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平成24年第25回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:191581

平成24年第25回教育委員会会議 会議録

1 日時   平成24年9月4日(火曜日) 午前9時30分~午後1時

                   

2 場所   大阪市役所本庁舎地下1階第11共通会議室

 

3 出席者

矢野 裕俊  委員長

勝井 映子  委員

高尾 元久  委員

大森不二雄  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

小畠  稔  生涯学習部長

山田  昇  連絡調整担当部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

森本 充博  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

飯田 明子  企画担当課長

本  教宏  連絡調整担当課長代理

高井 俊一  教職員人事担当課長

武井 宏蔵  教職員人事担当課長代理

宇野新之祐  教務部担当係長

栗信雄一郎  教務部担当係長

山東 昌弘  教務部担当係長

渡部 祥代  教職員資質向上担当課長

原田 公寿  教務部担当係長

坪井 宏曉  指導部首席指導主事

藤尾 治仁  指導部総括指導主事

松井 宏之  指導部主任指導主事

松永 尚子  指導部首席指導主事

田村 敬子  指導部主任指導主事

赤石美保子  教育センター主任指導主事

藤巻 幸嗣  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

 

4 次第

(1)矢野委員長より開会を宣告

(2)矢野委員長より会議録署名者に大森委員を指名

(3)議題

議案第114号 教育委員会所管の学校における指導が不適切である教諭等の研修に関する規則の一部を改正する規則案

議案第122号 平成22年度「全国学力・学習状況調査」結果及び平成23年度「全国学力・学習状況調査」を活用した大阪市調査結果の区担当理事への情報提供について

議案第123号 職員の人事について

議案第124号 職員の人事について

議案第125号 職員の人事について

なお、議案第123号から議案第125号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第114号「教育委員会所管の学校における指導が不適切である教諭等の研修に関する規則の一部を改正する規則案」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

大阪市立学校活性化条例の施行に伴い、学校協議会は指導が不適切である教員に対して校長が講ずる措置等について意見し、当該校長が講じた措置等に不服があるときは、教育委員会に対し、必要な措置を講じるように申し出ることができるとされたため、必要な規定の改正を行う。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「全体の構造その他について、この通りでよいと思う。ただ、確認したいことが何点かある。一つは事実確認という行為の主体者は誰かということである。一次的には校長が自ら認知した場合と、協議会から意見を受けて事実確認をした場合があり、それとは別に校長が該当しないと判断したことに対して協議会から不服申し立てがあり、それに対して事実確認をするという二次的な事実確認がある。一次として事実確認をするということは4条2項で規定されているが、二次のところで教育委員会が実施する事実確認はどこに規定されているのか。それと、事実確認の調査の予告及び解除について誰が行うのかという問題がある。一次は校長が実施することとなるのはその通りだが、二次の教育委員会が実施する事柄については校長が予告をし、校長が解除することと規定ではなっているが、権限の筋道からは教育委員会が校長を通じて実施するということも考えられる。この点どう判断したのか。3点目として、校長は教育委員会から判定通知書を受け取ったときは協議会に報告書を出さなければならないとなっているが、教育委員会がどう判断したのかが協議会にとって重要であるので、判定通知書を添えて報告書を提出するとしたほうがいいのではないか。」

渡部課長「事実確認は誰がするかということについて、最初の校長が把握した場合と学校協議会が意見を出した場合もいずれも、校長が日ごろの教員の様子や授業の様子など日常的なものを確認するということがあるので、校長が事実確認をすることとしている。申出書が出た後の事実確認は、必ず教育委員会が職員を派遣することとし、その場合の事実確認は、退職校長である指導員が校長とともに授業観察をし、授業の詳しい内容について事実の確認をすることとしている。また、当該教員へ指導した内容やそれをどう次の授業に反映していったかなどすべて含めて事実確認としており、広い範囲になっている。また、保護者の意見も事実確認に含まれており、校長の意見をあわせて事実確認をすることとしている。」

高尾委員「学校活性化条例の15条3項で教育委員会は必要な措置を講ずるものとすると明確に書かれているので、規則の5条6項は、教育委員会は校長から意見を聴取する等と、教育委員会がするということを明確に打ち出すべきである。事実関係の把握を教育委員会が行うということを明確に位置付けることが必要だと考える。」

渡部課長「教育委員会が必ず職員を派遣することとしており、これまでも記録については職員を派遣する場合は、全てを校長に任せるということではなく、校長と一緒に事実確認を行い、両者の意見を併せて一つの記録としてまとめているということでやってきている。」

教育長「指摘は条例の規定と規則の立て方があっていないのではないかということである。」

高尾委員「実態的にはそのようになってもいいとは思うが、権限的には教育委員会が行うべきということである。」

委員長「今の件は、学校協議会から教育委員会へ申し出があった場合であり、校長が授業の実態をみて事実確認をして教育委員会へ報告する。それを受けて教育委員会が再度事実確認をするかどうかということだと思う。確かに退職校長を派遣して実際に指導力が不足しているのかどうかを校長とともに観察をして確認するのだと思うが、それと同時に教育委員会の事実確認の中味は、校長が適正な手続きを踏んで報告に至っているのかということの事実の確認ということがある。その両方が教育委員会の事実確認という中に含まれていると思うがその理解でいいのか。」

教育長「よい。」

委員長「そうすると、高尾委員の指摘は、それが明示的に規則に書きこまれていないのではないかということになる。」

教育長「第4条第3項と第5項の規定で、第5項では必ず退職校長を派遣するということになっており、これが校長と一緒に事実確認を行うという趣旨だという説明をした。」

高尾委員「そうではなくて、教育委員会が事実確認を行うということを明記してほしいということである。教育委員会が事実確認を実施するという言葉が出てこない。フローチャートを見ると事実確認は校長が行うということになっているということだろうと思うが、今の規定が活性化条例15条3項の趣旨を受けた規則となっているかというと違うのではないかと思う。」

大森委員「私も高尾委員の指摘の通りだと思う。条例の規定はあくまでも教育委員会が主語なので事実確認を行う権限と主体は教育委員会になる。それに対して、規則案第4条第5項はいきなり「教育委員会は、前項の事実確認等の実施にあたり」となっているが、前項は主語が教育委員会ではなく校長になっている。教育委員会が事実確認を行う主語になっている規定がないので、条例を受けた規定にはなっていないと考える。実態論でという理解はあるかもしれないが、あくまで法的な権限責任がだれにあるのかはっきりさせないといけないので、規則の書き方は問題があると考える。」

