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平成24年第29回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:237035

29回教育委員会会議録

 

1 日時  平成241019日(金曜日) 午前9時30分~午後1時55

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

矢野 裕俊  委員長

長谷川惠一  委員長職務代理者

勝井 映子  委員

高尾 元久  委員

大森不二雄  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

山田  昇  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

森本 充博  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

本  教宏  連絡調整担当課長代理

徳岡 信英  学事課長

砂  敬三  総務部担当係長

藤巻 幸嗣  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

 

4 次第

(1)矢野委員長より開会を宣告

(2)矢野委員長より会議録署名者に大森委員を指名

(3)議題

議案第143号 就学制度の改善について

議案第144号 区担当理事の所管事務について

 

(4)議事要旨

議案第143号「就学制度の改善について」を上程。

小川学校配置計画担当部長からの説明要旨は以下のとおりである。

大阪の教育力の向上、充実を図り、教育の進行を推進し、子どもたちの最善の利益を図るため、子どもや保護者の意向に応えるため、「学校選択制の制度化と指定外就学の基準の拡大」を柱とした、「就学制度の改善の手法」について、とりまとめたものである。制度の改善にあたっては、地域の実情に即した改善が図れるよう、24区ごとに改善の方針案を策定することとし、方針案の策定は区長に委ねることとしている。区の方針案については、教育委員会会議に諮り、当該区の就学制度改善の方針を決定することとなる。学校選択制の類型としては、自由選択制、ブロック選択制、隣接区域選択制、特定地域選択制、特認校があり、選択の機会は、小中学校に入学する際の1回のみである。通学区域内に居住する児童生徒は、かならず通学区域の学校に就学できることとしたうえで、複数校を希望できるようにする。なお、受け入れ可能な学級数は、通学区域の就学予定数に1学級分の増加を上限とし、希望者が受け入れ可能人数を超える場合は抽選とする。また、きょうだい関係や自宅からの距離、進学中学校を優先扱いすることができることとする。指定外就学の許可基準の拡大については、全市共通の基準として、心身的及び家庭的な事情により特に教育的配慮を要するときなどを追加し、区で設定できる項目として、通学距離や部活動を挙げている。学校選択制と指定外就学の基準について、区長が区民の意見を聞いて、どの組み合わせを採用するか検討する。障がいのある児童生徒については、子どもの障がいの程度や状況、子どもや保護者の意向を聴き、丁寧な対応を行う。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「教育委員会の議案資料は事前にお送りいただいている。私が承知している最終版は昨日の午後にメールでいただいているが、その内容と重要なところで異なる議案が配布されている。異なるバージョンの配布を指示したのは誰なのかということとそう判断した理由を教えてほしい。また、変更の箇所を説明してほしい。そして、教育委員に事前になぜ差し替えについて連絡しなかったのか。昨日に送られたものと違うものを配布せよと指示した人はなぜ教育委員にそれを知らせるよう指示しなかったのか。」

委員長「大森委員から手続的、形式的なことについて指摘があった。私は昨日のものと違いがあるとは認識していなかったが、説明をお願いしたい。」

教育長「事務局として今の大森委員の指摘は驚いている。事前に送付したものが配布されていると認識している。作業的にミスがあったのかもしれない。どの点が食い違っているのか教えてほしい。もし事前に送付しているものと齟齬があるなら事務的なミスであると思われる。我々として修正するよう指示していない。」

委員長「大森委員が指摘している重大な違いがどこかをまず言ってもらい、それが本当に事前に送付された最終バージョンと違うのかどうか、そこから話を始めたい。それによって事務局の手違いで違うものが送られたということがあるのかもしれない。」

大森委員「形式的で重要でない発言があったが、委員長が委員の発言を規制する類のものではないと思っている。発言について委員長に権限があるということは従うが、委員が発言を求めている場合に許すのは当然であると考える。形式面はすべての会議体にとって極めて重要である。事前に構成メンバーに送るという形をとっていれば、最終版が変わる場合は事前に連絡するのが当然であると考える。「てにをは」などの重要な部分にかかわらないのであればともかく、重要なところに関わるので申し上げている。手違いが起こって、異なる内容のものが配られるということは到底信じがたいと思ったので、誰かの判断があったのだろうと推論してそういう発言をした。本日配布されたものによれば、6ページの2(1)「就学制度の改善に向けた基本的な考え方」の第2段落の最後の文章から第3段落にかけて、「方針案の策定にあたって、区長は、学校長と意見交換を行う。区長は、意見交換を行った後、」となっているが、教育委員に一斉送信されたものは、「方針案の策定にあたって、区長は、学校長と意見交換を行う。」が削除され、区長に委ねるというセンテンスで終わっていた。また、次の第3段落の最初は、「意見交換を行った後、」という文言が削除され、「区長は、保護者を中心とした区民及び区内の学校長等の意見を十分踏まえ、」という表現になっていた。これが最終案ということで、昨日、教育委員に一斉送信されている。以上のような違いがあり、校長との意見交換が区民の意見に優先するかのような表現であり、選択制の哲学そのものに関わる内容であって、大きな変更である。私は単なる事務的な配布ミスとは到底起こり難いと思ったので先ほどのように聞いたのである。」

教育長「今のご指摘を聞いたところ、昨日メールで送付したものが、本日議案としてお諮りしているものと同一である。大森委員に配布された資料が古いバージョンのものだったということだと思う。」

勝井委員「私に配布された資料は昨日のメールのものと同じであるので、おそらく配布ミスだと思う。」

大森委員「そういうことは起こり得ないと考えているからこそ、最初のように申し上げた。」

高尾委員「30ページのところで、(3)の最初の項目に「長期の通院加療やいじめ等、心身的及び家庭的な事情等により」という表現があるが、昨日もらったメールには「家庭的な」という文言がなかった。それが今日の机上配布では入っている。ここは非常に重要だと思っていう。この言葉はぜひ追加してもらいたいと思っていた。そのように変更された箇所が他にあるのか教えてほしい。」

委員長「昨日メールで送付されたものと本日配布されたものの修正箇所について事務局から説明してほしい。」

小川部長「30ページのご指摘の件については、メールを送る際にその箇所を修正したものを欠落したとしか考えられない。送付する際に確認すべきだったのにできておらず、申し訳ない。」

高尾委員「同じように修正したところが他にあるか教えてほしい。それを点検したい。昨日のメールでは6ページしか変更ないとのことだったので、そこしか確認をしていないので、他に修正があるなら教えてほしいということである。」

小川部長「他には修正箇所はない。先ほど大森委員がおっしゃった点について、本日配布しているもので間違いない。読み上げさせていただくと、「区長は、保護者を中心とした区民及び区内の学校長等の意見を十分踏まえ、教育委員会が・・・」とさせていただいている。高尾委員のご指摘については、送付した際にその項目について欠落したものと考えている。その他についてはそのようなことはないと考えている。ご迷惑をおかけしてもうしわけない。」

委員長「他に修正箇所がないということについて説明がされたが、高尾委員、そういうことでよいか。」

高尾委員「よい。」

委員長「大森委員の指摘については大森委員に間違ったものが配布されたということでよいか。」

教育長「たいへん申し訳ない。」

大森委員「今回の事象が単純ミスであったことは理解した。この部分について、本日改めて配布された表現であれば異論がない。」

委員長「引き続きご意見をいただきたい。就学制度の改善については非常に重要なことであるので、公開の会議では前回の熟議の報告の後、本日が初めてであるので、十分議論を尽くしたい。」

