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平成24年第30回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:237037

30回教育委員会会議録

 

1 日時  平成241030日(火曜日) 午前9時30分~午後0時20

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

矢野 裕俊  委員長

長谷川惠一  委員長職務代理者

勝井 映子  委員

高尾 元久  委員

大森不二雄  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

山田  昇  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

森本 充博  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

高井 俊一  教職員人事担当課長

江原 勝弘  教職員人事担当課長代理

武井 宏蔵  教職員人事担当課長代理

橋本 洋祐  教務部担当係長

山東 昌弘  教務部担当係長

芝谷 浩誠  教務部担当係長

坪井 宏曉  指導部首席指導主事

藤尾 治仁  指導部総括指導主事

市川あい子  指導部主任指導主事

阪口 正治  教育センター首席指導主事

藤巻 幸嗣  総務課長

松浦 令   総務課担当係長

ほか係員1名

 

4 次第

(1)矢野委員長より開会を宣告

(2)矢野委員長より会議録署名者に勝井委員を指名

(3)議題

議案第145号 平成24年度大阪市「全国学力・学習状況調査」の結果について

議案第146号 校長公募第2次選考結果について

議案第147号 職員の人事について

なお、議案第146号及び議案第147号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第145号「平成24年度大阪市「全国学力・学習状況調査」の結果について」を上程。

沢田教育センター所長からの説明要旨は以下のとおりである。

本年度も抽出校に加えて希望利用方式により全ての学校で調査を実施し、平成19年度以降の調査結果とあわせ、成果と継続して取り組むべき課題、指導の改善のポイント及び大阪市学力向上強化戦略に基づく取組をまとめている。昨年度は東日本大震災の影響により全国調査の実施が見送られたことを受け、「全国学力・学習状況調査」を活用した大阪市調査として実施したが、全国との比較ができないことから、本年度の公表資料から除いている。今年度は新たに理科が追加された。調査結果について、平均無解答率については、概ね減少傾向か大きな変化がなく推移している。平均正答率については、小学校算数Aがほぼ全国平均に近く、小学校算数Bでは全国平均を上回っていることは成果と考えられるが、その他の教科については全国との差が依然としてある。特に理科では中学校において全国との差が顕著に見られる。質問紙調査については、基本的な生活習慣が改善されつつはあるが全国より依然低い状況であり、自尊感情や規範意識、マナーでは改善はしているものの全国よりも低く、引き続き継続する課題である。また、家庭学習では家で宿題をしている、復習をしている児童生徒の割合は増加しているが、復習については全国との差が大きい状況がある。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

これらの成果と課題を受け、今後の取組として、①習熟度別少人数授業、②言語活動の充実、③自主学習習慣の定着、④学校・家庭・地域との連携、⑤小学校と中学校との円滑な接続、⑥学校力の向上の六つの取組を継続して実施してまいりたい。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「新しく理科が行われた。これは全国にとって初めてであり、大阪市だけではないのだが、大阪市は国語、算数、数学に比べて全国との差が大きかったということがある。この点については、理科という教科についての課題をどのように考えているのか。」

沢田所長「算数、数学、国語については、平成19年度からいろいろな施策を続けてきた成果が徐々に出てきているが、理科の場合は、小学校の時はどの教科よりも好きだと言っているが、中学校になると興味関心がぐっと下がり、わかる度合いも下がってくるということがある。小学校と中学校の9年間、理科については7年間を見通した理科の教育について、どういう接続が必要なのかなどをこれから考えていかなければならないということで今取り組んでいるところである。」

大森委員「中学校について、理科室を使わないということが非常に目立っている。これについては全国との差がすごくあるが、どういう事情かということを解明して対応する必要があるがどうか。」

大継部長「中学校の理科の実験については、準備にかかる時間であったり、実験後の片付けの時間であるなど、時間がかなりかかるということがあり、また、子どもを実験に集中させてその後まとめていくということが必要だが、そういう内容が実施されていなかったということで、どのような理由があるのか今後調査をしてまいりたい。」

高尾委員「ということはなぜ少なかったのかわからなかったということか。普通教室に転用したから理科室がないとか、理科室でやらなくても普通教室で実験をしているから理科室を使っていないということはないのか。これだけの差があるのだから何かあると思う。」

大継部長「理科室は全ての学校に設置されている。普通教室で教員が自分で実験を見せながら行うということはやっているが、生徒が自分で実験をするということが少ない。そのあたりの充実に努めていきたい。」

高尾委員「理科の成績の悪さは目立っている。理科を大切だとか好きだという価値観が少ないということがある。ノーベル賞でも山中先生が受賞されたように、iPS細胞など、ニュースになっていることをとりあげればずいぶん関心が高まるのではないか。そういう工夫が必要なのではないか。対策として特別授業で様々な企業に協力してもらってやっているが、どちらかというと地域の企業という発想が多いが、大阪市全体の宝物であるということからすると、例えばそれをデータベース化して評判が良かったものなどについてどこの学校でも受けられるような、地域の知識としてあるだけでなく、大阪市の知の集積として活かせば、もっとよくなるのではないか。実験の少なさについては、徹底的になぜかということを解明する必要がある。これは参考だが、昨日の日経新聞でスポーツ部の兼務ができないとか指導員がいないなどの理由で中学校の科学部が縮小しているということが掲載されていたが、こういうところに突破口があるのではないか。各学校にいろんな方法で刺激を与えて、創意工夫を促してもらいたい。」