委員長「実態としては今までも教育委員会が事実を確認してやってきているということで変わりはないと思うが、ただ、今回の規則の改正では必ず教育委員会は派遣をすると、そして、事実の確認にも関わるというところが一歩踏み込んだ原案になっているということだと思う。学校活性化条例の読み方について、第15条3項はまず事実確認から入っているというわけではなく、まずは指導助言を行うとなっており、ここの趣旨は必要性が出てきたときに事実確認を行うということと理解しているが、そういう趣旨からすると原案の規則の書き方で問題がないと考える。そうでないと校長の事実確認があり、その上、それに縛られない教育委員会の事実確認をすることになり、二重の仕事になり、校長を信頼しないという制度設計にもなる。教育委員会の事実確認はその必要性に基づいて行うということで、事実確認を規則で明示的に書くよりも、校長と教育委員会で共に事実確認を行うという形でいいのではないか。」

高尾委員「私は委員長とは意見が違う。15条3項は校長に指導助言を行うとともに事実確認その他の必要な措置を行うという二つの要素が並列的に書かれており、指導助言が規則第4条5項であるが、事実確認その他の必要な措置が規則で触れられていないということが問題だと申し上げている。私の修正案は5条6項で「校長から意見を聴取する等事実確認その他の必要な措置を講じることとする。その後に当該教員が・・・該当するかどうかを判定する。」という構成にすべきだと考える。これは校長を信用しないということではなく、この規定は校長の判断と協議会の判断が違う場合にどう利害調整をするのかということに対する解決のためにこの規定が置かれており、校長を信頼するかどうかとは違うレベルで二次的な審査が行われるのであって、実質的に事実誤認がなかったのかを含めて判断し、そういうことをして初めて校長の判断が妥当だったのかどうか判断できるし、妥当でないという判断もできると考える。」

大森委員「政策としての当否を論じているのではなく、条例で定まったものに反しないかどうかを論じているので、そういう意味では条例の定めの範囲内の規則の規定ぶりになっているかどうかである。この規則だと条例の外に出る書きぶりだと考える。いまさら校長に任せてはいけないのかとかそこまで教育委員会がしないといけないのかという政策論ではなく、条例に則っているかどうかで考えるべき。規則第4条4項の主語は校長であり、校長が事実確認をしてそれを教育委員会に提出するということになっており、教育委員会が事実確認をすることにはなっていない。それに対して第5項では教育委員会が事実確認の主体であるかのように書かれている。これは規則としての欠陥を指摘しているのであり、延々と議論するような問題ではない。早急に修正案を検討するべきである。」

浅野部長「第4条第5項の規定を教育委員会は条例第15条第3項の実施にあたりということではどうか。」

大森委員「それではだめである。その表現でも4条5項は職員を派遣することを規定しているのであって、教育委員会が事実確認を行うという趣旨の規定が第4条第4項に入っていればいいが、入っていないのでだめである。」

教育長「確かに条例の前段部分の指導助言のみがあって、事実確認が抜けているということなので、第4条5項は本来は第15条第3項を受けるものとして条を別にして教育委員会を主体として事実確認をするということで検討したい。継続審議としていただいて条文の整理をさせてもらう。」

委員長「条文の修正は時間をかけて検討してもらいたいが、その際、校長の事実確認は様式で定まっており、それを教育委員会が事実確認をするとなると教育委員会がどのような手続きでどのように確認するかを記す様式が必要になると思うのでその点も検討してもらいたい。」

教育長「時間をかけて条例との整合性も再度確認したい。委員長から指摘のあったことについても、規定を改めた場合に、様式等への影響も含め、全体にわたって検討したい。」

高尾委員「あわせてさきほど申し上げた点、事実確認の予告解除を誰が行うのかについても検討をお願いしたい。それから5条9項の判定通知書も協議会に渡せないかという点、それと各条の標題について、第4条に先ほどの議論が反映されるのであれば、予告と記録だけでいいのかという点もあるので検討をお願いしたい。また、第5条5項について、協議会から申立があった場合の対応で再度判定基準票を作成することになっているが、二度作る必要があるのか。校長が事実認定を変えることがありうるのかなと思う。それと職員の派遣について、実態として退職校長を派遣するのであれば、規則でそこまでは書けないと思うが、フロー図とかでははっきり書けないか。それと退職校長だけで本当にいいのか検討してほしい。」

教育長「この判定が訴訟での審議対象になるので、そこは法的に耐えられる形で考えていきたい。」

委員長「この議案については事務局において今指摘のあった点について事務局で再度検討してもらうこととし、継続審議とするということでいいか。」

採決の結果、委員全員異議なく、継続審議とすることに決定。

 

議案第122号「平成22年度「全国学力・学習状況調査」結果及び平成23年度「全国学力・学習状況調査」を活用した大阪市調査結果の区担当理事への情報提供について」を上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

区内の小中学校の実情を把握する材料の一つとして、平成22年度「全国学力・学習状況調査結果」及び平成23年度「全国学力・学習状況調査」を活用した大阪市調査結果を区担当理事に情報提供する。なお、情報提供する項目は、区及び区内小中学校の国語A・B、算数A・B、数学A・Bの平均正答率とし、提供する情報は区担当理事のみが保有することとし、区の職員へ結果を示すことや外部への公表は認めない旨の職務命令を発する。また、情報を提供する際には、教育委員会の担当者が公表資料等を使って、全国学力・学習状況調査の実施目的、過去に実施された調査の分析結果や調査から見えてきた課題等について説明する。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「資料の1ページには区のデータが入るが、2ページを見ると全国、大阪市がきて、いきなり学校が並ぶこととなっているが、1ページと同じように全国、大阪市の下に当該区の名前を入れた上で、当該区の学校別の結果が並ぶようにすべきではないか。」

沼守次長「2ページの方で全国、大阪市、区の結果を並べ、その下に学校別の結果を記載すれば1枚ですむので、書類が何枚もあるよりも簡潔に見られる方がいいということであればこの場で判断していただいて構わない。」

勝井委員「区担当理事に提供する前提として、第2項のところで区の職員へ結果を示すことや外部への公表は認めないという職務命令を発するということについて、学校別の結果は外部へ公表しないという方針を教育委員会としてこれまでとってきたが、その方針に変わりないという前提でいいか。」

教育長「この間の学力調査の結果についてはその都度教育委員会会議でご議論をいただいて公表するしないを決めていただいており、22年度、23年度のデータはそれと同じ取り扱いをさせていただくということである。」

勝井委員「「提供したいと考える」という議案の書きぶりをすると、我々の方から提供したいと自発的に思ったような書きぶりに見えるが、この議案が出てきたきっかけを教えてほしい。」

