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平成24年第33回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:237043

33回教育委員会会議録

 

1 日時  平成241211日(火曜日) 午前9時30分~午後1時00

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員長職務代理者

矢野 裕俊  委員

大森不二雄  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

山田  昇  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

森本 充博  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

辻本 尚士  中央図書館長

飯田 明子  企画担当課長

山野 敏和  企画担当課長代理

本  教宏  連絡調整担当課長代理

高井 俊一  教職員人事担当課長

江原 勝弘  教職員人事担当課長代理

武井 宏蔵  教職員人事担当課長代理

長谷川耕三  教務部担当係長

村川 智和  教務部担当係長

中野下豪紀  教務部担当係長

芝谷 浩誠  教務部担当係長

原田 公寿  教務部担当係長

濱﨑 正行  生涯学習担当課長

松村 智志  生涯学習部副参事兼担当係長

大澤 啓司  指導部主任指導主事

坪井 宏曉  指導部首席指導主事

藤尾 治仁  指導部総括指導主事

田中  節  指導部総括指導主事

大久保典子  地域サービス担当課長

田野 晶子  中央図書館担当係長

藤巻 幸嗣  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

ほか係員2名

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に高尾委員を指名

(3)議題

議案第158号 「第2次大阪市子ども読書活動推進計画」(素案)について

議案第159号 平成24年度「全国学力・学習状況調査」「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」における学校別の調査結果の取扱いについて

議案第160号 大阪市立学校協議会運営規則の一部を改正する規則案

議案第161号 平成24年度「全国学力・学習状況調査」結果の区担当理事への情報提供について

議案第162号 平成24年度末教職員人事異動方針について

議案第163号 平成24年度末管理作業員人事異動方針について

議案第164号 平成24年度末給食調理員人事異動方針について

議案第165号 職員の人事について

議案第166号 職員の人事について

議案第167号 職員の人事について

なお、議案第165号から議案第166号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第158号「「第2次大阪市子ども読書活動推進計画」(素案)について」を上程。

辻本中央図書館長からの説明要旨は以下のとおりである。

本市においては、平成18年に「大阪市子ども読書活動推進計画」を策定し、読書環境の整備・充実を図ってきた。その後、国や大阪府において第2次計画が策定され、本市においても、この間の取組の成果と課題を踏まえ、子どもの自主的な読書活動を一層推進するため、「第2次大阪市子ども読書活動推進計画」を策定し、諸施策を進めてまいりたい。第2次計画推進のための具体的な取組として、子どもの読書環境の整備・充実を掲げ、乳幼児期における家庭・地域を中心とした読書活動の推進、幼稚園・保育所における読書活動の推進、学校における読書活動の推進及び市立図書館における読書活動の推進の取組を行ってまいる。また、重点的取組として、子どもの読書環境の整備・充実と言語力の育成や学校、家庭、地域、図書館の連携・協力、人と本、人と人をつなぐ場の拡大、地域・市民を軸とした読書活動の輪の形成について、それぞれ指標を定め、それに向けて取組を行うこととしている。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「大きく2つ聞きたい。一つはこの計画の位置づけについて、子どもの読書活動の推進に関する法律と文字・活字文化振興法という2つの法律が関係する法律とのことだが、この計画自体は法律によって自治体の責務として作らなければならないものなのか。それと2つの法律の関係について教えてほしい。二つ目は、様々な施策が行われていて、ボランティアの数や企画開催件数などサービスの供給側の数値は向上しているというデータは示されているが、他方で、実際にそれによって子どもがどれだけ本を読んでいるかというデータが包括的ではなく断片的にしか示されていない。例えば、学校元気アップ実施校では読んでいない数が減っているということや、他方ではヤング層の図書館利用が少ないということなどの話があったが、トータルの子どもの読書状況はどう把握しているのか。小学校は結構読んでいるし、以前よりも今の方が読んでいると言えるのか。中学校の読書状況は改善していると本当に言えるのか。ヤング層については高校生以上の問題なのか。現状を把握しないと様々な施策を充実していきますというだけでいいのか判断がつかない。現状の把握がこういう計画の判断の基本になるが、データを踏まえてどういうことが子どもの読書活動の現状について言えるのかということが今一つわからなかったので、現状をどう評価しているのか教えてもらいたい。」

辻本館長「法律の関係について、子どもの読書活動推進に関する法律が平成13年に公布施行され、国については義務付けられているが、自治体は努力義務規定になっている。文字・活字文化振興法は平成17年に制定され、その中で様々な取組を行うよう規定されている。地方公共団体の責務や図書館の責務や学校の責務が書かれており、例えば、第7条で「市町村は、図書館奉仕に対する住民の需要に適切に対応できるようにするため、必要な数の公立図書館を設置し、及び適切に配置するよう努めるものとする。」と規定されている。そして、第8条では「国及び地方公共団体は、学校教育における言語力の涵養に資する環境の整備充実を図るため、司書教諭及び学校図書館に関する業務を担当するその他の職員の充実等の人的体制の整備、学校図書館の図書館資料の充実及び情報化の推進等の物的条件の整備等に関し必要な施策を講ずるものとする。」ということが定められており、図書館及び学校図書館にこうしなさいということが書かれている。そして、先ほど申し上げたように国が計画を策定することとなっており、都道府県と市町村が努力義務規定となっている。今回、国が第2次計画を策定し、大阪府が第2次計画を策定したので、我々として策定したいと考えている。2点目について、データそのものは乳児期、幼児期、小学校、中学校と中学校から19歳までと区分があり、全体像は出てこないが、乳幼児期においてはブックスタート事業を行い、いろいろな読み聞かせをいろいろな場所で実施し、増えてきている。小学校においても3600人のボランティアを活用して学校図書館活性化事業ということで一斉読書活動などが増えてきている。中学校について、学校によって温度差があり難しい面はあるが、増えていっていると考えている。13歳から19歳というヤングアダルト層については、一番読書に関する関心が薄いそうであるが、そういう層に対しても様々な取組を行いできるだけ読書に親しんでもらうようにしている。」