長谷川委員「全体を見て、それぞれの努力の跡は出ていると感じる。しかし、その努力の跡の成果物が小さいという感じがする。ではどうするかというと、私は特に先生方の質問の内容を見ると、具体的に行動されているものについてはきちんとデータが出ているので、先生方はやっているのだと思う。その時に成果物を考えたときに、優先順位の問題があると感じる。成果物という観点から見たときに、学力において何に優先順位を置くかということがあると思う。マネジメントとしてのPDCAサイクルと学力の問題としてのPDCAサイクルの2つの観点があると思う。今回市長がICT化を大きく進めようとしている。私はこの部分にかなり期待したい。今までこのような投資の仕方はなかった。ある意味で徐々に改善していくという状況の中で言うと、ある意味仕方ないと思うが、今回の投資を通して一気に改善することにつなげたいと思っている。学力の面でのPDCAサイクルという観点について、ICTは自分の教えたことに対する結果がすぐに出てくるということが大きい。結果がすぐにわかるということで、先生にとっては教えたことがどの程度理解されているかがわかる。このような手法をどのように活かすか。学力を大きく上げる一つの手法としてあるのではないか。優先順位という問題と学力のPDCAサイクルを具体的な形で示すことで、今まで少しずつ改善してきたことを大きく改善できると考える。先生にとってすぐに自分の教えたことの理解度を把握するという視点で全体手法を見直してもらうということが次の突破口につながると思う。もう一点は、学力全体を上げるインフラ、基本的生活習慣や家庭での生活の問題はベーシックになると思うが、①基本的な生活習慣と家庭生活、②自尊感情、規範意識やマナー、③学習に対する学校の取組、④家庭学習、⑤校内組織研修というように大きく5つのテーマをピックアップしている。その中でも事務局で重要度をつけてとりあげていると思うが、インフラの問題に関して、全体をながめたときに不足していると思うのは、子どもたちの興味、関心を高めるということが大きなテーマの中にないように感じる。その子の持っている強み、あるいは、その子の人生の役割みたいな観点からすると、後ろの方のテーマの中に、子どもの興味、関心を引き出すということを項目として設けてもいいのではないか。目次のところで言うと、成果と課題、取組の充実の中にこういうテーマがあってもいいのではないかと思う。そういう部分のインフラとして子どもたちの興味、関心というテーマをとりあげてもいいのではないか。」

勝井委員「51ページの読書の項目について、大阪市では小中学校とも朝の読書などの一斉読書が全国と比べると大きく下回っているが、現在の具体的な取組となぜ全国より大きく下回っているのかを教えてほしい。」

坪井首席「読書については、平成21年度の調査から、やっていない学校については、朝の読書を含めて1週間に何度か読書の時間を設けるように徹底し、100%の学校でできるようになっている。全国の時間の設け方は基本的に毎日としているが、大阪の場合は朝の時間の使い方として、基礎学力的な復習の時間を設けているので、毎日はできないが、週に1、2回は読書の時間を設けているとともに、並行して復習の時間を設けているということがある。大阪市全体の読書改革について、市立図書館と連携しながら、子どもの読書活動推進計画として見直しをはかっているところである。」

勝井委員「小さいころから読み聞かせに触れさせることが非常に大事であり、それが読解力につながっていく。幼児期から小学校への円滑な接続の中で、幼稚園や保育園では読み聞かせをしているので、小学校でも毎日読み聞かせや読書をすることを徹底すれば国語の力がすごく伸びると思う。モデル校でもいいのでやってもらえば、小さいころから読み聞かせて言葉に馴染み、自分の思いを表現する力がついていくと思う。小学校から習熟度を入れることだけで急に伸びるわけではない。幼児期に言葉に触れるという経験は大事だと思う。大阪市は幼稚園も保育園も持っているので、そういうときから意識をして言語活動に取り組んでいけば、長い目で見たら力が付くと思う。明日からでもやってもらいたい。」

