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平成25年第2回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:246067

平成25年第2回教育委員会会議

第2回教育委員会会議録

 

1 日時  平成25年1月15日(火曜日)午後2時00分~午後2時50

 

2 場所  大阪市役所本庁舎7階第6委員会室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員職務代理者

矢野 裕俊  委員

大森不二雄  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

山田  昇  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

森本 充博  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

高井 俊一  教職員人事担当課長

森  知史  高等学校教育担当課長

佐藤 芳弘  桜宮高等学校長

藤巻 幸嗣  総務課長

松浦 令   総務課担当係長

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に大森委員を指名

(3)議題

議案第4号 大阪市立桜宮高等学校生徒死亡事案への対応について

(4)議事要旨

議案第4号「大阪市立桜宮高等学校生徒死亡事案への対応について」を上程。

教育長からの説明要旨は以下のとおりである。

 事実の概要については省略。対応について、(1)実態調査として、早急に本件事案の真相解明を行うこと、(2)全市立学校における、体罰・暴力行為の実態調査を行うこと、(3)運動部における、暴力行為、暴言、ハラスメント等の実態調査を行うこと。運動部における暴力行為と、生活指導上の体罰、暴力行為を明確に区分し、調査をする。対策についても区別する。大阪市外部監察チームに調査を依頼する。大阪市教育委員会体罰暴力行為等対策本部を設置し、内部組織としてワーキングチームを編成する。外部監察チームと連携協力し実態調査を行い、実効性のある対応策を検討する。検討内容については、教育委員にも適宜報告する。

桜宮高校における運動部活動の停止について。本日時点では運動部、文化部全て停止しているが、バスケ部、バレー部については無期限活動停止とする。指導の抜本的見直し等部活動再生の努力を行い、当該実績の検証により、活動再開の可否を判断する。その他の運動部活動については、緊急に実態調査を行い、結果をふまえ活動再開の可否を判断する。その間は部活動停止。文化部については、暴力行為等の事案発生の可能性が低いと考えられるため、明日より活動再開。

スケジュールについて。1カ月以内に実態調査、関係者聴取。全市実態把握、対応策の策定は、本年度中に完了できるようにする。

今後の検討事項について。1点目として体罰、暴力行為の防止策及び発生した場合の対応方法。体罰と暴力行為との対応の違いを明確に区分。2点目として、運動部活動の指導方法のあり方。全ての運動部活動における暴力行為等を伴う指導の実態把握結果を踏まえ、当該指導に頼らない指導方法の検討。3点目として、校長マネジメントの強化策。4点目として、教員の人事異動の改善策。

今後の検証事項については、この他にもあれば検討する。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「今回起こってしまった事案の重大性を踏まえると、責任の重大さゆえに責任の取り方として今後の方策をきちんと整理したち密な議論が必要である。今回の事案については、これまで判明していることからは、学校教育法上の体罰ではないことは明らか。体罰は悪いことをした子どもに対する懲らしめのための教員の行為であり、有形力の行使の度合いが程度を超えれば体罰である。今回は何ら落ち度のない生徒への暴力であり、学校教育法上の体罰ではありえない。日常用語としても体罰という言葉をこの事案について使うべきでない。悪いことをした者に対する報いが罰である。今回の生徒に何ら落ち度はない。何の落ち度もない子どもへの暴力行為であり、体罰という言葉を使うことは不適切である。大阪市の教育関係者は、今後そういう言葉の使い方をきちんと整理して、それにふさわしい使い方をする必要がある。体罰に至らない有形力の行使、体罰と言える行為、さらに今回の不幸な事案のように懲戒目的でも何でもない暴力行為、暴言、ハラスメント行為などがありうる。体罰概念が混乱しているがために、単純思考の議論が行われやすい。相変わらず、体罰禁止はおかしい、多少の体罰がないと教育が成立しない、という議論がある。様々な暴力行為と体罰をごっちゃにして、体罰という言葉でくくっている。議論の中には、教員が正当防衛もできないのかという議論もある。教員が暴力をふるわれている中での正当防衛は体罰ではない。他の生徒を守るための行為や、教師が他の教師が暴力をふるわれようとしているのをとめる行為は、体罰という行為ではない。さらに日常用語としても体罰ではない。体罰禁止だと生活指導ができなくなるというとき、すべてをごっちゃにした議論が行われている。そういった問題をクリアにして、それぞれの対応策としてガイドラインとして、一般の先生にわかりやすい言葉で説明することが必要であると考える。体罰・暴力行為や正当防衛等のきちんとした概念整理とそれに立脚した対応策が策定されることが必要である。もう一つの大きな柱として、運動部の指導のあり方がある。今回の事案を受けて反省するに、学校全般、暴力・体罰問題全般と切り離して、運動部活動の指導のあり方、今回の事案でもうかがえるような、ある種の暴力的指導を容認する雰囲気や受け止め方について、きちんと全市の実態を把握して、暴力を容認するような悪い意味の組織文化がなくなっていくようにしなければならない。暴力行為のほか、暴言、ハラスメントなどがスポーツの指導に必要だということは、ありえないし、あってはならない。学校における指導全般と、運動部における指導のあり方をきちんとしていく。さらに、今回の事案発生後の対応を含め、過去の問題、バスケ部、バレー部で出てきた問題を含め、これらについても真摯に受け止めて、反省しなければならない。暴力行為等の問題、部活の問題のほかに、学校長をトップとする学校マネジメントの問題に対策を打っていくことが必要である。我々の教育委員会の責任の下に、過去起こっていることも明らかになっているので、教員人事を含めたあり方、そういったことを検証して明らかにすることが、今回の事案の責任の取り方の一つだと考えている。」

