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平成23年第25回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:189342

平成23年第25回教育委員会会議 会議録

1 日時   平成23年12月16日(金曜日) 午前9時30分~午前11時05分

 

2 場所   大阪市立中央図書館5階中会議室

 

3 出席者

矢野 裕俊  委員長

佐藤友美子  委員

勝井 映子  委員

高尾 元久  委員

 

永井 哲郎  教育長

中尾 寛志  教育次長

沼守 誠也  教育次長

荻野 哲男  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

三宅  卓  生涯学習部長

沢田 和夫  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

小畠  稔  学校経営管理センター所長

藤巻 幸嗣  教職員人事担当課長

三田村珠央  教職員人事担当課長代理

村上 敏昭  教務部担当係長

長谷川耕三  教務部担当係長

村川 智和  教務部担当係長

井平 伸二  教務部担当係長

宇野新之祐  教務部担当係長

栗信雄一郎  教務部担当係長

辻井 昭之  教職員給与・厚生担当課長

福山 英利  指導部総括指導主事

森本 充博  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

ほか係員1名

 

4 次第

(1)矢野委員長より開会を宣告

(2)矢野委員長より会議録署名者に勝井委員を指名

(3)議題

議案第124号 平成23年度末教職員人事異動方針について

議案第125号 職員の人事について

議案第126号 職員の人事について

報告第 19 号 教育委員会所管の学校の教員の期末手当及び勤勉手当に関する規則の一部改正について

なお、議案第125号及び議案第126号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

また、高尾委員より教育委員会会議規則第7条第1項に基づき動議が提出された。高尾委員からの説明要旨は以下のとおりである。

教育基本条例の審議方法に関する件である。教育基本条例は近く私たち教育委員が審議することが確実な情勢となっている。このため教育基本条例の審議に当たっては次の2点を求めたいということである。すなわち教育長の事務局に対する適切な指揮を求めること及び条例案に関する議論の徹底した公開を求めることである。14日の水曜日に事務局から委員あてにメールが送られてきた。メールには教育基本条例対案、教育基本条例対案別表、関係法令、マニフェスト課題という添付名のついた文章が添付されていた。メール本文には「16日の協議会でご議論いただきたいと考えております教育基本条例修正案及びマニフェスト課題について送付いたします。なお、両者とも教育委員会事務局としてどうしても困難もしくはこだわりがあるものについて修正を行い、…作成をしております。」という旨の記述があった。私はこれを見て非常に驚いた。いつ誰が事務局に対して対案の作成を指示したのか。また、誰がその対案を16日の協議会で議論することで合意して予定を立てたのか。私はまったく承知していなかった。そして、この対案もしくは修正案は非常に完成した形式を整えている。維新の会のものと思われる条例案に対して徹底した削除と追加を行って真っ向から対立するものとなっている。条例の名称も大阪市学校教育基本条例というように改まっているし、前文から、ことの当否は別として、政治と教育に関する部分が完全に削除され、市長による教育目標の設定が書かれていた条例案の第6条2項については、別に条をおいた上で、次のように修正するべきであるというようにしたうえで、教育委員会は市長と協議して、…教育の目標に関する教育委員会規則を定めると修正されている。人事評価についても相対評価をすべて絶対評価に改められている。分限処分についても条例案を全く否定して、教育委員会事務局としては現行どおり規定レベルの指針を作成すべきであると考えると書いてある。対案を作成するかどうかは今後の我々の態度の重要なポイントである。それは大阪府の教育委員会での議論を見てもわかると思う。このことについては教育委員各位の議論と結論を待ってやらなければならない事柄である。しかし、この教育基本条例については公式の場で議論がまだ始まっていない。今まさにこれからという段階で対案が事務局から出されて16日にご議論いただきたいということは、私は極めて憂慮すべき事態だと考える。もしこの対案が事務局のきちんとした説明なしに外部に流出すれば致命的な誤解を招くのではないかと考える。こうした事態を市民が知ったらどうそれを受け止めるか私は考える。教育委員会には大きな批判が寄せられている。教育委員会が形骸化しているのではないかということが言われており、教育委員は本来の職務を放棄して、教育長に実質的にその内容を委ねて、事務局の言いなりになっているという批判がなされている。我々は誤解を市民に与えてはいけない。ここで私がなぜこういうことを申し上げなければならなかったのかを説明する。対案が送付される前日に大阪府の幹部の方と会っていた。その席でその方から「大阪市は非常に優秀ですね。非常に詳細な内容の対案を作られたのですね。」という話を聞いた。本当にとまどった。間違いではないかと申し上げた。対案を作ったという話は全く聞いていなかった。次の論点に移りたい。公開ということに関する私の考えを説明したい。教育委員会における議論の徹底した公開は、今まで申し上げたことに密接に関わる。教育基本条例に関する案件が非常に重要であることは論を俟たないと思う。市民の皆さん方は非常に熱心に、また、切実に私たちの議論を待っている。どのような方法でどのようなことが議論されて、どのような主張がなされて、それからどのような結論が導き出されたのか、切実な思いで熱心に聴いていると思う。私たちはそれをできる限り公開すべきであると考える。これは市民に対する私たちの責務であり、教育委員会の形骸化という批判に対しても真摯に答えるものになると思う。私が問題にしている対案が協議会という席上で議論されることになっている。この協議会は非公開である。協議会では事実上の意思決定や方針決定、あるいはそうせざるを得ないという雰囲気が醸成されることがあってはならないと思う。私は協議会を全面的に否定するつもりはないが、協議会は委員間での情報共有を行う場や会議の議事進行について基礎的な打ち合わせをする場といった事項に限られるべきである。特に本件のような重要な教育基本条例に関する事柄については、細心の注意を払って審議を進めていくことが大切ではないかと考える。今申し上げた理由から、私は教育長に対しては教育基本条例案及びそれに付随する案件について、事務局の委員会運営の準備に関する適切な監督を求めたい。またあわせてこれに関する審議の徹底した公開をお願いしたい。最後に念を押したいことが一つある。今回の事案は、我々委員との連絡調整の労をとっていただいている職員の行為を批判したり、その責任を追及しているものではない。体質とか構造とか、そういうところに我々の問題があったのではないかという問題提起である。このことによってその職員が不利益な立場におかれることがないように強くお願いしたい。