委員長「32ページの生徒質問紙調査のところで、国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり書いたりするという授業を受けていた生徒の割合が全国と比べると19.9ポイント低い。全国の子どもは半数がそういう授業を受けているが、大阪市では30.5%である。国語の授業で自分の考えを書くときに、考えの理由がわかるように書くという児童生徒の割合がかなり低い。これは生徒の実感の問題なのか。実際の授業ではそういうことが工夫してやられているが、生徒がそう感じていないということも考えられるが、どうもそうでないということが51ページの学校調査のところを見るとわかる。生徒に対して前年度までに生徒のさまざまな考えを引き出したり深めたりする発問をしましたかという質問に対して、イエスの答えが全国に比べて非常に少ない。その下の生徒に対して前年度までに生徒が自分で調べたことや考えたことをわかりやすく文書で書かせる指導をしましたかという質問に対して、指導をしたという回答が全国に比べて非常に少ない。これは生徒の主観的な実感の問題ではなく、中学校の国語の授業のあり方がそうなっているということであると思われる。全国と比べてそういう指導が弱いという現実があるのだと思う。そこのところは今力を入れるべき国語、言語力の充実と関わるが、その点はもうちょっと踏み込んだ検証と課題の意識化が必要なのではないか。経年的な変化が見て取れるが、51ページを見ても、そういうことを意識的に行ったという答えが増えていない。成果と課題ということでまとめたところに課題としてもう少し厳しく見ていく必要がある。研修にも力を入れて、中学校でも校内研修の開催頻度が増えてきたとか、あるいは教育センターで夜間セミナーを行うとか、有効な優れた実践をWEB上で閲覧できるようにするとか様々な工夫があるが、学校の中で意識して校内研修をしましょうといった呼びかけは大事だが、それにとどまらない、本市において全国に比べて遅れているところ、弱いところがあるということに対して厳しい認識が必要である。概して小学校に比べて中学校において様々な課題が多いという気がする。理科についても成果と課題のところで理科特別授業、理科支援員を配置するという話があったが、特別授業も小学校5年、6年限定で、中学校は対象外であり、小学校でも企業参加やNPO団体などの人が来てくれて授業に接する事ができる学校があるが、できていない学校もある。特別授業が成り立ったところだけでいいのか。特別授業があたる頻度を公平にならしていくということでいいのか。高尾委員がおっしゃったように優れた実践であるとか、子どもたちの関心を呼び起こすものだと感触が得られたら、そういう人たち、外部人的リソースに頼るばかりでなく、それを小中学校で共有化していく仕組みを作っていくことを考えないといけない。今のところすべての学校でやられる取組ではないので、全市的に学力を向上していくことにどうつなげていくのかさらに踏み込んで考えないと、単発での取組であり、そこだけにとどまっているのはもったいなく、不十分だと思う。」

高尾委員「総括的に言うと、それなりの成果は出ているという気はする。補充的な学習などで努力していることが見受けられる。ただ、制約としてはこのデータが平均値であるということで、各学校別で分析しないといけないという制約がある条件のもとでの話である。自尊感情と規範意識について、自尊意識についても全国と差が大きい。やはりいじめや減災教育、キャリア教育の中できちんと生きる意味を教えなければならない。規範意識は小学校の方が10ポイント近い差が出ている。なぜ小学校は守らないのか。小学校だから守れないのか。これは課題である。個別の問題として、中学校の言語力について、インタラクティブな能力が欠けているのではないかと思う。人の話を聞いて、的確に理解して、自分の意見を表明するという基本的なことが非常に弱い。好きかという点について全国と差がある。そういう問題点から、関連性を見るのは読書との関係である。中学校では読書が全国と差があるのは何か問題があるのだと思う。ただ、読書をすればいいということではなく、アクティブな、この本から何を読み取るのか、それに対して私はどう考えるのかということまで踏み込んだ読書をすれば、インタラクティブなものが出てくると思う。51ページの活用の力、考えるような指導、わかりやすい文章を書かせる指導が全国との差があるというデータがある。これも読書と密接に関連しているところがあると思う。読書はただ読むという趣味的なものではなく、知的な格闘技、力がいるものである。ただ読ませるのではなく、内容を考えさせるように深化させることが必要なのではないか。先生が考えさせる指導をしていないのではないか。北川さんはハーバード大学で日本史を教え、非常に優れた人として支持されているが、その人は生徒にテーマを与えて、例えば関ヶ原の合戦についての新聞のタイトルを作りなさい、ただ、日本にいて世界に発信することを頭において作りなさいという教え方をする。そうすると、発想として全然違うところから考えないといけない。もう一つの例は女性の中でサムライに値する人はいなかったか、その人たちはどんな共通点があり、どんな役割を果たしましたかというものであり、これを考えると従来の歴史では浮かび上がってこなかった女性史の面、権力との関係という視点が必要になる。これはおもしろい視点だなと思った。それは先生がハーバード大学にいたからできたのではないかと会場から質問が出たが、北川先生がそれは違う、どこでもできることである、日本でもできる、どうすればいいかというと、10のうち9は普通の教え方でいいが、残り10%でアドベンチャラスなことをすればよいということであった。1600年に関ヶ原の合戦あったということを覚えるのは大変であるが、新聞の見出しを考えるとかすると、そういうものの楽しさの中に隠れて覚えることが苦でなくなるという非常に面白い印象があった。家庭学習のところでも同じような問題が見える。52ページに大阪の子どもは復習をあまりしていない。問題は課題の与え方をきちんとしたか、教員の共通理解をしたかということについて、全国との差が出ている。教員自体が家庭での学習をどう指導するかということがわからないのではないかという気がする。今度訪問する美津島中では家庭学習ノートというものをしているらしいが、これはどういうものか関心を持っている。そこから斟酌するに、個々の先生は非常に悩んでいる、どうしたらいいのかという気持ちがあると思う。組織として施策として少人数習熟度別授業をするということはしているが、個々の先生の足元が弱いのではないか。個々の先生のやる気をぜひ引き起こしてほしい。義務教育に特色は必要ないということを言ってはばからない人もいるが、個々の先生が工夫をして特徴を出すことが必要である。ただ単に教育委員会が学校としてこういうことをやってくださいという一本化ではなく、個々の先生のやる気を引き出すこと、個々の先生の悩みを聞いて対応することが必要だと感じた。」

