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【第31号】「お子さんがいじめにかかわっていることを知ったら?」子ども情報研究センター 山下 裕子

2019年3月20日

ページ番号:230304

「お子さんがいじめにかかわっています」と言われたら


 あなたは小学校4年生のお子さんの親だとします。ある日の夕方、自宅に担任の先生から「お子さんのことでお話があります。できれば今から学校に来ていただけませんか?」と電話がかかってきました。子どもに何があったのか尋ねても要領を得ません。とにかく大急ぎで子どもと一緒に学校に行きました。すると、担任の先生から「お子さんはクラスの○○さんのいじめにかかわっています。相手のお子さんと親が来ているので謝罪してください」と言われました。
 多くの場合、親はこのように突然学校に呼び出されて、先生から話を聞くという形で、子どもがいじめにかかわっていることを知ります。あるいは、突然相手の親から電話がかかってきて「謝ってください」と言われることもあります。

 このとき親はどんな気持ちになるでしょう。驚き、怒り、悲しみなどのさまざまな感情があふれ出て非常に混乱することでしょう。自分の子育てが間違っていたのではないかと不安になることもあると思います。まずは、気持ちを落ち着かせ、先生や相手の親が言われることに耳を傾け、何が起きたのか、何が問題になっているのか聞いてください。場合によってはその場で、子どもとともに謝罪することもあるでしょう。
相手を傷つけてしまったことに対し、親としてどういう態度をとるのか示す機会だととらえ、心を込めた対応をしたいものですね。

子どもの話を聴くとき


 うちに帰ると親は子どもから話を聞きたくなるでしょう。子どもに2度と同じことを繰り返してほしくないと願います。多くの場合、子どもはなかなか話しません。すると親は、何度も何度も問いただし、ますます子どもは言葉にできなくなります。親は「夕ご飯は抜きだ」「もうゲームは禁止だ」と言い、たたいてしまうこともあります。そうこうするうちに、子どもは「わぁ~」と泣き出してしまい、そのまま寝てしまう…。こんな場面があるのではないでしょうか。
 親にとって自分の子どもがいじめにかかわっていると受け止めるのは非常に苦しく、辛いものです。いじめにかかわっているという話をきいたその夜は、上記のように、親は子どもに事実を確認し、どうしてそんなことをしたのか理由を確かめたくなります。最初は冷静に「まずはこの子の話を聴こう。」と思っていても、ついつい尋問してしまい、子どもをおいつめてしまいます。


 子どもは友だちの気持ちや体を傷つけたとき、どんなことを考えるのでしょう。謝りたい、そんなつもりはなかった、理由をちゃんときいてほしいと思っているのかもしれません。このことがわかってクラスの友だちや先生、親が自分のことをきらいになってしまうのではないか、誰も自分の言うことを信じてくれないのではないか、誰も自分のことをわかってくれないのではないか、と孤立感を深めているかもしれません。
 こんなとき、子どもには話を聴いてくれる人が必要です。親が子どもの話を聴くのは難しいことですが、子どもが安心して話せる場所で子どもの声に耳を傾けてください。親として言いたいことがたくさんあるかもしれません。しかし、そこはちょっと我慢して、次のように声をかけてみませんか。

 ・よく話してくれたね。
 ・あなたの話を信じるよ。
 ・あなたのしたことは○○さんを深く傷つけることだよ。
 ・もう二度としないように、これからどうしたらいいか一緒に考えよう。
 ・どんなあなたでも私にとってあなたは大切な存在だよ。

ここからできることを考えましょう


 子どもには自分の気持ちや願いをありのまま聴いてもらい、受け止め、一緒に考えてくれる人の存在が必要です。これはいじめられている子どももいじめにかかわる子どもも同じです。いじめは確かに人権侵害で、いじめが良くないということを多くの親や先生は繰り返し子どもに伝えているはずです。それでも、今回のように子どもがいじめにかかわってしまったとしたら、身近にいるおとながそのことから目をそらさずに真剣に子どもと向き合う機会ととらえてみてはどうでしょうか。

 子どもには自分で気づき、行動を選びとる力があります。おとなができることは、子どもを信じ、側にいて寄り添いながら一緒に考えることで、子どもの力を引き出すことです。子どもが変わっていく姿を温かく見守る姿勢が大切です。
 もちろん、親だけで抱える必要はありません。子どもの話を受け止めるのが辛いとき、戸惑っているとき、そんな時には誰かに相談してもいいのです。担任の先生以外の先生、養護教諭、管理職、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーというような人がいます。教育委員会に相談することもできます。


 また、子どもの権利擁護をすすめる民間第三者機関の相談室に相談することもできます。第三者機関とは、直接事象にかかわっている学校や教育委員会とは異なる存在です。子どもを一人の人として尊重し、子どもの力を信じて、子どもの話に耳を傾け、解決の道を一緒に考える機関です。
 いじめは人と人のかかわりの中で起きる人権侵害です。人のかけがえのなさ、尊厳を奪うものです。私たち、おとなの社会にもあります。いじめが放置されると子どももおとなも無力感、絶望感におそわれ、助けを求める力も奪われ、生きていくことが辛く、苦しくなることもあります。今起きていることの向こうにあるかき消されてしまいそうな小さな小さなSOSに耳を傾けていけるように、時にはじっくりと子どもと話す時間を作ることを心がけてはいかがでしょうか。

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