高尾委員から提出された動議については、公開案件の最後に審議することとなった。

 

(4)議事要旨

議案第124号「平成23年度末教職員人事異動方針について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成23年度末教職員人事異動方針について、基本方針としては、各学校・地域の実情を踏まえ、今日の様々な教育課題に的確に対応し、教育活動の一層の充実がはかられるよう、適切な教職員配置を進めるとともに、教職員組織の充実に努め、全市的均衡及び適正化を考慮しながら人事異動を行う、異動にあたっては、教職員の適性を十分に考慮し、その能力発揮がはかられるよう努める、などとする。具体的な実施要領としては、同一校勤務が10年以上の者は転任を行い、6年を超える者は転任をはかり、6年以下の者については、特に希望・事情がある者に限り転任を行うなどである。今回の改正点は、平成21年度末人事異動より適用した実施要領第4項の経過措置を廃止するとともに、平成22年度末人事異動において中学校における全ての市費事務職員の配置を解消したことから、別途定めをおいて取り扱ってきた市費事務職員人事異動実施要領を廃止するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

佐藤委員「先日来教育委員でいろいろな学校を訪問させてもらって、教育困難な状況にある学校もあった。今クラブ活動や地域の実情という説明があったが、そのようななかなか教育までいくことが難しいような問題を抱えている学校でも新卒で入ったような若手教員が多く配置されている状況が大阪市ではある。そういった状況をなんとか解決する方策を考えないといけないと思うが、各学校や地域の実情を踏まえ、的確に対応するというところで、何か考えはあるのか。」

林田部長「年齢構成が、大量退職、大量採用の状況があるため、若手教員の数が非常に多い。逆に十数年前は若手が非常に少なくて若手が欲しいといわれても配置できない状況があった。そういう年度年度での状況がある。今は若手が多いという状況があるので、新規採用にあたっては年齢要件を広げ、様々な人材の採用に努めている。生徒指導などに課題のある学校への重点的な配置は心がけているが、全体的な教員の年齢層には限りがあるので、その中で最大限努力したい。」