教育長「いくつかの区長から区内の学校の状況を勉強したいということで、学力の状況を教えてほしいという話があり、事務局で議論したが、区長という立場で資料を提供するのはこれまでの教育委員会の議論からすると少し問題があるが、教育委員会の職員である区担当理事に情報を共有するという形で進めさせていただこうということで今回議案を上程している。」

勝井委員「区長が区長の立場で情報を提供してほしいと求めているにもかかわらず、区長に情報提供するという議案ではなく、区担当理事に提供するという議案になっている理由を詳しく教えてほしい。」

教育長「この間の学力調査の数値の扱い方の議論において、学力調査は学校教育、子どもたちの学力の状況を把握するための調査であって、そういう業務にかかわる部署だけで情報を持っておこうということが考え方のベースにあり、そういう意味で区担当理事はそれぞれの区内の学校教育にも関わってもらうことが出てくるので、区担当理事へ情報を提供するということで考えている。」

勝井委員「区担当理事は現時点では限られた職務範囲であり、その職務権限を広げるには教育委員会会議で決めることとなっており、区担当理事に対してここまでの情報を渡すことは区担当理事の職務に必要のない詳細なものであると考える。これまでの協議会の議論の中でもあったが、区長の上位者が守秘義務を課せば区長に対して提供することも考えられる。区担当理事であれば教育委員会のコントロールが及ぶからこういう書き方をしているのだろうが、もともと区長の上級である首長が職務命令を発してくれるのであれば区長に渡すことができ、何も権限の狭い区担当理事に情報を提供する便法のような手法をとらなくてもよかったと思うのだが、この件について区長の上位者は何か意見があるのか。」

教育長「市長とこの件について話をしたが、区長に区内の学校教育に今後参画をさせたいということで、必要な情報は提供してほしいということであった。情報公開において実施機関は市長部局と教育委員会で異なり、我々から市長にこうしてほしいということはできず、区担当理事であれば教育委員会の指揮命令系統に入るが、これまでの学力調査のデータの取扱いの延長線上にあるので、教育委員会のご判断をいただく必要があるということで議案として上程させてもらった。」

勝井委員「職務命令を発するということだが、区担当理事の職務からして便法になるのではないかということが賛成しがたい点である。また、第2点目として、聞くところによると区長の中には区民に情報を公表することを考えている人がいると聞いている。例えば区政だよりに載せるという考えを持っている区長がいると聞いているので、職務命令を違反してでも公表したときに、区長の上級者が職務命令違反で何らかの処分を行うかということに疑問を感じている。提供する情報を区担当理事がどのように使おうとしているのか、公表についてどのような考えを持っているのか、協議会の場でもいいので区担当理事と意見交換をした上で、区担当理事の考えに納得できるのならこの議案に賛成することもありえるが、そういうことがなされず、便法のように出されているこの議案については賛成しがたい。」

教育長「3項に書いているように、これまで教育委員会で議論してきた内容について理解してもらうことが必要だと考えている。それと各校での課題を分析してアクションプランを作っているので、校長と話をしてもらうときに各学校の状況となぜそのような課題があるのかということも含めて議論いただくということを3項でお願いしようと考えている。区政だよりでd公表するというのは、学校の実態を把握して、区長として何かできないかということを考えておられると思うので、そのための材料となる情報として提供したい。職務命令は教育委員会が出すので違反をすれば教育委員会で処分することになる。」

勝井委員「それはその通りだが、ただ、職務命令違反を1回しただけでどのような処分になるかというと、もちろん免職になるはずがないし、区担当理事の職も離れないと思う。結果の重大性に比べると職務命令違反でどのくらい担保できるのかというのが疑問である。3項について、説明するのはもちろんそうだが、その説明は開示とは無関係にこの議案以前に説明申し上げるべきであり、それはすぐにでもしてもらいたいが、それとこのような詳細な情報を提供することは次元が違う問題であり、必要性とさきほどから申し上げている危惧は現時点では払しょくできない。」

大森委員「この個別の学校に関するデータはこれまで教育委員に対して開示されていたのか。」

教育長「24年度分は今後説明させてもらうが、全体の状況あるいは数年で変化してきた状況などはお示しするが、すべての学校についての情報の提供はさせていただいていない。」

大森委員「こういう形で区内の小中学校の情報が区担当理事に開示されるということは行政部内の話で問題ないと思うが、逆に区担当理事が区内のデータを把握しているのに、教育に責任を負っている我々教育委員がそれを承知していないというのはおかしな話になると思う。22年度分、23年度分のデータの教育委員会内部の取り扱いを明確にする必要があると考える。」

教育長「区担当理事に提供することになれば、当然に教育委員の皆さまにも同様のデータをお示しする。」

高尾委員「基本的に区担当理事に情報を提供することは望ましいことだと思う。市長部局と教育委員会はそれぞれ分担し協力し合って、連携して教育の振興に努めることは当然であり、行うべきことである。ただ、私は2項が矛盾しているのではないかという気がする。提供された情報を区担当理事のみが保有することとすれば、区担当理事はそれをどう活用すればいいのか。提供されたデータを基に区長として区の施策に活かしてもらわなければならないが、区長一人が情報を抱え、他の職員に漏らしてはならないということでは、いったい何なのかと思う。理想的にはきちんと秘密の保持が守られて、施策の企画立案に当たる職員がその情報を得て方向性を打ち出してもらうということが必要なことだと思う。また、例えば、区政会議を開いている区があり、区政会議のメンバーが真剣に教育問題について検討しているところがある。そういうところになぜ知らせてはいけないのか。その人たちが秘密を守るという前提は必要だが。区の中で教育を担当する職員にも区長をサポートする副区長にも知らせられない。これでは本来の目的を達成することはできない。2項の区の職員へ示すことは削除し、その代わり秘密の保持を課せばいい。私は職員が秘密を漏らす恐れがあるという立場には立たない。具体的な秘密の保持の手法は協議会の場で検討をお願いしていたと思う。基本的には地公法34条で守秘義務が定められている。それと個人情報の保護に関する諸規定がある。秘密が何かに関して言えば、職務命令で指定することもあるし、文書の管理規定があればそれに基づいて指定するということで明確にできると思う。これは実質的な秘密にあたるかと言えば、これまでの実施の趣旨に照らせば実質的な秘密であるという認定に立てると考える。それを区長にどう課せるかを検討し、それができるのであればまったく問題ないと思う。また、民間では秘密保持の契約を結ぶ場合があるが、そういった手法がとれないのか。区と教育委員会でそういうことはできないのか。それと1項について、個々の科目の平均正答率だけでは情報として不足していると考える。例えば、上位30%下位30%の分布や最頻値がどこにあるか、各学校の最低、最高の分布状況などの情報は施策を考えるうえで貴重な情報である。また、学力だけでなく学習状況についても区長がどういうサポートを教育に関して行うか考える際に重要な判断材料になると考える。そういう情報についても提供する必要があり、1項を修正してほしい。」

