山野代理「意味としては1項の7項目及び2項の2項目以外に新たに追加する場合においては教育委員会会議に諮るという趣旨である。前2項の他に所管事務を追加する場合という趣旨である。」

大森委員「厳密になお書きを読むと、上記の外にというのは、専決事項自体を追加することは含まないというように誤解される恐れがあるという趣旨である。また、こういう場合、追加だけでなく削除も含めて、変更する場合はとするのが一般的である。」

山野代理「区担当理事の専決事項及び所管事務を変更する場合という表現でどうか。」

大森委員「軽易な事項を除きというのは意味があまりないので、この表現は必要ないのではないか。」

勝井委員「軽易が入っていたのは教育長が専決するのが原則だが、重大なものは教育委員会会議に諮るということだったので、今回のように教育委員会会議に諮ることになれば省いてもいいのかと思う。1は専決事項、2は所管事項と分かれているので、3の留意事項で文言の整理が必要。2の所管事務の(1)について、中学校給食の選択方式の決定についてと書いてあるが、先ほどの議案では、中学校給食の選択方式と書いてあったが、中学校給食について区と連絡調整が必要だと読めたが、そうではなかったのか。」

山野代理「所管事務と言うのはその事務に従事するという意味で使い分けをしている。選択方式は区長で意見集約しているので、教育委員会の受け皿となる教務部学校保健担当と一緒になって区担当理事が行うという形で考えている。」

勝井委員「そうすると決定に関することではなく、意見集約などに関することの方が適切ではないか。」

高尾委員「4ページの専決事項と所管事務というのはわかりにくい。どういう関係にあるのかわかりにくい。」

大森委員「2は専決する権限はないと考えているがそれでいいか。教育長の決裁が必要であるという意味でとらえている。」

教育長「もしくは教育委員会会議で決めるということである。」

大森委員「中学校給食について、区との連絡調整に関わることなのか、それ以外に何かあるのか。」

教育長「学校の適正配置については街づくりの観点から区の関係者と議論するということで区との連絡調整があるが、給食は教育委員会が主体的に決めるということなので、区担当理事が教育委員会の職員として区民の意見を例えばこういう教育委員会会議の場で反映してもらうということである。(1)は教育委員会が決める、(2)は区と連携しながら進めていくということで、少し意味合いが異なる。」

大森委員「勝井委員からの修正についての事務局の意見はどうか。私は選択方式に関することとすればいいと考える。」

勝井委員「その趣旨であれば結構である。」

委員長「整理をすると、規則案の第4条の2となっているところが3となり、参照文も2の下の下線を削除して、ゴシック体になっているところに3という番号を振るということ、4ページの2の(1)の「の決定」を削除し、3のなお書きを「区担当理事の専決事項及びその他の所管事務を変更する場合には、教育委員会会議に諮るものとする。」ということでいいか。」

大森委員「細かいが、2ページのところを第3項から第5項までを繰り下げ、第2項の次にとし、4ページのなお書きは「及び」はいらないのでは。」

教育長「なお書きを確認すると、「区担当理事の専決事項その他の所管事務を変更する場合には」でいいか。」

再提案した議案を修正したものについて、採決の結果、委員全員異議なく、可決。

 

議案第101号「大阪市社会教育委員の解嘱及び委嘱について」を上程。

小畠生涯学習部長からの説明要旨は以下のとおりである。

大阪市社会教育委員について、志幸万里子氏より委員を辞任したい旨の申出があったため、解嘱し、後任として宮田滿憂美を委嘱し、任期は志幸氏の残任期間である平成24年7月26日から平成26年4月27日までとする。また、任期満了に伴い、矢田貝喜佐枝氏を新たに委員として委嘱し、稲岡真理子氏、岡田龍樹氏、佐竹義久氏、首藤俊二氏、中川幾郎氏、西端律子を再委嘱する。任期は平成24年7月26日から平成26年7月25日までとする。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「退任される方の後任はその団体から新たに推薦されることになっているが、違う考え方ではできないのか。これだけ社会教育に対する考えが変わってきているが、再構築する考えはないのか。」

小畠部長「社会教育法では社会教育委員は学校教育及び社会教育関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者の中から教育委員会が委嘱することとなっており、資格に一定の制限があることから、広く募るということはこれまでから行っていない。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第102号「平成25年度大阪市立学校教科用図書の採択について」を上程。