高尾委員「佐藤委員と同意見である。現場の声をたくさん聞いてもらってできる限り反映してほしい。基本方針の1のところで大事なことが書かれているが、これは実施要領のどこに反映しているのか。1月から校長にヒアリングするということを実施要領に書き込むなど、十分に現場の意見を聞き、全体の職員状況を勘案して最大限の配慮をするというような、基本方針1の前半の目的を実現する内容を実施要領に盛り込んでほしい。そうすればより根拠を与えられるのではないかと思う。それから実施要領の9に『機械的・画一的な実施にならないようにする』と書いてあるが、実施要領の1から6まで機械的・画一的な基準が書かれてあり、何に配慮して機械的にならないようにするのかわかりにくい。それがわかるように書いてもらいたい。また、実施要領6の一定の基準とはどのような基準か教えてほしい。」

林田部長「学校長のヒアリングをしながら進めるのは重要であり、異動方針の中でも校園長を中心とした教職員組織を作るためにということを謳っているのはそういう趣旨からである。今年度末の異動方針として追記するのは今からは困難であるが、人事異動説明会を年内に行う予定であるので、ご指摘の内容については周知を図っていきたい。機械的・画一的にならないようにということについては、校長の要望や地域の実情等を十分踏まえるという意味である。6項の一定の基準により必要な転任を行うことについては、以前新規採用者が少ない時期に定めたものであり、個別に学校と調整していた際の項目であり、現在はこの項目を適用しているということではない。趣旨は新規採用者を学校、地域にバランスよく配置するためということである。」

教育長「補足で説明すると、10年間一つの学校にいると、職員がその学校のカラーに染まってしまうので、若いうちに少なくとも2校は学校を経験させるという趣旨であり、例えば大規模の学校に配置された次は小規模の学校に配置するといったように様々な経験を積ませるということである。ただ、現在新規採用者の数が非常に多く、異動がその趣旨どおりいくのかという問題はある。大量に代えなければならないということが一方であるので、その辺をどうバランスをとっていくかという課題があるが、校長の意見を聞きながら進めていきたい。」

林田部長「今教育長が申し上げたのは4項の新規採用者のところであり、6項は新規採用者の配置のために一定の基準により必要な転任を行わなければならないが、6年を超えて勤務する教員がいない場合は、無理に異動させて新規採用者を入れることはないということである。」

高尾委員「今年は難しいとのことだが、私は変えるべきところは変え、追加すべきところは追加すべきと思う。しかし、事務的に難しいのならやむを得ない。もし新市長から様々な指示があって、整合性をとらなければならなくなった場合どうするのか。」

教育長「教職員の人事異動は教育委員会の専管事項なので、教育委員の皆様と議論した内容で進めたいと考えている。ただ、例えば校長の権限の拡大のことなどについてはヒアリングの際にこれまでより丁寧に意見を聞いていきたい。」

高尾委員「現場が混乱しないように配慮をお願いしたい。」

勝井委員「実施要領に基づいて配置をしたときに、不都合は生じていないか校長に意見を聞いてもらって、混乱があれば我々にも教えてほしい。特別な事情など、学校によってはこうした方がいいというようなことがあれば、我々にも教えていただいて、それを来年度以降反映したいので、そういった点のヒアリングなり調査をお願いしたい。」

林田部長「異動の内示をした日に学校長からご意見があればお聞きするという場を設けている。その中でいただいた意見を集約して報告させてもらいたい。」

勝井委員「こういうものを議論する際に、前年度にこういう意見があったということを紹介いただければ議論がさらに広がると思うのでよろしくお願いしたい。」

矢野委員「優秀な職員の確保に関わって、新規採用のあり方は別途考えなければならない課題だと思う。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

報告第19号「教育委員会所管の学校の教員の期末手当及び勤勉手当に関する規則の一部改正について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

大阪府において、男性の育児休業取得促進の観点から、短期の育児休業にかかる期末手当に関する規則の改正が行われ、府費負担教職員に適用されることに伴い、大阪府に準じて給与制度を定めている市費負担教員についても同様の改正を行う。改正の内容は、1ヶ月以下の育児休業を取得した職員については期末手当の支給率を、現行は8割の支給としているところ、減じないこととするものである。なお、本件については、大阪府の公布日及び施行日と合わせる必要があったため、教育長による急施専決処分を行った。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