高尾委員「教育に責任をもつものとして責任を感じている。問題点を指摘するだけでいいのかという思いも持っている。私たちにできることをきちんと検討しておくということが必要だと思っているので申し上げたい。一つは、真の問題が幅広く深く横たわっているのではないか。顧問の問題があるのは間違いないが、その他にも色々な問題点が重なっているのだと思う。きちんとSOSを受け止めることができなかった体制、人事異動、学校においては進学指導と密接に関連したあり方、保護者PTAとの意思疎通、そういうものが複雑に絡み合って今回起こってしまったと考えている。対策について、人、意識、組織を根本から変えないと是正は不可能と考えている。表面的な対策を講じるだけでは根本的な解決ははかれない。弥縫策ではやっていけない。本件事案が起こったときに、当該校の部活動はもちろん、すべての中高で一旦部活動を停止すべきと伝えたが、様々な事情があって、このようになっている。きちんと監察チームと連携強化をし、実態を明らかにすることが必要であると思っている。桜宮高校が現在どう言う状況にあるかと考えると、ここに対する根本的な変革を早急に行わなければならない。

     極めて重要だと痛感したのは、「命」のことである。皆さんの間で命があることが当たり前になっているのではないか。多少のことをしても命は大丈夫という認識があるのではないか。命は非常にもろい。日々、生きているということは、当たり前のことではない。今あるのが奇跡であり、いろんなことで、瞬間に理不尽に奪われることは、阪神大震災や東日本大震災の例を見ても明らか。今一度命の大切さの教育、強さとともに、弱さと脆さ、はかなさをもった命であるということを、先生が子どもに教えるということではなく、我々が共に学んでいかなければならない。様々な実効的な対応策を打ち出していかなければならない。」

矢野委員「大変痛ましい結果を招き、教育委員の一人として申し訳なく思っている。1人の生徒の命と安全を守れない教育行政とは何なのか。それを守ることは教育行政の最も基本的な責務だと思ってきたが、残念なことに果たせなかったことに重大な責任を感じている。取り返しのつかないことが起こってしまったわけであるが、それをせめてこれを機に、本市の学校で学ぶ生徒たちが安全で安心して学習活動、部活動を含む学習活動に勤しめる状態を作るべく、徹底した真相の解明とそれに基づく、より広い全市的な調査を徹底的に行い、その結果に基づいて生徒が安心して学習活動に勤しめる学校づくりを桜宮高校はもとよりすべての幼小中高特支の学校園でめざしていかなければならない。そのための重大な課題を我々教育委員会が背負ったと思っている。そういう観点から、本日提案のあった議案第4号をめぐる議論を経て、一歩を進めることができればと思っている。原案についての質問であるが、実態調査について、3つの調査を行うことが提案されているが、実態調査については外部監察チームに調査を依頼することとするということと、(2)新たに設定が提案されている体罰暴力行為等対策本部、これは教育委員会の中に設けるものであるが、ここにおいても3つの実態調査を行うことが書かれているが、調査への両者の関係を、連携といっても、実際の関係をどう構築していくのか、どう連携を取り有効かつ迅速な調査を実行していくのか。外部監察チームとの協議によって連携のあり方を考えていくということだと思うが、今のところの事務局の考えを聴かせてもらいたい。」