大森委員「どういうデータが読書の量的な現状を見るのにいいのかということを私自身わかっているわけではないが、説明のあったデータの中では何冊本を読んでいるかということについて小学校以上であれば回答が可能だと思う。こういうデータは学校元気アップ事業の実施校のデータしかないのか。新聞等では全国的なデータが出ていると思うが、小中学校を全面的にカバーして、全国との比較が可能な調査はないのか。」

大久保課長「それは毎日新聞の読書状況調査のことだと思う。それは確かに全国調査だが、部分的な調査であり、以前大阪市の状況を毎日新聞に聞いたところ、大阪市では抽出していないということであり、全国的に数千という非常に少ない抽出数であったと記憶している。」

大森委員「こういう法律を作りながら国は全国調査をしていないし、するつもりがないということか。」

大久保課長「我々の知る範囲ではそういうことである。」

大森委員「当然に国が地域比較も可能な形でするべきである。国がしないのなら、大阪市独自ででも、同じ調査項目で様々な年齢層をカバーできるようなデータが必要ではないか。年齢によって読書数が減っていくことに対して、施策の効果の検証を行う際に基本的なデータが欠落しているのは問題がある。国が計画のための計画を作っていて全校調査をしていない状況だとすると、よくわからないというのが正直なところである。真剣にするなら経年のデータを持って、経年や地域間の比較ができるようにする必要がある。対策を打つにも基本となるデータがないと難しいと考える。」

辻本館長「12ページに全国学力学習状況調査の中に読書が好きかという質問がある。小学校、中学校について平成19年から比較すると、増えている。」

教育長「図書館は貸し出しの記録があるので年齢の把握が可能であるが、学校図書館については学校ごとで記録は取っているが、そういうデータが総合されたものとしてないということと、学校での読書タイムで好きな本を読んでいるもの等が何冊になるのかというデータの整理ができていないと考える。データをどうとっていくのか今後やり方を考える必要があると思う。」

大森委員「そういうデータを総合化して、市全体でどうなのかを考え、それでも何冊読みましたかという調査をする必要があるかどうかは改めて考えればよい。他の自治体が調査をしていればそれも参考にして。市単独でできることとして総合的なデータ把握を検討するべきである。」

矢野委員「データに基づいた現状分析は私も非常に重要だと考える。新たな調査をしなくても貸し出し記録等の分析からできると思うので、ぜひお願いしたい。4ページの「2 大阪市における6年間の子どもの読書活動の状況」について、読書活動の状況という以上は、いろいろな取組を行ってきたということを行政の取組として書いてもらう必要はあるが、それでこの6年間どうだったのかという記述がない。後ろの各論のところで具体的な取組の成果と課題を書いているが、それの包括的な成果と課題をここでまとめる必要があるのではないか。取組と6年間の成果及び課題を総論的に書く必要があるのではないか。あるいはそれを書かないとすれば「読書活動の状況」というタイトルはあわず、「読書活動の推進に向けた取組」とすれば整合性が保てるかと思う。第2章の子どもの読書環境の整備充実ということが書かれているが、11ページには幼稚園、保育所と市立図書館との連携について具体的な取組として書かれている。ところが12ページからの学校における読書活動の推進ということになると、学校と市立図書館との連携という見出しで書かれているところがない。あるのは学校図書館の充実、利用の度合いを高めるということになっている。市立図書館の団体貸し出しを学校に対してするということは書かれているが、学校と図書館のつながりが団体貸し出しという点に限られている。連携を考えていくべきである。限られた予算の中で市立図書館と比べると格段の見劣りがするのは仕方がないのであって、7歳から12歳の子どもと比べるとヤング層の読書の状況が芳しくないという話があったが、例えば学校図書館は小学校の子どもたちには児童書、図鑑など限られた図書で対応できると思うが、ヤング層は大人の本に触れて読書の世界を広げるということがあって初めて読書が面白くなったり、自分の世界が広がっていくと思うが、それは個々の学校図書館の充実では不十分だと思う。幼稚園、保育所と市立図書館の連携が謳われているなら、せめてヤング層にターゲットを絞ったとしても市立図書館と学校との連携という視点を盛り込んでほしい。これに関連して、市立図書館と学校の間での子どもや青少年の読書活動を充実させていくための懇談などはしているのか。学校の先生で手持ちの学校図書館の状況を考えてこういう連携ができればいいなという思いを持っている先生は多いと思う。あるいは図書館の側からも学校にこういうことをすれば子どもたちが読書を日常の生活に取り込めるのではないかというアイデアがあると思う。連携のための協議がどの程度行われているのか。行われていないならそういう取組が連携の第一歩になると思うので、ぜひしてもらいたい。大阪市は中央図書館をはじめ各区に図書館を持っているので、そういう資産をもっと活かして、全国学力学習状況調査では全国平均に至っていないということを克服できると思う。市立図書館と学校の協議の状況について教えてほしい。」

辻本館長「総論の中で成果と課題を盛り込むことについて、検討させてもらう。学校と図書館の連携強化について、30ページに学校と市立図書館の連携強化をあげており、図書館への見学、調べ学習や一斉読書などにおいて市立図書館の資料を貸し出したり、司書が学校へ行ったり、ボランティアに入ってもらっているなど、学校と図書館の連携が拡充していることを書いている。また、ホームページに学校図書館支援のサイトがあり、一層の周知を行う必要があると考えている。今後の取組としては、図書館活性化事業、学校元気アップ地域本部事業を継続して実施し、学校、地域、家庭の連携によって、小中学校の図書館の整備をすすめてまいりたい。学校図書館主任会へ市立図書館司書の参加を通して教員と司書の情報交換をより一層進める。」

矢野委員「幼稚園・保育所における読書活動の推進という中で市立図書館との連携が謳われているのであれば、学校における読書活動の推進という12ページのところにも図書館との連携によって学校図書館の推進を図るという書きぶりになっているとより安心する。最後のところでまとめられて、学校、家庭、地域との連携というまとめの中で学校図書館と市立図書館の連携を入れるとなると、これからの事業の推進を図っていくという書きぶりになっているということを言いたかった。最後のまとめの中での連携強化ということだと、重要なコアな部分が薄まった形で提示されているような気がして残念である。内容、取組についてももっとできることが、意見交換をすることから展開しうる連携の中身があり得ると考える。」