大森委員「就学制度の改善の方向性や内容そのものについてではないが、関連して記述として気になるところがある。ただ、記述を直せということではなく、今後の教育行政のあり方についてに関わる部分であり、3ページの「本市の小中学校の現状」ということで、4つめに学校別教室数の状況について、約4分の1の小学校で通学区域の児童だけで教室不足になる可能性があるということ、次のところで収容対策が必要と示されている。この二つで教室内に余裕がないということを強調されているが、他方で適正配置の検討をしなければいけないような学校もある。これだけ読むと現状、選択制というものが実際のところ選択の余地があまりないかのようなデータの説明がされているが、適正配置も検討しなければならないエリアもある状況と、教室数が足りないエリアとの兼ね合いについて、全市的にどう考えられており、なぜこのような表現になっているのか。」

小川部長「3ページは本市の現状について記載しているものであり、ご指摘の点は学校の施設現状について行政区名を上げながら説明をした。なぜこのような説明になっているかというと、各区の教育フォーラムにおいて保護者の方が自分の子どもが通っている学校の情報は知っているが、同じ区内でも他の学校の情報を知らないという声があがっていたので、今後、区長が意見集約していく際には、ここにあげていく現状があるのは事実であり、それを保護者にも知ってもらうために記載したものである。ただ、こう書いていても各学校の状況によって、毎年の入学者の状況により一概には言えず、こう書いてあるから選択が狭まるというものではないが、区としてはこのような状況にあることを保護者の方に知ってもらうために書いたものである。適正配置については、適正配置審議会の答申に基づいて現在進めているところであり、極めて児童数が少ない学校が6校あるので、当該6校の各地域の方や保護者と鋭意協議を進めているところである。一方、11学級以下の学校の配置状況については、区によって非常にばらつきがある。例えば浪速区、生野区、西成区はかなりの学校が適正化の対象となっているが、鶴見区はほとんどの学校で適正規模である。区によって非常に状況に差があり、そのあたりの状況について、区長に対して資料を提供している。」

教育長「11学級以下の学校が市内で約3分の1あるという一般論として記載させていただいている。」

大森委員「一部に学校選択制について学校の適正配置の手段としてするのではないかという意見があるが、私個人は学校選択制は適正配置の手段ではないと思っているが、その点、事務局の見解はどうか。それと関連して通学区域の子どもの数からすると減少する、あるいは現時点で少ないが、仮に選択制によって十分な児童生徒数が確保されるという状況になった場合、単純に通学区域の子どもの数だけで適正配置の検討対象とすべきでないと考えるが、事務局の見解はどうか。仮に教室数が少ない学校で非常に人気が高いということがはっきりした場合に増改築は検討するのかということについて、現時点での事務局の見解を聞く。」

小川部長「選択制と適正配置について、24区でのフォーラムでも参加者から複数問い合わせがあった。事務局としては適正配置はすでに過去から学校適正配置審議会を設けて、どのような規模の学校がいいのかという議論をしてもらっており、平成22年に直近の答申をもらっている。あくまでも事務局では答申に基づいて適正配置を進めることとしており、選択制と適正配置は関係はないという説明をさせてもらっている。選択制により学校間の子どもの数は移動することが想定されるが、答申でも通学区域の子どもの数が極めて小規模になれば集団的な授業、活動ができず、教育的な面から支障が出るとの指摘であるので、仮に在籍数が増えるのであればそれを踏まえた取組になると考える。建物の増改築については議案書12ページに記載しており、学校選択による生徒の増加を理由とした増改築は事務局では現時点では考えていない。」

大森委員「選択制による児童生徒数の変動については導入前には予測し難いところがあるので、当面の対応として原則として増築しないというのは理解するが、今後、継続的に就学制度を見直すこととなっているので、この点についても、一定の学校の傾向性がはっきりした場合は、学校選択制で希望が多いことが明らかになった学校についても一律に増改築の対象としないということについては見直しの対象になる可能性があると、最後の見直しにはそういうことも含まれていると解釈しているがそれでよいか。」

小川部長「この制度については、最後に検証という項を起こして、選択制によっていろいろな問題が生じることは考えられるので、幅広い検証という意味である。施設面については現状でも課題を有している学校が多くあるので、これに関しては、収容面の方から今後必要な施策を行っていく必要があり、その中で考えていきたい。」

大森委員「制度の検証の中にも増改築の対応も含まれるということでよいか。」

小川部長「含まれるということで結構である。ただ、増改築に関しては校地の面積等の課題もあるので、個々の学校の議論になる。」

大森委員「個別の学校について課題はあるのは理解しているが、制度の検証の中に増改築も含まれるのかということである。」

小川部長「含まれるということで結構である。」

長谷川委員「先ほど議論のあった6ページの内容については、私が修正をお願いした内容であるので話をしたい。ただ、修正を求めているものではない。私自身は学校選択制には反対でないという前提で話したい。10ページに選択制の期待されるメリットとして4項目あげられている。これの優先順位をどう考えるのが重要である。この議案は全体を読んで非常によくできていると考えている。いろんな角度から就学制度の改善に向けた様々なことが網羅的に掲載され非常によくできていると思う。私はこのa~dの中でcが非常に重要であると考えている。選択制をするときに個々の学校の特色化が前提にならないと選択制が十分に機能しないと思っている。特色のある学校づくりがこの中にもっと出てきてもいいのではないかと考える。環境を整えるということが必要であると思う。熟議の中でも議論があったと思う。こういう前提条件がきちんとあった上で、学校が個性化して行って、そうすれば学校を選ぶ意味が出てくる。そういう意味でcの特色作りがもっと前に出てくればいいのではと考えていた。その先に特色ある学校はどうやって作るかというと、やはり学校長の存在が大きいと考える。そこで学校長という言葉を入れさせてほしいと提案した。学校長は、地域の特性をじっくり考えながら、地域の特性を活かして学校づくりをしていく。校長のミッションが重要になってくると考える。そういうことが全体の書きぶりの中にあまり見えなかった。学校選択制を活かすためにはそういうことを入れてほしかった。校長が自分のミッション、地域文化を活かしながらそういうことを出すべきである。私は全体の書きぶりの中で特色ある学校づくりをもっと表現してほしかったという思いがある。ただ、これから区長が区担当理事の立場で考え、その際に話し合えると思うので、書き変えてほしいとまでは言わないが、学校選択制が活きるためには学校の特色づくりが重要であるということを申し上げたい。」

委員長「私も長谷川委員の意見に賛成である。選択制のメリットとして4つあげられ、その中の一つに特色ある学校づくりが進められ、学校教育の特色化が図られるとあるが、これは選択制を導入したら自動的にこうなるものではないと考える。やはり学校選択制は学校を活性化し、学校教育を充実、向上させていくための手段であり、導入する以上は教育の充実、向上に活かさないといけない。学校選択制を導入して、学校を選べる、そのために学校が頑張るということだけではなく、学校がめざす方向を支援していくという教育行政の姿勢が重要であり、それを強調してしすぎることはない。本日、就学制度の改善についてという議案を承認するに至れば、我々が学校教育の改善充実のために、それぞれの学校が魅力ある学校づくりをすることを支援するという覚悟を示すものであると考える。そういう意味ではこのcのところを修正すべきである。一つ目の段落の「すべての子どもに同じ教育」というのはいいすぎで、「同質の教育」という言葉の方が適切ではないか。地域によって教育が変わるのはあたりまえで、学習指導要領によって共通のところは担保されなければならないという趣旨は大事だが、同じ教育というよりは、せめて同質の教育という言葉の方がいいのではないか。それと11ページのところで「地域の方をゲストティーチャーとして来て頂く」を「招く」に変え、「町工場に見学に行くなど」もこれだけ例示するのではなく、「商店や町工場など」とした方がいい。それと2段落目の「この校区に居住しているのであればこの校区の特色ある学校に来てほしい」という表現が私にわかりにくかったので、どういう意味か説明してほしい。」