教育長「ここにあるような真相解明、実態調査は委員に諮りながら主体的に取り組むことが大前提である。ただ、調査については過去の公正職務の調査が教委と学校で行われたということがおおきなポイントであるので、外部の目を入れた調査をすべく、外部チームの協力を依頼する。我々が外部チームに必要以上に力を及ぼして調査を妨げてはいけないので、我々の主体性を維持しながら、市民から見て透明性・客観性が保てるような調査を外部の力を借りるということである。場合によっては調査が終了するまでは情報が来ない可能性もあるかもしれないが、主体的に関わっていく。」

矢野委員「事務局に任せるということではなく我々が主体的に調査をして徹底的に真相を解明していくという姿勢を堅持して、決して外部監察チームに委ねるということで腰が引けてしまうことがあってはいけないと思ったのでお聞きした。」

大森委員「先ほどの義家文科政務官への説明においても、政務官から調査における主体性の確保について質問があった。指摘の趣旨には異論がなく受け止めた上で、私も発言したが、第三者に調査を依頼することは我々として主体的に判断している、こういった内容でこういった事実が判明するようにと、きちんと責任をもって組み立てて依頼している。今般の調査は、市長と教育委員の共同で外部監察チームに依頼している。これは主体的に判断して調査の依頼をしている。現実問題として学校にかかわる不祥事、痛ましい事案が発生した場合に、これまでの事例もあって、市民の目としては、教育委員会単独の調査となると、学校の仲間、身内の調査という目で見られてしまうということもあるし、そういった観点からすると、今回の調査の手法は、第三者の目で十分に客観性を持って行われるということを外にも説明できる。ただし、調査の責任自体は教育委員会が負うということで、我々の主体的な判断で決めたということを政務官にお話した。文科省の考えとイコールになるのかわからないが、このスタンスは間違っていないと私は認識しているが、事務局はどうか。」

教育長「まったく同じである。われわれとして主体性を持って、手法を外部監察に依頼するということである。」

高尾委員「検討事項やスケジュールに書かれていることについて、形式に流れるのではなく根本的な把握と対策をしていきたい。命をどのように扱うのかをベースに考えてもらいたい。対応策も実効性があるもの、その仕組みと組織を作り上げないといけない。本人が訴えかける手法だけでなく、こちらが積極的にプルして引き上げる手法が必要だと思う。全般的な問題にも目を向けて進学の問題、保護者の問題もどうするのかを考えたい。当事者が誰なのかという基本的なところから考えないといけない。先生と生徒というだけではなく、地域の指導者、クラブを指導している人、いろんな当事者を構築していかなければならない。外部の目を尊重して、外部から見ておかしいと思えることが発見できる仕組みが必要である。」

大森委員「外部の目ということからすると、運動部活動のあり方については、外部の前に指導者自身がこういった世間で体罰と呼ばれているような指導に頼っていない、それを否定して実績を上げているようなスポーツ指導者を本市のスポーツ指導者として確保できるかどうかが、早急な課題である。その上で、運動部活動がいかにすぐれた指導者を得ることができたとしても、外に開かれたものとしてそれが担保できる仕組み、問題は起こり得るという心構えで、個人の資質・責任に帰すだけでなく、仕組みの上でオープン性を確保することが指導者の確保と並んで重要である。運動部は学校のマネジメントの下にあるはずである。残念ながら今回の事案はそこがどうだったのかということが言われる、学校マネジメントを離れて独立王国のようなものになっていなかったか、ということが大きな課題であるが、この辺は実態を解明した上で、また、全市的に運動部活動が学校のマネジメント下での責任を取れる形で行われているかどうか実態把握をして、対策を打ち出していかなければならない。部活動だけでなく学校運営のすべての情報が公開され、提供されていくというオープンな学校運営のあり方、学校のガバナンスのあり方を追求していくべきである。その中で運動部の体質を変えていく。学校が変わらなければ運動部だけ変わることはできない。学校全体が変わっていく中で、その中で特に運動部に特に注意して対応策を組み立てていくことだと思っている。」