辻本館長「前段の学校図書館の活性化や元気アップの中に組み込み、後ろの方に再掲という形でさせていただく。」

高尾委員「これを読んで良かったという点があった。それは25ページの障がいのある子どもたちへの配慮が今後の取組の新しい点として盛られているところ、それと、7ページの子育て支援の際の読み聞かせの効果が出ていること、10ページの幼稚園、保育所で読み聞かせが活発になされているというところはよかった。それと29ページの今後の取組のところに紹介されているように、待ち時間を過ごす病院に置いたらどうかというところについて、それはその通りだと思った。役所などで待ち時間があるところに配布して読んでもらうということは拡大の具体的な取組だと思った。また、最後の用語解説があるのはよかった。一方、問題点は全体として2つある。ヤング層の問題、もう一つは乳幼児期の問題があるのではと思った。ヤング層について、出発点からすると中学生問題なのかなと思う。図書館に行かないという子どもが非常に多いというデータがある。ソフト・ハードの工夫が必要ではないか。案として、読書にはキュレーターが必要ではないか。キュレーターは佐々木敏孝氏が提唱されている考えだが、この人が推薦する、読んでいいというなら私も読みたいという仕組みが必要なのではないか。それと居心地のいい空間づくりが必要ではないか。図書館は静かな環境というイメージがあるのだが、それだけではないプラスアルファの提供が必要ではないか。これは、学校訪問をしたときに感じたが、ビジネスフロンティア高校の学校図書館に行った際に、漫画が置かれており、校長は何でもいいのでとにかくここに来てもらいたいという思いがあるという話であった。これも一つのあり方である。それと一方で図書館スペースに鍵がかかっていて入れない学校があった。ここから学べることがあるのではないか。3点目は本を読んだ後の手当てが必要なのではないか。先日、読書感想文コンクールの表彰式に出席した。ああいうものが必要なのではないか。貸し出すだけではなくその後のフォローも必要ではないか。例えば33ページに人と本、人と人とのつながりが書かれており、ここでは供給する立場の人の人と人のつながりだが、これを拡大して、本を読んだ人と人のつながりに拡大できる可能性もあるのではないか。本を読んだレビューを交換するなど、そういうものが見られる読書コミュニティなど。4点目は朝の学校での一斉読書を推進しなければならないと感じた。13ページのグラフを見て改めて思った。大阪市の場合、毎日行っている一斉読書は15%で、全国は65%と落差が非常に大きい。これだけではないが、一つの手掛かりになる。これがヤング層について感じた内容である。それから、乳幼児期の問題については、6ページのところに書かれている。残念ながら伸び悩んでいるとのことだが、場所を変えたからそうなったのではないかなと心配している。みんなが集まる場所で配布することがいいのではないか。様々な判断で変更したと思うので一概には言えないかもしれないが、そういうことを思った。今の両親は忙しい方が多いが、今はモバイルの時代であり、モバイルに発信するなど、そういうところの手立てができないのかなと思った。これが二つの問題についての私の印象である。それともう一つ、図書館の役割の概括的な問題である。物理的な施設としての図書館の価値が低下しているのではないかと思う。今日ある新聞で日比谷図書館の副館長の話が出ていた。図書館としての機能のほかにミュージアムとしての機能がある、カレッジとしての機能がある、そして、最終的には利用者ということを念頭に置いて運営すべきであるという話をしていた。もう少し利用者側からの観点が必要なのではないか。これだけIT環境が変化しているのでそれに対応することが必要なのではないか。そういった意味では市立図書館のあり方についても新しい機能や役割を考えてもらいたい。学校でもICTに重点を置いた効果的な教育が始まるが、この中にどうしたら読書習慣をのせていけるかということもテーマである。」

大森委員「読書について、家庭環境や保護者の読書習慣による影響が非常に大きいと思う。受け身のサービスだけでは、そういう比較的機会に恵まれない子どもにとって十分でない。積極的にそういう機会、読書に目覚めるきっかけになる機会を広く与える必要がある。これは図書館だけでは難しく、学校や幼稚園、保育園などが大きな役割を果たすと思う。そういう意味では13ページに読書感想文ということが書いてあるが、すべての学校でどれくらいの頻度でしているのかということや、朝の一斉読書など、具体的な手段を意欲のある子どもや関心のある子どもだけでなく全員を対象として行うことが必要である。確かに中学校以上に問題があるということだが、やはり小学校や乳幼児期の影響が大きいと思うので、小学校であれば具体的にどういう活動を全員がどれくらいの頻度でしているのかきちんと検証する必要がある。それと入学前だとすべての幼稚園や保育所で読み聞かせをしているとのことだが、読み聞かせだけですべての子どもに読書のきっかけを与えるのに十分かということ、子育て支援施設でも読み聞かせや絵本の広場の開催などの取組がされているとのことだが、関心の低い世帯の子どもはどうなのか。具体的な機会や場を、自ら来る子どもや保護者だけでなくすべてを対象として、家庭環境や保護者の読書習慣によって子どもの読書の機会が奪われることがないよう、場の提供が十分かどうか検証してもらいたい。大人になってからの読書習慣に影響するだけでなく、様々な学力も含めていろんなことに影響する大きな問題である。」

高尾委員「ブックスタート事業が3ヶ月児の健診時から子育て施設への配布へと変更した事情はわかるか。」

辻本館長「子ども青少年局の事業であり、3か月児健診時に全員に配布していたのを、健診のお知らせとともに引換券を郵送し、それで予約してもらうという形式に変更をしたとのことである。」

大久保課長「3か月児健診の場では集団健診の場で図書館の司書が5分から10分話をするという形だったが、それだけでは十分にできないということで、もう少しゆっくり時間をとれるようにするということで子育て支援施設での実施に変更したと聞いている。」