大森委員「「同質の教育」について、義務教育では水準という言葉をよく使う。同質だと違う意味にとられるおそれがあるので、「すべての子どもに一定水準以上の教育を保障することが大前提だが」という表現にすればよいのではないか。」

委員長「その表現でよい。」

小川部長「2段落目について、例示を書いていないのでわかりにくくなっているが、意図しているのは、その校区の様々な歴史的文化を有している地域や、地元の産業など歴史的経過を有しているところがあり、そういったことをさらに進めていくことを想定して書いたものである。」

委員長「そうすると、「この校区が持つ地域的な文化や産業の特色を活かした教育を行う学校に来てほしい」ということでよいか。」

勝井委員「就学制度の改善については私も13回熟議の中で勉強させてもらった。この議案はそれに基づいて事務局の方で作られたということで、事務局の皆さまに感謝したい。標題自体が就学制度の改善についてということになっている。その意味は2ページのところに学校選択制の制度化と指定外就学の拡大を方向とすると書いている通り、選択制を必ず推進、導入したいということを明確にしているということではないということをはっきりしておきたい。就学制度の改善は地域の実情に応じて、その地域の子どもがどのようにすればよりよい教育を受け、よりよい学校生活を送られるか、そのためにどう制度を改善すべきかということが一番重要なポイントになる。学校ごとに様々な特色があるという中から積極的に選択できるということであればすばらしい選択制になると思うが、各区の状況を考えたときに、あまり特色がない中で、この学校に行きたくないからという理由で選択することがあれば、現在の就学状況がさらに悪くなることもありうると思う。そういう懸念が大阪でないかというと、残念ながらあると思うので、そういう意味で、この就学制度の改善についても、25ページに学校選択制と指定外就学の基準の拡大の組み合わせについて、各区で十分に検討してほしいということを書いている。26ページの最後のところも非常に重要であると考えており、すごくしんどい地域も大阪にはあり、地域ぐるみで頑張ってよくなってきている学校もあると思うので、そういうところは選択制を導入しないという方向もあるということをはっきり書いており、選択ということではなく指定外就学の基準拡大で対応しながら、地域の底支えをメインに考えるということも書いている。この制度を作ったから実情に応じなくてもとりあえずやってみようということを推奨しているのではないということである。いろいろな懸念があるなら、区長なり区担当理事は教育委員会や校長と十分相談していただいて、今の子どもたちの就学状況がさらに良くなるという確信を持って就学制度の改善にかかる案を考えてほしい。学校選択制はこれまで大阪が採用していない重要な変更なので、うまくいくと思って導入しても、教育的な課題が発生する場合もあると思う。第一義的には学校長が対応することが基本になるが、教育委員会が支援しなければその学校が立ち直れることは絶対にないと思うので、今後の進め方の中で、学校選択制を採用する学校に課題が発生しうるのであるなら、起こり得る事態は事前に教育委員会で検討、把握して、それに対する対応策をうっていかなければならない。子どもたちにとって悪い影響が生じてからでは遅い。選択制を導入することによって学校がすごく良くなるという実感をもって区担当理事が自信を持って案を持ってきたら、それは採用すべきと考えるが、今まで熟議でいろんな話を聞いたり、私自身の少年事件やしんどい家庭への関わりを考えると、なかなかそんなにバラ色の制度ではないような印象を持っている。今後、教育委員会でも仮に地域の実情に応じて選択制を採用しないという区があった場合に、なぜ選択制を採用しないのかという圧力をかけないでもらいたい。それは教育行政として何を大事にすべきかを肝に銘じていくべきだからである。制度の採用が大事なのではなく、子どもたちがどのように健やかに育っていくのかを一番大事にしなければ、なんのための就学制度の改善かわからない。私はそういう思いで熟議にも参加したし、この議案にもとりくんできた。残念ながら私は12月に任期が切れるので、就学制度についての区担当理事との協議に関われないが、今申し上げた点は、学校の先生、地域や保護者のみなさんが大事に思っていることだと思うので、忘れずにしてもらいたい。」

