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【第15号】子どもと話すために~子どもは社会の存在 私たちおとなのできること~ 児童虐待防止協会 高崎 幸子

2019年3月20日

ページ番号:169822

しつけと体罰について

 子育てでよくいわれている「しつけと体罰」について、ここでは少し皆さんと一緒に考えてみましょう。

しつけ(躾)って 何?

「辞典には美しい身のこなし、きちんとした礼儀作法をしこむこと」とあります。

生きる上で身を美しくすることは、大切なことかもしれませんが、社会で生きることを外見上の形で教え込むのがしつけでしょうか?

おおまかにガイドすること

ミシンをかけるときにまっすぐ縫えるために おおまかにぐし縫いをします。しつけ縫いのことで、子どものしつけは、このしつけ糸のように社会生活をおくれるように自立と自律を促し内的コントロールが可能になるようにおおまかにガイドすることだといえます。

 

 では、体罰とはどうでしょうか、次に、体罰についての特徴をあげてみましょう。    

体罰の特徴

1、体罰はしているおとなの感情のはけ口であることが多い

2、恐怖感を与えることで子どもを外的にコントロールする

3、即効性がある

4、エスカレートする

5、まわりの子どもにも心理的ダメージをあたえる

(参考:森田ゆり著 「しつけと体罰」)

 

世界では、「しつけとして親が叩く」ことを現在18カ国が法律で禁止しています。

 ・1979年スウェーデン:子どもと親法6章1条「子どもはケア、安全および良質な養育に対する権利を有する。子どもはその人格および個性を尊重して扱われ、体罰またはほかのいかなる屈辱的な扱いも受けない」

日本では、しつけに体罰が時には必要と考える人は約7割でした。


子どもとのワークショップで

 「子どもに叩いて教えることは必要」と答えてくれた中学生は1クラスに約1割いました。

 理由は、「口で言うても分からん時は、たたかなあかん。と思う」ということでした。

他にも「子どもが命にかかわるような悪いことしたら、身体にわからさなあかん」と教えてくれました。「命にかかわるような悪いこと?」ってどんなことかなぁ、と尋ねると、

「そんなんわからん。」

「そうかぁー。じゃあ君は、叩かれたことあるん?」

「うん、いつもお父さんすぐ殴んねん。」  

「そうなんや、―――」

命にかかわる悪いことをしたわけでもないのに、言葉遣いが悪いとか、宿題をしない、クラブが続かないとかで怒り出し殴られた、のだそうで、

「君は殴られたら、どんな気持ちがするん?」

「えー、そら痛いし、怖い。ほんで腹立つ」 

「そうか、痛かったし、怖い気持ちがしたんやね。大切な気持ち話してくれたんやね。ありがとうね。」  

「君は言葉遣いのことや勉強のことやクラブやめたいことで親の話を叩かれないと分からんのかなあ? 口で言われても、分かるかなぁ?」

「うん、分かるよ!(はっきりした口調で)」と答えてくれました。

DV家庭で育つ11歳の気持ち

「お父さんとお母さん、けんかばっかりすんねん。私怖くて怖くて、自分の部屋でふとんかぶって終わるの待つねん。でも音聞こえて怖いからオーディオ大きな音でかけるねん。けんか終わるまで怖いしじっと待つ」

5歳児の気持ち

「ぼくね、ごはん食べるのん遅いしこぼすねん。ほんならお母さん怒る。」

「僕が、悪いから、お母さん怒る。またこぼしてー。はよたべなさい!って怒ってグーで僕の頭グリグリする」

「そうなんやねえ。 頭ぐりぐりされたらどんな気持ち?」

「いやな気持ちー。お母さんこわいー。グリグリいたいー。」

「Aくんは頑張って食べてるけど、こぼすことあるんやね。叩かれたら早く食べれるのかなあ」

「ううん、いやや叩かれんでも頑張れる。」

ときっぱり教えてくれました。

 

他にもいろんな子どもたちが暴力(体罰、暴言、心理的抑圧など)するおとなについて教えてくれました。

・決めつける  ・認めてくれない  ・話をきいてくれない  ・やる気をなくした

・たたかれてはずかしかった  ・腹がたつ  ・いつかやり返したる

・僕がわるいから  ・私ができないから ・親は僕(私)のことを好きでないから 

・私ばっかり  

などなど

本来子どもは一人ひとりおとなと同じように、考えたり参加したり発言できたり選んだり、安心して自分らしく勇気をもって行動する力があります。

親や養育者のことが大好きで、自分のことも好きでいてほしい、認めてほしい、信じてほしい、と感じています。

もしもおとなから暴力にあったら、ご紹介したように多くの子どもは自分が悪いからだ、自分ができないからだ、と自分を責めて成長してしまいます。

一人ひとりのみずみずしい力に気づけず、自分の能力や感じ方が信じられず問題解決力や自尊のこころを育てられずにおとなを怖がる存在、世の中が信頼できなくなる存在になってしまいます。

おとなの思い、おとなのできること

 次に、おとなの思いについて、そして私たちおとなのできることについて考えてみたいと思います。

おとなの思い

・  理想の子ども像

・  勝利至上主義

・「愛のむち」肯定論が根強い

・  親の孤立

・  おとなの内的コントロールの欠如

おとなのできること

・  こどもへは、禁止形「~してはいけません」から「~しようね。」の肯定的メッセージで伝える

・  体罰否定意識を貫く(多様な考え方はありますが)

・  子どもとルールを決める

・  気持ちの交流をはかる

  例えばチョッとした用事や頼みごとを子どもにして褒める機会、認める機会をつくり「~してくれてありがとう」具体的に褒めること

・  子どもに選択を求める

・  感情を理解する

・  大人側の怒りの感情をコントロールする

     深呼吸をする/その場を離れる/枠をはずす/見方をずらす/音楽を聞く/静かな場所を思い描く/温かいふろにはいる/ など自分を大切にしましょう。

・  感情を言葉にして子どもに伝える。

    「~して残念」「私は~すると、とても悲しい」「私は~してくれたらうれしい」など「私は」を主語にして気持ちを率直に伝えることで本気が伝わることが多いです。

・  自分の気持ちを信頼できる人にしっかり聴いてもらう。身近にない時は 子どもの虐待ホットライン 06-6762-0088 へ

・  子どもの人権を尊重する意識をもつ

「子どもの権利に関する条約(日本は1994年批准)では子どもの権利について4つの柱として・元気に生きる権利・守られる権利・自分らしく育つ権利・参加する権利がある」と子どもが権利の主体として尊ばれることが明文化されています。

・  子どもの気持ちを心で聴く 

 

私たちおとなも、「今日1日叩かずにすんだ」という現実対応力を増やし、1日ずつをつみあげることや、友人、知り合い、ホットライン、サポート窓口などと上手につながることなど、創造力と想像力とアイデアで子育てを乗りきっていきたいですね


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