委員長「課題と次の対策のポイントが響いてこなかった。様々な取組がされ成果が出ていることについては敬意を表したいが、これの次のステップのための素案を出すのであれば、最初に1枚もので課題とそれを解決する策があれば読みやすいと思う。以前の会議で勝井委員が全国学力学習状況調査について、残念ながら全国のレベルにおいついていないという発言があった。議案の12ページと13ページのデータが全国学力調査の資料になっている。このデータが1枚の中に集約する課題として掲げればどうかと感じている。読書は好きですかということと朝の読書などの一斉読書の時間を設けましたかというデータをキーにすればどうか。何冊読みましたかというデータは今後考えていけばいいと思うが、今全国と比較するデータとしてはこれをとりあげればどうか。そうすると経年比較もできるし、状況が把握できるのではないか。努力していることはデータを見てもわかるが、全国と比べるとまだまだ努力不足といわれても仕方がないデータが出ている。これを全国を超える目標設定をすることが大きく改善に結びつくのではないか。ここのデータを最初のところで課題としてとりあげればどうか。それから、学校図書館、市立図書館との連携の問題についても重要なテーマだと考える。充実した市立図書館をどう活かすかを考えると、振興計画のカリキュラム改革の中で大きく取り上げられているICTの活用により連携ができるのではないか。そこを通して見ることができる状況をICTの中で子どもたちが見ることができるようになれば選択肢の幅が広がるし、そういう連携、ICTの強化が今回の計画に謳われているので、大いにそれを活用していくということを一緒に考えてもらえばどうか。それから最後に、高尾委員が読書コミュニティという表現をしていた。私もこれが気になっている。知識を得るだけで子どもにとってそれが幸せなのか疑問に思っており、それを活用することが必要だと考えている。石田梅岩は実学志向の人で、その人の言葉の中に文字芸者ではだめだということがある。知識を得たことを活用して実際に社会に役立てないとだめだということであり、関西の実学志向の流れを作っていると思う。そういう意味で言うと知識を深めて、知識を活かされる状況ができる。教育コミュニティ、独語の感想を共有していくことが読んだ内容を一層深めることになるのではないか。こういうことも一つの提案として考えてもらいたい。」

辻本館長「次回までに1枚モノの概要をつくってわかりやすくしたい。全国学力調査についても取り上げて考えたい。ICTの活用について、図書館情報についてもICTと連動させて図書館の情報を伝えていきたいと考えている。いただいた意見を踏まえて修正したい。」

採決の結果、委員全員異議なく、継続して審議することと決定。

 

議案第159号「平成24年度「全国学力・学習状況調査」「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」における学校別の調査結果の取扱いについて」及び議案第160号「大阪市立学校協議会運営規則の一部を改正する規則案」を一括して上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

校長は学校協議会に「全国学力・学習状況調査」「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の調査結果を示すことする。なお、調査結果は守秘義務の対象となる。学校別の調査結果の公表または開示について、学校協議会は当該学校の調査結果の公表または開示に関して校長に意見を述べ、校長は学校協議会の意見を踏まえ、調査結果を公表または開示するか否かの判断を行うこととする。これに伴い、学校協議会の所掌事務を追加する。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「学力調査の結果は守秘義務に該当するとのことであるが、校長が協議会の意見を聞いた上で公表又は開示するという判断をした場合にどう解釈すればいいのか。その時点で守秘義務の対象とならないのか、それとも守秘義務の対象になるが違法性が阻却されるのか。」

山野代理「守秘義務については秘密を対象とするものであり、校長が公表を判断すれば秘密ではなくなるので、その時点で守秘義務の対象外となる。」

大森委員「今の点について、公表と開示では理解が異なるということでよいか。公表の場合は秘密ではなくなるが、開示の場合は依然として秘密なので守秘義務は継続するという解釈で良いのか。」

山野代理「おっしゃるように対象が限定される場合は対象外の方に対しては守秘義務は残ると考える。」

大森委員「議案第159号の2ページの一番下に、米印で本市では全国体力・運動能力・運動習慣等調査の児童生徒学校質問紙調査については抽出校以外では実施していないとあるが、この意味がよくわからないので教えてほしい。児童生徒学校質問紙調査以外に調査があるということか。」

大継部長「全国体力・運動能力・運動習慣等調査については各学校で実技的なテストを行い、その数値を図るということとあわせてここに書いてあるように児童生徒学校質問紙調査というペーパーによる調査という2種類があるということである。」

大森委員「実技は全校で実施をしているということか。」

大継部長「そうである。」

大森委員「実技は全国学力調査と同じように全学校のデータが議案にあるような取扱いになるということか。」

大継部長「そうである。」

大森委員「学校協議会の運営規則の施行が1月1日からということだが、学校協議会が立ち上がらないと、全国調査のデータの取扱いも協議会の意見を聞かないと校長が決められないと思うのだが、スケジュール的にはどうなっているか。」

山野代理「委員の任命について、各校長と区長で協議をして意見をとりまとめているところであり、早くても1月以降の任命となる見込みである。1月以降に立ち上げたところについては会議を開催してもらい、学校関係者評価の年度末の評価の議論を行ってもらうことになると考えている。」

大森委員「年度末の学校関係者評価の議論と並行してこのデータの開示について協議会で議論することになるのか。」

山野代理「その時に会議が開催されるので、その際に議論されることになると考えている。」

矢野委員「学校協議会のメンバーを選任するにあたって、区長との協議を介在させるという説明だったが、私の記憶では区長は区担当理事であり、所掌事務については限定があったが、それとの関係で区長との協議はどういう根拠があるのか。」

教育長「条例上、学校協議会のメンバーは校長と区長の意見を聞いて教育委員会が任命するという条例の規定になっているので、その条例に基づいて区長の意見を聞いているところである。」

矢野委員「条例上そういうことになっていたか。」

教育長「議会で修正が入った部分であり、教育委員会で決めた際にはそういう条文にはなっていなかった。」

矢野委員「了解した。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第161号「平成24年度「全国学力・学習状況調査」結果の区担当理事への情報提供について」を上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

情報提供については、平成22年、23年の情報提供と同じ形で行う。情報を提供する項目は、区及び区内小中学校の国語A・B、算数A・B、数学A・B、理科A・Bの平均正答率であり、提供する情報は区担当理事のみが保有することとし、区の職員へ結果を示すことや外部への公表は認めない旨の職務命令を発する。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第162号「平成24年度末教職員人事異動方針について」、議案第163号「平成24年度末管理作業員人事異動方針について」及び議案第164号「平成24年度末給食調理員人事異動方針について」を一括して上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