高尾委員「市民の方、特に児童生徒や保護者の方はどうして教育委員会が新しい制度に踏み込むのかと関心を持っていると思うので、考えを表明しておく必要があると考える。私はなぜ選択制が値打ちがあるのかということについて、これまでにも書面を出して考えを示しているが、改めて説明しておきたい。私が一番価値があると思っているのは、現在の就学制度は行政が決めるということだった。ただし、その決定に対して特段の事情がある場合に学校変更の申請があり、それが認められれば別の学校に行くことができた。ただし、それが大阪において認められているのは小学校において0.63%、中学校は0.66%と微々たるものである。また、そういう制度があることを知っていなければできないという限られた制度であった。学校選択制は全員が希望を陳述できるということである。もちろんすべて希望がかなうものではないが、誰が教育の主体であるか考えた場合に大きな意義があるものであり、大阪市教育行政基本条例にも合致するものであると考える。希望状況、応募状況から保護者の意思を知ることができる。具体的な制度については複雑でわかりにくいかもしれないが、3つの点で留意してもらいたい。障がいのある人やいじめ、身体事情などがある人は最優先している。それと、地元の学校には必ず行けることとしている。安全で距離の近い学校、部活にも対応ができるようになっている。ただし、これらは選択制が未来をバラ色と約束するものではない。これですべての問題が解決できるとは考えていない。いろんな対策をうっていかないといけない。しかし、構造としてはあるべき姿である。これを実施することでこれまでわからなかった問題が顕在化すると思われ、それに積極的に支援するという姿勢が示されており、こうした点から選択制は有意義であり導入すべきと考える。議案の骨子については賛成する。これが総論であるが、次に各論について話をしたい。10ページのbの「子どもや保護者が学校教育に深い関心を持つ」という項について、選択の際しか関心を持たないのではないかということが危惧されているという旨、協力することが期待されているということを保護者に伝えることも必要という記述がある。それと、18ページのbの「学校と地域の関係の整合性」という項目について、「保護者は学校選択制の実施に関わらず参加が希薄になっていると考えられる。通学区域外の学校を選択した保護者に対して、地域活動やPTA活動への参加を促す。」という旨の記述がある。我々としてできる限り選択制の良さが認識され、効果が波及するということを考えないといけない。それを前提として考えると、保護者が学校に対する関心を失っていくというのは、選択制の導入によって起こるものではない。そういう危惧があるのは事実だが、一般的にPTAの方などに聞いても、多くの人が学校行事に協力してくれなくなっていると言っている。そう考えると学校選択制を成功に導くためにも、地元以外から来た保護者だけに対して協力、参加を求めるというレベルではない。今の現状をみたら皆さんに協力していただきたい。そういう意味で10ページのbは「すべての保護者に伝える」ということにして、「すべての」という言葉を入れると明確になると思う。選択制をとる区、とらない区すべてにおいて必要である。18ページのところは、「通学区域外の学校を選択した保護者に対して」を「通学区域外の」を削除してほしい。地元の学校を選択した方に対しても同じように参加を促してもらいたい。通学区域内の方と通学区域外の方みんなが同じように取り組むべき事柄である。それから15ページについて、(a)の「通学区域内に居住」と(b)の「きょうだい関係」が同列になっているが、考え方によっては通学区域の方は絶対保障するという考えとしておいて、あわせて兄弟関係は各区の裁量によるということがありうる。両方が同じように並べているが、格差をつける必要はないのか。私は同列にしても差し支えないと考えているが皆さんはどう考えているのか。25ページの指定外就学の拡大について、aで「中学校の部活動の項目を追加する」、「学校選択制導入時の在校生や年度途中の転入者については、・・・就学できるようにする」と記載され、cでも「部活動の項目を追加する」、「新入生、在校生ともに対象とする」と記載されている。私は在校生も対象にするというのは非常に好ましいことだと思っている。ただ、懸念は熟議の中で指摘があったが、手続きが非常に煩瑣にならないかということがある。自分の学校のクラブ活動に不満があり、他の学校のクラブ活動がいいので移りたいという希望があった場合に、手続き的に煩瑣にならないかという心配を持っている。27ページの調整区域について、懸念するのは区をまたぐ場合である。②で実施する区の場合、調整区域が含まれた場合、あえて特定地域選択制にしなくてもいいのではないか。それと区をまたいだ通学区域について、学校が自分の区になく、違う区になった場合、区が別々にするとなった場合に、別の区の学校に行きたいというニーズが強い場合があると思う。ここで書いているのは、関係区と教育委員会で協議するとなっているが、①は正解だと思うが、②の場合と③の場合も同じ問題が生じてくるが、指定外就学だけで対応していいのかという問題がある。ここで認められない可能性が出てくる。歴史的に区を飛び越えたことがあるということは、特に②と③は関係区と教育委員会で協議するとだけにしておいた方が、柔軟な対応ができるのではないか。あと、11ページの「学校長が地域特性に根ざした、個性的な、特色ある学校づくりを進めるために」とあるが、地域に根差した特色ある学校づくりをめざすというのは大切なことだと思うが、それだけでない可能性もある。地域とは関係ないが理科教育を重点にしようということや様々な試みの可能性もあると考えるので、そういうことも盛り込みたい。「地域特性に根ざすなど」となどを入れてほしい。20ページの指定外就学の全市共通の項目について、保護者の就労による留守家庭児童という項目があるが、小学校と書いているのがひっかかる。例えば中学校の1年生で女の子などは認めてあげればどうかと思う。保護者に代わる親族とあるが、親族でなければならないのか。特別なケースもあると思うので、等を入れればどうか。最終的には特に教育的配慮を要する場合で対応することも可能かもしれないが、そういう問題意識があるということもご理解いただきたい。20ページのいじめに関して、いじめは学校長が教育委員会と協議する必要があると考える場合とあるが、やはり学校長が教育委員会と協議する必要があると判断する、しないに関わらず、客観的に事実として必要があるなら認めてあげるべきである。4ページの②のところで、中学校が小学校の通学区域になく、隣の小学校の通学区域に位置しているということは当たり前にあることだが、ここでは中学校が自分の通学区域になく、隣の中学校の通学区域に位置しているとしてもらった方がわかりやすい。13ページの希望調査について、「入学を保障する学校を1校選択する」とあるが、学校を1校しか選べないと誤解されるおそれがある。例えばクラブ活動でA校に行きたいが、A校がだめならB校に行く、それでもだめなら通学区域のC校に行くということができないように誤解される。そこを明確化してもらいたい。13ページの最後の行について、「ある学校の通学区域内の児童生徒が通学区域外の学校にどのくらい選択希望しているか等については、希望調査結果を公表する際には、配慮が必要である」と書いてある。これは19ページの「学校選択制その他の課題について」の風評等の3つ目、「熟議で、・・・公表の仕方に工夫する対応も考えられる」と記載があり、詳しく書かれているので、重複すると思う。ここで書いてあるだけでいいのではないかと思う。それから29ページの「障害」の「害」をひらがなにしてもらいたい。31ページの「保護者を中心とした区民の意見聴取」について、「区長は学校長と十分意見交換をしながら」とあるが、もう一歩前へ出てもらいたい。意見交換という言葉はニュアンスが違うと思う。意見交換はお互いの主張を理解しあうという趣旨である。今はその段階ではない。意見交換ではなく、保護者への周知について一緒にタッグを組んでやってもらいたい。「区長は学校長と連携、協力しながら、広く周知し」ということにしてもらいたい。」

委員長「各論的なところでたくさん指摘があったので、忘れないうちにやっていきたい。4ページの②の3つめ、「中学校がその通学区域になく、隣の中学校の通学区域内に位置している」という表現にするということでよいか。続いて10ページbの2つ目について、「協力することが期待されているということをすべての保護者に伝えることも必要である。」ということでよいか。」

大森委員「区域外の学校を選択した保護者だけではなくという趣旨だったと思うので、「学校を選択する場合には」を削除して「選択した学校に対して」を「入学した学校に対して」としておいて、「すべての保護者に伝える」という表現にした方が高尾委員の意見を反映していると思うがどうか。」

高尾委員「それでよい。」

委員長「11ページについて、「学校長が地域特性に根ざすなど」に修正することでよいか。13ページの「兄姉」をひらがなで「きょうだい」にし、「1校選択する」でなく「学校を選択する」でよいか。」

小川部長「ここの項目は、aからdの4つをすべて優先項目とした場合に、保護者がどれを一番優先するかということであり、1校でないといけない。」

高尾委員「それはわかるが、一般の人が読んだら、第1優先がだめでも第2優先、第3優先を選べるのに、そうとれないのではないかということを言っている。」

大森委員「ここのところの意味が読み手に正確に伝わらないという曖昧さがあるのは事実である。通学区域の学校以外に保障対象の学校を設けた場合に、希望調査書を、希望順に書く場合と、4種類のうちから1種類選べるという別の項目をたてるのか、希望順に各質問項目だけにするのかによっても、違ってくる。仮に質問項目を1つだけとして、複数の学校を希望順に書くだけだとすると、入学を保障する学校を少なくとも1校選択するというように、「少なくとも」という言葉を入れておけば、別に2校書いてもいいわけである。ある区が3校書けるような希望調査をした場合に、3校のうち、2番目にきょうだいの通学する学校を書き、3番目に通学区域と書いた場合に、これは尊重されるのだが、この表現だと1番目しか保障されないようにとれる。」

小川部長「今回はこの方針で、今後、細部について検討していかなければならないと考えている。年度内に規則を策定して教育委員会会議でご審議をいただこうと考えている。今のところは様式の問題等について、事務局に案があるわけではないが、トラブルがあるのは避けないといけない。例えば1つの項目ですべてを聞いて保護者の意図が読み取れないということがあってはだめなので、今後検討させてもらうが、項目を分けて間違いが起こらないような形で聞く必要があると考える。」

教育長「ここは入学を保障する扱いにする場合のケースなので、最後のところで、例えば「進学中学のうちから、入学を保障する学校を選択できる」という表現でどうか。」

高尾委員「「1校」を除いてもらえばそれでよい。」

委員長「それでは、今のところは「在学する通学区域外の小学校の進学中学校のうちから、入学を保障する学校を選択できる」という表現とする。次は、13ページから14ページにかけての「希望調査結果を公表する際には、配慮が必要である。」というところについて、ここに書くとすれば一言補った方がいいと思う。あるいはまったく省くということでもいいと考える。」