委員長「議案第102号「平成25年度大阪市立学校教科用図書の採択」の審議に入る。本件については、去る7月10日の教育委員会会議で、高等学校及び特別支援学校の使用教科用図書に関わって各選定調査会から答申を受け取った。私たちとしてはこの答申を尊重しつつ、厳正かつ公正に採択に向けて審議してまいりたい。それではまず、高等学校の使用教科用図書の採択から始めるが、今回の答申の特徴について、事務局より改めて説明されたい。」

大継部長「本市の高等学校では、普通科及び英語科・理数科などの普通科系の専門学科、商業科やグローバルビジネス科などの商業系の専門学科、機械科や電気科などの工業系の専門学科および総合学科などのそれぞれ多様な教育目標や教育課程に基づいて教育活動を展開している。したがって、各学校の教科用図書選定調査会が、各校が設置する各学科の教育目標や教育課程、生徒の興味・関心・適性・進路希望などの実態に応じて適切な教科用図書を選定し、答申している。平成25年度使用の教科書については、教科書目録に掲載されている教科書全体で1187種1232点ある。このうち、平成25年度の新入生から学年進行で適用される新学習指導要領に対応した教科書は、平成24年度から先行実施されている、数学の47点、理科の40点を含み、380種397点である。来年度の入学生については、新学習指導要領に対応した教科書を使用するため、数学と理科を除くすべての教科で新しく教科書を選定している。次に、選定答申書の内容について、資料前半の1~17ページは、今回、各校が選定した教科用図書の教科ごとの集約表になっている。集約表は、縦には高等学校名を、横は種目名を示して、各校がどの出版社の教科書を選定したかをまとめている。なお、出版社の下に記載している数字は、文部科学省が発行する教科書目録にある各教科書の教科書番号である。また、いくつかの出版社では、同じ種目であっても記述内容の難易度に差をつけて複数の教科書を発行している。表の中で、同じ出版社でも教科書番号が異なる場合は、それぞれ異なるレベルの教科書が選定されていることを示している。後半にはそれぞれの教科書について、使用学年や選定理由が掲載されている。」

委員長「ただいま、今回の答申の特徴を説明いただいたが、採択を行うにあたって、何か質問、意見はないか。」

高尾委員「学習指導要領が変わって、ずいぶん中味が変わっている。新しい学習指導要領からみて教科書の記述にどのような違いがあるのか。また、採択するにあたり、学校がどこに重点を置いて判断がされたのか、例をあげて教えてほしい。」

大継部長「新しく追加された教科書の特徴として、一つ目としては、学習内容を増やした教科書が多く発行され、ページ数が現行版より平均約12%増えている点がある。例えば、東京書籍の化学の教科書で比較すると、旧課程の化学1の312ページと化学2の320ページで合計632ページに対して、新課程の化学基礎240ページと化学534ページで合計774ページとなっている。二つ目としては、高校生の関心を引く話題の人物やトピックを取り入れ、言語活動の充実など新たな試みを盛り込んでいる点がある。例えば、開隆堂のコミュニケーション英語1では、サッカー日本代表の本田圭佑選手を取り上げている。それぞれの学科によって特徴があり、それに合わせて各学校が選定をしている。」

勝井委員「同じ数学の中でも同じ出版社で番号に違いがあるのは難易度に差があるということか。」

大継部長「高校生の学力の多様化を受け、出版社が同じ教科で難易度別に複数の教科書を発行している。例えば、数研出版からは数学1の教科書が5点出版されている。答申書を見ると、数研出版の数学1の教科書を選定している学校は8校あり、4種類の教科書が選定されている。難易度によって差があるものである。」

勝井委員「数字は番号が大きくなれば難易度があがるというような規則性はあるのか。」

大継部長「教科書番号は初めのうちは順番になっているが、改訂を繰り返す間に番号が飛んでしまい、教科書番号だけでは難易度は分からない。」

大森委員「例えばかなり進学に力を入れている学校では「この教科では、この出版社」のようにある程度定評があると思うが、同じような教育目標を掲げている学校であっても、違う出版社の教科書を選定していることが見受けられるが、きちんとした理由があるのか。質問する趣旨は、生徒の教育に一番適した教科書が選ばれているということが貫徹されているかをチェックすることが教育委員会の役割であるということであり、教科の専門家ではないので細かいところのチェックをすることはできないが、選定のプロセスや結果が生徒のためになっているかという観点から教えてほしい。」