高尾委員から提出された動議を上程。

質疑の概要は以下のとおりである。

教育長「経過の説明をさせてもらう。12月5日に新市長に対して教育委員会の課題を説明した。それに臨むにあたって、委員の皆様にご説明し、教育基本条例に関しては市長と意見交換を行うということはご了解いただいていたが、それ以外のことは一切教育委員の皆様とは意見交換していない状態で今日を迎えているというのは事実である。5日の新市長の説明の際に、新市長から教育基本条例にかかる対応を聞かれたので、市の教育委員は新市長と十分に意見交換をする姿勢を持っているということをお伝えした。その際、新市長からは教育基本条例は府市統合本部で議論するということを言われた。その後の新聞報道等によると、府市統合本部に教育委員も参加してほしいということが書かれている。その流れも含めて本日委員会終了後、市長とのやり取りをご説明し、教育基本条例に対する我々の対応を協議しようと考えていた。したがって、どう対応するかは今の段階では白紙であり、そういった中で我々が作業を進めたのは、市長提案にするということと府市統合本部で議論するということがあったので、そうなると我々としてどういう条例であればいいのかという議論に行くので、議論のたたき台として作成した。ただ、当然だが対案の必要はないという議論もあるし、場合によっては府市統合本部へ参加するかどうかの話もあるので、その先の話を事務局として少し先走った形で出させてもらった。あくまで議論のたたきのたたきである。府教育委員会の件については、9月30日に否決された市の条例案には府の条例で決めるべき内容が含まれていて、これは法的に誤りであり、本来府の条例で決めるべきことであるということについて新市長サイドからも理解をいただいている感触があったので、府の方にもこれは本来府の条例で決めるべきであるということをお伝えしており、その際に情報が府の方に流れたということがあると思う。いずれにしてもこの間の経過については私の一存で指示をしており、全ての責任は私にある。」

佐藤委員「高尾委員がわざわざこの席で問題を提起された趣旨がわからない。資料としてたたきのたたきというか、データといった形で受け止めている。条例は法的に問題があるということは前からわかっていることであり、これについては我々は専門家ではないので、そのことの解説として読ませていただいたと思っている。今教育長は自分の判断でしたとおっしゃったが、知識は必要なのでそれについて情報提供をいただいたと思っている。それをそのまま出すかというとそれは全く別の問題だと思っており、それに影響は受けていない。」

勝井委員「私も佐藤委員と同意見である。動議についての提案理由はわからないところがある。提示をいただいた修正案は私が見ても法的なリーガルチェックを含む部分とこれまでの大阪市の教育振興基本計画における理念を浸透させるとどうなるかということの提案と拝見した。それに基づいて我々が意見すべきものだと感じた。議論の公開ということについては、まだ条例案が提示されたわけでなく、それに対する意見交換を十分させていただくという方針も持っているので、ここであえてそれについて承認することについて、ないものについての仮定的な承認になるので私としては賛成しにくい。また、本日長谷川委員が欠席なので、どうしても承認するかどうかを決めるということであれば、継続審議ということで、年内に教育委員会会議がもう一度あるので、そのときに決めても遅きに失することはないと思う。」

佐藤委員「私も公開について、まだ市長と何の話もしていないし、条例が私の手元にあるわけでもないので、それについて意見を言う立場ではないと思っている。市長から提案があった段階で、公開について議論していくことが筋だと思う。」

高尾委員「教育長から少し先走ったという話があったが、これが果たして少しという評価になるかどうか。その影響、危険性は非常に重大であったのではないかと思う。委員の中からは専門家でないので解説、知識としていただくということだから問題ないのではないということがあったが、知識とか解説が対案という形で出されるのが適切なのか。そうであるならもっと違う形で出し方があったのではないか。条例がまだ出ていないということについて、出ていないからこそ今の段階で対案という形で出されるのはおかしいと思う。出ていないというのは形式的な事実であるが、事実としては論議が相当に公にされ活発化している。その中で我々の基本的原則としてきちんと公開という姿勢をたてておくことが必要だと考える。普通の社会常識で、会社の取締役会その他でどうしようかという選択肢がいくつかある議論において、処理がどのような手順で流れていくかを考えると、ふさわしい席にある人がどうするか決断して初めて、部下にこういうことになったので素案、対案をまとめてくれないかと指示がなされて、部下がそれに対して準備したものを出し、指示を受けて作った対案として上にあげていって、それを承認するかどうか、上部の意思決定が反映されているかどうかを確認して、それを公のものとするということが普通のごく自然の手続き的な流れなのではないかと思う。この教育基本条例に対する私たちの態度は二つの点、一つは手続きをきちんと、大変な思いを持って見ている市民に誤解を与えることのないようきちんとした手続きで行い、内容についてもできる限りのものを出していく、この二つが求められていると考える。」