高尾委員「そのことについては19ページのほうが詳しく書いてあるので、こっちの方がいいと思う。ここは手続き的なことを説明している箇所なので、19ページにあるからいらないのではないか。」

委員長「19ページのところで代表させるということでよいか。この項目全体を削除する。15ページのところについてはどうだったか。」

小川部長「(a)については必ず優先扱いする」ということを最初に書いており明確にしており、(a)と(b)以下の区分けはしている。」

高尾委員「了解した。」

委員長「18頁のb「学校と地域との関係の整合性」について、ここは具体的な修正提案はどうだったか。」

高尾委員「みなさんで学校あるいは地域を支えてほしいということで、3つめの2行目の「通学区域外」という言葉を削除してもらいたいということだった。」

大森委員「ここは書きだしが学校選択制の実施に関わらずということを述べているので、「通学区域外の学校を選択した」というのを削除し、短くなるので「・・・希薄になっていると考えられるので、保護者に対して、地域活動やPTA活動への参加を促す」と一文にすればいいのでは。」

委員長「いずれの保護者にもPTA活動や地域活動に大いに参加してもらいたいので、大森委員の提案通りでよいのでは。20ページの4つ目の「親族」を「親族等」に変えることで解釈の広がりができるという提案だったがどうか。」

教育長「これは越境入学の関係があり難しい。友達であれば誰でもいいのかということになるので「親族」でお願いしたい。」

委員長「小学生に限られていることを中学生に広げることについてはどうか。」

教育長「基本的には帰宅後のことであり、小学生が親がいない家庭に帰らせるのがどうかということなので、小学生でいいのではないかと考えている。」

小川部長「もともとは小学校3年生までだったが、平成20年に3年から4年になったときに急に取扱いが変わるのがいかがなものかとなり、6年生までと改正したが、今のところ中学生でこのような申し出や相談はない。」

大森委員「子どもだけの状態になるということについて、配慮事項として単に留守番ができないような年齢だから配慮しなければならないのか、それとも一人だと危ないから配慮しなければならないのか、ということによって違ってくるが、その点はどうか。中学の女子生徒が1人で家にいることは危険だと私も思う。安全面も配慮するとすれば一律に小学生で切るのはどうかと思う。」

小川部長「最近両親が働いていて、小学生が帰宅する時点で両親がいないという場合の保護者から、子どもが小さい間は不安であるという相談を受け、当初は小学校3年生までとしていたが、小学6年生まで取扱いを拡大しているところである。現時点で中学生に関してこういう配慮をしてほしいという相談はされたケースがないという状況である。個々のケースで対応しなければならない場合は21ページの全市共通の追加項目の最後の「その他特に教育的配慮を要すると認められる場合」で、事情は聞かなければならないが、救うことは可能かと考える。」

委員長「「その他、特に教育的配慮を要すると認められる場合」で考えるということでよいか。」

高尾委員「よい。」

委員長「21ページ冒頭の修正についてはどういう趣旨だったか、もう一度説明をお願いしたい。」

高尾委員「全体の流れの中で、特定の条件を指定しているのはここだけである。具体的な規則の中では位置付けられてもよいが、ここに書く場合にはこういう場合は認めるということを明確にすればいいのではないかということである。」

小川部長「20ページからの項目は現行の項目をそのまま記載しているところであるので、現行はこうなっているということである。」

大森委員「ここは現行の規定がそういう表現があるからと言って、今般の就学制度の改善において変更できないというわけではないと考える。今いじめの問題が大きな社会問題となっている中で、かつ、学校の対応や教育委員会の対応が問題視されている状況があるので、特にきちんと検討する必要がある。確かにこの項目だけ「学校長が教育委員会と協議する必要があると判断」という実務的な手続きが入っているという違和感がある。「いじめにより心身の安全が脅かされるような深刻な悩みを持っている児童生徒の保護者が転校を希望するとき」とすればいいのではないか。」

教育長「20ページは比較的客観的な事項だが、このいじめの項目は、その実態をどう認識するのかということがある。一方で切実に希望しているのに校長が対応しないという場合にどうするのかということも確かにある。そのあたりの実務的な懸念がある」

大森委員「教育長のおっしゃる趣旨は理解するが、より重大な点はどちらかということを判断しなければならない。ここはどちらのリスクに対応すべきかという姿勢が問われる。いじめの事実がないのに転校するための手段にしようとする例外的な保護者のためにこういう表現にするのはバランスを欠いていると考える。いじめは重大な問題であるので、学校長がそこでとめてしまうおそれがあるような表現は避けるべきであると考える。2つの問題点を比較考慮した上でどちらがより重要かを考えてこの議案を考えるべきであり、実務は決定された方針を基に検討をすればいい。」

委員長「私は「学校長が教育委員会と協議する必要があると判断したとき」という表現にはこだわらない。そこは運用に書き込めばよい。「児童生徒の保護者が」ということについて、保護者が希望しなくても児童生徒が切実に希望する場合もあると思うので、「保護者が」とするのは避けた方がいい。「児童生徒の転校が必要と判断されるとき」としておき、具体的な対応方法は運用に任せればよいのではないか。」

大森委員「保護者を強調しているわけではない。児童生徒でもかまわない。「必要であると判断されるとき」とすると、誰が判断するのか曖昧である。実務面で重要なのは最終的には子どもの意向である。現実的にいじめにあっている子どもの意向であり、それが尊重されるということが担保される表現にするべきである。ただ、誤解されないようにしたいのは、私はいじめられたら転校をお薦めするのではなく、本人が転校を希望する場合はよほどの場合であり、それは最大限尊重すべきであると考える。「必要である」とすると、行政の意向が働くおそれがある。」

委員長「ここは指定外就学の基準の拡大であり、指定外就学は行政の措置であるので、当該児童生徒の事情を考慮してその子のために最もよい就学措置を行うということが全市共通の基準、項目として明記しているということなので、この書き方は一貫性があると私は思う。」

大森委員「これは申請に基づく行政側の措置であるということは大前提であり、だからこそ申し上げている。申請が真実であるということを前提にして行政が措置を判断、決定するのである。いじめにより心身の安全が脅かされるというのは本人が言っているだけではなく、それはまさに事実認定が伴っているものである。言っていることが本当かどうかの確認が当然に伴うものである。子どもや保護者の言い分を認めて指定外を認めて行う場合である。」

高尾委員「大津の事件を見て、学校が本当に対応ができていたのか、すごく懸念がある。児童生徒がいじめにより心身の安全が脅かされるような深刻な悩みを持ち、当該児童生徒又は保護者が転校を希望するとき」という表現にしてもらいたい。具体的に深刻な悩みを持っているかどうかの認定や手続きは別途運用で規定してもらえばいい。」

沼守次長「今おっしゃっていただいたように、「いじめにより心身の安全が脅かされるような深刻な悩みを持ち」ということで判断基準が入っているので、ここは何があっても転校させなければならないという強い行政の意思を入れるべきである。本人なり保護者、関係機関の判断基準が入ってくる。「いじめにより心身の安全が脅かされる深刻な悩みを持っている児童生徒の転校について必要がある場合」でよいと考える。本人なり保護者なりといった誰かという特定を作ったら限定されてしまう。」

