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平成25年第5回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:246072

平成25年第5回教育委員会会議

第5回教育委員会会議録

 

1 日時  平成25年1月29日(火曜日)午後1時00分~午後2時40

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員長職務代理者

矢野 裕俊  委員

大森不二雄  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

林田 潔  教務部長

山田 昇  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

森本 充博  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

飯田 明子  企画担当課長

山野 敏和  企画担当課長代理

生駒荘太郎  総務課担当係長

森 健  総務課総括指導主事

深見賢一郎  学校保健担当課長

髙島 康吉  給食事業効率化担当課長代理

大島 一晃  教務部担当係長

北野 生馬  教務部担当係長

森 知史  高等学校教育担当課長

藤巻 幸嗣  総務課長

川本 祥生  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

ほか係員1名

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に矢野委員を指名

(3)議題

議案第15号 大阪市教育振興基本計画(案)について

議案第16号 学校給食費の改定について

報告第1号 平成25年度大阪市立桜宮高等学校前期入学者選抜で募集する普通科の教育課程について

 

(4)議事要旨

議案第15号「大阪市教育振興基本計画(案)について」を上程。

浅野総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

この計画案は、昨年1127日の教育委員会会議で議決された改訂素案を、パブリック・コメント手続や市会における議論、状況の変化等を踏まえて修正したものである。主な修正箇所は、桜宮高校生徒死亡事案への対応として「体罰・暴力行為を生まない学校づくりや、運動部活動の適切な指導方法の確立を図ります」の項を設けたこと、本件事案に関連して、校園長のマネジメントに委ねることが適切でない事案における、教育委員会のガバナンスによる課題の解決と、第三者による事案の調査・検証、対策の提言を受けて、市長・教育委員会が施策の改善や充実を図る仕組みづくりを新たに掲げたこと、そのほか、パブリック・コメントを踏まえて、「基本となる考え方」に学校教育・社会教育・家庭教育に関する施策の推進に努めるという記述を加えたことなどである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「20ページの体罰・暴力行為を生まない学校づくりの項目について、我々がしていかなければならないことを確認したい趣旨で発言する。これはあくまで来年度に実施される計画に盛り込む内容として、今回非常に重大で痛ましい事案を受けて記述を作成したということである。その中身については計画の中ではとりあえずこういう主要な項目が述べられているにとどまっているが、当然のことながら今回の事案を受け、早急に具体化をするということが必要である。部活動の指導のあり方もそうだし、生徒指導における懲戒を含む指導のあり方、何が体罰で何が体罰でない暴力行為で、何が指導上許されるのかということをきちんと詰めて示していくということは、これで終わりということではなく、その前に具体的に詰めたものを早期に出していく必要があるということを我々委員として自覚している。」

高尾委員「基本的には教育振興基本計画に盛られた骨子、そのめざすところをきちんと把握して実行していくことが我々の使命であると認識している。体罰については、非常にある意味簡潔な表現になっているが、しかし、これを今後どのように具体化していくかが我々の責務だと思う。この痛ましい事件を風化させないようとらえていきたい。その上で尋ねたいが、教育振興基本計画の策定に当たっては有識者の力を借り、いろんなことを検討していただいたが、最後のところで有識者からの指摘に基づいて修正した箇所はあるのか。」

飯田課長「最終的に有識者からご意見をいただいたのは、いじめ・問題行動に関する個所である。事務局では、桜宮高校の件を受け、体罰・暴力行為を生まない学校づくりの項を新たに設けたことから、問題行動の記載をそちらに移すことを検討していたが、有識者からは、いじめと問題行動への対応の項でも押さえておいた方がよいということで、いずれの項にも書くこととした。その他、桜宮高校の件を受けて設けた項は、より具体的なことを書ければよいが、調査結果を踏まえてのことなので、現時点ではこのような表現が妥当だろうというご意見をいただき、最終的に西村座長にご確認をいただいた。」

矢野委員「4ページのところに改革の推進ということで、計画の構成について書かれているが、そこで記述されているように、今後3年間で取り組む施策を定めることがこの大阪市教育振興基本計画の改訂版の案の基本的な考え方だと思っている。改訂の前提にあるのが、教育行政基本条例と学校活性化条例の制定であり、特に第1編で優先的に取り組むべき事柄をクローズアップする形で取り出して焦点化し、そして第2編でそれを含む全体の取組という書き分けをすることで、短い期間の中で何をするのかが明確になった構成になっていると思う。改革の方向性として、5つの改革を第1章で説明をし、ポイントがはっきり出るような書きぶりになっている。現行の教育振興基本計画は平成23年3月に策定し、それについては私も作成に責任を負うものとして関わったが、大阪市の児童生徒の学力状況に課題が大きいということが全国学力・学習状況調査によって明らかになったということを受けて、教育改革プログラムも当初10年で考えられていたのが、最後の4年間でより重点化させるということで重点行動計画を定めた経緯もある。また、生涯学習についても平成18年に大阪市生涯学習計画を作ってきた。そういう一連の取組との連続性、系統性を図るということで、23年3月の教育振興基本計画は作られているところがあり、どうしても総花的、網羅的にならざるをえなかったところはいたしかたないと思っていた。この度、一つのフォーカスをよりはっきりさせた形で改訂案ができたことは非常に意義が大きいと考えている。短期間でありながら2名の委員が加わった有識者会議の方が大変尽力をされたということと、短い時間で事務局の皆さんが精力的に取りまとめの作業をされたことについては敬意を表したい。内容については、ちょっと大胆すぎるのではというところも正直感じているが、実施していく中で必要な修正は行っていく。例えば小1からの英語教育の導入については目を引くところであるが、展開の中で必要な修正を行うということで、児童生徒の皆さんの学びを充実し、学力を高めていくということにつながるベースラインとすることができると考えている。」