人事異動は、教職員の意欲、資質の向上を図り、学校・教職員組織の活性化を行うことにより、教育活動の一層の充実に資するものである。学校活性化条例の趣旨を踏まえ、人事異動方針を改正し、校園長が学校運営における権限と責任を全うするために、組織マネジメントや人材育成に力を発揮できるようにすることが必要であると明記している。基本方針においても、学校活性化条例に基づき、教職員の転任及び補充に当たっては校園長の意向を尊重するとしている。実施要領については、新規採用者は4年以上の者、それ以外は7年以上の者を異動対象者とするが、これにかかわらず校園長が特に必要と認める場合は異動対象者とする。また、教員の希望転任等を行うこととし、教職員の申告内容を参考にとしながら、校園長の意向を尊重して機械的・画一的な実施にならないようにする。管理作業員及び給食調理員についても条例の趣旨に基づき、同様の改正を行う。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「この人事異動方針と振興基本計画との関係について、改訂後の振興基本計画は25年度からを対象としている。24年度末の人事異動は振興基本計画との関係はどうなるのか。」

林田部長「振興基本計画については、年度末の市会で議論されることになっており、基本的には今の振興計画がベースになる。ただ、教員の公募なども議論になり、ICT活用モデル校などにおける教員の公募など、踏まえられるものは踏まえていきたいと考えている。」

大森委員「形式的にはこの人事異動方針は改訂後の計画が適用されているわけではないが、事実上先取りしている部分もあるとのことである。そうすると今日の議決事項ではないが、教員の公募というものも議案文書に次からは位置付けられるようにしてもらいたい。今回公募を考えているのはICT活用モデル校だけか。」

林田部長「そうである。具体に学校名が決まっていないとできないので。」

大森委員「今後対象を広げるのかどうかを改めて検討していくことになる。振興基本計画のパブコメ案では各学校地域の実情を踏まえ課題を有する学校を支援するための積極的な教員配置をすすめるとともに、当該教員に対して意欲の向上につながるような配慮を行うということが書いてある。これが最終的な計画に残った場合、具体的な各年度の人事の中でどう活かしていくのかを事務局で検討してもらいたい。絵に描いた餅に終わらせないよう、具体化を検討してもらい、こういう方針文書にどう反映し、実際の人事で具体的にどう活きるのかということを検討を始めてもらいたい。それと、通称FA、希望転任制について、計画では拡充しますと書いてある。今回は改訂後の計画の対象期間ではないのでそれはかからないと思うが、これも計画に謳っている以上うたい文句ではすまないので、どういう形で増やすのか検討を開始する必要がある。今回希望転任は昨年度と比べて増やすのか。」

林田部長「希望転任制については各教員に手を挙げてもらうということになり、範囲を決めていないので、拡大するということはないが、これまでは方針に明記していなかったのを明記したので、そういった意味ではインパクトがあることと、学校長に対する人事異動説明会の中で活用してもらいたいと説明していく。」

大森委員「各教員に情報としてこの制度が周知されるということでいいのか。」

林田部長「この人事異動方針は各教員一人一人に必ずわたるものであり、関心高く見ており、また要綱もあるので、それについても周知徹底していく。」

大森委員「改正点について、希望転任について明記されたという情報も各教員に伝わるということでよいか。」

林田部長「よい。きちんと説明していきたい。」

高尾委員「基本方針の2のところで、気になったのが、人材ということが豊かな心をはぐくみ、人権尊重の教育を推進する人材の2つしかあげられていないが、例えば学力が緊急の問題であると考える人材も大切ではないか。また、例えば新しい振興計画でカリキュラム改革の説明ところで学力、道徳心、社会性、体力を育むと書かれている。そうするとそのうちの2つだけを特記することはどうなのかと思う。そうであるなら学力についての記述を追加するということもあるが、単に「振興計画の趣旨を踏まえ、適切な教職員配置を進める」という表現でもよいのではないか。」

林田部長「この2は昨年度末の方針をそのまま残している。学力といった問題は趣旨としては含まれると考えている。今年度は現在の振興計画であり、以前議論をいただいた形で実務を進めているので、来年度に向けていただいた趣旨を踏まえて検討していきたい。」

高尾委員「今の計画でも学力を落とすということは納得がいかない。」

林田部長「その点についても方針の説明の中で補足していきたい。」

高尾委員「それでは不十分で学力を明記してもらいたい。」

矢野委員「今までの人事異動方針において踏まえてきたことであると思う。学力向上は当たり前のことであり、学力向上に熱心に取り組んでいるのは全教員であり、その上で「豊かな心をはぐくみ、人権尊重の教育を推進する」ということにこのフレーズの意味があると考えるので、私はこれでよいと考える。もちろん今後見直すということは、教育振興基本計画も修正という方向で進んでいるので検討の余地はあると思うが、学力向上というフレーズを入れる必要はないと考える。」

高尾委員「それを言うなら、豊かな心をはぐくむことに反対する先生もいないし、人権尊重の教育を推進することに反対の先生もいない。すべて大切なことだと認識している。振興基本計画を踏まえて、修正することが妥当である。」

大森委員「現行計画でも一部しか取り上げていないのは確かであるので、修正した方がよい。学力という言葉を入れる修正にするのか、豊かな心と人権尊重という言葉だけを入れるのはおかしいとするのか。ここは人事異動全般についての文句であって、一般論とは別の特別な配慮事項の項目ではないので、ある種特定の意思を持った項目ではなく、大阪市の教育全体をどう振興していくかという人材を学校に配置していくかという総論である。個別事項を落として、本市の教育を振興するためという一般論にするのか、単純に学力という言葉を追加するのかは議論に任せる。これまで気づかずに来ていたのだと思うので、この際バランスの取れる修正をするべきである。」

委員長「私も学力向上が抜けていると思う。この文言を除いて趣旨を踏まえて人材配置に努めるということでどうか。」

林田部長「昨年度はすでに実務をすすめてしまっていた状況で会議にお諮りし、実質的に修正ができないということでお叱りを受けたので、今年度はそれを踏まえ、夏に協議会で3回にわたって議論をさせてもらい、そこで最終的に固まった文言で実務を進めており、実務上は校長への説明会を今月に設定しており、調書を配布する段階にきており、できれば来年度以降振興計画が大きく変わるので、そこの中での議論を踏まえて反映させてもらいたいので、今年度はこの形でお願いしたい。」

