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平成23年第16回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:189333

平成23年第16回教育委員会会議 会議録

1 日時   平成23年7月26日(火曜日) 午前9時30分~午前11時30分

 

2 場所   大阪市教育センター7階研修室4

 

3 出席者

佐藤友美子  委員長

勝井 映子  委員長職務代理者

矢野 裕俊  委員

長谷川惠一  委員

高尾 元久  委員

 

永井 哲郎  教育長

中尾 寛志  教育次長

沼守 誠也  教育次長

荻野 哲男  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

三宅  卓  生涯学習部長

沢田 和夫  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

小畠  稔  学校経営管理センター所長

永安  卓  中学校教育担当課長

北口 直樹  指導部主任指導主事

田中  節  指導部主任指導主事

寛座 純一  高等学校教育担当課長

長谷川義高  指導部指導主事

杉本 幸一  指導部総括指導主事

津村 友基  指導部指導主事

森本 充博  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

 

高岸 康隆  大阪市立学校教科用図書選定委員会委員長

 

4 次第

(1)佐藤委員長より開会を宣告

(2)佐藤委員長より会議録署名者に勝井委員を指名

(3)議題

議案第88号 平成24年度使用教科用図書の採択について

 

(4)議事要旨

議題第88号「平成24年度使用教科用図書の採択について」を上程。

委員長「議案第88号「平成24年度使用教科用図書の採択」について審議を行う。本件については、去る7月19日の教育委員会会議で中学校の使用教科用図書に関わって大阪市立学校教科用図書選定委員から、高等学校及び特別支援学校の使用教科用図書に関わって各選定調査会から答申を受け取った。私たちとしてはこの答申を尊重しつつ、厳正かつ公正に採択に向けて審議してまいりたいと考えている。本日は、中学校の教科用図書に関して答申をいただいた大阪市立学校教科用図書選定委員会の高岸委員長にお越しいただいているので、選定の経過や答申の内容について、改めてご報告願いたい。」

選定委員長「平成24年度に中学校で使用する教科用図書の選定について諮問を受けて以降、選定委員会では、「大阪市立学校教科用図書選定委員会要綱及び細目」に沿って、市内8採択地区と中高一貫教育校について、教科用図書の選定を行うための選定事業計画を立案し、公正確保に留意しながら適正に教科用図書の調査・研究を進めるとともに、選定のための審議を行ってまいった。第1回、第2回の選定委員会では、選定事業計画の立案、調査を進めるための「調査の観点」の作成等を行った。各調査委員会は、「調査の観点」に沿って、「学校調査委員会」は学校ごとに、「中央調査委員会」は5回、「地区調査委員会」は3回の種目ごとの調査・研究のための会合を経て、調査票を作成した。第3回、第4回の選定委員会では、各調査委員会の調査票を集計し、取りまとめた選定資料を受け取るとともに、あらためて「中央調査委員会」「地区調査委員会」の代表から調査・研究の詳細について報告を受けた。答申資料の作成にあたっては、各調査委員会の評価が分かれる点については、選定資料を熟読し、評価の根拠や違いを明らかにし、選定委員が実際に見本本を調査し、審議を重ねるなど、学校や地区の実情を十分考慮しながらも、教育基本法等の改正や新しい学習指導要領の趣旨、並びに本市学校教育指針を参考にし、新学習指導要領の下で学習する生徒にとってより適切な教科用図書を採択していただける資料作りに努めてまった。いずれも保護者代表、学識経験者代表、学校代表、教育委員会事務局代表とそれぞれの立場からの意見が出され、議論を重ねた結果、より適切な教科用図書を推薦するための答申案を作成することができた。このように選定委員会では8つの採択地区ごとと中高一貫教育校の15種目の全発行者について、十分かつ綿密に調査研究したことをもとに、それぞれ「特にすぐれている点」や「特に配慮・工夫を要する点」を列記しながら、答申資料としてまとめた。採択地区ごと中高一貫教育校の各種目に2~3者に○印をつけているが、それが選定委員会の推薦する発行者である。最後に、選定委員会として、公正確保の観点を最重視し、選定委員会全委員の合意のもとに答申させていただいた。」

委員長「それでは、審議に入る前に、答申資料を判断するに当たっての、教育委員会の方針を確認したい。私たちは答申資料をもとに全ての発行者について検討を重ねる中で、答申資料を判断する上で一定の方針を立ててまいった。答申資料には、各調査委員会におけるABCの三段階の絶対評価による評点が記載されており、これらの評価を判断するに当たり、今回採用することとした採択の方針は、「中央」「地区」「学校」の3つの調査委員会の評点が全て高く、他に並ぶものがないものについては、これを採択することとし、この他については、3つの調査委員会の評点及び答申資料の文章記述を参考にしつつ、教育委員会として判断するということであった。今回の採択に当たって、この方針で判断していくことに異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、今回の採択に当たって、今申し上げた方針で判断してまいる。採択の方針が確認されたので、まず、中学校の使用教科用図書の採択から始めてまいる。中学校は15種目ある。種目別に採択地区ごとに採択を行ってまいる。まずは「国語」から始めてまいる。答申の推薦は、すべての地区及び咲くやこの花中学校で「東書」、「三省堂」及び「光村」となっている。「国語」はすべての地区において3つの調査委員会の評点がすべて高いものがないので、それぞれ採択していくこととする。まず、第1地区から始めてまいる。第1地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

矢野委員「「東書」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、答申においても、資料編が充実していることなどが評価されているので、「東書」がいいのではないではないか。」

委員長「それでは第1地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区は「東書」を採択する。次に第2地区にまいる。第2地区においても、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

勝井委員「「光村」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、教科書を読むと、掲載されている詩の内容がよくて、私自身子どもに読ませたいものであるなど内容がよく、デザインも優れているので、「光村」がいいのではないか。」

委員長「それでは第2地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区は「光村」を採択する。次に第3地区にまいる。第3地区においては、「三省堂」が中央及び地区がAで学校がBとなっており、「光村」が地区及び学校がAで中央がBとなっており、AとBの数が同じである。この2者の特徴について、選定委員会としてどのようにとらえているかご報告いただきたい。」

選定委員長「「三省堂」については、「読むこと」「書くこと」「聞くこと・話すこと」の各領域ともに、多彩な教材がバランスよく取り扱われており、古文・漢文では、小学校との学習の接続を意識した作品が取り扱われている点、資料編では、図表などを用いて、伝統文化を身近なものとして学習できるよう配慮されていること、また、分冊(本編・資料編)となっているため、紙面構成に余裕があり、生徒の理解がはかられやすいことなどが、選定委員会において特にすぐれた点として意見があった。「光村」については、各単元で学習の目標を設定し、目標に合わせて「話す」「聞く」「書く」「読む」の領域との関連が明示されており、各領域は偏ることなくバランス良く取り扱われており、説明的文章において、図書館等の施設や情報機器の活用について取り上げ、情報の収集、分析、発信の力を養うよう工夫されていること、また、「学習を広げる」では、本編の学習につなげて読み比べや発展的な学習に活用することができる読み物教材を取り上げており、生徒の興味・関心を高め、考えを深めるよう配慮されていることなどが、選定委員会において特にすぐれた点として意見があった。」

委員長「この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

長谷川委員「私としては、現場の意見を尊重したいということと、章ごとに狙いが書かれていてよくまとめられていること、時代に沿った編集になっていることから、「光村」がいいと考える。

高尾委員「私も「光村」を推す。「光村」は情緒豊かで、同時にマッピングなど発想法も紹介し、新しい時代に対応しようとしている。季節感、内容、表現方法も多彩である。三省堂は導入に難がある。すぐに古文があり、生徒にとってはなじみにくいのではないかと考える。」

委員長「私も「光村」がいいと思う。「光村」は生徒へのメッセージ性があり、見通しを持って学習するというフレームワークがしっかり示されているように思う。ほかにご意見はないか。」

委員長「それでは第3地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第3地区は「光村」を採択する。次に第4地区にまいる。第4地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