大森委員「個別に学習法や教え方を、この場で、非常勤の我々が、もちろん協議会でもこれを見て検討しているが、限られた時間の中で、我々でも気づくことはたくさんあるが、果たしてそれは我々の役割なのかというと違うような気がする。これを見て教育委員が気づくようなことは本来学校の校長、教員などの子どもに直接の責任を負っている方は、このデータを見ればいろんなことが分かると思う。このデータから見えてくることは子どもたちに対する要求水準が大阪の今の学校の状況においては高くないということである。それは読書を毎日していないということも然りだし、ちょっと込み入った自分の考えを整理して話したり書いたり、経験を踏まえながら学んだことをロジカルに話したり書いたりするという込み入った思考や表現をあまり求めていないということは、要求水準があまり高くないのかなということがある。もちろん先生方の立場からすれば、それ以前の基礎的な部分をしっかりやらなければならない段階の子どもが多いという反論があるのかもしれないが、それだけでは正当化できないと考える。ここで我々がいろいろ言っても、先生の働きかけにつながるには、具体的な指示をしなければならない。ここで我々が気づいていることがそんなに大層なことなのかという気がする。本来校長や先生自体が本気で自分の学校の学力を上げたいと考えているのなら、このデータを基にいろいろ考えるはずである。事務局では大阪市全体のデータについて整理してわかりやすく解説する機能を果たす必要はあるが、学校自身がどの程度学力調査の結果について深刻に受け止めるのかという部分が非常に大きい。教育委員会レベルの施策という話に終始しても、実際の現場での先生の子どもへの指導にどうつながるのかという部分は学校ごとの主体的自主的な姿勢に関わってくるものである。私が一番気になっているのは56ページの学力向上アクションプランについて、平成20年に作られたのだと思うが、基本的には事務局に提出しているだけで公表を求めていないとのことだが、これに基づく改善策が効果があったのか、なかったのかについて、学校がPDCAサイクルをやっているのか、それを事務局は確認しているのか。そこにこそ問題があるのではないかと思う。今度こうやって新しい平成24年度のデータが出たので、これに対してどう対応するのかということを、前に出されたプランと照らし合わせて考える必要がある。残念ながら今の時点では、事務局も我々教育委員もアクションプランのPDCAサイクルの実態がどうなのかを見なくても、がんばるという状況になっていないのではないかと危惧する。大阪市レベルや大阪府レベルの成績が出たからと言って、個々の学校にとってそれが切実な問題なのかどうかということが大きな問題としてある。個々の学校のデータを踏まえて、学力向上アクションプランをどうやっていくのかきちんとしたものがないといけない。私の考えでは、学校のデータが説明責任の対象にならない限り、全ての学校の最優先課題になるのは難しいと考える。当事者でも気づかないこともあるかもしれないが、他の国だと学力が最優先の国もある。そういうところでは自分の学校のデータの分析をする。分析して対応するのは当事者にまさるものはない。そうなっていないなら当事者にそういうインセンティブが不足していると言わざるを得ない。」

高尾委員「確かに大所高所の議論は教育委員会として必要である。ただ、基本的には現場の学校が責任を持ってやるということを、これからますますやらなければならない。私はこれは必要だと考える。この資料を学校で読んでもらって、自分のところと比較してどうかという発想をしてもらえればありがたい。また、教育委員会で出た意見を参考にしてもらえればと思う。学校にこの調査の結果を送るのであれば、会議の中で交わされた意見もあわせて示してもらえれば、どこに問題があるのか理解してもらえると思う。将来の学校の役割としてどう期待されているのかということに目が向くかもしれない。基本的なことをきちんとすれば、大きな方向が違っているということに気づくことがある。そういう小さなことを積み重ねていったときに、そこに浮かび上がってくるものが何かということに関心を持ってもらうことは大きな意味がある。組織的にやっていくことはやらなければならないが、個々の先生の意欲が欠けていたのではないか。それを項目としてあげる値打ちがあるのではないかという思いから申し上げたのである。」