矢野委員「協議会で数度議論して、それを踏まえた提案である。こういう表現になっているのは歴史的な経過や大阪市が抱える課題が関係していると思う。学力を入れてしまったら、学力も健やかな体も入ることになり、それは生きる力そのものであり、方針にならない。これまでの経過を尊重するということで私は原案通りでよいと考える。一般論として学力や健やかな体は重要であるのはその通りであるが、あえてこのような表現になっているという趣旨を、我々としても理解しておく必要があると考える。」

大森委員「そう言われてしまうと私もこだわる。振興基本計画とは別に大阪市の教育の理念哲学があって、それがこれだという発言に聞こえた。振興基本計画に書いてある内容とは別に大阪市の教育の理念があり、それが豊かな心と人権尊重の教育と言われると、私は納得できない。事務的に配ってしまっているので今回は勘弁してほしいということなら、文言にめくじらをたてるよりも実際の人事異動に影響するわけではないからいいかなと思ったが、ことが文書の問題ではなく、大阪市の教育の理念と哲学であるということなら同意できない。」

委員長「林田部長がこだわる理由はどういうところにあるのか。」

林田部長「実務上の日程の問題であり、この段階で文言修正となると学校長への説明会に向けて準備などが進んでいる状況であるので難しい。そういうスケジュールを踏まえて夏に協議会の場で議論をさせていただいた。事務局としてはスケジュールの点でご理解をいただきたい。」

委員長「実務レベルで困るのか。」

教育長「ただちに校長からヒアリングを開始するので、実務的な作業としては始まっている。異動方針としてはこれで了解をいただかないと手順が戻ってしまうということがある。」

高尾委員「学力が重要でないと思っていないなら、それは趣旨が変わるものではないので、学力という言葉を盛り込むべきである。心配するのは教員の中になんとか学力をつけたいと思っている教員がいたら、この表現を見たらがっかりするのではないか。学力を一生懸命するということのレベルが下がっているのだという誤解を生じかねない。」

委員長「事務局もそういう趣旨は異論はないと思うが、進めていくのに議決までとらなければならない内容なのか。」

教育長「異動方針であり、これまで協議会で議論を積み重ねてきている。人事異動方針という大きな方針であるので、会議で議決を得ないといけない。特に前年度から大きく方針を変えているので、承認が得られないと我々も動けない。ただ、これまでの協議会で説明申し上げた内容で議決をいただきたい。」

委員長「学力の問題はみなさん異論のない内容だと思う。それだけにどうしてこれだけのことを議決を採るようなことまで発展しなければいけないのか。」

大森委員「実務上障害があるというのは、各校園長に対して、協議会の案とここを修正したという差し替えが行くのがまずいというのか、それが混乱するのか。変わったところで困る校園長はいないのではないのか。」

教育長「組合交渉の日程を設定しなければならない。すでにこの案で組合交渉が終わっているので、再度組合交渉の日程を設定することで大幅に日程が変わるということである。1カ月程度は遅れるのではないかと考える。」

大森委員「そういう現実的な理由があるなら早く言ってほしい。そういう理由であるなら私は了解するが、矢野委員の言うような振興基本計画以外に大阪市の歴史に基づく理念があるという理由では反対する。」

矢野委員「そういう意味で言ったのではない。教育振興基本計画はあくまで踏襲するということであり、そこには人事異動方針とは書かれていない。基本計画の趣旨を踏まえ、大阪市が考えてきた人事異動方針というものがあり、それを簡単に反故にできるわけではないということを言ったのである。豊かな心を育む教育や人権尊重の教育が1番、2番で、学力が3番目だと順位づけをしているわけでは一切ない。そういう意見を申し上げているのではない。大阪市は260数万の人口があり、その中にはいろんな子どもがおり、その子どもたちの教育には人事配置上考えないといけないことがあるということがここに書かれているのであって、そこに学力とかそういうことを書いたのでは意味をなさない。私の意見に賛成してもらって原案に賛成してもらいたいとは思っていない。」

委員長「振興基本計画でかなり議論した内容であり、それを矢野委員も認めている。私もどちらかといえば学力は入れた方がいいと考えるが、ここで大いに議論して認めたのであるから、基本的にはこの辺で議論は終わりにしたい。1カ月も遅れるということであれば、それは大変だと思う。」

大森委員「論理的に冷静に申し上げているのは、人事異動方針の総論であり一般論である。どういうことを大事にして人事異動をやっていくのかということが書かれている。その際に豊かな心や人権だけでなく学力や健やかな体という全般的なことが書かれた上で、大阪市の歴史に基づいて大事と考えることを盛り込むことには反対しないが、一部のことしか盛り込まれていないという問題性を指摘しているのであって、今回はすでに組合交渉を終えてそれをやり直さなければならないという理由では納得するが、人事異動方針に総論的なことを書く場合には、どういう子どもを育てるために人事異動をするのかという総論的なものがあって、かつ、より配慮するものとして人権教育などが別立てであるという極めて常識的なことを申し上げているのである。」

教育長「事務局の説明の足りなさで議論に混乱を招いたことについては申し訳ない。」

委員長「振興基本計画でかなり議論をしたので趣旨はみなさん理解しているものと思う。教育振興計画の趣旨を踏まえという言葉があるので、実務的に困るというのであれば私は進めてもらえば良いと考える。」

高尾委員「スケジュールの問題でアンバランスな文章で進めることには反対である。必要があるならやり直すべきである。振興基本計画で議論した内容であるならなおさらきちんとするべきである。将来においてはきちんと余裕を持って、組合交渉も教育委員会会議の議決をとった上で、その手続きを進めてもらわないといけない。そうでないとスケジュールの問題によって間違った方向に進んでしまう可能性がある。」

教育長「手続き的には協議会で議論してその意見を踏まえたもので組合交渉に臨んでいる。教育委員会会議の議決は最終的な決定であり、それまでに必要な手続きを終えるということで組合交渉を先行させている。」

