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【第18号】うちの子、ちょっと変わってるかも?1~アスペルガ―症候群ってなに?~ 六甲カウンセリング研究所 所長 井上 敏明

2019年3月20日

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アスペルガ―症候群とは

文科省は、全国の小・中・高などの学校に、特別支援委員会を設置するよう通知を、都道府県の教育委員会に出しました。もう数年以上まえのことです。コーディネーターを中心に運営されているはずです。

その主旨は学校生活をおくる児童・生徒の中に、どうしても適応が難しい 子どもいて、教師達の励ましだけでは間に合わない理由があり、そこを特別に配慮して指導・助力してほしい旨、通知したわけです。

ではどう難しいのか、当初は軽度発達障害と言った用語で、鮮明にしておりました。それには4つのタイプが有るというのです。注意欠陥・多動・アスペルガー・学習障害なのですが、義務教育段階ですと6・3%にもなると、発表していました。知的障害の子どもさん達は、はずしますから、全体の1割が教育のその過程で要注意、というわけです。それに勉強嫌いの児童・生徒さんを入れますと、学校の先生も大変です。

さて、それではアスペルガーではないかと思われる子どもだと、どれくらいの割合になるのでしょうか?

文科省は0・8から1%だとしています。ところで、注意欠陥・多動・学習障害もその名称から、何となく分かるような気がしますが、アスペルガー障害となりますと、ネーミングから連想は全くでてきません。それもあり、アスペルガーって何?どんな子どもの事、と尋ねたくなるわけです。

皆さんは、パーキンソン病とかダウン氏症候群の病名はご存知と思いますが、この両方ともドクターの名前がそのままついていますように、アスペルガーも、ハンス・アスペルガーと言う名前の、ヨーロッパはオーストリアの精神科医師が1944年に、4人の症例を発表したのが発端です。その後何十年も経て、今ではアスペルガー障害またはアスペルガー症候群と呼ぶようになったのです。

アスペルガ―の特性について

では一体アスペルガーとは何なのでしょうか。分かり易いのはどんな人がアスペルガーといえるのか、推測してみるのが早いかしれません。ズバリ、モーツァルトにベートーベン、ゴッホにピカソを初めとした、天才群に多いのです。多分ノーベル賞受賞者の中にも多数(?)、世界的に有名な数学者の大半も。

どうして偉人・英雄・有名学者に多くみられるのでしょうか。例えば日本ですと野口英世などがそう言われるのですが、そこにアスペルガー特性の人格心理の、まさに典型的なものがあるからなのです。その共通因子をあげてみます。

やり出すと止まらない固執性、一つのことに異常なほどに、拘る同一性、一旦決めると変更出来ない規則性、モーツァルトのように聴覚の鋭敏な感性の資質を持った、五感の特異な持ち主に多いのです。

たとえば、学校だと、あらかじめ決められていることに、変更が突然、となるとパニックを起こす子どもさん、何度もしつこく先生に質問や確かめをしないと落ち着かないとか、周りの場面に対して鈍感で空気がよめず、自己中心的だったりするので、嫌われ、時にいじめられるとか、クラスのなかで適応が難しいのですが、知能は高く、記憶が特に強い、成績は良いのに友達がいない、とか、やはり何かがちがうのです。


二人の子どもの事例を通して見えるもの

二人の男の子の事例を紹介します。普通のお子さんとはどこかが(何かが)違うのがお分かりになるかと思います。

小学生でまたまだ可愛い一年のA君が、ある日ヒョコッと、特別学級のクラスの教室に入ってきました。何にでも興味を抱く知能年齢の高い子どもさんです。特別学級には三人の児童がいました。部屋には普通学級とは違い、いろいろあります。興味深くあれこれ見て触って、点検終了。

さてその部屋から出る時、言わなければいいのに、三人の知的障害のある子どもさんたちに向かい、君達は大学行けへんね!と生意気なことを口にしたのです。肝心の三人の高学年児童は、何のことか?という顔でしたが、傍で耳にした担当の先生が烈火の如く腹を立て、その午後一人残し、コーディネーターも入った学校の教師たちで、何でそんなこと言ったのかと強く責めたのです。小一の児童にです。

その夜から猛烈なチック症候群、不登校となり、親御さんが、私のところへ相談に見えたのでした。コーディネーターは、アスペルガー系児童の特性が全く分かっていなかったわけです。思ったことを周りに配慮しないで言葉にしてしまうので、嫌われてしまうのです。

知的理解はできますが、人の心が年齢相応に汲み取れないのです。場合によれば感情的欠落でもあります。

B君は言葉の意味が気になりますと、とことん追及します。小5の時のことでした。授業中、先生が運動の話をしている時、何を思ったのか、突然手をあげ、「質問があります」と言いだしました。担任が、「なに?」とたずねますと、「ドッチボールとドッジボールとはどう違うのか」と、執拗に食い付き、クラスの授業をストップさせたのです。

他の児童は、またか、とうんざり。後々やはり周りからのいじめが始まりました。

この子どもさん、中学受験後はよく似た子どもが集まる進学校に六年間通い、大学は超有名国立大に合格しました。
 アスペルガ―的特性を持つ知能の高い子どもさんは、専門職や研究者、学者には向いている、と言えますが、企業や組織のリーダーなどの仕事では、ストレスが大きいかもしれません。

やはりここは、問題のある子としてでなく、特性をもっているのだという見方が大切といえます。アスペルガー特性には、プラス面とマイナス面があるのだとお分かりいただきたいものです。


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