勝井委員「「光村」がA評価が2つ、B評価が1つであり、「東書」よりもAの数が多く、また、「三省堂」とはAの数は同じだが、三省堂は学校がC評価としていることや、第3地区でも「光村」の評価が高かったので、「光村」がいいのではないか。」

委員長「それでは第4地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第4地区は「光村」を採択する。次に第5地区にまいる。第5地区においては、「東書」及び「三省堂」が中央及び地区がAで学校がBとなっており、「光村」が地区及び学校がAで中央がBとなっており、AとBの数が同じである。「東書」の特徴について、選定委員会としてどのようにとらえているかご報告いただきたい。」

選定委員長「「東書」については、どの単元においても「言葉の力」を配置して、言語能力の学習課題を明確にし、言語感覚を豊かにすることができるよう工夫され、古典教材が精選されており、生徒が興味を持って古典学習が進められるように構成されていること、絵図、写真、挿絵資料等を用いて作品が具体的に理解できるよう配慮されていること、読む教材に関して「書く」「話す・聞く」の領域が、総合的に学習できるように配慮されていること、また、「資料編」の作品には読み比べの例が示され、系統的に学習できる配慮がなされていることなどが、選定委員会において特にすぐれた点として意見がでた。」

委員長「この3者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

勝井委員「東書」を見ると、内容はいいと思うが、少し紙面が読みにくいという印象を受けた。さきほども言ったが、「光村」が内容もよく、読みやすいので、「光村」がいいのではないか。」

矢野委員「「東書」は根拠を明確にして書くなど論理的、説得力のある文章表現の学習を重視しており、私はいいと思うが、「光村」との優劣は明確にはつけがたいものがある。」

高尾委員「「東書」は、素材において脳科学、コンビニ弁当、池上彰氏と新しい試みがある。しかし、全体の構成はオーソドックスな教科書だと思う。私は「光村」を選びたいと思う。」

委員長「私は、「東書」の資料編は役に立つと思い、そこは評価している。ただ、さきほども言ったように「光村」の方が生徒へのメッセージ性があり、見通しを持って学習するというフレームワークがしっかり示されているなど、優れていると思う。中央調査委員会の評点は「東書」と「三省堂」はAで「光村」がBとなっているが、答申の記述内容を比べてみると、それほど差は感じられないので、私も「光村」がいいと思う。ほかに意見はないか。」

委員長「それでは第5地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第5地区は「光村」を採択する。次に第6地区にまいる。第6地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

矢野委員「「東書」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、第1地区と同様に、「東書」がいいのではないか。」

委員長「それでは第6地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第6地区は「東書」を採択する。次に第7地区及び第8地区にまいる。第7地区及び第8地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

高尾委員「「光村」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、これまでも「光村」の評価が高かったので、「光村」がいいのではないか。」

委員長「それでは第7地区及び第8地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第7地区及び第8地区は「光村」を採択する。最後に咲くやこの花中学校にまいる。咲くやこの花中学校では、「東書」及び「三省堂」が中央がAで学校がBとなっており、「光村」が学校がAで中央がBとなっており、AとBの数が同じである。この3者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「咲くやこの花中学校は、中高一貫校として特色のある学校であるので、学校の意見をできるだけ尊重したいと思う。学校がA評価をしている「光村」がいいのではないか。」

委員長「それでは咲くやこの花中学校については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、咲くやこの花中学校は「光村」を採択する。「国語」の採択結果を確認する。第1及び第6の採択地区は「東書」、第2から第5、第7、第8及び咲くやこの花中学校の採択地区は「光村」と決した。」

委員長「続いて、「書写」にまいる。答申の推薦は、第1地区が「三省堂」、「教出」及び「光村」となっており、第2地区から第5地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校が「東書」、「教出」及び「光村」となっており、第6地区が「東書」、「三省堂」及び「光村」となっている。評点を見ると、第3地区において、「教出」が、中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがなく、咲くやこの花中学校で「東書」が中央・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがないので、採択方針により、第3地区は「教出」を、咲くやこの花中学校は「東書」を採択することとしたいと考えるが、異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第3地区については「教出」を、咲くやこの花中学校については「東書」を採択する。次に第1地区及び第2地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

勝井委員「「光村」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、「光村」を見ると、筆を運ぶ運筆の説明が見やすくわかりやすいということや古い時代の文字も多く取り入れられていることがいいと思うので、「光村」がいいのではないか。」

委員長「それでは第1地区及び第2地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区及び第2地区は「光村」を採択する。次に第4地区及び第8地区について、「東書」、「教出」及び「光村」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。この3者のうち、どちらを採択すればよいか意見はあるか。」

高尾委員「「東書」は「書きやすさ」及び「活字と手書きの違い」を説明し、現在の生活の中で役立つ工夫がされている。整った文字を書くことの工夫を示しているのも、分かりやすいと思う。」

委員長「「東書」は生活の中でどう字を書くかという点に力を入れており、今の子どもたちに必要なことだと思うので、私も「東書」がいいと思う。」

矢野委員「携帯やメールなど自分で文字を書くことが極端に少なくなっている中で、字をどのように教えるかということは重要なことだと思うので、今の意見に同感である。」

委員長「第4地区及び第8地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第4地区及び第8地区は「東書」を採択する。続いて、第5地区について審議する。第5地区は、「東書」及び「教出」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じであるが、さきほどの第4地区及び第8地区と同様に考えて「東書」でいいのではないかと考えるがよいか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第5地区については、「東書」を採択する。続いて、第6地区について審議する。第6地区は、「東書」、「三省堂」及び「光村」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。「三省堂」が新たに加わったが、この3者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「「三省堂」は生活の中での場面に応じた書体の使い分けを解説していて、これは大事な視点であり評価できる。また、自ら考えながら書くという内容が他の者と比べてより明示的であり、「三省堂」がいいと考える。」

長谷川委員「私は「東書」の方が現実に使うことを意識した編集になっているので、「東書」がいいのではないかと思う。」

委員長「矢野委員がおっしゃった自ら考えながら書くとか、判断しながら書くというのは新しい教科書のあり方として評価できるのではないかと思う。」

勝井委員「古代の文字のところが少し読みづらいかなと思うが、今おっしゃったような意見を聞いて私も「三省堂」がいいと思う。」

委員長「「三省堂」の方がいいという意見が多いので、第6地区については、「三省堂」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第6地区については、「三省堂」を採択する。次に第7地区において、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

長谷川委員「「東書」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、さきほども意見が出たように評価できるところが多いので、「東書」がいいのではないか。」

委員長「それでは第7地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第7地区は「東書」を採択する。「書写」の採択結果を確認する。第1及び第2の採択地区は「光村」、第3地区は「教出」、第4、第5、第7、第8及び咲くやこの花中学校は「東書」、第6地区は「三省堂」と決した。」

委員長「続いて「地理的分野」にまいる。答申の推薦は、全ての地区において「東書」、「帝国」となっている。評点を見ると、第2地区、第5地区から第7地区及び咲くやこの花中学校では、「帝国」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがなく、第8地区では、「東書」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがないので、採択方針により、第2地区、第5地区から第7地区及び咲くやこの花中学校で「帝国」を採択し、第8地区で「東書」を採択したいと考えるが異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区、第5地区から第7地区及び咲くやこの花中学校で「帝国」を採択し、第8地区で「東書」を採択する。続いて、第1地区及び第4地区について審議する。第1地区及び第4地区は、「東書」及び「帝国」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

高尾委員「「帝国」にある「日本の底力」を評価する。「大阪のN社」も登場し興味を持たせる。また防災に関する記述が詳しく避難方法にも言及している。ただ、ハザードマップは九州のところで登場し、その地域だけとの印象を受けた。「東書」は近畿の歴史が詳述され、地理に歴史の視点を加えている。比較するとトータルでは若干「帝国」が優れていると思うが、大きな差はないと思う。」

矢野委員「両者を比べると「帝国」はアジアに関する記述の分量が多く、「東書」はオセアニアに関する記述の分量が多いという特徴があるように思った。多民族・多文化社会についてまとめられた記述があることやヨーロッパの地理や社会の動きについて取り上げる視点が新しいといった点が評価できるので、私は「東書」がいいと考える。」