大継部長「例えば、本市で特に理数教育に力を入れている高等学校は、東高等学校と市立高等学校の2校で、設置学科も普通科、英語科、理数科と同一である。数学については東高校が数研出版、市立高校が東京書籍の教科書を選定している。このうち、市立高校について、以前は数研出版の教科書を使用していたが、授業を進める中で教員から、 数研出版の教科書は説明・例題・解説などの記述がやや難解で、数学が苦手な生徒の中には分かりにくいのではないか、図表と記述との関連についてもう少し工夫があった方が理解しやすいのではないかなどの意見があり、平成24年度には東京書籍の教科書を選定した。今回の選定にあたっては、啓林館・数研出版・東京書籍の3社の教科書が最終候補にあがったが、図表と記述との関連性や記述のわかりやすさなどに優れていて、授業も進めやすいとの判断で 東京書籍の教科書を選定している。一方、東高校では、例題に基本的なものが多く、解法の流れが分かりやすく記述されている、問いや練習問題の種類も豊富であるなどの理由から、数研出版の教科書が選定されている。このように学校毎に教科書の内容を詳細に検討して選定している。」

大森委員「それぞれの学校で教科の観点から専門的に分析し、現実に使用してきた経験を踏まえてということは分かったが、他方で選定のプロセスの公正性が重要であり、それを担保することが我々の責務である。特に高等学校では教科の専門性が高いため、どうしても内容の分析、評価を教科担当者に頼らざるを得ず、そこで決まってしまう。教科の先生任せで、閉じられた世界の中で選定が行われるということになると、公的なプロセスとしては十分でない。教科の先生以外に対してオープンに開かれた形で選定の公正さが確保されているのか。」

大継部長「選定のプロセスについての問いと考えられるので、一つの学校を例にとり、教科書選定作業の流れを説明する。(1)選定委員長である校長が、5月24日付 教委校(高)第14号『教科書採択の公正確保について(通知)』と関連文書を全教員に周知するように指示。(2)1回目の教科用図書選定調査会で校長から、適正かつ開かれた採択・公正な採択についての周知・説明、教科書についての調査研究と選定を指示。(3)各教科ごとに調査研究・選定作業を実施。教科書見本を比較検討し、第1段階として候補を2~3冊に絞り、その上で最終的に比較検討を行い教科の意見として1冊に決定する。選定の際の観点としては、説明・内容文のわかりやすさ、図表と説明文との関連性を考慮し、生徒が内容を理解しやすいか、教員が指導しやすいか等について検討する。(4)数回の教科用図書選定調査会において、各教科からの報告内容を検討し、校長が教科書答申書を作成。以上のような作業を通して公正確保に努めている。」

長谷川委員「公正確保に関連して、同じ教科書を何年続けて使用しているかというデータを取ることも重要だと思うが、そのようなデータはあるのか。」

森課長「各学校の教科書の経年データは持っていないが、昨年と同じ教科書を採択しているかという継続なのか新規なのか報告を求めており、過去5年では約20%が新規で、約80%が昨年の教科書を継続して採択している。小中では4年間は同じ教科書を継続して使用することになっているが、高等学校においても、4年ないし5年で改訂版を作っており、長くても同じ教科書を使うのは4、5年ということになるかと思う。」

長谷川委員「データを見ながら大局観をもって子どものために選定をしたい。高等学校では、特色ある学校づくりを進めている中で、教科によっては文部科学省が検定、作成した教科書がないものがあり、一般図書を選定しているとのことだが、今回の選定ではどのような状況か。」

大継部長「高等学校では、学習指導要領の総則において、地域、学校及び生徒の実態、学科の特色等に応じ、特色ある教育課程の編成に資するため、学習指導要領に掲げる以外の科目、いわゆる『学校設定科目』を設けることができると定められている。当該科目には検定済教科書等が発行されておらず、そのような場合には、一般に使用されている図書を教科書として使用することが認められている。今回は11校で計43点の一般図書が選定されている。実際には、英語以外の外国語の授業で使用する一般図書や、教科書が発行されていない専門教科の一般図書が選定されている。例えば、咲くやこの花高校の食物文化科における調理師養成のための「食文化」や「調理」などの科目では、社団法人全国調理師養成施設協会が発行する「必修編調理師養成教育全書」が選定されるなど、それぞれの科目の教育目標に合致した図書が答申されている。」

長谷川委員「実態として一般図書はどんな調査方法でされているのか。一般図書は全国でお互いに参考になる資料だと思うので、全国で共有する仕組みがあれば一層充実した一般図書の選び方になると思うがそのような情報はあるのか。」