教育長「1項について、当時のデータはすべて学校に返しているので、データを示すには再度収集してデータを集計しなおす必要があり、我々としては学習状況については全市の状況を説明しようと考えている。今後、こういった形で区を意識した集計や公表に向けてどうするのかご議論をお願いしたいと考えている。今から過去の分をやり直すのは困難である。2項について、手法はいろいろあるが、情報管理ということで言えば、区担当理事は事務局の職員なので、区担当理事に提供するやり方が最も早く、区長にお示しするのでは我々は区長をしばれないので区長が独断でやられたときの担保がないと考え、この手法をとらせていただいた。」

委員長「情報提供ということで情報の開示という表現が避けられているように見えるが、その趣旨を教えてほしい。」

教育長「開示ということになれば外の人に対して渡すという意味になるが、これはあくまで区担当理事という教育委員会内部の職員に渡すということなので情報提供という言い方をしている。」

委員長「区担当理事という教育委員会の職員に対して情報を提供するということで、区長に情報を提供するということではないということであり、区長の職務ないし区の行政に対する責任という観点でそのまま利用してもらうという情報ではないということになる。」

教育長「要するに22年、23年の結果をどのように扱うかについてはすでに教育委員会会議で議論がされ決定しているので、その延長線で考えている。24年度は今後議論をいただくか、その中で区長への開示について議論をしていただくことはあるかもしれないが、この議案はあくまでこれまで教育委員会で決めてきたそういう情報であり、その延長線上でとらえている。」

委員長「区担当理事として、その職務の範囲で情報を受け止め、それを活かす場合には活かすということに限定されるということであり、それ以外に利用されれば問題になる。したがって、それが起こらないようにする責任が我々にはある。仮にそういうことがあれば区担当理事の重大な職務違反であるとともに、教育委員会の情報管理の責任が問われる。そういうことも想定せずに情報を提供したのかということになる。そう考えると、2項や3項の情報提供についての考え方では教育委員会の責任の問題が問われることになる。というのは全国学力学習状況調査は、設計段階から公表の問題を考えてやられており、参加協力方式をとっている。実施要領においてこの調査を何のためにするのかはっきりと書かれており、その目的のために参加し協力してほしいということになっており、不参加のところが続出すれば全国調査にならない。また、全国調査は国語算数数学理科だけであり、その科目のすべての内容をカバーしているわけではなく、特定のところから抽出して出題されている。しかも、学校には教科以外に重要な活動もあり、そのトータルが我が国の公教育である。学力調査は教育活動のごく一部分の、該当教科のごく一部分の能力を示すものでしかないということが前提になっている。この情報についてはいろいろな観点から、文部科学省が公開する情報以外は不開示扱いとすることが決定されている。そういう形で5年間やってきて、全国調査にそぐわない実態は起こらなかった。そこには教育委員会の参加協力があり、各小中学校の参加協力があってできているのであって、結果の扱いについては限定が加えられており、我々が自由に扱えるものではない。これは24年度の結果においても同じであり、教育長は今後議論すると言っていたが私はそうは思わない。学校や教育委員会の参加協力の下でやられているので、遵守すべき義務がある。その結果についても学力調査の趣旨に合致した活用をすることになっている。もちろん区担当理事という教育委員会の一職員に情報提供するということはありえることであり、調査の趣旨に照らして活用してもらうことは我々としてもありがたいことであるが、その前提に立つのは、学力調査の持つ制約や実施要領の趣旨目的に即して進めていくということであり、その理解が前提となる。趣旨に反した利用の仕方をされることを未然に防止する責務が我々にある。しっかりとした理解の共有が情報提供の前提である。それがなければ情報は提供できない。したがって、3項のような説明で終わったのでは、情報の提供はあやういと思う。説明をして理解をしてもらい、結果情報の利用についてしっかりとした認識を持って我々と協力してもらうということが前提になる。1項から3項をみても提供された情報をどう活用するかはどこにも書いていない。要するに区担当理事にお任せという状況になっているが、それでは教育委員会として無責任である。議案の3つの項目に基づいて情報提供することは問題があると考える。」

大森委員「委員長から24年度もしばるという発言があったが、それは委員のコンセンサスを得られたものではない。今は22年度、23年度の結果について決定された範囲内での行政部内での情報提供が審議されている。また、委員長から学力調査で測定できるのは教育の成果の一部という趣旨の発言があったが、一部ということは否定しないが、同時に有益な情報であるのは間違いない。一部だから見せない方がいいという考え方はおかしい。できるだけ情報は教育委員会の限られた部内だけでもっているのが正しくて、学校の問題がどこにあるのかということを当事者が隠して請求されないことが子どもためになるという考えには私は賛成しかねる。」

委員長「24年度のところは個人の意見であり、今後議論する際に私の意見を述べたい。学力の一部であるということについて、文科省が学力テストを実施するにあたってなぜそういうことを言っているかといえば、学力調査の結果があたかも学力の決定的な指標であり学校の教育活動の成果の指標だという読み取り方をされては困るということである。私は情報の開示は考えていかなければならないと思っており、その一環で全国学力調査についてもしかるべきときに、今よりも踏み込んだ開示を考えていかなければならないと考えている。だからこそ、この全国学力学習状況調査の結果の扱いについては慎重さが必要である。あまり理解がなければ、全国のどこが学力が高くて、大阪は低いとかそこだけで物事を考えて、それだけに注目して一喜一憂する風土を作ってはいけない。そういう点から我々は慎重さが求められるし、文科省もその点についてきちんとした配慮をしているのだと思う。そこを区担当理事にどういういきさつで全国学力学習状況調査が始まったのか、それは何のためなのか、結果の利用についてどのような枠づけがされているのか、なぜ学力調査の結果だけなのか、学習状況のことも質問しており、その結果がデータとしてあり、そこも見ともらわないといけない。点数だけにフォーカスすることは問題である。大阪市のこどもの学力の問題、学習状況、生活状況を見つめなおすための一端になることが大事である。ところが事務局提案の原案ではそういうところが弱いと考える。情報の利用についても例えば教育委員会の方針に従うとか、教育委員会の方針に反する利用をしないということが必要である。そういうことも含めてもう少し検討した上で、周到な提案に基づいて議論ができればと考えている。」