教育長「高尾委員がおっしゃるように、教育委員の皆様が例えば問題点はないか、問題点をクリアした条文はどのようなものになるかと対案の作成を指示いただいてから作るというのが筋だと思う。そういう意味では事務局が内々で用意していたものをメールで送ってしまったということになるかもしれないが、23日に新市長へ再度説明を行うので、本日お諮りして23日の対応について議論していただきたいと思っているし、新市長は2月、3月の議会で条例を出すとおっしゃっているので、それほど時間がないという事情もある。我々は9月に提出されて否決された条例案をベースに作成したが、事実として堺市でこの度否決された条例案は大阪市会にかかったものとかなり内容が変わっている。現時点では条例案ははっきりいって見えないところはある。新市長のお考えを聞くなり、維新の条例案を見ないと議論はできないのは事実だが、日程感として時間がないので結果として先走った形で出させてもらった。繰り返すがあくまでも一つの資料として扱っていただいたら結構であり、この内容で進めたいと我々の意思を示したものではないということは理解いただきたい。」

高尾委員「見えない段階で出すというのは私はおかしいと思う。」

委員長「私の受け止め方は委員に送付されたものは資料であって、私どもは現行制度に基づいて教育委員を引き受け、その責務を全うしようと取り組んでいる。その立場からすると、現行の制度に基づいて進めるに当たり、かつて否決された条例案の問題点を整理していただいたものと受け止めている。そういう点で整理は非常にまとまった形でしていただいたと思っている。これはあくまでも事務局の中での作業であるが、それが対案が出たと受け止められた高尾委員から動議という形で問題提起されたのだと思うが、資料という形であれば何ら問題はなかったのではないかと考えている。私は現時点で危惧は感じていない。公開については、教育委員会会議は原則公開であり、その中で議論をし、市民の方々に届くようにしていくことが原則であって、個人情報が含まれているなど特段の配慮が必要なものについて例外として非公開としているのであり、その点については今後も変わりはないと考えている。」

高尾委員「もう一つはこうした問題の中で出ている一つの雰囲気に留意してもらいたい。例えば『16日の協議会でご議論いただきたいと考えている教育基本条例修正案及びマニフェスト課題について送付いたします』というメールの本文は、一般的な理解では、これは参考につくったもので、もしかしたら参考になるかもしれないという姿勢とは違う。私はもう少し慎重に表現されてしかるべきではなかったかと思っている。」

委員長「メールのやりとりは通常オフィシャルなものではないので、そこでの文言を取り沙汰するものではないと思う。オフィシャルな文章で、文章の表現としてそういうものがあれば問題になるかもしれないが、実務的な連絡の表現について気にすべきかどうか、教育委員と事務局の間の関係であるので、私は違う感覚を持っている。」

高尾委員「それには異議がある。メールは私人間でなされる場合はそれでいいが、事務局としてのもの、相手先が委員に対してのものは私人間ではなくもっと厳しいルールに入るべき問題である。」

佐藤委員「私は委員長と同じように受け止めている。オフィシャルなものだという感覚はなかった。これまでは割りと気軽に議論しているし、こういう資料をちょうだいというように気軽にやりとりをしていた。今回のものも、式次第のようなものとはとらえていなかった。」

高尾委員「議論の公開について、非公開で行われる協議会が肥大化することには懸念をもっているという趣旨である。みなさんがそれを踏まえて公開を求める私の議案に対して反対というならそれはそれで仕方のないことではあるが。」