委員長「趣旨はみんな同じことを言っている。文言をどういう形を採ったとしてもやらなければならないことはやらないといけないのである。文言でいつまでも議論してもしかたない。「児童生徒の転校について必要があるとき」でどうか。」

大森委員「必要と言うと狭く聞こえるニュアンスの言葉なので、「児童生徒の転校が適切なとき」とかも考えられる。その子どもにとって最善な対応を考えたときに、保護者の意向よりも関係機関が適切な場合があるというようなことを想定しているのだと思う。沼守次長のおっしゃる意味は理解しているが、そこをあえてぼかすことがどうかとも同時に思う。必要ではなくほかにいい言葉があると思う。大事なところなのでここはこだわりたい。行政措置論に戻ると、ここはあくまで保護者の申請に基づくことなので、最終的に保護者が納得していないと転校はさせられない。関係機関が子どもにとってよかれと思っても、保護者が納得しなければ無理やり転校はさせられない。法的な考え方をとれば、教育委員会や関係機関が保護者に説明してその上で保護者が希望することが必要になるので、「いじめにより心身の安全を脅かされるような深刻な悩みを持っている児童生徒及び保護者が転校を希望するとき」とすれば、まず保護者だけでなく子どもも希望しなければならず、そこに至るプロセスで転校より他の手段が適切であると説明することが実務面でできるので、この表現でいいのではないか。」

委員長「いじめにより心身の安全が脅かされるということが必要であるので、そこまで至らない場合は保護者や子どもが希望してもそうはならないと考えるので、今の意見でよいのではないか。内容が変わるので、追加事項のところに入れればよいと考える。次に25ページの指摘について再度説明をお願いしたい。」

高尾委員「ここは修正ということではなく、部活動などの理由で在校生に指定外就学を認めることが、手続き的に非常に煩瑣ではないかということであり、熟議でもその指摘が出ていた。これは望ましいことではあるが、実務上大変ではないか。」

小川部長「具体的な運用については、今後規則を制定するにあたって整理したいが、学校の実情も踏まえて、トラブルが生じないような規定にしていきたい。」

教育長「基本的には今おられる方に制度が適用されないということにはしにくい。事務は煩雑になるが、制度としてはやっていきたいと考える。」

小川部長「もともと指定外就学はこの基準に該当すればということであり、学年の途中でも事項に該当すれば適用するということなので、事務の面はあるが、在校生も含め、該当する生徒はこれで救っていくというのが本来の趣旨である。」

委員長「27ページの指摘について、もう一度説明をお願いしたい。」

高尾委員「当面特定地域選択制として整理を図るとされているが、選択制が導入された場合、特定地域選択制が吸収される可能性があるということも書いておいた方がいいということである。また、区をまたがる通学区域について、これまでは共通部分だったが、今度区が別々になって独自の方針に基づいてしなければならないので、新たに問題が生じる。自分の区ではないが従来通っていた学校に通いたい場合どうするのかということについて、教育委員会と関係区が協議するというのが解決になると思う。①はその旨が記載されているが、②と③はそういうことが記載されておらず、従来の学校に通いたいという希望が出てきた場合に対応ができないケースがありうる。  個別に設定する指定外基準の指定ということで吸収するということも考えられる。区をまたがる通学区域は歴史があり強い要望が出るのではないかということである。」

学事課長「(4)の「変則的な通学区域について」は、最初のところで、「区をまたがる通学区域については、関係区、教育委員会で協議する」と記載しており、これが①から③に共通して適用される。①には協議という言葉が入っていて、②と③には入っていないから協議しないのかと理解されたのだと思うが、表現がわかりにくくて申し訳ない。事務局の考えとしては、区をまたがる変則的な通学区域は、関係区、教育委員会で協議するのが基本だと考えている。②、③にも同様の表現を入れていきたい。」

教育長「むしろ①のなお書きを削除する方が整理できる。」

委員長「①のなお書きを削って、(4)の1行目に書かれていることが①②③共通の考え方ということでよいか。」

高尾委員「よい。」

委員長「31ページの(2)について、「連携協力」という言葉にすればどうかという提案だったが、私としては、学校長と意見交換も重要だと思うので、「学校長と十分に意見交換を行い、学校長と連携、協力しながら」とすればどうか。」

大森委員「意見交換について言及するのであれば、学校長よりも先に保護者や区民がこなければいけない。意見集約については2つ目に書いてあるので、なぜここで校長の意見を聞くのかということになる。ここはあくまで周知し理解を得るということが段落の意味なので、選択制の制度化や指定外基準の拡大について意見交換するという趣旨でないはずである。保護者は周知、理解の対象であり、校長は制度に関する意見交換の対象であるかのような表現は問題である。ここは保護者に周知し制度について理解してもらうという趣旨なので、「学校長と連携協力しながら」でいいのではないか。」

委員長「6ページのところは確かに「保護者を中心とした区民及び学校長の意見を十分踏まえ」となっているが、それとあわせた形で30ページの記述はあるべきだと考えるがどうか。周知を図る上でも学校長の役割は非常に重要であると考えるので、何らかの形でそういう表現があった方が区長にもサポートがあると伝わる。もちろん教育委員会にも相談できるが。むしろあった方がいいと考える。」

教育長「高尾委員もより踏み込んだという趣旨であったので、「学校長と十分連携協力しながら」とした方が一体感が出ると考える。」

高尾委員「私も校長を軽く見るのではなく、さらに前にもう一歩踏み出してほしいのである。この段階に来たら協力して一緒に頑張ってほしいということである。意見交換の趣旨は意思疎通を図るということだと思うが、私は意思疎通を図って協力をはかるという意味を出そうとすれば連携、協力という言葉になると思って提案した。」

委員長「今おっしゃったこととは私も同意見である。」

長谷川委員「先ほども言ったが、学校選択制を活かしていくためには学校の特色が非常に大事であるので、そういう意味で学校が個性的になるということを強調してほしい。そのときに区長がこれから予算権も持つようになるので、地域に根差した学校づくりを区長と一緒にやっていくという視点が大事だと思うので、「連携、協力」という言葉が適切だと考える。」