委員長「版が大きいことは抵抗感はないわけではないが、大きいメリットを活かして挿絵や写真が非常に見やすいので、私も「東書」がいいと思う。」

委員長「「東書」の方が優勢のように思うが、第1地区及び第4地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区及び第4地区については、「東書」を採択する。次に第3地区において、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

高尾委員「「帝国」はA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、先ほど申し上げたように「日本の底力」や「防災」の記述が評価できるので、「帝国」がいいのではないか。」

委員長「それでは第3地区については、「帝国」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第3地区は「帝国」を採択する。「地理的分野」の採択結果を確認する。第1、第4及び第8の採択地区は「東書」、第2、第3、第5から第7、及び咲くやこの花中学校は「帝国」と決した。」

委員長「続いて「歴史的分野」にまいる。答申の推薦は、第1地区、第3地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校において「東書」、「帝国」、「日文」となっており、第2地区において「教出」、「帝国」、「日文」、第4地区において「東書」、「教出」、「帝国」、第5地区及び第8地区において「東書」、「教出」、「日文」となっている。評点を見ると、第2地区、第3地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校では、「日文」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがないので、採択方針により、「日文」を採択したいと考えるが異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区、第3地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校で「日文」を採択する。続いて、第1地区及び第6地区について審議する。第1地区及び第6地区は、「東書」及び「日文」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。これらの2者の特徴について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「「東書」については、各章の年表の後に、時代を代表する歴史事象や建築物などの絵、写真を時代の流れをもとに配置し、また、その時代の服装をイラストで挿入することで、時代のイメージや特色をとえることができるよう工夫がなされていること、「歴史スキルアップ」では、様々な調べ方やまとめ方などの技能を育て、探究学習ができるよう配慮されていること、章末の「この時代の特色をとらえよう」では、人物カード、歴史新聞や比較表の作成などを通して、様々な表現方法が習得できるよう工夫がなされていること、章末の「この時代を振り返ってみんなで考えよう」では、歴史について考察し、言語力を高められるよう話し合いの課題を設けるなどの工夫がなされていることが、特に優れている点として意見があった。「日文」については、各編のはじまりに、特色あるイラスト、大きな資料や写真などを使用することで、時代の特色を捉えることができるよう工夫がなされていること、「歴史をはかるものさし」で時代ごとに色分けし、各ページの端にも時代スケールをつけ、学習している時代がどこかを確認できるよう工夫がなされていること、各編の導入に「地図で見る世界の動き」を設け、大きな地図を使いながら世界との関係を大観できるよう工夫がなされていること、文化の単元では、カラーの折り込み資料で各文化の特色あるものを大きく取りあげており、日本の伝統や文化の理解のために活用できることが、特に優れている点として意見あった。」

委員長「この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「「日文」について、時代の転換期や注目すべきところに目が行くようにデザインされているところや、現代の日本について教える上で重要なテーマである、例えば、アイヌや沖縄、公害問題などに触れられているところ、歴史は今を考えるための鑑であり、そういう発想が明確に出ているところが評価できるので、「日文」がいいのではないか。」

長谷川委員「やや抽象的だが、私は歴史に興味を抱かせるには人のにおいを感じさせることがいいと考えており、その点で「東書」がいいのではないかと感じている。」

勝井委員「「日文」が生徒が読みやすいデザインやレイアウトになっていると思う。また、「歴史を掘り下げる」というコラムも工夫がされており興味が持てるので、「日文」がいいと思う。」

高尾委員「「東書」と「日文」は非常に良く似た内容だと思う。ともに満足できるレベルとは考えていない。例えば第2次世界大戦後の現代史に関して言えば、「東書」は世界からの視点が少ない。グローバル化のもたらす影響の記述に不満がある。国際テロについて「一般市民を巻き込むテロリズムも発生しています」との記述では物足りない。「日文」もグローバル化の記述はわずか2行とコラム。これでは現代のダイナミズム、問題点を学べない。将来志向が希薄である。ただ、例えば古代史で重要な時代である天智・天武朝について、「東書」が事実だけを羅列し、因果関係を示さないでいるのに対し、「日文」はまだ、歴史の因果関係=ダイナミズムに眼を向けさせようとしている点で、2者のなかでは、わずかに「日文」だと考える。」

委員長「大阪のことが多く取り上げられているのが学ぶ子どもにとって身近に感じられていいと思うので、私も「日文」がいいと思う。」

委員長「「日文」の方がいいという意見が多い。それでは第1地区及び第6地区については、「日文」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区及び第6地区については、「日文」を採択する。次に第4地区において、「東書」、「教出」及び「帝国」の評点のA及びBの数が同じである。「教出」及び「帝国」の特徴について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「「教出」については、章末の「学習のまとめと表現」では、記入方式で年表を作成するなど、問題を解く形式で学習を進め、まとめやすい工夫がなされていること、「歴史の窓」や「世界から歴史を探ろう」で、世界と日本のつながりを取り上げることで、世界の歴史に関心が持てるよう工夫がなされていること、各単元のタイトルの上に、これから学習する時代の年表が配置されており、学習テーマのタイトルと時代とが視覚的に同時に捉えられる工夫がなされていることが、特に優れている点として意見があった。「帝国」については、「チェック&トライ」で、学習内容をまとめる活動や調べ学習、話し合い活動などを取り入れる工夫がなされていること、「人と自然とのかかわり」「未来へつながる社会」では、地理、公民の各学習との連携が図れるコーナーがあり、興味・関心が深められるよう工夫がなされていること、各時代に配置された「タイムトラベル」では、イラストを取り入れた時代の特色を把握する学習や、前時代との比較をもとに時代の変化を読み取る学習を進め、考えをまとめ、意見を交流することなどを通して、言語活動を充実できる内容となっていることが、特に優れている点として意見があった。」

委員長「この3者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

高尾委員「「帝国」は、歴史への視点がしっかりしており、「歴史のとらえ方は、時代によって変化することがあるんだよ。」と書いている。「それぞれの敗戦」の項目も多角的な視点である。歴史を一刀両断しないよさがある。現代史においてグローバル化に2ページを充て、問題点を押さえており、また、天智・天武朝の記載において「白村江の戦い」と国際緊張、「壬申の乱」を経て「天皇を中心とする強い国家」を目指したことを記述し、「日本」や「天皇」の言葉の誕生とともに歴史のダイナミズムをキチンと説明しようとしている。」

長谷川委員「私は、先ほど申し上げた点と、学校現場が高い評価をしているという点で「東書」がいいのではないかと思う。」

矢野委員「「東書」は記述が事実の列記ばかりであるように思う。なぜそうなのか深く掘り下げるということがもう少しほしかった気がする。「教出」は時代区分についての説明が詳しく、東アジアの中での日本の古代史をとらえる視点が明確でいいと思う。「帝国」も稲作から大和王朝の誕生していくことやその後の流れの記述が詳しく丁寧であることや、現代のグローバル化の記述が詳しいというところがいいと思う。」

高尾委員「もう少し付け加えさせてもらう。歴史には多くの立場が反映されたほうがよいと思う。本質的にそこが自然科学との違いである。したがって、教育現場の意見より、より広く多様な意見を尊重すべきだと私は考える。」

委員長「私も今の高尾委員の意見に賛同する。「帝国」という声が強いようであるので、第4地区については、「帝国」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第4地区は「帝国」を採択する。続いて、第5地区については、「東書」及び「教出」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「先ほども申し上げたように「東書」と「教出」では、「教出」の方が優れた点が多いと思うので、「教出」がいいのではないか。」

長谷川委員「この2者を比べた場合は、「教出」がアジアとの連携の比重が多く、これからの時代にはアジアとの連携が重要になってくるので、私も「教出」がいいと思う。」

高尾委員「「東書」の問題点は既に申し上げたとおりである。「教出」もそれほどいいとは思わない。体裁では丸数字など注の指示が分かりにくいという問題がある。記述についても、例えば自衛隊のPKO派遣について国際貢献の意義があることが軽視され、国内的な発想に立っているということがある。さらに、「2009年には、民主党が衆参両議院で第1党となる政権交代が起こり、新たな政治を目ざす取り組みが始められています。」との記述には、首を傾げた。教科書として求められる完全性・慎重性に問題がある。」