大森委員「2点申し上げる。矢野委員から有識者会議の面々、長谷川委員と私に言及があったが、矢野委員、高尾委員を含めて、教育委員も、今般のパブリック・コメント等を受けた修正案について、本日の正式の会議の前に目を通して、一つ一つパブリック・コメントの意見を検討し、今般の重大な事案を受けての修正部分の記述が適切なものとなるよう議論した上で、本日の場に出てきているということを申し上げたい。それともう1点、この案でこの後採決により合意がなされれば、委員会としての案になるわけだが、この後市長が議会に提案し、議会の議決を経て初めて計画になる。仮にこの案のまま、市長、議会の議決を経て定まったという場合においても、ここに盛り込まれた大きな路線の中で、細部についてはむしろ改革を加速するなり、より強化、抜本的にやることが必要な部分もあるのではないかと思っている。つまり、今回の桜宮高校の事案について、学校自体の刷新と改革のための取組を最優先にやっているところであり、当然に市立学校全般を見渡しても運動部活動の指導のあり方や体罰その他の暴力行為を徹底して排除していくとか、そういうことを徹底して具体策を詰めていくことが我々の責務として求められている。同時に、今回の桜宮高校の事案を見ても、学校マネジメントがもっと効いていれば、もっと学校のガバナンスが市民に開かれたものであったとすればと思っている。部活動自体の閉鎖性や、学校運営の組織風土の閉鎖性から、マネジメントを確立するということと市民に開かれたガバナンスを徹底するということが、今回の事案と大きくかかわっているということは認識できてきていると思うので、ここに盛り込まれた基本的な方向性の中で、実施においてはより改革を強化、加速することが必要になる部分があると考える。そういった視点で、今後、この計画の実施に関して委員会で議論していきたい。この改革に書かれていないからやらないということは絶対にあり得ない。改革に書いてあることはやらなければならないが、同時にその路線で加速なり強化が必要なことは委員間で議論し、やっていくということである。」委員長「今回、この教育振興基本計画を作っていくにあたって、有識者の皆さま、教育委員会の皆さんで幅広い観点から議論することができた。23年度に作った現行の計画との関係をどうするかということがあった。具体的な知恵として第1編、第2編という分け方をした。第1編は分けることによってかなり大胆な改革が盛り込めた。具体的な内容を載せたのが第2編である。  皆さん方の知恵でこういうものができたと考えており、この内容によって大阪の教育改革がかなり進むと思っている。皆様方の努力のおかげでこの案が出来上がったが、この中で、教育関連条例に基づいた形で、橋下市長が予算のことをからめて作ってくれた。第1編の5つの改革が予算との連動ができているということは非常にすばらしいことだと思っている。そういう意味で市長と教育委員会が力を合わせて作った内容と具体的な形に落とし込むことができたと考えている。予算が組み込まれることによって、実行可能な状況が生まれたと考えている。今回の教育振興基本計画はある意味で画期的な状況が生まれたと感じており、市民の皆さんにもこの改革案が実行段階できちんとされるということを見守ってほしい。我々の実行を見届けてもらいたい。パブリック・コメントに協力いただいた市民のみなさん、有識者会議の皆さん、教育委員、事務局に心から感謝を申し上げたい。」

大森委員「パブリック・コメントの取扱いについて、事務局から説明があったし、有識者会議や我々教育委員もその取扱いについて、協議会の場でも議論及びチェックをし、本日の正式な議論の場に出てきているということだが、ホームページで個別の意見に対する見解について、修正に至った意見はもちろん、修正に至っていないご意見も含め、どれだけ丁寧に取り扱ってきたかということを事務局の方から説明してほしい。」

山野代理「意見総数としては708件いただいた。1件ずつ内容を拝見し、意見を分類しながら、計画のどの項目に当たるのかを一つ一つ分析し、改訂素案を修正すべきかどうか検討した。検討した結果をそれぞれの趣旨ごとにまとめた形になるが、どういった形で計画を修正したのか、修正しなかったが本市としてどのように考えているかをホームページ上で後日掲載したいと考えている。」