教育長「この結果については各学校長に集まってもらい、事務局から説明をする。本日出た意見はその際我々から説明させてもらう。各学校からアクションプランを作ってもらったのは、各学校で結果を踏まえて事項の課題を認識してもらい、PDCAがまわっているのかをチェックするために事務局に提出させている。PDCAが機能しているかどうかをチェックをするのが我々の大きな役割と考えている。各学校のアクションプランのPDCAサイクルがチェックしきれているか再度点検する。」

沢田所長「本日承認をいただければ、明日校長を集めて説明会を開催する。ホームページには各学校で学力テスト結果、生徒質問紙、学校質問紙の結果を入力してもらえば、全体とどう違うのか分析シートが出力できるようにしている。自分の学校のデータを入れて課題分析をして、保護者に説明をするという段取りになっている。それを踏まえてアクションプランを作ることになる。」

委員長「全国学力学習状況調査は大変なお金とエネルギーと時間をかけてやっている。参加協力方式ということであるが、その意義を認めているので、本市では悉皆調査の形でやっている。したがって、これは教育委員会の方針でもあるわけで、そこで大阪市の学力の状況を知る、しっかりと全市的な観点で把握するのは非常に重要なことである。それをいきなり各学校の学力向上アクションプランということにはならない。やはり市全体としてどこが弱くどこに問題があるのか、全国と比べてどうなのか、そういうことを示すことは教育委員会の重要な役割であり責任である。それをするから全学校に参加協力を呼び掛けているのであって、呼びかけた我々の責任は全市的に見て、弱いところと強いところを我々としてしっかりと把握することを含んでいる。そういう観点でより踏み込んで、この間、学力テストが平成19年度から行われているが、改善したところを認めつつ、なお弱いところははっきりと自覚していきましょうということは教育委員会の責任である。それを各学校において認識してもらった上で、自校の独自の課題を踏まえてアクションプランを計画してもらうということである。アクションプランを作成してしっかりやってくださいというだけではだめで、その点では大森委員の意見には同意するが、我々の役割として議論することが必要であり、今まで話している内容は学校の先生を差し置いた僭越な議論とは思わない。むしろ学校の先生により鮮明に意識してもらうために議論しており、この資料も課題の鮮明性のレベルを上げて出す必要があると考えている。」

大森委員「私が申し上げたかったのはあくまで学校自身が第一の当事者であるということが意識がどれだけ徹底されているかということである。今委員長がおっしゃったこと自体に異論はない。大阪市全体の傾向性についてはきちんとわかりやすく事務局で整理し、本来であれば委員が申し上げたことももっとわかりやすくすでに整理されているべきである。市教委としての責任を果たすためにはここで個別にこういうところに課題があるということを我々が言っただけでは変わらないのであって、だからどうすればよいのかということがわかりやすく現場に伝わらなければならない。そう考えるとこの公表資料で大阪の傾向はこうだから、市全体としての共通の課題とそれに対する対処法をもっとポイントを絞って伝えないと、数を絞って単純に伝えるということがないと伝わらない。具体的には、この資料は大作ではあるが、日本全国に課題があることと、全国と比べて大阪に課題があることがごっちゃになっている。私は大阪が全国と比べて離れていること、特にかなり離れていることに絞って、多くの学校に当てはまる課題は何なのかを明確に伝えるべきだと考える。全国の子どもに課題がある事項は、世界の子どもに比べて日本の子どもに課題があるのか、単に難易度の問題なのか、全国調査だけでは明確にならないので、ある意味、大阪と全国とのかい離のところに絞って、しかも大きな違いに絞り、数を少なくして課題を明確に伝えるということが必要である。教員は忙しいので、大阪市全体の傾向をこれで読み取ってください、それを踏まえてそれぞれの学校でがんばってくださいということではだめである。市全体についての傾向性とそれにどう対応するかという市教委としての施策は委員長のおっしゃる通り教育委員会の重要な使命であると考える。非常に網羅的ではあるが却ってこれでは伝わらない。数ページでポイントの数も少ない方がよい。その上で各学校が自校の学力状況を受け止めて、どの程度他の課題に優先する課題として認識されているかということを強調したということである。」

長谷川委員「大森委員と矢野委員長の意見について、両者の意見はもっともであると考える。私は優先順位を常につけるべきと考えている。先ほど表現をまちがえていたので訂正したい。成果と課題を(3)と言ったが、質問紙調査の(2)のところからピックアップしたので、訂正をしたい。私は矢野委員長のおっしゃった意味合いで先ほど発言した。私は大きく2つのテーマをとらえた。一つは学力の問題ということで、私の提案としては、皆さん努力して成果物があがっているが、その成果物が小さいということで、大きな目標値が必要ではないかと感じたので、今回市長から予算をつけてもらったICTに大きく比重をかけて施策を打っていけばどうかということが1点である。もう1点は、教育の場の整理という意味合いで、(2)の質問紙調査の結果の成果と課題のところで、私としては重要だと思うのは子どもたちの興味、関心の問題である。自分の人生の役割に気付かせる施策を重要視するべきではないかということである。高尾委員のおっしゃった先生のモチベーションは私も高いテーマでとりあげている。全体的な内容で言うと、できたら大森委員がおっしゃるようにA4用紙1枚の中で重要であることをまとめてもらった方が、ここでの議論がいっそうはっきりすると思う。個々の内容は整理されていると思うが、次の施策に活かしたいという思いで2つの提案をさせてもらった。」