委員長「確かにそういう点はあるが、検定を経て合格している教科書であるので、そういった内容を取り上げるのはなかなか難しい問題である。私としては、「教出」にはトライという項目があって、発展的な学習へつなげるような形になっている点を評価したいと思う。第5地区については、「教出」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし」

委員長「異議がないので、第5地区については、「教出」を採択する。「歴史的分野」の採択結果を確認する。第1から第3、第6から第8及び咲くやこの花中学校の採択地区は「日文」、第4地区は「帝国」、第5地区は「教出」と決した。」

委員長「続いて「公民的分野」にまいる。答申の推薦は、第1地区から第3地区、第6地区から第8地区及び咲くやこの花中学校において「東書」、「帝国」、「日文」となっており、第4地区及び第5地区において「東書」、「教出」、「日文」となっている。評点を見ると、第3地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校では、「東書」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがなく、第6地区では「日文」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがないので、採択方針により、第3地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校では「東書」を、第6地区では「日文」を採択したいと考えるが異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第3地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校で「東書」を、第6地区で「日文」を採択する。続いて、第1地区及び第4地区について審議する。第1地区及び第4地区は、「東書」及び「日文」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。これらの2者の特徴について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「「東書」については、資料やイラストが大きく示され、また資料や文字の間に余裕があって見やすく配置されており、学習理解を深める工夫がなされていること、各章末に学習内容を振り返る課題が設定されており、また、「鉛筆マーク」や「公民にチャレンジ」など、考察力や表現力を高めるうえで効果的であること、さらに、自主学習できるよう工夫されていること、「公民にアクセス」では、「コンビニエンスストアのPOSシステム」や「職業や雇用について考える」など、本文の内容を補完する資料が用意されており、学習課題を探求していく力を育成するよう工夫されていること、終章「よりよい社会をめざして」のレポートづくりは、作成の方法が順序立てて説明されており、テーマ例を示し地理・歴史・公民的分野の既習事項を総合し、表現力を養うことができるよう工夫がなされていることが、特に優れている点として意見があった。「日文」については、章末の「チャレンジ公民」では、様々な資料を例として示すことで、生徒が諸課題について主体的に考え、発言できるよう工夫がなされていること、情報化社会における基本的人権について幅広く取り扱い、現代社会の諸課題を興味・関心を持って探究できるよう工夫がなされていること、「公民ズームイン」では、国民年金やワーキングプアなど現代社会の課題を提示することで、その事象について考察し、思考力・判断力を高める工夫がなされていること、各編導入部には、イラストを使用し日常生活との関連を持たせた「ナビ」が設けられ、その編で学習する内容を大きくとらえることができるよう工夫がなされていることが、特に優れている点として意見があった。」

委員長「この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

勝井委員「今回新しく学習指導要領の中に法律的なものの考え方を教えるという法教育的な視点が入ったので、その視点で比べてみると、「東書」の内容がそれぞれの論点について適切な解説がなされており、一番わかりやすかったので、「東書」がいいのではないか。」

矢野委員「「東書」は、公民を学ぶ意義や他の教科との関連にも留意している点や、人権と共生社会というところで取り上げる視点が新しい点、レポート作成の手引きが丁寧な点などがよく、「東書」がいいと思う。」

長谷川委員「全体的にはどの教科書もバランスよく作られていると思ったが、「東書」がグローバルな視点が強く出されており、時代にマッチしていると思うので、「東書」がいいと思う。」

高尾委員「2者のうちから選ぶというだが、ともに問題がある。自衛隊は違憲論とその延長線でとらえられている。外国人参政権については、その基盤にある「国家」とは何かの概念、議論がない。「東書」では、鳩山前首相の「温室効果ガス25%削減」、東アジア共同体、オバマ核廃絶演説、地球市民が掲げられているが、なぜ、現実はそうならないのか、理想論だけではなく、「現実」を見る眼、考える力こそがこれからの教育に必要である。また「日文」のメディア・リテラシーに関する部分でメディア側のマニピュレーション、つまり情報操作が強調されている記述、人命と報道について「二者択一」をせまったハゲタカと少女の設問には、違和感を持った。」

委員長「私は「東書」は現代生活を肯定的にとらえているという感じを受けた。「日文」はルールは自分たちが作っていくものだという雰囲気が読み取れた。どちらがいいかと言うとなかなか言いづらい。本当はルールを作るところまでいければいいのだろうが、中学校の段階ではなかなかそこまではいけないのではないかと思う。現代社会とのマッチングで言えば「東書」かなと思う。」

委員長「それでは第1地区及び第4地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区及び第4地区については、「東書」を採択する。次に第2地区において、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

勝井委員「「日文」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、章末の「チャレンジ公民」では、様々な資料を例として示すことで、生徒が諸課題について主体的に考え、発言できるよう工夫がなされていることなどがいいと思うので、「日文」がいいのではないか。」

委員長「それでは第2地区については、「日文」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区は「日文」を採択する。次に第5地区において、「東書」、「教出」及び「日文」の評点のA及びBの数が同じである。「教出」の特徴について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「「教出」については、全編に設けられた「公民の窓」で、多様な視点から身近な事例や現代社会の課題について考察する補充的・発展的な内容が取り入れられており、社会的事象に興味・関心を深め、思考の幅が広がる工夫がなされていること、「言葉で伝え合おう」「読んで深く考えよう」など、思考力・表現力の向上に役立つページを設けていること、章末の「学習のまとめと表現」「さらに学習を深めよう」で、多様な方法で学習の振り返りを行ない、発展的な課題について学ぶことができるよう工夫されていること、本文記載事項を、複数の資料を用いて考察できるよう工夫され、様々な角度から理解を深めることができることが、特に優れている点として意見があった。」

委員長「この3者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「「教出」は司法参加について積極的にとりあげており、法テラスの解説や裁判傍聴をすすめるなど関心を高めるような内容が評価できると思う。」

高尾委員「「教出」は理想論に走らず現実を踏まえようとしている。コラムも読みやすい。「国民としての責任と義務」をしっかり押さえている。「市場経済のなかの社会的責任」という項目においては、企業だけでなく金融機関や消費者の責任も記述している。また「仕事に就くということ」というコラムで働く意味を考えさせ、「『つきあい』の距離」の記述があり、生徒たちへの良きアドバイザーとなると思う。エネルギーに関するバランスの取れた記述、重要視される水資源問題なども評価できる。ただ、「効率と公正」の記述が薄いのだが、授業での補完をお願いしたいと思う。」

委員長「私も「教出」からは共に生きるという観点が感じられて好感をもてた。ただ、中央調査委員会の評点がBとなっているが、これはどういう理由があるのか。」

選定委員長「本文中に記載されている脚注が、番号順に記載されていないために、生徒が脚注を読む場合、わかりにくく混乱する可能性があり、Bという評価となっている。」

委員長「それは本質的な問題ではなく、先ほど各委員から挙げられた評価を覆すというほどではない。それでは第5地区については、「教出」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第5地区は「教出」を採択する。「公民的分野」の採択結果を確認する。第1、第3、第4、第7、第8及び咲くやこの花中学校の採択地区は「東書」、第2、第6の採択地区は「日文」、第5地区は「教出」と決した。」

委員長「続いて「地図」にまいる。「地図」は発行者が「東書」と「帝国」の2者しかなく、2者とも推薦されている。評点を見ると、全ての地区において、「帝国」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがない。このように「帝国」が高く評価された理由について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「「帝国」の特にすぐれている点は、世界では、州や代表的な国に資料図として鳥瞰図を用い、自然や生活などについて、視覚的に発見や気づきが生まれやすいよう工夫されていること、地図に歴史的建造物や世界遺産の場所を明記し、資料図ではイラストや写真を多用するなど、生徒の興味・関心を高める工夫をしていること、また、特に、大阪市の中心部の地図が大きく掲載されており、地域の学習に活用できることがある。」