高尾委員「このように意見を申し上げたが、現在までの調査に当たったり、ご遺族との接触をした方に率直な受け止め、どういうことが必要か、気づいた点を教えてほしい。」

大継部長「ご遺族とはご了解を得て12月31日にお会いすることができた。深くおわび申し上げ、ご家族の気持ちを聴いた。ご家族としては事案については暴力行為であるということ、少しの厳しい指導は許容する覚悟で臨んでいたが、これは体罰ではなく暴力行為であるとおっしゃった。今回のことを亡くなられた生徒さんが保護者に残されたメッセージはこういう暴力的指導を一切排した運動部のあり方、こういうものを残されたということから、教育行政としてそういうものを求めていってほしいという要望を受けている。」

大森委員「運動部のあり方からすると、目下、避けて通れないのが当該学校の運動部にかかわる問題である。現時点で運動部の学校側の顧問はもちろん、生徒保護者は、いろんな思いを持っておられるとは思うが、我々の今現在の認識というものが伝わるようにしていかなければならない。先ほど教育長からの説明の中でもあったが、二つの部についての指導、指導者の刷新等は当たり前のことではあるが、そうしたことを学校の当事者である生徒や保護者が十分理解されているのかどうかということもあるので、きちんとした説明や意思疎通を図っていくことが必要である。」

委員長「この事案を知って、その中身を一つ一つ検証していくと、教育委員会の我々が行った対策にもいろんな不備があったということを認めざるを得ないことがいくつかあり、本当に申し訳ない。抜本的な対策を打つことが本件事案に応えることだと考えている。起こってしまったことにはおわびのしようがないが、再び起こらないようにすることが喫緊の課題である。限られた時間の中で対策を打つことの難しさも感じている。スケジュールでも出ている、一か月以内に事実調査と関係者の対処処分を行うことについては、私もいたしかたないと考えている。ただ、この事案が一つ一つ明らかになる過程で、体罰だけで終わらない内容であると実感している。私も先日ご遺族の方と話をした。本質的な問題に触れされていただけたと思っているが、この問題はバスケ部だけの問題ではない、非常に大きな問題が背景にあると認識している。そのためにこれを深掘りするには少し時間がかかると思っている。緊急的に結論を出さなければならない課題と、長期の観点で解決しなければならない課題を明確に分けないといけない。1ヶ月間の調査でも十分な調査というのは難しいのではないか。体罰の問題は、たまたま昨日テレビで見ていると、各国の状況を見ていても対応策がばらばらであり、それぐらい難しい問題であると感じている。高校だけの問題ではなく、2に書いている、全市立学校における実態調査も非常に重要。この点を押さえた長期的な対策を考えたいと思っているので、これについては時間をいただきたい。体罰の問題はおそらく全市立学校だけの問題ではないのかもしれない。日本全体にも関わる問題になるので、大阪市教育委員会としては練られて練られた案を示したい。いつの時点になるかわからないが、全校調査の問題を含めてぜひ練られた案、それを実行する力が我々に課せられた最大の課題であると考えている。それをぜひ見ていただきたい。それが皆様にご理解がいただけるか。ぜひ長期の案を見ていただきたい。いろんな角度から申し上げたいことはあるが、その点がキーになると思うので申し上げた。」

大森委員「全市立学校の実態把握とそれに対する対策は、桜宮高校の事案への対応と同時に結論を得るのはなかなか難しい。急ぎすぎるぐらい急ぐとちょうどいいと思うので、今年度中に行うこととする。これでも世間ではゆっくりと思われるかもしれないが。本件事案の調査と関係者への対処は1カ月以内で、これも決して早いとは思われないかもしれないが、最善を尽くしてやっていく。全市立学校を対象とするものについては今年度中にやりたい。大急ぎで全力を挙げてスケジュールを守れるようにしていきたい。」

教育長「委員の皆さまからの指摘を踏まえ、最優先すべきは桜宮高校の運動部の実態把握をし、全市調査をきちんとすることが必要であると考えている。すべて急がなければならないが、最優先を桜宮の運動部活動にしながら、早急に全市調査ができるよう、子ども保護者を含めた調査ができるよう、外部監察チームとの協力、連携をとりながら、適宜委員に報告をしながら進めたい。」

大森委員「全市的な実態把握は時間がかかるということだが、できることはどんどん立案して決定しなければならない。3ページの今後の検討事項は今日で検討は終わりではなく、これがすべて今年度中というゆっくりした話ではなく、校長マネジメント、人事異動といったことは早急に審議し決定していくことが必要だと思っている。」

教育長「進めていけることについては速やかに進めていきたい。」

委員長「3の部分について付け加えたいことはないか。特にないようなら採決を行う。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

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