教育長「本日承認をいただいたら、明日校長に説明するが、その中で全国と同じように課題であることは分析できていない。当然今後、各学校で取り組んでもらうが、とりわけ大阪が全国と比べて差がある部分は強調して説明をさせてもらう。これを受けてどうしていくのかに関わって、教育振興基本計画の議論とあわせて、大阪市の教育施策として重点化していくものについて、予算の議論の中でさせてもらいたい。」

委員長「報告書の中身自体は、丁寧にすべての調査をカバーする形でまとめられていると思うので、これはこれとして承認をして、その上でどうするのかという次のステップのところで、例えば簡略版のような、一目でわかるような方針、24年度の学力学習状況調査の結果を踏まえた教育委員会のこれからの方針を後日まとめるという形もあるかなと思う。したがって、この内容について文言を細かく精査していくという議論は必要ではないのではないかと考える。そういうことは事務局としても考えてもらえるか。」

教育長「まさに25年度予算の議論を始めている。運営方針の中で24年度の学力調査の課題をどう踏まえているのかを説明させてもらう。そういう議論の中で意見をいただいてやっていきたい。」

委員長「大森委員が言われた全国と比べて大きく差があるところにフォーカスした教科施策は各学校がアクションプランをたてる上でも参考になるのでやってもらいたい。それと、学習状況調査のところで、基本的生活習慣の確立が学力向上につながるとか、規範意識を高めることが学習意欲を高めることにつながるということが書かれている。そういう子どもたちの生活状況と学力に関連した記述があるが、これについては、今までは全市的な平均のデータをとれば、あとはそれぞれの学校に返しているという扱いだったが、そこにおいても教育委員会としてより責任を発揮するという余地があると思う。もう少し学校別のデータを教育委員会としてもしっかり持っておくということがあるし、平成19年度から6回やってきている中で学校がいろいろ工夫し取り組んできて、学力を向上し生活状況の改善を図ってきた具体例を、アクションプランの成功例として、こういう報告書の中で、学力向上に取り組んでいる学校の一つの優れた実践例として示してあげるということも必要なのではないか。学力調査の結果を活かして学力向上につなげた学校があるということを広く周知することは、個々の学校にとって非常に参考になるデータだと思う。来年からはそういうこともできるようなデータの把握、それを踏まえた結果のまとめ方を考えてもらいたい。」

大森委員「今まで私が申し上げたのは修正意見ではなく、委員長が締めくくられたとおり今後できるだけ速やかにやってもらえればと思う。82ページの下にRPDCAサイクルとあるが、リサーチの位置がなぜアクションとプランの間にあるのか。私の認識としてはリサーチはアクションの前にないとだめだと思う。チェックと一体のものではないか。アクションは具体的な改善の行動を起こすという意味であるので、アクションを起こしてからリサーチするのは手遅れではないか。あえて善意に解釈すればアクションは形成的評価というか、小さいパイロットグループでアクションを試し、リサーチして、全体でいけるということでプランにまわすのであれば理解できるが、これだけでは判然としない。日本ではPDCAと盛んに言われるが、大学でもまともに機能している実例をあまり見たことがない。これを見てどういうサイクルの理解をしているのかという疑問に至った。」

高尾委員「リサーチは課題の把握なのか。課題の解決方法の探索という意味ではないのか。」

沢田所長「PDCAをまわしていくには、学校であれば子どもの現状や地域の現状をしっかり把握していなければならない。まずはプランを立てる前にはリサーチが大切だということを表現している。昨年まではPDCAだったが、図で示したのは今年が初めてである。プランを立てる前には今の学校の現状を把握しなさいという意味でのリサーチと考えている。」

大森委員「要するにアクションの後にリサーチではなく、プランの前にリサーチがあって、一サイクルはアクションで終了し、その後はより高次のプランにつながっていくということか。」

沢田所長「そうである。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第146号「校長公募第2次選考について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

校長公募第2次選考について、外部申込者185名及び内部申込者293名に対して、面接選考を行った。面接官は3人であり、1人あたり10分程度の面接選考により、人物、教育的見識及び組織マネジメント力などの観点で選考を行った結果、外部申込者42名、内部申込者101名、合計143名を合格とし、1031日に本人宛に合否を通知する。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「第2次選考の結果をどこで線を引くかということである。第3次選考は4人で面接して点数をつけることになるが、第2次選考の面接点は斟酌されるのか、まったくされないのか。」