委員長「それでは採択方針により、全ての採択地区で「帝国」を採択したいと考えるが異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、「地図」については、全ての地区で「帝国」を採択する。」

委員長「続いて「数学」にまいる。答申の推薦は、第1地区、第2地区、第4地区から第6地区及び第8地区において「東書」、「学図」、「啓林館」となっており、第3地区及び第7地区において「東書」、「啓林館」、「日文」、咲くやこの花中学校で「東書」、「啓林館」、「数研」となっている。評点を見ると、第1地区から第3地区及び第5地区から第8地区において、「啓林館」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがない。このように「啓林館」が高く評価された理由について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「「啓林館」において各調査委員会が評価した点は、まず1点目として、各章の扉には、学習のきっかけとなる問題が示され、みんなで話し合うことを促すなど、説明し伝え合う活動を通して、学習への導入ができるよう工夫されていること、2点目として、「ノートの工夫」のページが用意され、自分の考えや気づきを書き込んだ具体的なノート例とともに示されておりわかりやすいこと、3点目として、特に大切なところには文字の背景の色を変えるなどして、注意を高めるよう工夫されていること、4点目として、1年生の教科書には「算数から数学へ」のコーナーがあり、小学校の振り返りを一人でもできるようにポイントがまとめてあり、小・中学校の接続に配慮されていることである。」

委員長「それでは採択方針により、第1地区から第3地区及び第5地区から第8地区は「啓林館」を採択することとしたいと考えるが、異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区から第3地区及び第5地区から第8地区については「啓林館」を採択する。次に第4地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

長谷川委員「「啓林館」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、答申においても、小中学校の接続に配慮されていることや巻末の「くり返し学習」で基本的な問題が用意されていて習熟度別学習等の教材として活用できるなどが優れている点として挙げられており、本市の取組にも合うので、「啓林館」がいいのではないか。」

委員長「それでは第4地区については、「啓林館」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第4地区は「啓林館」を採択する。次に咲くやこの花中学校において、「東書」、「啓林館」及び「数研」の評点のA及びBの数が同じであるが、この3者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

勝井委員「「数研」は他の地区をみるとそれほど評価が高いようには見受けられないのだが、咲くやこの花中学校でAとされたのはどういった理由があるのか。」

選定委員長「咲くやこの花中学校は、ものづくり、スポーツ、言語、芸術など、早くから興味・関心の現れやすい分野の才能を伸ばすことを目標としている学校である。数研の巻末の「ぐんぐんのばそう」は、補充的な学習や発展的な学習に関して配慮されており、その内容が咲くやこの花中学校の生徒の実態に即した教科書であると報告を受けている。」

勝井委員「教科書を見比べると、「数研」は例題や内容はやや高度に思えるが、シンプルで見やすく、咲くやこの花中学校にはそういう意味では合うと思うので、「数研」がいいのではないか。」

長谷川委員「私も最初に矢野委員がおっしゃったように咲くやこの花中学校は中高一貫校の特色をより活かすためにも現場の意見を尊重するべきだと思うし、「数研」は導入部分に子どもに身近なテーマを取り入れており親しみやすくなっているので、「数研」がいいと思う。」

委員長「それでは咲くやこの花中学校については、「数研」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、咲くやこの花中学校は「数研」を採択する。「数学」の採択結果を確認する。第1から第8の採択地区は「啓林館」、咲くやこの花中学校は「数研」と決した。」

委員長「続いて「理科」にまいる。答申の推薦は、すべての地区において「東書」、「大日本」及び「啓林館」となっている。評点を見ると、第1地区から第3地区、第5地区及び第8地区において、「啓林館」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがなく、咲くやこの花中学校で「東書」が中央・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがないので、採択方針により、第1地区から第3地区、第5地区及び第8地区で「啓林館」を、咲くやこの花中学校で「東書」を採択したいと考えるが異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区から第3地区、第5地区及び第8地区については「啓林館」を、咲くやこの花中学校では「東書」を採択する。続いて、第4地区、第6地区及び第7地区について審議する。第4地区、第6地区及び第7地区は、「東書」及び「啓林館」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

長谷川委員「「東書」は編集がわかりやすくなっていると思う。また、理科は変化の激しい分野なので新しいものを積極的に取り入れていると感じられる「東書」がいいと思う。」

高尾委員「私は「防災」「減災」の観点から比較した。「啓林館」は阪神大震災の例が多く引かれ、生徒に関心を持ってもらえると感じた。巻末の「地域資料集」が充実している。例えば「北海道東北エリア」では明治三陸地震と津波が紹介され、今回の大震災と比較できる。「中部エリア」では南海、東南海、東海地震の発生年表があり、「災害が必ず起こる」ことを理解させようとしている。「中四国エリア」で南海地震を取り上げ、津波が理解できるようになっている。私は「啓林館」を推す。」

矢野委員「どちらの教科書も最初に理科で何を学ぶのかが示されている点は評価できると思う。どちらがいいかと言うと、全体的に記述が詳しく丁寧であり、また、マイノートが別冊で用意され自学自習への配慮がよりされている点がいいと思うので、「啓林館」がいいと思う。」

委員長「私も「啓林館」が小学校との接続が工夫されていることや、単元の狙いがきちんと設定されており、どのような問題意識を持って取り組めばいいか示されているところがいいと思う。」

委員長「「啓林館」の方がいいという意見が多いように思うので、第4地区、第6地区及び第7地区については、「啓林館」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第4地区、第6地区及び第7地区については、「啓林館」を採択する。「理科」の採択結果を確認する。第1から第8の採択地区においては「啓林館」、咲くやこの花中学校においては「東書」と決した。」

委員長「続いて「音楽一般」にまいる。「音楽一般」は発行者が「教出」と「教芸」の2者しかなく、2者とも推薦されている。評点を見ると、第1地区、第3地区、第4地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校において、「教芸」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがないので、採択方針により、第1地区、第3地区、第4地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校で「教芸」を採択したいと考えるが異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区、第3地区、第4地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校で「教芸」を採択する。次に第2地区及び第8地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

長谷川委員「「教芸」がA評価が2つあり、他の者よりもAの数が多く、答申においても、「教出」よりも多く特に優れている点があげられているので、「教芸」がいいのではないか。」

委員長「それでは第2地区及び第8地区については、「教芸」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区及び第8地区は「教芸」を採択する。次に第5地区において、「教出」及び「教芸」の評点のA及びBの数が同じであるが、この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

長谷川委員「和と東洋と西洋のバランスがあるように感じている。全体的に見て「教芸」の方がバランスがとれていていいのではないか。」

委員長「両者はスタンスが違うと思った。「教芸」は楽しみから入っている、「教出」は知識から入っているという違いがあると感じた。音楽は、楽しみから入っていろいろな可能性を引き出していく方が今の生徒にはあっていること、また、実技にも使いやすいと思うので、「教芸」の方がいいと思う。」

委員長「それでは第5地区については、「教芸」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第5地区は「教芸」を採択する。「音楽一般」の採択結果を確認する。すべての採択地区において「教芸」と決した。」

委員長「続いて「音楽器楽」にまいる。答申の推薦は、全ての地区において「教出」及び「教芸」となっている。評点を見ると、第1地区、第3地区、第4地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校において、「教芸」が中央・地区・学校のいずれもA評価で他に並ぶものがないが、このように「教芸」が高く評価された理由について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「各調査委員会が評価した点については、生徒の発達段階に応じた教材が、計画的・系統的に配列されており、特に楽器の導入はアルトリコーダーからの内容で扱いやすいこと、若手奏者の写真や言葉を紹介し、楽器の構え方や演奏の様子を示したり、楽器との出会いや楽器に対する思いを掲載したりするなど、生徒の楽器に対する興味を喚起させるよう工夫していること、楽器の歴史やエピソードを分かりやすく解説した「楽器ガイド」が各楽器に共通して掲載され、生徒の楽器に対する興味・関心が高められるよう工夫されていること、各楽器の写真が大きく色合いも美しいこと、また、奏者が姿勢や構え方の手本を示すことにより、より伝統音楽の雅な美しさが感じ取られるよう配慮されていることがある。」