高尾委員「全国学力学習状況調査について、正しい共通認識を持とうという話である。 今手元に文科省の24年度の全国学力学習状況調査を行う際の通知の留意事項(1)オに「関係機関等に対して調査結果を提供する場合には、提供を受ける機関等において本実施要領の趣旨が順守されることを前提とするとともに、本実施要領に基づいた取扱いが行われるよう必要な措置を講じること。」と記載されている。ということは、これは行政内部で関係機関に提供することが前提になっている。ただし、その場合にはきちんとした保秘をかけてくださいということになっている。また、8.調査結果の取扱い(4)アで「これが一般に公開されることになると序列化や過度の競争を生じるおそれがある」というように記載されている。したがって、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第5条第6号に規定する不開示情報として取り扱うこととしている。ということは、これが一番心配しているのは関係機関への提供で起こる事態ではなく、一般への公表により起こる序列化や過度の競争である。行政がともに教育の振興という目標に向かって手を携えて進んでいこうということを制約するものではない。」

大森委員「今回の情報提供は行政機関内部へのものであり、文科省の実施要領の範囲内におさまっていることは疑いない。その点も事務局で確認したと協議会で説明を受けた。その上で実施要領の法的拘束力がどうかといえば、例えば地方自治法が条例で情報公開において定めた場合、実施要領が条例に勝るのかという点については、裁判例でも判断が分かれている。文科省の実施要領に定められているから自治体がそれに拘束されるということには直ちにはならない。ただし、今回の議案は文科省の実施要領の範囲内なので、その点を論ずる必要はない。議案3項の学習状況に関わることについて、学校からデータを返してもらわないと集計できないということであり、それと高尾委員もおっしゃっていた、単なる平均正答率だけでなく、分布などできるだけ分析に役立つデータについても行政として活用していないというのは問題であり、24年度以降はそういった丁寧なデータの分析や必要な情報の提供は考えていかないといけない。今回の議案に限って言えば、細かい分析を伴っていないからということで止めてしまうことはありえず、議案に示したデータを区担当理事に提供することで差し支えないと考え、この議案には賛成である。」

教育長「委員長から話のあった調査の目的等に関わって、教育委員会でこういうことを議論してきたということについて話をしてまいりたい。区担当理事は任期付ではあるが、我々と同じ職員であり、それを前提にさせていただきたい。」

委員長「この議案については、もう少し周到な議論が必要だと考えている。学力調査で見えてきた構造的な問題点などがわからないと教育委員会としても有効な手立てを考えにくいということもあるので、どうせ提供するならば活かせるデータを提供する必要がある。とりあえず提供できるのが1項ということになったとしても、2項、3項については様々な意見が出ているところであり、意見の一致を見ておらず、長谷川委員も本日欠席なので、来週の教育委員会会議で結論を出すということで、継続審議という扱いでいいのではないかと考える。」

大森委員「私は本日この場で決定するべきだと考える。区の職員へ結果を示すことは削除すべきという点については事務局から説明があり、3項についても追加するということとしても具体的な追加の文言があるなら今提案してもらって、それに対して賛否を述べることができる。いたずらに情報提供を引き延ばす理由はないと考える。」

高尾委員「教育委員会内部を制約するという立場と区という中でのルールという二重構造になっているので、これは教育委員会内部のことについて諮るということであればそれでいい。ただし、区担当理事が区の職員へ示すことは区担当理事がやることとして想定されているのか。」

教育長「これはあくまで区担当理事の立場で情報提供するということであり、区長が区担当理事としてこの情報を保有し、区の職員は別の実施機関になるので、区の職員への情報の提供はだめですよと誤解のないようにはっきり書かせていただいているものである。」

高尾委員「誤解のないようにという範囲内の理解はできる。区の職員へ結果を示すことは区担当理事の職務ではないので言わずもがなだが、そういう理解であるならこだわらない。」

委員長「3項に入れていただくべきものとして、区担当理事が提供された情報を活用する際に、全国学力学習状況調査の実施の目的に添い、教育委員会の方針にしたがうことというのを明示的に書いてもらう必要があると考えている。」

大森委員「教育委員会の方針や全国学力学習状況調査の目的に従うというのは、具体的な意味内容が示されておらず、そういう文言が入れる意味は何かと読む側には理解できない。区担当理事は教育委員会の職員であり言わずもがなのことを言っているのはどういうことだろうか、そこにどういう意味があるのかということが読み手にわからないので、今の追加は賛成しかねる。」

高尾委員「1項に関して、平均正答率だけでなく、その他のデータについても校長から提供するという認識でいいか。」

沼守次長「本市ではかなりの分析をしながら傾向について示している。平均正答率を示すということは区担当理事が施策を考える上で、各学校と緊密に連携を取ってもらう必要があり、各学校では教育委員会から従前より大阪市の分析に従った分析をし、それと同時に説明責任を保護者や地域に果たしなさいと言ってきており、各学校はそれに基づいてやってきている。区担当理事が各学校を訪れた際には、各学校で毎年PDCAサイクルに基づいてアクションプランを策定しているので、それに基づいていろんなことを話をしてくださいよというのはあるべき姿であり、各区担当理事へそういう点について説明するということを3項に入れている。1枚のペーパーにそれを示しても理解してもらうのは不可能だと思う。それに基づいて汗をかいて各学校と話をしてもらうことが必要であり、後は各学校と区担当理事との間で話をしてもらうことになると考えている。」

大森委員「2項の「区の職員へ結果を示すこと」という表現について、委員長や勝井委員が削除することに賛同するのであれば、それに賛同することはやぶさかではない。ただし、意見が割れるのであればこの表現は削除しなくてもいいということで事務局の説明を受け入れたということである。」

勝井委員「そもそも区担当理事という職が設置されたのがごく最近であり、区長が教育委員会の中に入るという非常に驚くべきことであり、しかも区長は公募で来られた区長が多く、教育委員会のやり方を十分理解していないという懸念がある。実際にテスト結果を公表しようとするというポリシーを強く持っているという人がいることも事実である。区長に見せたら秘密保持ができないという理由で区担当理事に示すというやり方では区長として区政に活かすということができないのではないかという疑問がある。区の職員に示すという言葉がどうこうでなく、現時点のこの状況ではこの議案には賛同しかねる。本来の目的はどうか、必要な目的を開示すべきではないかという点からすると、この表一枚を見ても即区政に活かせる、区担当理事の職責を全うできるものではなく、これ以前に学校が抱えてきた問題を校長から聞き取れば把握でき、学校ごとの順位がわからなくても学校の課題を具体的に聞けばわかることであり、そうであればこのデータはその目的に照らすと過剰なデータではないかと考えている。実際にいろいろな考えの区長がおり、こういうデータを持たずにすでに全校をまわった区長もおり、各校の課題を把握したと言っていた。このデータがないと学校教育に対して区が援助できないかというと決してそうではないと考える。ずいぶん悩んだが、現時点では文言を修正してもこの議案には賛同はできない。」