森課長「選定に当たって、一般図書については答申書を提出する際に、その本を持ってくるように指示している。一般図書についての他府県のデータはもっていない。」

長谷川委員「今後は情報を共有することは可能か。」

森課長「府教委との連携について来年度に向けて検討したい。」

高尾委員「各選定調査会で行われた議論に関するイメージがわかないが、こういう議論が交わされたという例はないのか。」

大継部長「先ほども申したように市立高校では、従来使っていた教科書から生徒の実態に合った教科書に改める必要があるということで3者が候補として挙がり、図表や記述のわかりやすさを考慮して東京書籍が選ばれた。」

森課長「加えて、他校の例として、東高校の国語について、明治書院が採択されたが、例えば古典編で文法を効果的に学習できるよう配慮されている、説明が他社に比べて丁寧、生徒に苦手意識を持たせないなどの工夫があるという意見が出された。一方で候補に挙がった他者の教科書は活字が小さく見にくい、白黒とカラーの写真が混在して全体に整理されていないなどの意見があり、最終的に明治書院が選ばれた。同じく東校の生物については啓林館が選ばれている。内容としては記述が的確で図表が効果的に使われている、発展的な内容も多く盛り込まれているという意見があり、他社は「代謝」という部分に関して記述量が少なく、イラストが多く写真が少ないとの意見があり、啓林館が選ばれている。また、中高一貫校である咲くやこの花高等学校の数学では、中学校が数研出版を使用しており、継続的な観点を踏まえて数研出版が選ばれた。」

高尾委員「答申書ではいいことばかりが書かれている。学校の現状を加味した検討がされていると思うが、検討の過程でどのような議論があったか我々が見てわかる資料がプロセスの適正さをチェックする上で重要であると考える。来年度に向けて工夫してもらいたい。」

大森委員「今後については選定理由の記述の仕方について、これを読む人が教科書を選んだ必然性がわかるよう、例えば比較の観点を行い、こういう点が我が校にあっているから選んだなど、その学校が選んだ必然性が端的に分かるよう工夫してもらいたい。」

大継部長「比較した内容をどのように記述していくのかについて、答申書の中に盛り込めるよう改善を図ってまいる。」

委員長「高等学校では、特色ある教育課程に応じ、また、生徒の興味・関心等を生かす観点から、各学校の教科用図書選定調査会において、綿密な調査研究が行われたものと理解している。各専門課程に応じ適切な教科書が推薦されていると考えるので、選定調査会からの答申されたものを採択して差し支えないと思うがどうか。」

長谷川委員「いくつか提案があった。この提案を次に活かしていただくということを踏まえて、各学校の選定調査会において、それぞれの課程の専門性や生徒の状況を踏まえた適切な調査研究が行われたと考えるので、選定調査会の答申通り採択することについては、差し支えないと考える。」

委員長「それでは採決を行う。平成25年度の高等学校の使用教科用図書は、各学校の選定調査会の答申のとおり採択することとして異議はないか。」

委員全員「異議なし。」

委員長「異議がないようなので、平成25年度の高等学校の使用教科用図書は、選定調査会の答申のとおり採択する。次に特別支援学校の使用教科書の採択に移ってまいる。事務局より今回の答申の特徴について改めて説明をお願いしたい。」

大継部長「本市では、ノーマライゼーションの理念のもと障害のある児童・生徒一人一人のニーズを的確に把握し、適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育を推進しており、教科用図書の選定にあたっても、児童・生徒一人一人の障害の状況等に応じた選定を進めている。特別支援学校で使用する教科書の選定にあたっては、原則として各校の校長を委員長とする選定調査会を設置し、教育委員会の諮問を受け調査会で該当学校の教科用図書について調査および研究を行い、選定結果を教育委員会に答申する形をとっている。教科用図書の選定について、特別支援学校の特徴となる点を改めて説明する。特別支援学校では、教科用図書を大別して、次の3種類の中から選定している。(1)文部科学大臣の検定を経た小学校・中学校・高等学校用検定教科書、(2)視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、特別支援学校(知的障害教育)用の文部科学省著作教科書、(3)教育委員会が定めた選定資料にある絵本や、視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校の専門学科で使用する専門書等の一般図書。このように、児童、生徒一人一人の障害の状況等に応じた教科書が使用できることになっている。選定にあたっては、文部科学省著作教科書や検定教科書を該当の学年に応じて使用できるか、また文部科学省著作教科書を別の障害種別の学校で使用したり、下の学年で使用したりできるか検討する。そのうえで、著作教科書や検定教科書が児童生徒の状況に合わない場合は、絵本等の一般図書から選定している。教育委員会事務局としては、各学校に対して、児童、生徒一人一人の実態を踏まえた選定となるように指導・助言してまいる。」