委員長「それでは採択方針により、第1地区、第3地区、第4地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校で「教芸」を採択したいと考えるが異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区、第3地区、第4地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校で「教芸」を採択する。次に第2地区、第5地区及び第8地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

矢野委員「「教芸」がA評価が2つあり、他の者よりもAの数が多く、先ほど選定委員長から報告があったように優れている点が数多くあるので、「教芸」がいいのではないか。」

委員長「それでは第2地区、第5地区及び第8地区については、「教芸」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区、第5地区及び第8地区は「教芸」を採択する。「音楽器楽」の採択結果を確認する。すべての採択地区において「教芸」と決した。」

委員長「続いて「美術」にまいる。答申の推薦は、すべての地区で「光村」及び「日文」となっている。評点を見ると、第1地区、第4地区、第6地区及び第7地区で「日文」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがないので、採択方針により、「日文」を採択することとしたいと考えるが、異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区、第4地区、第6地区及び第7地区については「日文」を採択する。次に第2地区及び第3地区において、「光村」及び「日文」の評点のA及びBの数が同じであるが、この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「「光村」は、工業デザインに注目している点や、情報を視覚的に表現することに注目している点、実際に描くことを重視した構成がいいと思うので、「光村」がいいと思う。」

長谷川委員「子どもたちにとっては現代的な視点のデザインから入る方が美の世界に入りやすいと思い、「光村」がそういった内容が多いように思ったので、私も「光村」がいいと思う。」

高尾委員「答申において「光村」の特に工夫・配慮を要する点のところで「詩の掲載において、作者に偏りがある」との記述があるのだが、これはどういうことか教えていただきたい。」

選定委員長「大きく詩が載っているところが、6箇所あり、そのうち4箇所が同じ作者となっており、もっといろいろな作者を掲載した方がいいのではないかということである。」

高尾委員「同じく答申の「光村」の特に工夫・配慮を要する点のところの「美術館、博物館の活用についての取扱が少ない」という点は、大阪市では博物館等の活用を一生懸命推進しているのと合わないように思い、そこは気になるところではある。」

勝井委員「高尾委員のおっしゃるとおりだとは思うが、美術館や博物館は教科書を見て授業をして興味を持ったら先生が誘ってあげたらいいのであって、本文に書いてなくても教員が意識的に紹介することで補うことができると思うので、項目ごとのテーマ設定や掲載されている作品がよく、配置の仕方もインパクトがあって全体的にすばらしい内容になっている「光村」がいいと思う。」

委員長「それでは第2地区及び第3地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区及び第3地区は「光村」を採択する。次に第5地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

勝井委員「「光村」がA評価が2つあり、他の2者よりもAの数が多く、さきほどみなさんからの意見にもあったように「光村」は評価が高いので、「光村」がいいのではないか。」

委員長「それでは第5地区については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第5地区は「光村」を採択する。次に第8地区においては、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はないか。」

矢野委員「「日文」がA評価が2つあり、他の者よりもAの数が多く、内容の面でもアジアの多様な美術や人類の表現への関心について取り上げているところがいいと思うので、「日文」がいいのではないか。」

委員長「それでは第8地区については、「日文」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第8地区は「日文」を採択する。次に咲くやこの花中学校において、「光村」及び「日文」の評点のA及びBの数が同じであるが、この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

長谷川委員「学校が「光村」にA評価をつけているし、委員の中でも「光村」の評価が高かったので、「光村」がいいのではないか。」

委員長「それでは咲くやこの花中学校については、「光村」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、咲くやこの花中学校は「光村」を採択する。「美術」の採択結果を確認する。第1、第4及び第6から第8の採択地区は「日文」、第2地区、第3地区、第5地区及び咲くやこの花中学校は「光村」と決した。」

委員長「「保健体育」にまいる。答申の推薦は、全ての地区において「東書」、及び「学研」となっている。評点を見ると、第1地区、第2地区、第5地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校について、「学研」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがなく、第3地区について、「東書」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがないので、採択方針により、第1地区、第2地区、第5地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校は「学研」、第3地区は「東書」を採択することとしたいと考えるが、異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区、第2地区、第5地区、第7地区、第8地区及び咲くやこの花中学校は「学研」、第3地区については「東書」を採択する。次に第4地区については、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

矢野委員「「東書」がA評価が2つあり、他の者よりもAの数が多く、キーワードの解説が学習の手助けとなっていいことや読み物が生徒の関心を引いていいのではないかと思うので、「東書」がいいのではないか。」

委員長「それでは第4地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第4地区は「東書」を採択する。次に第6地区については、「東書」及び「学研」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「私はさきほど申し上げた点などがいいと思うので、「東書」がいいと思う。」

高尾委員「「東書」には防災について踏み込んだ内容がある。「街を歩いていて災害が発生した場合」の対処方法を考えさせている。」

長谷川委員「私は「学研」の方が踏み込んだ内容が多いと思うので、「学研」がいいと思う。」

勝井委員「私も「学研」がQ&Aなど生徒が知りたいけど聞きにくい内容まで踏み込まれて書かれているので、「学研」がいいと思う。」

委員長「「東書」はマークが多くごちゃごちゃしていて読みにくく感じた。「学研」は課題が明確でいいと思うので、私は「学研」がいいと思う。意見が分かれているが、「学研」の方がいいという声が多いので、第6地区については、「学研」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第6地区については、「学研」を採択する。「保健体育」の採択結果を確認する。第1、第2、第5から第8及び咲くやこの花中学校の採択地区においては「学研」、第3及び第4の採択地区においては「東書」と決した。」

委員長「「技術分野」にまいる。答申の推薦は、全ての地区において「東書」、及び「開隆堂」となっている。評点を見ると、第2地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校について、「東書」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがなく、第5地区及び第8地区について、「開隆堂」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがないので、採択方針により、第2地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校は「東書」、第5地区及び第8地区は「開隆堂」を採択することとしたいと考えるが、異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第2地区、第6地区、第7地区及び咲くやこの花中学校は「東書」、第5地区及び第8地区については「開隆堂」を採択する。次に第1地区及び第4地区については、「東書」及び「開隆堂」の評点が中央・地区・学校のいずれも同じである。この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

矢野委員「「開隆堂」はもの作りの実習例が豊富で具体的であるところやネットワークと情報セキュリティや情報モラルの取扱が詳しく丁寧であるところ、持続可能な社会という視点がはっきり出されているところなど多く評価できるので、「開隆堂」がいいのではないか。」

高尾委員「私も「開隆堂」がいいと思う。矢野委員がおっしゃったように情報セキュリティや情報モラルの記述が丁寧であることや技術史の記述が詳細である点などが評価できる。」

委員長「私も「開隆堂」が図がわかりやすく、手順も丁寧に示されていていいと思う。それでは第1地区及び第4地区については、「開隆堂」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区及び第4地区については、「開隆堂」を採択する。次に第3地区において、「東書」及び「開隆堂」の評点のA及びBの数が同じであるが、この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

高尾委員「これも先ほどと同じように、「開隆堂」がいいのではないか。」

委員長「それでは第3地区については、「開隆堂」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第3地区は「開隆堂」を採択する。「技術分野」の採択結果を確認する。第1、第3から第5及び第8の採択地区においては「開隆堂」、第2、第6、第7及び咲くやこの花中学校の採択地区においては「東書」と決した。」

委員長「「家庭分野」にまいる。答申の推薦は、第1地区、第2地区及び咲くやこの花中学校が「教図」及び「開隆堂」、第3地区から第8地区が「東書」及び「開隆堂」となっている。評点を見ると、第3地区及び第8地区について、「開隆堂」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがなく、咲くやこの花中学校について、「教図」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがないので、採択方針により、第3地区及び第8地区は「開隆堂」、咲くやこの花中学校は「教図」を採択することとしたいと考えるが、異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第3地区及び第8地区は「開隆堂」、咲くやこの花中学校については「教図」を採択する。次に第1地区、第2地区、第4地区、第6地区及び第7地区については、3つの調査委員会の評価が分かれているが、何か意見はあるか。」