委員長「教育委員会は合議体であり、一致に向けて努力しなければならない。今回教育委員会会議で初めてこの問題について議論したわけだが、来週に決めるということでどうか。」

教育長「大森委員からも指摘があったがどこを修正すればいいのか。」

委員長「私は具体的な提案をしたつもりであるが、大森委員はその必要はないとして、意見が分かれているところである。大森委員と私の間で歩み寄る余地はあると思うし、本日は一人の意見が聞けない状況であり、大きなことに踏み込む第一歩なので、全員の意見を聞いた上で責任ある決定をしたいということである。」

勝井委員「区担当理事がこの情報を得たとして、どういう利用をするのか、区担当理事に聞きとっていただいて説明してもらいたい。」

大森委員「具体的な修正ということについては、委員長の提案された追加文は入れるべきでないと考える。初めて議案を見たということだが、こういった重要な案件は非公式な協議会で議論をしている。私の認識では協議会の場でコンセンサスが得られたと考えていたが、この場でこのような状況になっているのは非常に遺憾である。勝井委員のおっしゃる立場からすると来週になっても賛成に転じるとは思われず、委員が一人足りないということをもって引き延ばすことには賛同しかねる。本日決をとってもらいたい。」

委員長「私が申し上げたのは1週間であり、その間に事務局とどう記述を明確にしていくのかについてそれなりの時間をかけたい。協議会では意見はずいぶん違っていたように私は感じている。それだけに欠席された委員にも意見を公開の場で述べてもらうというのが一番妥当なやり方だと考える。長谷川委員の意見を聞いた上で、意見が最終的に割れる場合は決をとって結論を出したい。」

高尾委員「会議の手続き上、大森委員から動議が出されたと考えるべきであり、動議に基づいて採決するのか継続にするのか決をとってもらいたい。」

勝井委員「長谷川委員の意見を聞いた上で決めるのがこの重大な決定な場面では必要だと考えるが、教育長はどうされるのか。」

教育長「議案を提案している立場なので原案可決を主張する立場だが、継続審議とするかどうかの態度の表明は難しい。手続き的には長谷川委員が欠席であっても採決には問題ない。先ほどおっしゃった趣旨を踏まえて修正するなら、区担当理事からの求めがあった場合にデータを提供することし、求めがない場合は提供しないことする、もう一つは、各学校の具体的なデータを入れた形で見ていただいて議論するのであれば、1週間の時間をかけて議案を修正して再度提案することになる。ただ、その場合は非公開の扱いとなるが。」

大森委員「求めのある区だけに提供して、求めのない区には提供しないということは議案の大変更になる。それは私としては受け入れられない。1週間延ばす意味が内容的に見出せない中で、長谷川委員がおられないことだけをもって継続審議とすることには反対である。」

委員長「何のために知りたいのか、提供された情報をどう使うことにより教育委員会の区担当理事の職責を果たすのかということは重要なことであり、それを全ての区担当理事に1週間で聞くことは無理だと思うので、だからこそ、我々としてこういうことは守ってもらわないと困るということを明示的に示して情報提供するということが必要になる。そういう趣旨の提案である。新しい状況の中で情報提供に関わって気になるところがあるということが縷々示されているところであり、最も大事なところを私は申し上げたつもりである。利用に係る基本原則を明示的に示さないと、今の議案の状況では何が起こってもおかしくない。教育委員会の責任が問われる問題であるので、全員の意見を聞いた上で採決するならすべきである。データの示し方もこの状態ではきちんとした整理のされ方に至っていないということがあるので、慎重を期して再度時間をかけて議論することが教育委員会の責任性という観点から重要だと考える。」

教育長「各区の学校別のデータを見た上で議論した方がいいということであれば、データを入れてお示しするが、その場合は非公開とさせていただく必要がある。」

委員長「公開部分と非公開部分を分ければいいのではないか。今やっている議論は皆さんに聞いてもらうことが大事だと思う。やり方は検討してもらえればいい。」

大森委員「各校のデータがないから決定できないという話ではないと考える。データによって区担当理事への提供をするかどうか変わってくるような話ではない。時間をかけてとのことだが、1週間をかけてもかけなくても基本的な理念や哲学が違うのではないかと考える。動議としてこの議案に原案通り可決することに賛成か反対か直ちに決をとってもらいたい。」

勝井委員「大森委員がそこまで本日決を採ることを急ぐ理由がわからないが、拙速に決めてはいけないこともある。この1週間の間、もう一度区担当理事がどう利用しようとしているのか、どう考えているのか考えたい。私は区政だよりに載せたいと言っていると聞いたので、それは教育委員会の区担当理事としての考えではないなということから始まったのがこの議論への接し方だった。そういう意味ではこれは非常に重要な問題なので、拙速に5人で考えるべきではない。もちろん一人欠席しているが法的には会議が成立しているので採決することは可能だが、法的に正しければ何でもいいというものではない。長谷川委員の意見が表明されていないので、こういう重大な問題については1週間後に決を採るべき。教育に対して真に熱心に考える区担当理事であればこういうデータがなくても施策はできると考える。」

高尾委員「すぐに決を採るべきという動議と継続審議とすべきという意見があるので、速やかに動議の決を採るべきである。」

委員長「勝井委員からも意見があったが、これは重要な問題であるので、全教育委員の参加のもとで議論をし、その上で次回決定をするべきという動議を私から出させてもらう。」

大森委員「動議が後から出てきたのでどちらを先に議決すべき動議かを確認したい。今委員長から出された動議について、勝井委員がおっしゃったことを考えると、各区担当理事がどのようなデータの取り扱いをするかというところまで議論が行くのであれば、この1週間で決まるとは思えず、私としては1週間をかける意味を感じないので、直ちに議決を取るべきである。私の方が先に動議を出したので順番としてどうなるのか。」

委員長「動議の順番については教育委員会会議規則には定めはなかったと思う。大森委員の動議が先に出されているので、それを先に審議することについては私はやぶさかではない。」

教育長「基本的には動議の順番に判断をしてもらうことになるので、出てきた順番にしてもらえばいいと思うが、内容によっては重要な案件を先に審議するということもありうる。この場合は、出された順に審議してもらえばいいと思うが、その場合、私としては原案に賛成するかどうかは、議案を出している立場上賛成とさせてもらうが、継続審議とするかどうかは、議案の取扱いに関することであり、意見を申し述べにくい。その場合、24区のデータをつけてほしいということであれば用意はさせてもらう。」

委員長「私としてはデータについてもつけていただいて改めて議論することがいいと考える。継続審議として活かせるような資料を出すことについて事務局で考えてもらいたい。動議は出された順番で行う。大森委員の動議が可決されれば私の動議が通ることはない。」