委員長「各特別支援学校の答申書を見ると、視覚障害や聴覚障害、知的障害等、障害種別によって選定している教科書の種類は様々であると感じるが、各校が選定する教科書には何か傾向があるのか。」

大継部長「特別支援学校は、児童生徒の障害の状況に応じた教科書を選定することから、障害種別による傾向は出てくる。例えば視覚特別支援学校は点字・拡大化した書籍や、あん摩、はり、きゅうの理療関係の専門書籍を多く選定しており、聴覚特別支援学校では、一部の重複障害児の在籍はあるが、多くが知的障害が無いことから検定教科書を多く選定している。また、知的障害特別支援学校や肢体不自由特別支援学校では、障害が重度であり、絵本を中心に選定している。」

長谷川委員「特別支援学校の児童生徒が、将来、社会参加や自立していくことが大切であると思うが、そのような意味において、実習や作業などに関係する専門書などは教科書として選定しているのか。」

大継部長「障害のある生徒が、社会参加や自立できるよう、視覚特別支援学校では、あん摩、はり、きゅうの理療関係の専門書を多く選定し、国家資格の取得のための学習に取り組んでいる。また、知的障害特別支援学校においては、進路指導の充実を図るため、一般図書において、知的障害や自閉症の生徒にもわかりやすい、ビジネスマナー集の選定をしている。仕事をするということについてわかりやすく解説されているとともに、卒業後も使用できるような内容であり、自立に向けた取組ができるような本を調査、研究し選定している。」

長谷川委員「視覚障害者や聴覚障害者は障害の特徴がはっきりしているので、教科書の特徴がわかりやすいと思われるが、知的障害や発達障害など障害の特徴がはっきりしにくいものの教科書の選定に際しては、障害の特徴を活かした教材選定はどの程度考慮されているのか。」

大継部長「知的障害については発達段階に応じて教科用図書を選定している。軽度で日常会話ができ文字や簡単な計算ができる子どもは検定教科書を学年を下げて使用している。重度の障害の子どもは興味関心を持つことができやすい絵本を中心に選定している。」

勝井委員「絵本などの一般図書を教科用図書として選定する場合について、どのような絵本を選定しているのか、もう少し詳しく説明してもらいたい。」

大継部長「絵本などの一般図書については、大阪府教育委員会が作成する、「附則第9条関係教科用図書選定資料」を基本として、各学校の教員が教科書展示会において、実際に絵本を手にとり調査研究している。例えば、視覚特別支援学校では、「バリアフリーえほん3さわってごらんいまなんじ」を選定しているが、この絵本は、視覚障害と知的障害がある児童にとって、時計や登場するキャラクターを残存する視力や触覚を働かせて、読む楽しさを味わうことができ、4年生の算数の教科書として選定している。このように、特別支援学校においては、児童・生徒が興味・関心をもつとともに、障害状況等に応じた教科用図書となるよう調査研究し、答申として提出されている。」

委員長「各学校の選定調査会からの答申を一つ一つ検討したところ、答申された教科用図書については、児童・生徒一人一人の障害を把握したうえで、各学校が編成する教育課程や児童・生徒の興味・関心・能力・適正等の実態に応じて選定されたものとなっていると思う。私としては、各学校の選定調査会から答申されたものを採択してよいと考えるがどうか。」

勝井委員「今お聞きした限りでは、選定調査会の答申は、児童・生徒一人ひとりの障害に応じて、また、社会での今後の自立を目指して適切に選定されたものと考えるので、選定調査会のとおり採択することで差し支えないものと考える。」

委員長「それでは採決を行う。平成25年度の特別支援学校使用教科用図書は、各学校の選定調査会の答申のとおり採択することとして異議はないか。」

委員全員「異議なし。」

委員長「異議がないようなので、平成25年度の特別支援学校の使用教科用図書は、選定調査会の答申のとおり採択する。以上で、大阪市立の高等学校及び特別支援学校において、平成25年度から使用する教科用図書を全て採択した。ただいまの採択は、答申資料をもとに行ってきた。ご協力いただいた皆様方に対し、厚く御礼を申し上げる。事務局におかれては、採択された教科書を使って、各学校において、教育実践が積み重ねられるよう適切な指導助言をお願いする。」

 

議案第103号「ステップアップ研修後の措置の決定について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成24年4月より第一次研修を実施してきた中学校教諭について、第一次研修の状況及び指導力向上支援・判定会議からのステップアップ研修の延長が妥当であるとの意見を鑑み、平成24年8月1日から平成24年11月30日までステップアップ研修を延長するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「採用について、当該教諭はコミュニケーション能力だけでなく教科の指導力、教科についての知識も不足しているように見受けられるが、採用において教科の知識がないような人も通ってしまうものなのか。採用選考のあり方に問題はないのか。また、この議案を見ると、当該教諭に教師としての適性がないことに気付くということがあると思うが、それは現時点ではないのか。」