勝井委員「今の中で第1地区、第4地区、第6地区、第7地区については、「開隆堂」がA及びBの評価が、「東書」よりも多く、内容も実社会に出て行く生徒のためになる内容が網羅されていていいので、「開隆堂」がいいのではないか。」

委員長「ほかに意見はないか。」

長谷川委員「第2地区については、「教図」がA評価の数が、「開隆堂」よりも多く、答申においても、各内容の始めに小学校の内容の確認やクイズを設けて学習意欲を喚起し、見通しを立てて学習に取り組めるよう工夫されているなど、特に優れている点が多くあげられているので、「教図」がいいのではないか。」

委員長「それでは第1地区、第4地区、第6地区及び第7地区については、「開隆堂」を、第2地区については、「教図」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区、第4地区、第6地区及び第7地区については、「開隆堂」を、第2地区については、「教図」を採択する。次に第5地区において、「東書」及び「開隆堂」の評点のA及びBの数が同じであるが、この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

勝井委員「「開隆堂」は配列についてはもう少し見やすく工夫してほしいという点はあるが、さきほど申し上げたように実社会に出て行くための内容が充実していることや取り上げている内容がいいと思うので、「開隆堂」がいいのではないか。「東書」は読みやすさはあるが、内容が少し抽象的に感じた。」

矢野委員「「開隆堂」は、家庭分野のキーとなる概念である「自立」と「共生」がより明確に打ち出されていることや持続可能な社会、循環型社会についての説明が丁寧であることなどがいいと思うので、私も「開隆堂」がいいと思う。」

委員長「それでは第5地区については、「開隆堂」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第5地区は「開隆堂」を採択する。「家庭分野」の採択結果を確認する。第1、第3から第8の採択地区においては「開隆堂」、第2及び咲くやこの花中学校の採択地区においては「教図」と決した。」

委員長「最後に「外国語」にまいる。答申の推薦は、第1地区から第4地区、第6地区から第8地区及び咲くやこの花中学校が「東書」、「開隆堂」及び「三省堂」、第5地区が「開隆堂」、「三省堂」及び「光村」となっている。評点を見ると、第1地区から第4地区、第7地区及び咲くやこの花中学校について、「三省堂」が中央・地区・学校のいずれもA評価で、他に並ぶものがないので、採択方針により、「三省堂」を採択することとしたいと考えるが、異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第1地区から第4地区、第7地区及び咲くやこの花中学校は「三省堂」を採択する。次に第5地区及び第8地区については、「開隆堂」及び「三省堂」の評点のA及びBの数が同じであるが、この2者のうち、どちらを採択すればいいか意見はないか。」

勝井委員「「開隆堂」がメールを作成したりインタビューを考えて書くなど生徒が自分で考えて書く内容になっており、「開隆堂」がいいと思う。「三省堂」はもう少し生徒に考えさせる内容がほしいと思った。」

矢野委員「私も「開隆堂」がいいと思う。レッスンのまとめや登場人物と状況の設定がよく、英語圏以外の国や地域を取り上げている点がいいと思う。」

委員長「私は「三省堂」がいいと考えた。「三省堂」はどこで何を学ぶかが明確であり、生徒が見通しを持って学習できるところが優れていると思う。」

長谷川委員「私も「三省堂」がいいと思う。「三省堂」は導入部分が日常生活から入っており、生徒にとってスムーズに学習に入れるようになっている点が評価できる。」

高尾委員「私は「開隆堂」である。小学校の外国語活動の学習内容を踏まえて、接続がうまくできるような内容になっている点がいいと思う。」

委員長「意見が分かれているが、この2者の特徴について、選定委員会としてどのようにとらえているか報告いただきたい。」

選定委員長「「開隆堂」の特に優れている点として、ライティングについて本文と関連させながら、段階的工夫がされており、文法の説明がわかりやすいこと、小学校の学習内容をふまえて、文字と音声の関係を取りあげ、円滑な接続が期待できるよう配慮されていること、プログラム各左ページに「聞く」「話す」、右ページに「書く」言語活動が取り扱われており、本文と一体化したさまざまなパターンの基本文の定着に工夫がされていることがある。「三省堂」の特に優れている点としては、教科書本文が「ゲット」と「ユーズ」の2部構成になっており、「ゲット」で進出語句やターゲット文の知識習得およびリーディング、「ユーズ」で4技能「聞く・話す・読む・書く」の言語活動および統合をめざした活動を考えた構成であること、リーディング教材が充実しており、文章量の増える高校英語への接続も円滑に行えるよう配慮されていること、また、「ゲット」のパート毎に4技能すべての言語活動が設定されていること、「文法の要点」がわかりやすくまとめられており、活用しやすいことがある。」

委員長「今お聞きした内容は、開隆堂はライティングや書かせる指導に力を入れ、三省堂はリーディングに優れているというような理解でいいか。」

選定委員長「そのような理解で結構である。新学習指導要領では書くことに課題があるということが言われているので、「開隆堂」はそれを踏まえて、とりわけライティングに力を入れているととらえている。」

勝井委員「これまでの教科書には「開隆堂」のように自分で考えて書くというページがなかったように思うので、ライティングに力を入れているのいいと思う。ただ、教える側の力量が問われるのではないかとは思う。」

委員長「これまでも英語は、コミュニケーション能力の基礎を養うことを目標としていたが、一層、自分で考えて、それを表現するという能力を養うことが重要である。その点において、「開隆堂」はグローバル化の流れにも沿うので、評価したいと考えるが、何かご意見はないか。」

委員長「それでは第5地区及び第8地区については、「開隆堂」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第5地区及び第8地区については、「開隆堂」を採択する。次に第6地区において、「東書」及び「三省堂」の評点のA及びBの数が同じである。この2者のうち、どちらを採択すればよいか意見はないか。」

長谷川委員「この2者を比べると、ウォームアップからの導入が自然で、内容もわかりやすいので、「東書」がいいと思う。」

矢野委員「私も「東書」がいいと思う。「東書」は、応用編が設けられ、発展学習に配慮している点や学校生活関連のトピックが多く親しみやすい点、ライティングのためのページが各ユニットにある点などが評価できる。」

高尾委員「答申には「東書」の特に工夫・配慮を要する点として、1年生にとっては難しいという趣旨の記載があるが、学校調査でAの評点がついているので、この点はそれほど考慮しなくてもいいのではないか。」

勝井委員「私も「東書」は本文が読みやすくていいと思う。」

委員長「それでは第6地区については、「東書」を採択することで異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、第6地区は「東書」を採択する。「外国語」の採択結果を確認する。第1から第4、第7及び咲くやこの花中学校の採択地区においては「三省堂」、第5及び第8の採択地区においては「開隆堂」、第6地区においては「東書」と決した。以上で、中学校で使用する教科用図書の採択は終了した。」

委員長「次に高等学校の使用教科用図書の採択に移ってまいるが、今回の答申の特徴について、事務局より改めて説明願う。」

沢田部長「高等学校では、各学校の教科用図書選定調査会が、普通科及び英語科・理数科・体育科などの普通科系の専門学科、商業系の専門学科、機械科や電気科などの工業系の専門学科および総合学科などの、各学科の教育目標や教育課程、生徒の興味、関心、適性、進路希望等の実態に応じて、適切な教科書を選定し答申している。平成24年度使用の教科書目録には、全部で989点掲載されているが、数学・理科・理数の学習指導要領の先行実施により、新学習指導要領に対応した数学・理科の教科書が追加されている。追加された教科書は、数学については、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A」の合計47点、理科については、「科学と人間生活」、「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」の合計40点である。その他の教科については、平成25年度使用教科書から、新学習指導要領に対応した教科書に順次改訂されていくことから、改訂もしくは追加された教科書はない。したがって、答申書においては、継続使用の教科書が全体の約77%と多くなっている。」