林田部長「基本的には切り離した形で考えている。」

委員長「第2次選考を一番の点数で合格した人と最低点で合格した人が第3次選考ではフラットで扱われるということか。」

教育長「最終的に合格者を決定する際に教育委員会会議に諮るので、そこをどうするのかについては、その際に議論してもらえればよいと考えている。」

委員長「第3次面接にあたって、第2次選考の点数順になるのか。」

教育長「第3次面接は内部と外部をシャッフルした形で考えている。」

委員長「その際に面接官は第2次選考までの点数は知り得るのか。」

教育長「お教えしない。」

大森委員「第2次選考で面接した人を同じ面接官が再び第3次選考で面接することはあるのか。」

高井課長「ないように調整する。」

長谷川委員「指導主事が今回53名入るので、全体を均一に見れる形になるのか。」

教育長「指導主事が校長に出るのはごくわずかであるが、同じように外部の面接を経る必要があると考えて、第3次選考を受験させる。」

大森委員「指導主事は50名の最終合格者の枠内なのか外なのか。」

教育長「外枠で考えている。」

長谷川委員「若干名というのは人数は明示しないのか。」

教育長「例年ごくわずかであるので。」

林田部長「指導主事の53名について、内部と外部の公募者で合格基準点を設定した後、その基準に達した者を合格とする。それを校長昇任資格として3年間保持できることとする。ただ、例えば指導主事が20名合格しても、全部が校長として出ることは、事務局の体制上できないので、若干名がその中から校長として出るということである。」

教育長「指導主事は事務局での業務があるので、それを外して校長として転出することが可能かどうかは事務局人事に関わってくるので、内外公募の50名の外枠とするが、外部面接は経る必要があるということである。」

沼守次長「年度途中に校長が休職するような学校は課題が大きいと考えられ、  その場合には事務局から人を出すということをしているが、資格を持っていないと校長に昇任することができないので、きちんと手続きを踏んでするということである。」

教育長「年度途中の異動の場合、条例上は公募ではなくてもいいのだが、校長昇任の資格をもっているということが対外的に説明しやすいということでこのやり方で考えている。」

高尾委員「外部の人と内部の教頭で合格したが任用されないということはあるのか。」

教育長「外部の方は仕事を辞めてもらって1月から研修に入るので、外部は合格した人すべてを採用する。」

荻野次長「教頭は年度末にかけて急に退職して欠員が増える場合があるので、内部はその調整に使わないといけない。欠員枠よりも少し多い目にとっておかなければならない。合格者を多くするということが必要である。」

高尾委員「募集している人数がぎりぎりだということか。」

荻野次長「定年退職者の50名を募集人数としているが、見込まれる数よりも多くの合格者を出さなければならず、内部で合格しても校長に登用されない人が出てくる可能性があるということである。」  

大森委員「最終合格者が50名よりも多くなるということか。」

高井課長「そうである。」

荻野次長「4月に欠員が埋まらないという状況は避けなくてはならない。」

大森委員「そこの調整で人数が余った場合は内部の人に我慢してもらうということか。」

教育長「そうである。」

荻野次長「外部の人は合格通知を出した時点で今の仕事を辞められるので、最終的に登用しないということはできない。」

委員長「内部で合格したが、校長としての登用は見送りとした人は次年度はどうなるのか。」

教育長「校長昇任資格として3年間権利がある。」

高尾委員「指導主事は緊急事態対応という要素があるということか。」

沼守次長「緊急対応ではなく、年度末の人事異動で出ていく場合もある。」

高尾委員「何人ぐらいか。」

橋本係長「年度によって異なるが、2人程度の年もあれば4人程度のこともある。大体5人以内である。」

委員長「話は変わるが、再任用校長はまだ残るのか。」

教育長「現在校長で60歳を迎える人で再任用の希望をしている人は別途選考を行い、50名の外数である。」

高尾委員「公募人数はどのような表現をしたか。」

教育長「小中合わせて50名程度である。イメージは小学校40名、中学校10名でそれぞれ程度ということである。」

委員長「どこで合格線をひくか。」

教委長「15分の面接時間を確保するという日程から逆算すると、この程度の人数になる。面接時間を20分とするとさらに人数を減らさなければならない。面接官の人数が増えるので10分では厳しいと考える。」

委員長「15分は面接をしないといけないと思う。41点のところで切るか、さらに絞り込むか。」

大森委員「さらに絞り込む必要はないと思う。面接は15分でやるべきである。20分は長すぎる。外部の人も冗長にならないように事前にオリエンテーションをしてもらえば。」

高尾委員「印象として外部の人が少ないように感じる。議会でも公平、公正でやってもらいたいということがあったが、そういうことに対してどう答えるのか。特に書類選考では外部は経歴やマネジメントを審査し、内部は校長の評価を審査しており、これはイコールだということをきちんと説明しなければならない。内部応募者は手続き上、実際には面接したが書類選考でこれだけ落ちているということを明示しなければならない。」