林田部長「教員採用についての課題について、1回目の研修に入る際の審議においても委員の皆さまからご指摘をいただいた。指導力向上判定会議においても意見が出たところである。当該教諭について言えば、面接点は非常に低かったが筆記については高得点であった。指導の中で数学の知識がうまく伝えられないということがあるのかなと考える。採用試験に関わっては、中学校においては数学、理科の希望者が非常に少ないということが全国的な傾向にあり、選抜が非常に難しいという状況がある。ただ、採用選考について、前回から面接は面接だけで、筆記は筆記だけで合格最低基準点を設定したところである。新規採用後間もない教員のステップアップ研修は初めてであり、事務局内でも議論した。これまでは40代、50代のベテランで指導が不適切な者が多かったが、若手であっても、指導力不足ではないかという懸念の声が現場から聞こえてくるので、若い方であればこそ資質の向上が必要ということで研修にあげさせていただいている。教員に向いていないのではないかということについて、日々の指導の中でそういったことも含めて気付かせるという方向性は持っているが、指導を積み重ねる中で自ら気付かせることが必要という観点でやっている。」

渡部課長「当該教諭は教員を続けたいという強い希望を持っている。指導員からは教員として子どもに対応するためにこのレベルまではできないといけないということは指導しているので、当該教諭として努力してそこまであげたいと考え、頑張っている。自分のやりたいという思いだけではできない、子どものためにここまで自らの指導力で引き上げないとだめであるということを伝えながらやっている。」

大森委員「若い教員でステップアップ研修まで入ったのは初めてとのことで、ステップアップ研修にかかる前の相談事例はいくつかあるとのことであり、数学と理科の採用希望者が少ないので、資質が高い人を選ぶ余裕がないということは課題だと思うが、教科による相談事例の傾向はあるのか。」

林田部長「データとして整理はしていないが、感覚としては理科、数学で多いという感覚を持っている。」

大森委員「大阪市に限らない課題だと思うが、教員採用において数学、理科の応募者を増やすための方策は検討はしているのか。」

林田部長「検討はしており、今回の採用試験においても理科、数学については大学から推薦をしてもらうという手法を取り入れている。全国の大学から推薦してもらって優遇措置を行い、全国から応募をいただいている。ただ、それでもニーズが全てはカバーできていない。それと高校の方で受験いただいている方で中学校免許を持っている方について、中学校での合格ができるようにしている。」

大森委員「その2つの方策によって、十分ではないにしても、改善はあったのか。」

林田部長「結果はこれからであるが、応募者としては増えていると思う。」

委員長「理科、数学、技術の教員確保については、改めて考えていかなければならない喫緊の課題だと思うので危機意識を共有していきたい。当該教諭は講師経験が1年半ある。講師経験があれば採用試験の1次試験は免除されるという優遇措置があるが、コミュニケーション力は1次試験のグループ面接が免除されたということも当該教諭の弱点を察知する上ではスクリーニングをかけられなかったところかと思う。以前から講師採用について問題を感じており、講師としての働きぶりがどのように人事情報として把握されているのか。それをまったく無視して採用試験に通ったから合格ということでいいのか。講師の勤務状況がまったく活かされていないということはおかしい。講師について掌握する仕組みがない。また、初任者には研修プログラムがたくさんあるが、講師に対しては研修が適用されない。」

教育長「年度当初から採用されている方は研修の機会があるが、年度途中からの方は機会がない。」

委員長「子ども、保護者からすれば講師かどうか関係ない。合格した初任者以上にしっかりした指導とサポートを考えないといけない。」

林田部長「採用試験に講師経験をどう反映するかについては難しい問題である。試験の公平性と透明性が言われており、筆記と面接の合計点に講師経験をどう加味するのかというのは難しい面がある。」

委員長「講師経験者は優遇措置もあるが、逆にディスアドバンテージもあるべき。講師をしつつ応募された方については校長の勤務評定を参考情報として活用するなどすべき。」

林田部長「それをどう担保するかについて問題がある。校長の勤務評価をどう点数化するのか難しい。」

大森委員「講師の経験がある以上は、優遇するとか不利にするとかでなく、講師での経験の評価を透明性の高い形でルール化することが必要だと思うがどうか。講師として働いている以上、それを評価しないというのはおかしい。他方、新卒者との公平性を担保する必要があるということを両立するには、採用選考の要項に明記することが必要だと考える。」