委員長「ただいま、今回の答申の特徴を説明いただいたが、採択を行うにあたって、何か質問、意見はないか。」

高尾委員「継続使用の教科書が多いとのことだが、選定答申書を詳細に検討すると、数学や理科以外に、英語については新規選定が比較的多く見受けられる。これはどういった理由からか。」

沢田部長「英語については、教科の特性上、授業において取り扱う題材が、生徒の興味や関心を持ちやすいものであることが望ましいとされている。そのため、選定にあたっては、生徒の興味や関心の変化に敏感に対応することに努めており、結果、例年新規選定が多い傾向となっている。また、英語の教科書は種類が豊富で、「英語Ⅰ」36点、「英語Ⅱ」37点、全体で151点出版されており、選択の幅が広くなっている。なお、英語について、今年度新規選定された割合は約50%となっている。」

矢野委員「高等学校では、特色ある学校づくりを進めている中で、科目によっては文部科学省の検定教科書や文部科学省著作の教科書がないものがあり、そのような場合は一般図書を選定しているとのことだが、今回の選定ではどのような状況か。」

沢田部長「高等学校では、学習指導要領の総則において、地域、学校及び生徒の実態、学科の特色等に応じ、特色ある教育課程の編成に資するため、学習指導要領に掲げる以外の科目、いわゆる「学校設定科目」を設けることができると定められている。当該科目には検定済教科書等が発行されておらず、そのような場合には、一般に使用されている図書を教科書として使用することが認められている。一般図書については、選定答申書の様式2で答申がなされており、平成24年度用として西、淀商業、泉尾工業、東淀工業、生野工業、工芸、扇町総合、咲くやこの花、中央、都島第二工業、第二工芸の11校が、合計39点を選定している。具体的には、英語以外の外国語では一般図書が、咲くやこの花高校の食物文化科における調理師養成のための「食文化」や「調理」などの科目では、社団法人全国調理師養成施設協会が発行する「必修編調理師養成教育全書」が選定されるなど、それぞれの科目の教育目標に合致した図書が答申されている。」

委員長「高等学校では、特色ある教育課程に応じ、また、生徒の興味・関心等を生かす観点から、各学校の教科用図書選定調査会において、綿密な調査研究が行われたものと理解している。各学校に応じ適切な教科書が推薦されていると考えるので、選定調査会からの答申されたものを採択して差し支えないと思うが、どうか。」

勝井委員「私も答申資料を検討したが、各学校の選定調査会において、それぞれの学科の専門性や生徒の状況を踏まえた適切な調査研究が行われたと考えるので、選定調査会の答申通り採択することについて、差し支えないと考える。」

委員長「それでは平成24年度の高等学校使用教科用図書は、各学校の選定調査会の答申のとおり採択することとして異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、平成24年度の高等学校の使用教科用図書は、選定調査会の答申のとおり採択する。」

委員長「次に特別支援学校の使用教科書の採択に移ってまいる。事務局より今回の答申の特徴について改めて説明願いたい。」

沢田部長「本市では、ノーマライゼーションの理念のもと障害のある児童・生徒一人一人のニーズを的確に把握し、適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育を推進しており、教科用図書の選定にあたっても、児童・生徒一人一人の障害の状況等に応じた選定を進めている。特別支援学校で使用する教科書の選定にあたっては、原則として各校の校長を委員長とする選定調査会を設置し、教育委員会の諮問を受け調査会で該当学校の教科用図書について調査および研究を行い、選定結果を教育委員会に答申する形をとっている。教科用図書の選定について、特別支援学校の特徴となる点を改めて説明する。特別支援学校では、教科用図書を大別して、次の3種類の中から選定している。(1)視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、特別支援学校(知的障害教育)用の文部科学省著作教科書、(2)文部科学大臣の検定を経た小学校・中学校・高等学校用検定教科書、(3)教育委員会が定めた選定資料にある絵本や、視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校の専門学科で使用する専門書等の一般図書。このように、児童、生徒一人一人の障害の状況等に応じた教科書が使用できることになっている。選定にあたっては、文部科学省著作教科書や検定教科書を該当の学年に応じて使用できるか、また文部科学省著作教科書を別の障害種別の学校で使用したり、下の学年で使用したりできるか検討する。そのうえで、著作教科書や検定教科書が児童生徒の状況に合わない場合は、絵本等の一般図書から選定している。教育委員会事務局としては、各学校に対して、児童、生徒一人一人の実態を踏まえた選定となるように指導・助言している。」

委員長「ただいま、今回の答申の特徴を説明いただいたが、採択を行うにあたって、何か質問、意見はないか。」

矢野委員「選定答申書を見ていると、視覚障害や知的障害といった障害種別によって、選定している教科書の傾向が違うように感じられるが、それぞれどのような特徴があるのか。」

沢田部長「特別支援学校では児童生徒の障害の状況に応じた教科書を選定することから、障害種別によって傾向があるのは事実である。例えば視覚特別支援学校では、点字・拡大化した書籍やあんま、針、灸の理療関係の専門書籍を多く選定しており、聴覚特別支援学校では、多くは知的障害がないことから検定教科書を中心に選定している。また、知的障害特別支援学校や肢体不自由特別支援学校では、絵本を中心に選定している。」

長谷川委員「絵本などの一般図書を教科用図書として選定する場合について、もう少し詳しく説明いただきたい。また、採択された絵本などの図書は、実際はどのように教科用図書として使用されているのか。」

沢田部長「絵本などの一般図書については、大阪府教育委員会が昨年度に定めた「附則第9条関係教科用図書選定資料」の中から、教科ごとに児童・生徒の実態に合うものを選定することとしており、各学校の教員が教科書展示において、実際に絵本を手にとり調査研究している。例えば、視覚特別支援学校で選定された「音のでるおでかけえほん② のりもの」は、選定理由に「ボタンを押すと、身近な乗り物の音を楽しむことができるから」とあるように、実際には、乗り物の音を出して拡大ルーペ等で該当の乗り物を確認したりして、聴覚をてがかりに身近なものに興味関心を広げ、国語科の教科書として楽しみながら使用する。」

委員長「各学校の選定調査会からの答申を一つ一つ検討したところ、答申された教科用図書については、児童・生徒一人一人の障害を把握したうえで、各学校が設定する教育課程や児童・生徒の興味・関心・能力・適正等の実態に応じて選定されたものとなっていると思う。私としては、各学校の選定調査会から答申されたものを採択してよいと考えるが、どうか。」

長谷川委員「今回各学校の選定調査会で答申されたものは、児童・生徒一人ひとりの障害を把握したうえでのものと考えるので、選定調査会のとおり採択することで差し支えないものと考える。」

委員長「それでは、特別支援学校の教科用図書の採択については、各学校の選定調査会から答申された教科用図書を採択することとして異議はないか。」

各委員「異議なし。」

委員長「異議がないので、平成24年度の特別支援学校の使用教科用図書は、選定調査会の答申のとおり採択する。」

委員長「以上で、大阪市立の中学校、高等学校、特別支援学校において、平成24年度から使用する教科用図書を全て採択した。この際、教育委員を代表して私から一言申し上げたい。ただいまの採択は、答申資料をもとに行なってまいったが、これらの資料は教職員や保護者、学識経験者の皆様方の厳正なご審議の賜物である。ご協力いただいた皆様方に対し、厚く御礼を申し上げる。私ども教育委員としては、子どもたちにとって、より適切な教科書を選んでほしいという皆様方の思いを肌で感じながら検討を重ね、ただいまの採択を行ってまいった。私としては、これまでの厳正な審議により、公平かつ公正に採択が行えたものと確信している。事務局におかれては、採択された教科書を使って、各学校において、教育実践が積み重ねられるよう適切な指導助言をお願いする。最後になったが、採択の公正かつ円滑な執行にご協力いただいた関係各位に対し、心から深く感謝と敬意を表し、採択を終えるにあたってのごあいさつとさせていただく。」

 

(5)佐藤委員長より閉会を宣告

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