高尾委員「協議会の中で最終案を提示してこの内容で議案を出すので、この案に同意をしてもらいたいという説明がなされたか。この案を議案として出した際には修正をしてはいけないという確約をとったのか。」

林田部長「そこまでは了解はもらっていないが、昨年度は教育委員会会議の際に異動方針が実質的に変えられなかったということを踏まえて、今年度は協議会で議論をさせていただき、その案をもって組合交渉に臨むということを説明をさせていただいた。」

高尾委員「私は包括的に同意をした覚えはない。趣旨において、骨子において合意した記憶はあるが、細部にわたって了承した記憶はない。さらには実施要領の中でも明確にしなければならない内容が残っている。3ページの実施要領の3の2行目に「前記に関わらず」とあるが前記の内容を明確にした方がよいのではないか。」

高井課長「前記というのは、1項、2項と3項の前段も含めて、それに関わらずという意味である。」

高尾委員「私もそうだと思うが、これでは3項だけを前記ととってしまう。「上記1及び2に該当しないものであっても」とした方がよいのではないか。また、3の最初の「上記1及び2に該当しない者については」を「あっては」にしたほうが誤解がない。新規採用で4年以上の方、それ以外の方で7年以上の方、特別な場合の方は異動対象となるとのことである。それから4項の新採で6年以内、それ以外で10年以内の方については異動とするとなっている。そうすると問題はどこまで校園長の判断を尊重するかということである。異動対象の方についてのみやるというようにもとれるし、実施要領の3項をみると異動対象者ではなくても校園長が必要と認める場合にはということだけにかかっているようにも見えるし、さらには、4のところは原則として異動を行うとのことだが、校長がこれを超えて勤務をさせたいと判断した場合にその判断は尊重されるのかどうか、それを認めるという可能性も出てくる。そういう論理構造の問題として不明確な部分がある。」

林田部長「今回構成を変えたので、長くても4項として新採は6年以内、新採以外は10年以内に異動としているが、原則と書いているように、基本的には異動の年数のルールであるが、7項に書いているように校園長の意向を尊重するということである。文言については今後考えていきたい。」

大森委員「ここは以前協議会の場でも説明があったと思うが、新規採用は4年から6年の間に順次異動していき、6年以内で全員が異動し、それ以外は7年から10年の間で異動させるということで、異動対象と異動という言葉を使い分けていると理解しており、特に問題があるとは私は思っていない。」

高尾委員「どういう場合に校園長の意向が尊重されるのかはっきりさせておいた方がよいのではないかということを言っている。普通の書き方だと、原則を書いて、原則が対象となるところの後に、ただしという言葉を入れる方が明確になるということを申し上げている。」

林田部長「7項で前各号に基づき行う人事異動について、教職員の申告内容を参考にしながら校園長の意向を尊重してとしており、1項から4項までを含めて、校園長の意向を尊重するということを書いている。」

大森委員「実施要領の3項では前記にかかわらず校園長が特に必要と認める場合は異動対象者とするというのは新規採用者もそれ以外も含めているのか。」

林田部長「そうである。」

高尾委員「4項についても7項の制約は及ぶという理解でよいか。校長から合理的な理由をもって10年以上だが残したいという話があればそれを尊重するという趣旨でよいか。」

林田部長「そうである。ただ、十分校園長と話はしなければならないが。」

高尾委員「このように申し上げたのは、より伝わりやすい表現になっていない場合があるので、その点について配慮をしてもらいたい。それが将来いろんなことの場で説明の根拠となるので、明確にすべきという趣旨である。」

大森委員「組合との交渉をやり直すことがスケジュール的に困難なのか、できれば避けたいという程度のものなのか。やり直すのがスケジュール的に困難だというのであれば、文言上問題はあるが、今後振興基本計画に即して検討してもらうということが担保されれば今回はやむを得ないと考える。」

高尾委員「私の態度決定においてもその点は非常に大きな要素である。今議決を得なければ人事異動ができないという事情があるのか。そういう場合には私は棄権すべきかなと思うが、まだ組合とも交渉ができるという見通しがあるにもかかわらずこのままでいくというのなら反対せざるを得ない。」

林田部長「校園長への説明会を1220日に予定している。それを教職員に配布し、年末年始の間に考えてもらって、年明けに申告書を出してもらうスケジュールになっている。これが年越しとなると異動作業に支障が出てくると考えている。それまでに修正するということになれば、人事異動方針は組合交渉事項であるので、新たに提案し、妥結することが必要になる。提案と妥結のスケジュールを考えると20日の説明会には間に合わないため、このままでお願いしたい。」

教育長「昨年度の異動方針から大きく踏み込んで変更しているという経過がある。この間の労使協議でもいろんな議論があって決着を見たということがあるので、しきり直しとすると様々な問題が生じる可能性もあるので、できればこのままの形でお願いしたい。」

大森委員「その場合、会議の議決のルールがよくわからないのだが、基本方針の2項については再検討の余地のある文言であるということが会議の決定として残る手立ては議事録しかないのか。ただ、議事録も委員個々人の意見であって、委員会の見解にはならない。今このまま承認されると形式的にはこの文言も是とされたという決定になってしまう。今後検討の余地があるということを担保できないのか。」

委員長「教育委員会会議規則第15条に「この規則に定めるもののほか、会議その他委員会の議事の運営に関し必要な事項は委員長が会議に諮って定める」という条項があり、これに基づいて附帯決議をするということを皆さんで決めれば附帯決議を附することになるがそれでよろしいか。」

大森委員「附帯決議には賛成するが、問題は何を附帯決議とするかである。基本方針の2項について振興基本計画が改訂されれば、人事異動方針については改訂後の振興基本計画に基づいて整理するということなのか。どういう内容の附帯決議とするのか。」