教育長「協議会について、過去の例として国旗の掲揚を全校で実施するということを議論した際に、協議会で議論を重ねた。その時にはルールとして公開はしないが話し合った内容は後日きちんと公表するというやり方をしたこともある。取扱いについて委員で決めてもらえばいいと思うが、過去に事後公表で対応いただいたという例もある。」

高尾委員「そういうルールがあるというのは知らなかった。それは文書化しているのか。」

教育長「文書化はしていないと思う。」

高尾委員「慣習として定着しているということか。それならそれはいいことだと思う。ただ、本件については公表までのタイムラグが問題となる。多くの市民の方からいったいどうなっているのかという声が多い。そういった声に応えるために、早期にみなさんにお伝えできるよう、こういう公開の場で議論して、多くの人に傍聴してもらい、自らの心で判断してもらう、私たちもわかりやすい言葉でお互いに説得し、意見を述べて、より良いものにしていくというような姿勢にしたいと思う。」

委員長「動議については議案になっているので採決することが必要だが、勝井委員から継続審議の提案があり、本日は動議として出された議案の採決を見送りたいと考えるがいかがか。」

高尾委員「長谷川委員の意見も聞きたいので継続審議とすることに異論はない。」

採決の結果、委員全員異議なく、継続審議とすることに決定。

 

議案第125号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

中学校の教諭について、顧問を務めていた部活動に在籍する生徒に対し、部活動の指導中、右掌で頭部を叩くなどの体罰を行ったことにより、懲戒処分として減給10分の1 1月を科すものである。なお、以前の教育委員会会議で委員から指摘をいただいた体罰防止策について、現在担当者によるワーキングチームを立ち上げ検討しているところである。検討途中の段階ではあるが、検討している案として、生徒指導担当を対象とした研修を行うこと、全市を8ブロックに分けて若手教員を中心としたワーキングを開催して自分たちで体罰防止策を検討し、その内容を各学校へ伝達研修をすること、平成11年に作成した「体罰防止に向けて」という指導資料を改訂することなどがある。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「体罰防止策の検討について、いつ頃にまとまりそうか。」

沢田部長「年内にはまとめたいと思っている。8ブロックに分けることについては、教育センターの地域研修を8つに分けてやっていることを参考にしている。きめ細かいワーキングを入れた研修においてはそういったやり方の方がいいだろうと考えている。若い教員の事案が多いので、若い教員と先輩教員とのペア研修を考えており、先輩から経験談を話をしてもらって、少人数で部活動指導等の啓発をしていく研修が効果的だろうと考えている。今年度は生活指導担当に対する研修をすでにしている。また、事案が続いているので、各競技で中学校体育連盟からも部活動指導時の体罰の防止について指導してもらっている。ただ、若手教員が経験不足の中で部活動をなんとかしたいという思いから体罰に走ってしまうケースが多いので、これらの研修や指導資料の素案を作っているところである。」

高尾委員「新年度から展開できそうか。」

沢田部長「それを目指している。今年は新任研修でも体罰に関する指導を入れた。」

高尾委員「早期の対策をお願いしたい。本件は両親の理解も得られず非常にややこしくなっている。トラブルの原因が体罰にあるのだろうということは間違いないと思う。体罰を受けた生徒から話を聞けるようなシステムを検討してほしい。今後当該生徒と当該保護者への対応はどうするのか。一切の話し合いを拒否されている中で、打つ手がない状況だが、このままでは放置できない。子どもに対するメンタル面のサポートについての提案をだめもとでも保護者に申し上げるべきである。卒業までの間当該生徒に当該教員が接触しない方策も考えないといけないのではないかと思う。そういった内容のことも保護者に伝えてほしい。」

林田部長「中学校にはスクールカウンセラーを配置している。そういうことも含めて、当該保護者、生徒に対する配慮についてはきちんとやっていきたい。」

佐藤委員「保護者説明会でさらに険悪な状況になっている。校長の姿勢がはっきりしないからこういうことになっているのだと思う。学校としての方針をきちんと示すということをしないといけない。当該保護者や当該生徒が逆に異端児のような扱われ方になっており、よくない結果にかえってしてしまっている。集会の持ち方をどのように進めていくかというのは管理者としては大事だと思うが、校長はどのように思っているのか。」