教育長「内部応募者も書類選考で362名を293名に絞り込んだということは説明する。外部応募者のレポートの合格点と同じ基準であるということを説明する。」

大森委員「外部の結果としての倍率が内部に比べて高いと感じるが、まったく同じ基準でやったはずである。これは全国で初めての試みであり、そこは面接チームを信頼するしかない。とやかく言っても仕方がない。だた、かといってもこれを公表するといろいろな反応が予想される。同じ点数基準でやったということがどれだけ画期的であるかをわかりやすく説明する必要がある。記者発表する際に、口頭で説明するだけでなく、端的に内外同一基準で選考したということを説明しなければならない。評価なのでそれがすばらしい評価になっているかは実際に選ばれた人を評価するしかないので、そこを最大限強調するべきである。数字を見て外部が少なく、事務局の人が見ているから偏っているのではないかという意見が出てくるかもしれないが、そんなことを言っても仕方がない、信頼するしかないと私は思っている。後は面接官の目や価値観に立ち入ってくるので議論しても仕方がない。同じ基準でしたということを強調すべきである。このような状況であるので、第3次選考は第3次選考の結果だけで選考するべきである。第2次選考や書類選考の点を考慮すべきでないと考える。機械的に選考したということですべきである。するのであれば結果をみて考えるのではなく、やる前に決めておくべきである。結果を見てから考えるとよこしまな配慮が入ってくるので、現状の数字は数字として、いかに同じ基準でやったことが画期的だということを短いセンテンスでもいいので説明しなければならない。選考方法がよかったのかどうかは後になってわかることだが、これが現時点で考えられる最も公正、公平な方法で行ったと説明するべきである。」

教育長「客観的な尺度で合格を判定したということで説明する。これは市長としても思いの強い施策であるので失敗ができない。第3次面接の点数だけで判定して本当にいいのかどうかを教育委員のみなさんで議論してもらいたいと考えている。単に3次面接の点だけで判定してよいのかどうかは一人一人見てもらった上で考えてもらいたい。」

高尾委員「マスコミ発表する際には最終的に決定をどのように行うか説明した方が信頼性が増すのだが。」

大森委員「原則としては最終面接で判断することになるが、ただし、教育委員会が任命権者なので、教育委員が一人一人見た上で判断をするという説明でよい。」

教育長「最終は教育委員会で議論して決めるという説明をしたい。」

委員長「アメリカでは教育長市場があり、1万ほどの教育委員会があり、3月頃から募集して選考する。候補者から教育長を選ぶとき、現地まで行って、その人の活動状況や実績を調べると聞いた。そうしないとちゃんとした人が選べないということである。なぜ移りたがっているのか、そこには力を発揮したいという動機以外の動機があるのかもしれない。お願いできる人物かどうかは確認が必要ではないか。」

高尾委員「前歴などの照会はするのか。」

教育長「地方公務員として欠格条項に当たらないかどうかは調べる。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第147号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

中学校教諭について、担任する生徒に対し、左拳で当該生徒の右頬を3、4回殴るなどの体罰を行ったことにより、懲戒処分として戒告するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「当該教員に体罰歴はないのか。」

武井代理「ない。」

高尾委員「当該体罰に至るまでに当該教員は体罰についてどのような研修を受けたのか。あるいは校長からどのような指導を受けたのか。」

沢田所長「学校内での指導は不明だが、初任研で体罰に関する研修は行っている。当該教諭は生活指導の副担をしており、一般的な生活指導の研修は受けている。」

高尾委員「それなのになぜ体罰をするに至ったのか。」

芝谷係長「事情聴取では当該生徒が普段は個別指導には従っていたのだが、今回の反抗的な態度に冷静さを失ってしまったと述べている。」

勝井委員「当該生徒は多動系の子どもなのか、非行系の子どもなのか。」

芝谷係長「校長の話によると、小学校の頃から多動傾向があり、引き継ぎを受けていたとのことである。担任の教諭は普段から指導をしており、まわりの子どもがいる中で指導するということを聞かないということがあり、外に出して個別指導を行っていた。今回の指導では言うことを聞かないという特別な状況があったと聞いている。」

勝井委員「対応に注意が必要な子どもであるなら、一人で対応するのではなく、2人で対応するなどすべきである。両親の受け止めはどうなのか。」

芝谷係長「保護者へ謝罪をしており、その際にはこれからもよろしく頼むと言われている。今回の件以降はさらに家庭訪問等連絡を密にして、当該生徒及び保護者とはよい関係になっていると聞いている。」

勝井委員「それにつなげられるなら活きてくる。1年生で6月に起きているというのはしんどい状況があったと思うので、学校の中でも管理職を含めてしっかり見てあげてほしい。」

委員長「勝井委員に同感である。個別指導と言っても、指導するのは複数でするということを基本にしてほしい。実際には難しいのかもしれないが、そういうことをしないと、かっとなってしまうとか、担任がクラスの子どもの態度は自分の指導の問題であるというように抱え込む意識が強くなる。個別指導を複数で行うことはできないのか。」

大継部長「指導によって複数の教員で対応することはある。子どもが興奮した状況になりそうであれば、周りの教員が一緒になって対応するということが必要であると考えている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)矢野委員長より閉会を宣告

 

 

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