委員長「振興計画も議会を経ないと正式なものとして決定しない。今後、正式に振興基本計画が議会で決議された時点でこの問題については再度検討するという形になるか。」

教育長「そうすると25年度末人事異動方針に向けて議論していただくことになる。」

大森委員「何を附帯決議とするのか。決議案文を事務局から示してもらわないといけない。」

林田部長「基本方針の2項について、改訂後の振興基本計画を踏まえて、翌年度の異動方針までに整理をするという附帯決議になるかと思う。」

大森委員「私自身は今の表現で附帯決議がされるなら異議はない。」

高尾委員「2項については異なる意見が出され、これについては現在の振興基本計画及び改訂の趣旨を踏まえて、この方針を実現するよう努めるではどうか。」

大森委員「改訂後の振興基本計画の趣旨を24年度末異動方針に反映することはできないと思うので、あくまで次年度の異動方針への反映になるのではないか。」

委員長「「基本方針第2項に関わって、大阪市教育振興基本計画の改訂後の考え方を踏まえて、25年度末教職員人事異動方針の策定までに整理する。」という附帯決議でどうか。」

高尾委員「25年度末というと、25年度末の教職員の人事異動に間に合うようにということか。」

林田部長「そうである。」

矢野委員「これは毎年各年度の人事異動方針を議論して確定している。平成23年度人事異動方針からこの案はずいぶん変わっているということである。ということは平成25年度末のものについても新しい状況の中で変わる可能性があるということはあり得る話であり、なぜ附帯決議を付さなければならないのか。感覚的にはわかるが、例えば、委員長の最終的な決にかけるときの談話で言っていただいたら十分であり、来年度のことはそのときの委員が議論して決めればいいことであるので、なぜ附帯決議を附さないといけないのか。そういうことをすれば、あらゆることについてそういう手続きが必要だということになりかねない。来年度は来年度に新しい振興基本計画に基づいて議論をすればいいのであって、委員長にそういう趣旨のことを述べてもらった上で、記録として残してもらって決を採ってもらえば十分であり、附帯決議はおかしいと考える。」

林田部長「附帯決議を附すかどうかは委員の皆さまでご議論をいただければと思っている。ただ、本来であれば議案としてここで議論し修正するべきであれば修正しなければならないにもかかわらず、スケジュールのこともあり、委員の皆さまにご理解をいただいたという状況でのことであり、そういう意味合いでは今回ご指摘をいただくということについて従前の他の議案とは違う意味合いがあるのかなと事務局としては考えている。」

大森委員「今回の場合は、特殊な事情があるわけであり、附帯決議も何もないのであれば、基本方針の2項が異論なく認められたということしか残らないわけで、現実問題としてはこの部分を本当は議論を積み重ねて修正をした方がいいということがあるが、すでに組合交渉を終わっているという特殊な事情があるということで、今回の議案そのものについては2項も含めて承認するという決を採るという特殊な事情がある。人事異動方針は毎年決めることだから次年度また修正変更があるからという話ではなく、今年度この方針を承認するにあたって、ちゃんとここについて本来なら委員会会議で議論を尽くして合意したものにすべきだが、それだと事実上修正する時間がないという特殊な事情があるということで、それを反映する方法として、事務局から附帯決議という手法があるという提案があったので、なぜその必要があるのかということではなく、今回は特別なケースであると考える。」

委員長「今回は明確にしておいた方がよいということがあるがどうか。」

矢野委員「私は附帯決議を附すことについては反対であるので、多数決で決めていただいて結構である。」

委員長「今回のこの全体の内容を附帯決議をつけた上で承認するということで、まず附帯決議をつけることに決を採る。」

委員長「賛成4名、反対1名である。」

委員長「附帯決議をつけるということで進める。附帯決議をつけるということでこの議案について承認することについては異議はないか。」

全委員「異議なし」

採決の結果、委員全員異議なく、附帯決議を附して原案どおり可決。

 

議案第165号「職員の人事について」及び議案第166号「職員の人事について」を一括して上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

中学校の事務職員について、平成24年4月から8月にかけて勤務時間中に校外で喫煙を繰り返し職務に専念する義務を怠ったことにより、懲戒処分として停職1月を科し、小学校の教諭について、平成24年9月から10月にかけて勤務時間中に校内で喫煙を繰り返し職務に専念する義務を怠ったことにより、懲戒処分として停職1月を科すものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「今回の処分で何件になるか。」

芝谷係長「今回の2件を含めて今年度9件である。」

林田部長「昨日再度学校に服務の厳正について通知をしている。」

委員長「これまでは停職10日ということが多かった。」

林田部長「前回説明したように7月以降に行っているものについて、量定を加重し、停職1月としている。」

矢野委員「議案第166号について、女子児童が他の教員に通報したとのことだが、大人の校内での喫煙について子どもはどう理解しているのか。」

大継部長「体育大会などの行事の際には敷地内禁煙ということは周知徹底しており、学校内で吸ってはいけないということは子どもも理解している。」

高尾委員「外に出たときに吸ってはいけないということは教職員は理解しているのか。」

教育長「休憩時間であればいいのだが、勤務時間中は禁止している。」

林田部長「その旨については通知の中で周知徹底している。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第167号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校の教諭について、児童に対して上靴を投げつけて威嚇する行為を行い、別の日に太ももから尻のあたりを蹴る体罰や左頭部を右平手でたたくなどの体罰を日常的に行い、校長から指導された後も体罰を繰り返していたことにより、懲戒処分として減給10分の1 3月を科すものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「体罰はいずれもステップアップ研修に入る前のものか。」

林田部長「そうである。」

高尾委員「体罰は条例ではどういう基準か」

林田部長「停職、減給または戒告であり、身体にけががあるかどうかが判断基準となる。」

高尾委員「態様として喫煙よりも重いような気がする。体罰はけがをさせたかどうかであり、期間が長期間にわたるなどということは考慮するのか。」

林田部長「期間が長期間であり特定の児童生徒に集中しているなどの場合は考慮する。」

高尾委員「仮に停職となった場合、ステップアップ研修はどうなるのか。」

教育長「研修は職務であるので、停職中はストップすることになる。」

大森委員「けががない体罰事案で停職になった事案はないか。」

芝谷係長「本年度同様の態様でけがに至らないもので減給10分の1 1月というものがある。けがに至らない態様で停職処分としたものは今年度はない。」

高井課長「おそらく以前より今の方が量定が厳しくなっているので、これまでに停職になったものはないと思う。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

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