委員長「「区長は、学校長と十分連携、協力しながら、学校選択制と指定外就学の基準について・・・」ということでよいか。」

高尾委員「よい。」

委員長「高尾委員から指摘のあった点については以上のとおり修正する。」

大森委員「大前提として申し上げないといけないのは、この議案はこれが決定されればここに書いてあることがすべてである。これを受けて各区で区長が方針案を策定し、それを教育委員会が議決することで区の制度が決まる。その上でいくつか就学制度の改善にかかる基本的な考え方の問題について、矢野委員長がおっしゃったように、選択制だけで自動的に学校がよくなるとか、教育水準がよくなるとか、学校が特色化されるということではないというのは異論はないが、同時に選択制の導入が非常に学校にとって重要な、あるいは児童生徒保護者にとって重要な方策であることは認められることだと思う。選択制ということだけを取り出すのではなく、選択制プラス学校長のマネジメント権限の拡大の方向性や地域住民も入った学校協議会などのトータルの改革の中でとらえるべきである。選択制はそこが目指していることの一構成要素であると理解すべきである。選択制をやっても学校長に権限がなければ特色化ができない。そういう意味でいろんな施策を見る視点が大事である。長谷川委員から校長のマネジメントということで特色作りが重要だという話があった。その点については私も同感であるが、同時に選択制の意義は学校のマネジメント、マネジメントに責任を持つのは校長であり、その上にガバナンスがある。ガバナンスは非常に抽象的な言葉であり、従業員がガバナンスを決めては駄目である。ガバナンスは統治であり、教育行政については住民、市民ということになってくるが、学校がめざすべき方向性を市民がコントロールするという意味ではいくつかの手段があって、一つは学校協議会であり、同時に学校選択制も学校がめざすべき方向性に影響を及ぼすガバナンスの仕組みである。そういう統治構造の中で各学校がどう頑張るかということが校長のマネジメントであり、選択制をするかしないということを校長が左右することではないと考えている。日本に限らず学校選択制を実施したところ、議論したところを通じて、校長の多数が学校選択制を望むということは現実に起こっていない。それは校長個々人が悪いということではなく、人間の性として選ばれる状況にあるよりは選ばれない状況の方がいいということである。それは人間の基本的な性質である。その上で選択制を導入することがいいかどうかという議論なので、本質的にはどういう学校をめざすべきかというガバナンスに関わることなので、選択される可能性がある中でどういう学校経営をしていくか、特色ある学校づくりをしていくか、教育水準の向上を図るかということが校長の権限であり責任であると思う。それと特色作りだけではなく、どこの学校にも求められる教育水準の教育内容を保障するあるいは向上させるということも選択制の重要な狙いの一つであると考えている。それから、勝井委員の発言について、この議案を読めば選択制を導入するということと指定外基準を拡大することが2本柱になっていることは明らかであるが、あたかもそれをやらない方がいいケースが多いというように聞こえたが、それは読む人が判断すればいい話であって、そこはどう表現しようがこれをやっていくという議案である。あたかも教育委員会の総意として各区や市民に伝えるような発言に聞こえたが、それは勝井委員の解釈であって私の解釈は違う。この文章がすべてであってそれ以上でもそれ以下でもない。」

長谷川委員「ガバナンスの問題は基本的に校長でないという表現であると理解してよいか。」

大森委員「そう理解してもらってよい。」

長谷川委員「誰がガバナンスを持つのか。」

大森委員「ガバナンスは、マネジメントのトップをコントロールするものであり、ガバナンスとマネジメントがしっかり区別されている国では、例えば理事会がガバナンスの最高機関であり日常のマネジメントはしない。何をするかというと大方針を議論して決めて、その大方針をやってくれそうな人をCEO、チーフエグゼクティブオフィサーに選ぶということがガバナンス機関の最重要な機能役割である。日本の小中学校の場合、そこがあまり明確に意識されない形でいろんな施策が行われてきたのが実態である。小中学校におけるガバナンスは誰かとかどこかの機関が一手に担っている状況にないと認識している。教育委員会がそれを担っているが、同時に教育委員会はマネジメントも握っており、マネジメントをできるだけ校長に渡していこうというのが今の改革の方向である。ではガバナンスをどう効かせるかという部分については、その地域、ステークホルダーの意向をその組織の方針、運営に反映していくというのがガバナンスなので、学校協議会はガバナンス構造の一部をなす要素であるし、学校選択制もガバナンスのための方策であると言える。私は、選択できることが、特色化以前に、それ自体が価値があるという考えであるが、それとともにガバナンスを担うという要素もあると考える。教育委員会の方向性として、市民や保護者の意向を踏まえた、教育行政の枠組みを整え、継続的に改善していくということから、教育委員会はガバナンスの重要な機構である。単純に誰かどこかにすべてガバナンスが委ねられているというより教育委員会や保護者、地域住民、学校協議会など、いろんなガバナンスのための方策や仕組みが分散的な構造になっている。」

長谷川委員「今おっしゃっているのはガバナンスを効かすということとは全然違うことを言っていると思う。いろんな人があるということは、ガバナンスが効いていない状況であると私は理解する。学校協議会がそのうちの一つとおっしゃっていることについて、ガバナンスを効かすという意味で言われると全然違うように思う。」

大森委員「校長はガバナンスの最高機関ではなく、あくまでマネジメントの最高機関であると考えている。英語で言うとCEOであると考えている。大学の学長はCEOと多くの諸外国で位置付けられており、その場合、たいていは大学の理事会がガバニングボードになっている。海外では小中学校でも、例えばイギリスやニュージーランドでは学校理事会がガバナンスの最高機関になっており、そこが校長を選んだり、校長を選ぶにあたってはこういう方向をめざすということを決める。これがガバナンスである。多くの人がガバナンスとマネジメントを混同しているが、いろんな人間が統制したら問題になるというのが長谷川委員の指摘だと思うが、そうではなくて、ガバナンスボードのもとでマネジメントする、今まではマネジメント自体を教育委員会が担っていることがあったので、権限と責任は校長にできるだけおろしていき、校長が名実ともにCEO的な役割を果たせるというのが今の教育改革の方向性である。例えば、市役所の管理職や従業員がガバナンスを担うということはありえず、それは市民が市長や市議会を通じて行うものである。ガバナンスは単純に誰か一人がトップに立っているというものではなく、ステークホルダーが組織運営をいかに担保するかということがガバナンスという概念である。組織のトップが指揮命令下に部下を持っていて、それを明確化するのはマネジメントであり、ガバナンスとマネジメントは違うということである。おそらくイメージしているものが違うのではないかと思う。」

長谷川委員「校長がCEOであるということについては異論はない。抽象論であれば今の意見はわからなくはないが、実態上ガバナンスを効かせるということについて、その中で誰が行うのかが明確になっているかということが実質的なガバナンスになると思っている。ガバナンスを効かせるということについて、校長については選ぶ人がいるので、ガバナンス全体を左右する内容については、大森委員のおっしゃっていることに異論はないが、CEOという表現をされるのであれば、ここにはリーダーシップを発揮してやっていくという意味で校長がやっていくべきであると私は思っている。」

委員長「あと1回ずつ発言の機会はもってもらうが、議案の進行もあるのでそれで打ち切らせてもらう。ここはその議論のどちらが正しいか決める場ではない。それは別の場でやりたい。」

大森委員「今の改革の方向性や今後のさらなる改革の方向性を左右する重要な議論であるので言っている。長谷川委員はガバナンスとマネジメントの区別ができていないと思う。CEOはガバナンスの最高機関ではない。これは事実の問題である。CEO的なポストがある組織はその上にガバナンスの機関があるのが通常である。海外の学校でも学校理事会があって、それがガバナンスの機関となっている。学校理事会が決めた大方針、学校理事会が選んだ校長がCEOとして教職員を統率して、リーダーシップを発揮して、学校理事会が求める学校づくりに校長がまい進するというのが校長の役割である。ニュージーランド、イギリスのようなガバナンスの最高機関がない日本では、学校協議会が今回できたが、理事会が決める大方針に基づいて校長が動くような仕組みでないので、結果として現実はガバナンスが分散する構造となっているということを申し上げた。以上は事実の問題であり、めざすべき方向性としては、日本の学校も校長の上に学校ごとに明確なガバナンス機関があった方がよいと考える。その方が学校の自主性が実体化し、校長のマネジメントが実体化し、コントロールする責任の所在が明確化していくと考えているが、今の日本ではそのようになっていないということと、いくつかの外国ではガバナンス機関とCEO的な校長との区分があるということを申し上げている。それとCEOがガバナンスを担ってはいけないということを申し上げておく。」

