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【第33号】「子どもとケータイ・スマホについて親が考えること 1 ~携帯電話との上手なつきあい方~」 情報教育研究所 代表理事 永坂 武城

2022年10月30日

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子どもがケータイ・スマホを欲しいと言いだしたら

 親が、子どもにケータイ初めて持たせる場合、多くの方が防犯目的や連絡手段として考えているようです。それに対して子どもの利用目的の中心は、友達とのメール、Web閲覧(動画含む)、ゲーム、SNS(ツィッターやFacebookなど)無料通話アプリ(LINEなど)です。

 「なぜケータイ・スマホを持つのか?」という親子の意識に温度差が感じられる場合は、子どもの気持ちをよく聞き出してみましょう。

 「何に使いたいのか?」きちんと親子間で納得しておくこと。また、携帯電話を持たせる時期は各家庭で決めることですが、親の考えを押し付けるべきではありません。子どもの気持ちや利用目的をまず聞き、お互いが納得し合える状態にする。そして必ず親子間で結論を出すことが何より大切です。

スマートフォンってどんなもの?


 スマートフォンの普及率が2012年を境に爆発的に上がりました。(以下スマホ)2012年11月の調査では高校生においては、5割半ばがスマホを所有し、この所有率は前年の3.8倍(14.9%→55.9%)と急増しています。これからもこの数字は増え続けていくと予想されます。
 そもそも、スマホとはどんなものでしょうか?従来の携帯電話が電話機の進化形であるのに対して、スマホはパソコンの進化形、「電話機能がついている小さなパソコン」と、イメージするとわかりやすいかと思います。
 また、画面をタッチしてさまざまな操作ができるのも大きな特徴です。

スマホとアプリケーション


 スマホは様々なアプリケーション(以下アプリ)をダウンロードすることによって利用範囲が広がり、とても便利に使うことができます。一方で大きな危険を抱えているのも事実です。「位置情報が入った写真を載せることで自宅が特定されてしまう。」「不正アプリを入れてしまったために個人情報が流れた。」このような事態に巻き込まれないためにも、アプリの選別(適切なものか判断)、個人情報やパスワードの管理など、未成年の子どもに持たせるには慎重な対応が求められます。

 無料のアプリもあれば有料のアプリもあります。中には最初は無料でも使っているうちにお金が必要になるものもあります。どんなアプリをどのように使っていくか、親子で話し合うことが必要です。

スマホのアクセス方法と注意点


 スマホでインターネットに繋ぐ場合、二種類の方法があります。
 一つは携帯会社の回線(3GやLTEなど)であり、もう一つはWi‐Fi回線です。Wi‐Fi回線は、無線でインターネットに繋げられるシステムであり、3G回線よりも速度が速く、アプリなどのダウンロードも短時間でできます。
 ですが、Wi‐Fiを使ってアクセスすると、デフォルトでは「(注)未成年者が義務付けられているフィルタリング」が反映されません。
 徐々に携帯各社が対策を講じていますので問い合わせてください。(Wi‐Fi回線の接続制限やWebフィルタリングなど)有料ですが、有害サイトから子どもを守るためにこれらの利用を強くおすすめします。

(注)青少年ネット規制法により、2009年4月1日から18歳未満の青少年にはフィルタリングを原則として義務づけられるようになりました。

スマホを安全に使うために


 フィルタリング(有害サイトアクセス制限サービス)とは別にセキュリティ対策(ウィルス対策)を取ることも必要です。セキュリティ対策ソフトを入れていないと、データーが破壊されてしまったり、有害サイトにつながってしまったり、自分の保存している情報やファイルが盗まれてしまうことがあります。
 特に、オープンソースのOS※では、アプリは公開されてから審査されるので、不正なものが登録されてしまう可能性があり、ウィルスの危険も増えています。
 そこで、必要となるのがスマホ(タブレット端末)用のウィルス対策アプリです。必ず入れるようにして下さい。

・オープンOSには、リナックスやアンドロイドなどがあります

ケータイ・スマホを持たせなければ本当に安心なのか??

 ケータイ・スマホ・タブレット端末でのSNS・アプリなどによる犯罪に子どもたちが巻き込まれる事件が年々増えています。子どもにこれらの携帯端末を持たせなければ安心なのでしょうか?

 種類別に、どのような機能が出来るのか、下記の表にまとめてみました。
種類別機能一覧表

電話番号

メール

インターネット

LINE

YouTube

Facebook

カメラ

携帯電話

(ガラケー)

一部可

スマートフォン

タブレット端末(電話番号付き)

タブレット端末(Wi-Fi モデル)

不可

一部可WEBメール

一部可(注)

iPod touch

不可

一部可WEBメール

一部可(注)

家庭用ゲーム機

不可

一部可WEBメール

不可

一部可
読み込み失敗が多い

  (注)電話番号かFacebookで認証をすれば使用できる

 音楽を聴くためやゲームをするつもりで与えたものが、実は子どもたちは親の知らない間に、Facebook、LINEに登録したりまたYou Tubeを見たりして、これではまるでスマホを持っているのと同じ状態です。ここに大きな落とし穴があることを大人は知っておかなければいけません。この時の通信はWi-Fi(無線LAN)を使います。

親がなすべきこと

 ケータイ・スマホにおいて、世代間格差が発生しているかのような状況が見受けられます。

 「子どもの方が詳しい」本当にそうでしょうか?それは、操作方法や一部の仕組みに過ぎません。

 ケータイやスマホを安心安全に使う上で最も大切なことは、判断力や応用力(責任・事の善悪・モラルなど)です。それらは経験や知恵を積んだ大人の方が断然優れていることを忘れてはいけません。

 子どもがネットトラブルの被害者にも加害者にもならないように、その経験や知恵をフルに活用して子どもを守りましょう。

 そのためにも、「ケータイ・スマホのことはわからない」などと目をそらすのではなく、子どもと一緒になって学ぶ、という姿勢も大切なのかもしれません。

 ケータイ・スマホを通じて、親子のコミュニケーションが増えたら、素敵なことですから・・・。

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大阪市 教育委員会事務局生涯学習部生涯学習担当社会教育・生涯学習グループ

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