教育長「議案に賛成かどうかについては賛成させてもらうが、議案の審議の仕方については、私は意見を述べずに4人の委員で決めてもらいたい。その際同数であれば委員長の決するところになる。」

高尾委員「大森委員の動議は本日採決すべきという動議ということであるという確認をしたい。」

委員長「大森委員の出された動議について採決したい。本日の会議で採決して決めるということでいいか。」

大森委員「それは継続審議と裏表になるのであって、そういうことではない。私が申し上げたのは、本件はすでに議案として出されているので、議案としてただちに決を採るべきであるということであり、本日決を採るべきかどうかということを言っているわけではない。議案そのものについて賛否の決を採ってほしいということである。」

勝井委員「これは議案としてあがっているので、継続審議の動議がなければ大森委員のおっしゃるように議決をとることになる。ただちに採決すべきということを言っているのであれば通常の手続きを委員長に伝えているということにすぎないが、そうであればそれは動議ではなく、進行についての意見ということになる。そうであれば継続審議とすべきという動議が1本出ているという状況になる。大森委員のおっしゃる趣旨がこれについての採決ではなく採決の方法として本日採決すべきかどうかという提案であれば、その動議があって、次に継続審議とすべきかどうかという動議があると理解するが、前者であれば継続審議の動議を今から採決することになると思う。」

大森委員「先ほど教育長もおっしゃったようにこの議案の賛否の決を先に採れば1週間継続審議ということをやる意味はなくなるということを言ったつもりである。この議案に対する採決を採っていただきたいということである。」

委員長「そうすると意見として動議は撤回されると考えていいのか。」

教育長「要は、今採決をするべきということで、継続審議とするかどうかという要素も入っているので、まず議論の手続きとしては委員長の判断になるが継続審議とするかどうか先に決めていただくことになると思う。」

委員長「本日採決すべきということは動議なのか。」

高尾委員「直ちに採決を行うべきだという動議である。」

大森委員「継続審議にするというのは、それによって望ましい結果が来週出てくるような類の意見としてできていない、混迷を深めているばかりであると考える。悩んでいる委員がいらっしゃるならその点を考えて、私の動議の決に臨んでいただきたい。」

委員長「大森委員から原案に対して決を採るべきであるという動議が出された。私は悩んでいるかどうかではなく、こういう議案については必要最小限の時間をかけて、合議制の趣旨に照らして全員の意見を聞いて、意見が分かれる場合には最終的には採決となる。しかし、それまでにしっかりとした議論をすることが不可欠であるということで私は継続審議を動議として提案したい。」

教育長「1週間延長するとして、我々にできるのは詳細なデータの提示であり、説明を付加するとか、区担当理事の意向を聞くことは困難である。我々の提案は24区の具体的な数字を入れて出しなおすということで、延長する意味は我々としては感じていない。」

委員長「事務局的にはそうだということはわかった。私は全員の意見聞いた上で決めるということが必要だと考えるので、1週間の時間を経て、議論を尽くしたいと考える。」

高尾委員「どの動議を先に採決すべきかを決めて、それに従って採決していくべきである。」

大森委員「教育長から継続審議にしたとしても、具体的な学校のデータが入るだけということが述べられたが、データが入っただけでそれによって議案に対する判断が変わってくるとは思えない。それを頭において判断すべきである。」

教育長「動議の内容についてはっきりと確認していただいた上で、採決を進めてもらいたい。」

松浦係長「教育委員会会議規則の7条に動議の規定があり、その後議案の審議、採決という順番で定められ、最後に継続審議の規定があり、この規定の立て方からすると、継続審議とすることは動議になりえない。議論を尽くした上で採決が行えない状況になって、委員長が会議に諮ったうえで継続審議とすることになる。」

委員長「そうすると、私の申し上げた継続審議とするかどうかは動議ではないということになる。」

教育長「我々から24区のデータを入れて再度この議案をお諮りするということが了承されれば事実上この議案は継続審議となるが、それ以外は大森委員のおっしゃった、採決するしないという動議を審議することになる。」

委員長「そうすると出ている動議は一つということになり、議案第122号について、原案について本日採決すべきだという動議でよいか。」

大森委員「よい。」

委員長「それについて、賛成、反対の採決を採る。大森委員の動議について賛成の方の挙手をお願いする。」

賛成2名

委員長「反対の方の挙手をお願いする。」

反対2名

教育長「審議の手法に関わることなので棄権させていただく。」

委員長「賛成2名、反対2名であり、可否同数の場合は教育委員会規則に基づき、委員長の決するところとなり、私は反対であったので、大森委員の動議は否決とする。ではこの問題についてどうするのかというと、議論の中で決して区担当理事に情報提供を渋るとか、一部の教育委員会の内部でのみ持っておけばいいという趣旨の議論はなかった。むしろ趣旨にかなった形で情報提供をすることは考えていくべきという意見が多かったと思うので、引き続き継続審議という扱いにさせていただきたいと考えるがどうか。」

大森委員「継続審議扱いとすることは動議とできないという説明があっただけであり、本日この議案について決することができないということがあって初めて継続審議となるのであって、今の委員長の発言は違うと思う。私は今の総括は非常に偏った総括だと思う。こういった意見が多かったとおっしゃったがそうは思えない。本日この議案について決することができない状況にはないと思っている。1週間かけても引き延ばしではないとおっしゃるが、一部の委員からは個別の理事の対応を見てという煩雑な意見も出ているし、これは引き延ばしを図られていると感じざるを得ない。非公式の協議会の場でコンセンサスができていたと私は考えており、非常に遺憾である。」

委員長「それは聞き置くということで、協議会の場での話を傍聴の方がいる公開の場で言うのはいかがなものかと思う。協議会は物事を決定する場ではなく、教育委員会会議の場で円滑に議論を進めていくためにやっているものであり、その場でのことを会議で言うことは控えていただきたい。」

大森委員「公開の正式の会議で違うことを言う場合はあるだろうし、それがいけないとは言っていない。ただし、非常に遺憾であるということを申し上げただけである。継続審議ということが先ほどの決で決まったわけではない。継続審議はこの議案について決することができない状況になって初めて継続審議ということになり、私はそういう認識をしていない。かつ、なぜ1週間かけて継続審議とすることの意味がないかという説明で申し上げたのは、これまでも教育委員会会議の場で協議会に言及した発言はあったことは記憶しているし、私が言ってはいけないことを言ったとも思っていない。継続審議は結果としてなるものであり、1週間延ばすことの意味はなく、本日議案として決定できないとは考えられない。」