林田部長「本来校長が、当該保護者の気持ち、全校のPTAの気持ちを踏まえて、当該教諭にきちんと謝罪させて、今後の取組を示していくというのがあるべき姿であり、方針をきちんと説明すべきであった。今後も含めて校長には指導していきたい。」

委員長「若手、部活動、生活指導担当と前回の体罰の事例と類似している。こういうケースで体罰が生じやすいのだと思う。教員と生徒の間での信頼の欠如がこういう出やすい所で表れているということなのだろうと思う。当該教諭は保護者との間でこじれているにもかかわらず校長への報告が遅い。」

林田部長「当該教諭が報告すべきところ、それを怠っていた。当該教諭が報告しないということが不適切である。校長についても当該教諭から報告を受けた後、教育委員会への報告が遅れていることも不適切であるので、両者指導していく。」

委員長「自分で解決しようとしたのであろうが、問題を生じさせた時点で学校として対応しなければならないのであって、校長が同席するとか、校長と相談の上話をしないといけない。そういうことなしに電話をしてはいけないと思う。危機管理の仕組みが全く感じられない。そこが一番の問題に感じる。先ほどご説明いただいた体罰防止策の研修ももちろん必要だが、それと同時に、起こることに対する危機管理の仕組みも大事である。報告義務ということだけでいいのかなという気がする。自分の中で収めたいという考えが、事態をより深刻化させている。学校として対応することが必要だと思う。」

林田部長「今回体罰にかかわっても、日頃から学校長から体罰があってはいけないということを言っていれば、こういった事案があったときに、校長への報告がすぐにあったと思うので、危機管理という観点からも、そういったことを徹底していきたい。」

勝井委員「11月25日以降、教育委員会としての保護者との接触はあるのか。」

福山総括「両親が数回教育委員会事務局へ相談に来ている。両親の思いを聞きながら、校長及び当該教諭を指導すると伝えているが、両親は当該教諭を辞めさせろということにこだわっており、そこまではできないので、学校としてできること、教育委員会としてできることは常々伝えている。」

勝井委員「学習支援はどのようにしているのか。」

福山総括「担任が家庭訪問を行っているが、十分な学習支援はできていない。」

勝井委員「もうじき中学3年生になり、大事な時期に差し掛かるので、当該生徒がきちんと中学校生活を送れるように十分なフォローアップをお願いしたい。半年後ぐらいに本件の状況を協議会の場でもいいので報告してほしい。」

高尾委員「最初母親は当該教諭を信用しているが、180度変わっている。これはなぜなのか。子どもが先生をばかにしているというか、尊敬しないことからなのか、生徒がなぜ怒られたのかわからないということからなのか。」

林田部長「なぜ怒られたのかわからないというのは保護者が言っていることで、そこはすれ違っているところである。当該生徒と教諭の関係と保護者との関係で微妙な違いがあるのかもしれないが、そこははっきりはわからない。」

宇野係長「母親と面会した際の話では、当該生徒の母親は平手打ちはまだ愛情があるが、拳で殴るのは暴力であると考えている。教員の主張は胸倉をつかんだときに顔に当たったかもしれないということだが、母親は完全に暴力行為を受けたととらえている。それが行き違いの最初のきっかけである。」

佐藤委員「当該教諭は防衛的に言っており、それがどんどん保護者の不信感を増している。人間関係にかかる対応が悪い。最初の謝りどころで間違っている。」

高尾委員「矢野委員長がおっしゃるように、最初のときに電話ではなく、その子どもに一緒についていって、家まで行って話をすればよかったということなのかもしれない。」

委員長「問題があるとすれば学校として校長についてきてもらって、謝るなら謝るということをしなければならない。そうしないと自分が悪くないという気持ちがどこかにあればこういうことになる。そういうことは言わせてはいけない。こういうことについてどう解決していくのかまだわかっていないような気がする。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第126号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校の教諭について、通勤届と異なり、認められていない自家用車両による通勤を行い、学校付近の交差点で男性が運転する自転車と衝突したことにより、懲戒処分として戒告するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

佐藤委員「本件は後の処理は適切にされているように思う。」

林田部長「そういった意味での悪質性はないと思う。」

高尾委員「学校で常に自動車通勤はだめだということを言っていれば、このような処分を受けずにすんだかもしれない。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)矢野委員長より閉会を宣告

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