林田部長「透明性、公平性の観点から課題があると考える。法的に客観性を担保することが可能かどうか研究したい。講師の経験をマイナスにするとなると、教員として採用できない講師としての実績であるなら講師としても採用できないという論理矛盾が生じてしまう。」

大森委員「やり方として、講師経験を独立した評価点として配点を工夫するというやり方もあると思うし、面接選考においては勤務校における情報を得て、それを参照しながら面接を行うということを明示しておくやり方もある。どのやり方がいいかは今はわからないが、直観的に選考方法に反映することは不可能でないと思う。現に筆記試験を免除されているとのことだが、私はそれは合理性の面でどうかと思う。」

教育長「次年度に向けて教員採用試験について議案として議論していただく場があるので、その際に議論をさせていただきたい。」

高尾委員「当該教諭の講師時代は残念な状況であった。当該教員を教師として養成するという観点がどこまで働いていたのか。数学的な能力はある程度は持っていると思うが、コミュニケーション能力の問題があり、その原因は何かというと、いじめを受けたトラウマみたいなものがあって、それから派生しているのではないか。そういうことを講師時代にキャッチしていれば違っていたのかもしれない。当該教諭は研修を受けたらいいこともあったということが書かれているのに、評価をしたら非常に低いという落差がある。トラウマがあるならそれに対する対策をとれば改善するのか。そこら辺を見極める必要がある。どうしても無理なら方向転換を図ってもらうことが本人のためになると思う。」

勝井委員「将来どうしていくかも含めて考えてあげてほしい。」

教育長「自分自身について認識を持ってもらうようにしたい。」

長谷川委員「かなり細かいところまで研修でチェックされており、モチベーションが上がるのかということに疑問がある。スキル中心に研修がなっているので、マインドに近寄った内容を研修に入れるべきだと考える。若いので自分の生き方について気付きを与える内容を研修に入れてほしい。そうすれば別の選択肢をしようと思う可能性もある。スキルに寄った形になりがちだが、自分の人生を考えさせる研修を入れ、自分でどちらを選ぶのか考えさせるようなことをしてほしい。気付きを与える研修に重点を置いてほしい。」

林田部長「指導員もベテランで経験豊富であり、違う道へ導くことも考えている。ただ、退職勧奨ととられないように慎重に進めていきたい。」

高尾委員「講師の扱いをどうするかについて至急検討してもらいたい。」

長谷川委員「講師の採用の問題、どう位置付けるかも一緒に考えないと論理的な整合性が取れない。」

委員長「講師の採用は教科によっては非常に苦しい現状がある。」

大森委員「講師の研修はもう少しなんとかならないかと思う。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第104号「指導が不適切である教諭等の認定及びステップアップ研修の決定について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校教諭について、管理職や資質向上推進室指導員などからの指摘やアドバイスを受けているにもかかわらず、教科に関する専門的知識、技術等が不足していることや、指導方法が不適切であることなどにおいて改善が十分には見られないため「指導が不適切である教諭等」と認定し、平成24年8月1日から平成24年11月30日まで、第一次ステップアップ研修を実施するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「当該教諭は体罰や女子児童の更衣室での問題など、指導力不足とは違う問題を起こしているが、その点について懲戒処分は検討したのか。」

林田部長「当該教諭には服務上の課題がある。一方マイカー通勤での懲戒処分を行っている。更衣の件については事実関係としての確認ができない状況である。体罰については児童がけがをするまでに至っていないことがあるが、回数的に多いということがあり、処分するかどうか微妙なラインであるので、ステップアップ研修で教員としての心構えを含めて指導してまいりたい。」

大森委員「ステップアップ研修があるから処分は必要ないということにはならない。体罰は軽度であっても繰り返しこのような行為が行われているが、このような状況では懲戒処分にあたらないというのがこれまでの前例なのか。」

林田部長「体罰の程度と保護者との対応が論点となり、当該教諭については処分まで至らないと考えている。ただ、これから事実関係がより積み重なるということがあれば対象となることもありうる。」

大森委員「当該教諭は採用7年目で2校目だが、1校目では問題はなかったのか。議案書を読むと相当問題の多い教諭にみえるが、1校目の状況は把握していたのか。それほど深刻ではないと判断していたのか。」

林田部長「1校目でも十分な指導力があると考えられてはおらず、ベテラン教員と組ませるという形で対応していたと聞いている。ただ、指導力に課題があるという判断だが、ステップアップ研修に上がってくるほどではなかったと聞いている。」