勝井委員「決定するかどうかについて、先ほどの採決で本日決を採らないということが決まったと考えている。協議会について、協議会でも本日と同様の懸念を申し上げていたのであり、ここで申し上げたことと違う意見を申し上げているのではない。」

教育長「先ほどの動議で本日採決をしないということが決まったので、議案の審議は打ち切っていただいた方がいい。」

委員長「議案第122号については、本日の審議は打ち切りたいと考える。」

 

議案第123号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校の給食調理員について、平成24年6月に計3回にわたり、休憩時間中ではあるものの、喫煙が禁止されている給食室の倉庫内で喫煙したことにより、懲戒処分として停職10日を科すものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「倉庫の中には何が置いてあるのか。」

山東係長「食材は置いておらず、洗剤や調理に使った廃油が置いてあったと聞いている。」

大森委員「食器は置いてなかったのか。」

山東係長「食器は置いてなかったと聞いている。」

林田部長「給食調理関連の用具を置いてある給食室に隣接している倉庫であった。」

高尾委員「給食室の扉を開ければ倉庫になるのか。」

山東係長「児童が給食を取りに来る場所があり、その扉が半開きになっており、子どもが見かけたということで通報を受けた。」

教育長「休憩時間中であるので学校の外で吸えば問題はなかったが、敷地内は全面禁煙なので、処分の対象となる。」

高尾委員「仕事上のストレスとは何か。」

山東係長「当該学校の給食調理員3名のうち1人が病気休暇をとり、他校から支援のために調理員が来ていたが、その調理員から調理作業についてあれこれ指示をされてストレスがたまったと本人は言っている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり承認。

 

議案第124号

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

中学校の教諭について、生徒に対し、右こぶしで当該生徒の右肩下の胸元あたりを殴るなどの体罰を行い、背中打撲で全治5日の傷害を負わせたことにより、懲戒処分として減給10分の1 1月を科すものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

勝井委員「当該生徒がなぜここまで反抗的だったのかは気になる。割と当該生徒に対して丁寧に対応していたのに。」

委員長「担任の教諭が当該教諭の顔を見たら暴れるので職員室へ行っておいてほしいと言ったとのことだが、他の教諭に対してはそれほど反抗していないが、当該教諭に対してのみ反抗的だったということか。」

松井主任「体罰の後だったのでその教諭の顔を見るだけで余計に暴れるというような趣旨であり、その場でのことであった。」

高尾委員「胸を叩いたのに背中を負傷しているのはなぜか。」

宇野係長「壁に押し当てたときに負傷したのか、生徒が暴れたときに他の先生が押さえこんだときに負傷したのか定かではなく、どこで背中を負傷したのかがわからない。」

高尾委員「示談交渉について、相互に代理人はたっていたのか。」

松井主任「教諭側のみが代理人を立てて示談交渉した。」

高尾委員「トラブルが生じたときに教育委員会として支援する仕組みはなかったか。」

教育長「教育相談事業はやっているが、本件は当該教諭が直接弁護士に依頼している。」

高尾委員「お金が絡むと当事者同士で話をするのが難しい。教育委員会で対応チームみたいなものを組んで対応する方がスムーズにいくのではないか。」

教育長「今は弁護士を紹介する仕組みはあるが、それは時間がかかり、時間的にすぐに対応できるようにはなっていない。そこは力を入れていかないといけない。府警OBを採用して相談にはのってもらっているが、代わりに交渉するということはない。」

大森委員「体罰事案など教諭側に問題があることが明らかな場合でも法律相談は可能か。」

沼守次長「可能である。校長がどのように対応していくかなどについて相談している。」

高尾委員「父親と当該生徒とは良好な関係なのか。」

松井主任「良好な関係である。」

委員長「父親は当初落ち着いて話ができていたが、あざを見つけて態度が急変したが、態度が急変した理由はあざだけだったのか。」

松井主任「それまでは学校側と落ち着いて話ができていたが、背中のあざを見つけたとたんに急に考え方を変えて感情的になったと聞いている。」

勝井委員「以前も体罰の内容が教諭の話と子どもの話で違うということで感情的になった事例があったが、最初にきちんと体罰の状況を説明することが保護者との関係の悪化を招かないことにつながるのではないか。」

大森委員「当該教員は現在は出勤しているのか。」

宇野係長「示談後は通常通り出勤している。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第125号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校の教諭について、担任をしていた児童の画像を短文投稿サイト「ツイッター」に掲載し、長期間にわたってインターネット上でだれでも閲覧できる状態に置き、個人情報を流出させたことにより、懲戒処分として戒告するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「インターネットのサイトに動画や写真を掲載することは、コピーがどんどん出回ることが考えられるので注意しなければならない。教員のコンプライアンス、特に教員は児童生徒の個人情報の扱いについては細心の注意を払わないといけない。この種の情報の管理についての教職員への研修や指導の徹底はどのようにしているのか。」

教育長「子どもの写真については学校だよりなど多くで使うが、保護者に了解をもらって掲載をしているなど、各学校とも非常に気を使っている。当該教員も気はつけていただろうが不特定多数には見られないだろうと安易に考えていた。」

高尾委員「掲載した目的は何だったのか。」

教育長「子どもの活動の様子を伝えたかったということで悪意はなかった。」

林田部長「当該教諭はフォロワーしか見れないと考えていたが、実際は誰にでも見れる状態に置かれていた。」

委員長「この事例をこのまま使うかどうかは別にして、具体的にこういうことが問題だということを研修の中で指導徹底していかなければならない。インターネット環境が当たり前の現状で、再度徹底する必要がある。」

沼守次長「初任研などの研修に組み込むよう考えたい。」

高尾委員「削除するまでに時間がかかっており、かなり広がっていることも考えられる。」

勝井委員「写真を保護者に配るなどの教育活動に使うのはいいと思うが、インターネットに掲載するというのは考えが緩い。」

高尾委員「教育目的に使うために撮影するならいいが、当該教諭はツイッターに載せるために撮影しており、問題がある。」

栗信係長「当該教諭も当初はダンスの映像を撮影して後で児童に見せるつもりだったが、かわいかったのでツイッターで友人に見せたくなったということだった。」

高尾委員「インターネットは便利であると同時に重大な結果を招くので、そのあたりを十分認識してもらいたい。こういう写真が悪用される可能性を考えるときりがないので、それだけに慎重にしてもらいたい。」

大森委員「ツイッター上で子どもの個人情報などをつぶやいていることはなかったか。」

栗信係長「つぶやきの中で一部教員として不適切なものがあった。」

委員長「当該教諭の情報管理に対する甘さは否定できず、処分はやむを得ない。」

高尾委員「不祥事事案が多いが、根絶するよう努力してほしい。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 

(5)矢野委員長より閉会を宣告

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