長谷川委員「私は基本的に成果物がどう上がるかということを基本に考えているので、言葉の問題にはそれほどこだわらない。私も今はガバナンスを効かせる組織状況になっていないと考えており、ここではガバナンスという言葉を使えないと考えている。今後ガバナンスを効かせる組織を関係者で作っていく作業が重要だと考えている。みんなでガバナンスを効かせる組織を作っていきましょうということであれば、ガバナンスという言葉を使ってもよいと思うが、今はそうなっていないということである。今のCEOとしての校長の立場で成果物を上げていくためには、そこがキーになっていくのではないかと思っている。」

委員長「大変重要な問題であり、今後の大阪市の教育行政、学校運営のあり方を考える上で重要な要素を含んでいると考えているが、議案について審議をして採決をするということがこの会議の目的であるので、ここでこの話については打ち切らせてもらう。就学制度の改善についてのご意見はもうよいか。7ページの(3)の2つ目の段落で「制度の利用者である保護者」とあるが、「子どもや保護者」として子どもを入れてもらった方がよい。それと8ページの2つ目の段落に意見の紹介がされているが、それぞれが一つ一つ独立した意見であるので、それぞれの文末に「という意見」という言葉を入れてもらった方がいい。これでは一人ですべてを言ったようにとれる。同じページの中段の「熟議としても」は、「熟議においては」にしたほうがよい。それと9ページの参考のところで「学校か」を「学校もしくは」とした方がよいと思う。11ページのdについて、「悪い情報も公開して」を「情報は包み隠さず公開して」としてはどうか。」

勝井委員「そこは削除すればどうか。」

委員長「では「学校は、今は、このように課題解決のために」という表現ではどうか。」

大森委員「情報提供するということと情報を公開することは似ているようで異なる。悪い情報を削除することに異論はないが、「学校は情報を公開して、このように課題解決のために」とすればよいのでは。」

委員長「それでよい。それと12ページの下から2段落目について、「受け入れ人数を算定する」となっているが、ここの主語がわからないので、「各学校は施設状況や通学域内の児童生徒の見込み等を考慮し」とすればどうか。」

小川部長「すでに学校選択制を実施している自治体では、教育委員会と学校がお互いに相談しながらやっており、学校だけで受け入れ人数を決めているところはない。」

大森委員「最終的にはどこに権限があるのか。」

小川部長「学校案内に人数を記載することとなる。教育委員会が毎年把握しているものを整理し、それを学校長に提示して問題ないかどうか確認した上で学級数を確定する。そういう意味では教育委員会で行うこととなる。」

大森委員「要するに行政の手続きの流れとか大きな作業をどこがするということではなく、学校の受け入れ可能人数を決定する権限は教育委員会にあるのか校長にあるのか、区にあるのか。」

小川部長「教育委員会にある。」

大森委員「それは法令上の根拠があるのか。」

教育長「現在の通学区域の子どもを全員受け入れることになっており、定数を決めていないので、選択制を実施した時にキャパシティ上どうかということは教育委員会で決めることにしないと責任が取れない。これは法律で決まっているということではなく、そうさせてもらいたいということである。」

大森委員「理解した。」

委員長「そうすると私の今の指摘については原案通りで結構である。それと14ページのeの1段落目について、「通学区域内の児童生徒は、必ず就学できるとし」を「通学区域内の児童生徒は、必ずできることとし」としてもらいたい。17ページに「取組」という言葉が出てくるが送り仮名があるものとないものがある。統一してもらいたい。20ページの(2)①について、「必然性の高い事項とそこまで必然性が高いとは言えない」を「必然性の高い事項とそれほど必然性が高いとは言えない」と直してもらいたい。その他にも「そこまで必然性が高くない」という表現が何箇所がでてきているが「それほど」とした方がよいのではないか。21ページの中頃「学年中」を「学年途中」とした方がよい。31ページの(3)について、「保護者向けアンケート等を実施することにより」を「保護者向けアンケートを実施することなどにより」とした方がよい。私からの修正は以上である。就学制度の改善についての教育委員個々人の意見はいろいろあるかと思う。しかし、出ていくのは個々人の意見ではなく、この議案である。しっかりとこれを読んでいただけたら、よりよい就学制度のあり方が区をベースにして考えていっていただける、また、大阪市でそういう就学制度ができると考える。」

採決の結果、委員全員異議なく、修正案どおり可決。

 

議案第144号「区担当理事の所管事務について」を上程。

小川学校配置計画担当部長からの説明要旨は以下のとおりである。

区担当理事が所管する事務に「学校選択制の導入及び区における指定外就学の基準に関すること」を加える。

質疑の概要は以下のとおりである。

勝井委員「「学校選択制の導入及び区における指定外就学の基準に関すること」とは、さきほどの就学制度の改善についての各区ごとの案を立案することをイメージしていると理解してよいか。それを教育委員会会議で議論しながら決めていくということで理解してよいか。」

小川部長「よい。」

大森委員「こういった所管事務の整理をした場合、方針案策定にかかる事務を区の職員に分担させることは可能なのか。区担当理事の事務として整理した場合に区の職員に担当させることは可能なのか。」

教育長「区担当理事は教育委員会事務局のポストとして位置付けており、区役所の職員を使わずに事務局の職員を使うことを原則としている。ただ、区民の意見を聞く、あるいは集約することは、区長としての仕事でもあるので、区のスタッフを使うことはよいと考えている。そして、区担当理事としてはまとめたものを教育委員会会議に諮るという住み分けをしている。現実として区のスタッフを使わないとできないと考える。」

大森委員「そもそも区長への委任事務とせずに、区担当理事にすることのメリット、あるいは区長の委任事務とすることのデメリットをわかりやすく説明してほしい。」

教育長「もともと委任事務として就学事務を区長に委任しているが、これはあくまでも就学事務は教育委員会の固有の権限である。教育委員会会議に就学についての案を出していただくためには教育委員会の職員でないといけないので区担当理事とさせてもらっている。ただ、区民の意見を聞くとか、集約をすること、また、具体的な学校選択制の事務そのものは区役所業務としてやっていただくこととなる。」

大森委員「今の説明の趣旨は方針や意思決定がされたルーティン的な事務は委任事務にふさわしいが、意思決定に関わるものは教育委員会がするのであり、そこの職員であるという位置づけが適切であるという理解か。」

教育長「そうである。」

大森委員「それであるなら理解した。現実問題として実務がいろいろあると思うので、方針案の策定を区長あるいは区担当理事1人でやれということでないということでよいか。」

教育長「教育委員会の部署と区役所で連携しながらやっており、どこかの部署がやらないからこの業務が動かないということがないようにしたい。区役所と事務局が協同して進めさせてもらう。」

高尾委員「縦割りで民間では考えられない仕組みだが、区担当理事の仕事を区の職員が支える実務的な仕組みを考えるべきである。協議書の締結とはどういうことか。」

教育長「もともと区長は市長部局の職員であり、その職員に教育委員会の仕事はさせられないため、市長と教育委員会の間で、この仕事について区長に区担当理事として担ってもらうという協議書を結ぶ必要がある。」

高尾委員「民間では必要な支援を行われたいなどの一文をつければ解決するのだが。」

教育長「これは法的にしかたがない。区長が事務局のスタッフを使えるように区担当理事のポストに就いていただいている。逆に区担当理事の立場では区役所の職員を使えないということである。そこは連携してやっていきたい。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 

(5)矢野委員長より閉会を宣告

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