委員長「当該教諭は30代後半で教職歴が6年ちょっとだが、教員になるまでの前職はどうだったのか。」

林田部長「大学卒業後出版社を2社勤め、その後英会話学校の営業をしていた。」

委員長「指導力はもともとあってそれが低下したということではなさそうである。」

長谷川委員「この年齢になると先ほどの事案とは違う対応になる。7年も教員をしていれば、今回は進路変更という視点は難しい。研修のカリキュラムを見ていると、本人の自己理解がないが、それをさせることが必要なのではないか。自分の弱みや強みを押さえさせることが必要ではないか。」

沢田所長「それは振り返りの中でさせている。自分の強みや弱み、その人が教員に向いていないとしてもどういうところでいい面があるのか、どういうところが悪いのか振り返りをさせ、そこに気付かないと次のステップには移れないので、指導員が十分時間を取ってやっている。」

沼守次長「指導員も4人それぞれの持ち味があるので、導入部分を大事にするよう再度伝えてまいりたい。」

沢田所長「研修に入っても職を守ろうとして自分の殻に閉じこもる人が多い。1年かかってようやく気付き、依願退職するというのが現状である。」

高尾委員「処分を受けたことに対する自己反省はなかったのか。」

林田部長「それが児童への指導に関わって改善するということには至っていない。」

沼守次長「当該校の校長はしっかりしている人なので、3年かけて改善に至らないというのは相当だと思う。」

勝井委員「それだけしっかり指導しているにもかかわらず、体罰をまだ行っているということに対して問題を感じる。研修内容に当該教諭独自のものを入れてもらいたい。体罰や生徒に対する感覚に問題があるので、そういうことも入れてほしい。」

委員長「研修メニューとしてはこういう書き方になると思うが、実際の内容はそれぞれの人に即してやっているのだと思う。」

沢田所長「ここで言うと責務の自覚というところに入ってくる。それをしながら子ども理解の深化につなげていく。指導の方法は一人一人にあわせて指導員が変えている。自動車通勤、体罰や更衣室の問題は過去の振り返りに入ってくる。」

委員長「復帰したとしても学級担任が持てず、習熟度別小人数授業しかできないということでは今後ずっと働き続けることは難しい。」

教育長「復帰するには担任が持てる状態になることが必要。」

高尾委員「体罰については懲戒処分はしないということか。それはどういう理由か。」

委員長「体罰は告発主義的なところがあり、親や子どもが問題にした場合に処分の事案にあがってくるが、同じ程度であっても保護者や子どもが自分も悪かったと認めた場合には必ずしも処分事案として上がってこないという現状があるが、それがいいのかどうか検討しないといけない。文句がなければ指導の範疇で、文句があれば体罰というような扱いの差があると教育委員会としても問題があるので考えないといけない。」

高尾委員「子どもが13人まとまって当該教諭が怖いと訴えているという状況があり、また、自動車通勤についても反省が見られず、厳正に対応すべきであると考える。」

勝井委員「それまでのことが認定できるのであれば懲戒処分としないとしても口頭注意などの措置はするべきである。校長が指導していても続けている。」

教育長「校長に確認し、必要があれば処分を検討する。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第105号「職員の人事について」を上程。

荻野教育次長兼総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

市長部局において、公募区長の就任に伴う人事異動が行われるため、平成24年8月1日付けで、荻野教育次長兼総務部長の兼務を解き、浪速区長の浅野宏子を総務部長に、生野区長の山田昇氏を連絡調整担当部長に任命するものである。なお、課長級以下の人事異動については、全市的な調整が済んでいないことから、教育長による専決処分をさせていただきたい。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「人事権が教育委員会にあることからすると、事実上市長部局と一体で行われる事務職員の人事であっても決定する以上は責任を負うので、教育委員会の管理職として適任であるという説明がないと判断できない。」

教育長「浅野については、教育委員会には社会教育の分野での業務経験があり、それ以降、区役所、水道局を歴任し、市民局では男女共同参画の業務を長くしていた。山田については、生野区長の前は都市整備局の総務課長をしており、教育委員会の経験はないが、いずれも教育委員会の部長として適任である。」

高尾委員「浅野区長は教育問題について熱心であり、適正配置の問題への取組や、区の教育フォーラムでも全校をまわってPTAを集めて開催しているなど、非常に熱心な方である。」

教育長「浪速区で津波避難ビルで積極的に活動した方である。」

長谷川委員「私も浅野区長は存じ上げており、非常にいい方だと思う。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 

(5)矢野委員長より閉会を宣告

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