教育長「今回参考資料でつけているが、パブリック・コメントで意見をいただき、修正すべきものは修正した。この間の議論の積み重ねで第1編、第2編という構成も、市民の方にとってわかりやすい計画になったと思う。計画を進めるにあたって加速しなければならないものは加速し、足りないものは追加して具体的な計画を進めていきたい。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第16号「学校給食費の改定」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

大阪市学校給食運営会議の意見を聴取したうえ、市政改革プランに基づき、小学校及び特別支援学校の学校給食費を小学校1・2年生は209円を214円に、3・4年生は212円を217円に、5・6年生は215円を220円に、特別支援学校中学部は236円を241円に、それぞれ改定する。改定理由は、これまでは食材料費のみを保護者の負担とし、食材配送費・その他の経費については本市が負担してきたが、受益と負担の再検討をはじめとした施策事業の見直しに当たり、これまで市負担としてきた食材配送費について、25年度より保護者の負担とするものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「今般、財政状況が厳しいということを踏まえてこういった改定を行うということだが、改定後の金額は他の自治体、とりわけ政令市と比べてどうなのか。」

林田部長「今回の市政改革プランに関わり、こういった提起がされたが、学校給食運営会議資料31ページに改革プランの考え方がでており、月額で京都市4300円、神戸市3900円、名古屋市3800円、横浜市4000円となっており、34ページにも比較を載せている。本市の給食費は他都市と比べても低廉となっていると認識している。」

大森委員「改定後も他都市と比べて低いという状況であるということか。」

林田部長「そうである。今回の改定後も政令市の平均より低い状況である。」

矢野委員「保護者の立場からすると、相対的には給食費が低い料金に設定されているといっても、安いに越したことはない。5円でも月々85円の値上げになるわけであり、改定についての保護者に対する事前の説明としてはどういう形でどの程度これまで行われたのか。」

林田部長「市政改革プランの31ページに配送費を給食費に上乗せするということが出ており、この改革プランはパブリック・コメント手続きを経ている。また、学校給食運営会議を1月18日に開催したが、PTA代表に入ってもらっている。また校長会の代表にも入ってもらっており、ご議論をいただき了承いただいた。今後、各学校へ周知を図っていきたい。」

深見課長「補足だが、承認をいただいたら学校に周知し、学校を通じて保護者に対しても改定趣旨を記載したお知らせをお渡しする予定である。」

矢野委員「18日の学校給食運営会議にPTAの方や校長会の方が入り、理解をいただいたとのことだが、困るという意見ではなかったということか。」

林田部長「そうである。栄養バランス等については引き続き留意いただきたいというご意見はいただいたが、理解いただいた。」

高尾委員「経済的な問題その他で負担が重くなりすぎるということがあるのではないかと思うが、特段の事情がある家庭に配慮はなされているのか。」

林田部長「生活保護世帯は給食費が生活保護費から支給され、就学援助世帯も就学援助費から支給される。経済的にしんどい方はそういうところでフォローしていく。」

高尾委員「これは要望なのだが、食物アレルギー対応について、今後の運営に当たっては、配慮をお願いしたい。大阪市の事例ではないがアレルギーによる死亡事案がでており、新しい研究事例を参考にしながら配慮願いたい。」

大森委員「就学援助について、現在生活保護費については国の方で切り下げや見直しの動きがあることが報道されているが、この推移をみながら、大阪市として就学援助制度についてどういう対応が必要になるのかということをきちんと検討して、まず事務局として事実把握し、論点を整理してもらい、我々委員が判断を下せるものを用意してもらいたい。その際の観点として、厳しい財政事情ではあるが家庭の貧困というものが子どもの学習、学力、生活面での教育上の課題に結びついている、つまり関係があるので、教育機会、教育成果、子どもたちの学習にできるだけ悪い影響が及ばないようということが教育行政としての大きな観点だと思うので、影響があるのかどうか見守って検討していきたい。事務局でも情報収集等よろしくお願いしたい。」

林田部長「給食費との関連では生活保護費についても、生活保護対象の世帯の方は給食費そのものが全額保護費から支給される。生活保護費がさがったとしても給食費の額に対しては全額支給されるものと考えている。就学援助も同様に給食費は全額支給することになっている。就学援助世帯と学力との関係については教育委員会全体で考えたい。」

教育長「国の議論を見ながら考えたい。」

大森委員「全体として国の動きを踏まえて対応しなければならないと思って申し上げた。」

委員長「今回の見直しの内容の中に公会計方式の導入があるが、これに関するコスト増の問題はどの程度か。」

林田部長「公会計化については、コスト増というよりも、給食費は現在公金ではないが、それを市の会計に計上していくという方向であり、それにより大幅に経費が増えるというよりも、食材費の年間約50億円を市の歳入歳出に計上するということになってくる。ただ、それに伴いシステム改修等の経費の増が考えられるが、公会計化になってすぐに、大きく経費が増えることはないと考えている。課題も様々あるので、今後検討し、委員の皆さまにお示ししたい。」

深見課長「システムの改修が次年度発生するので、現在予算要求しているのは約6,600万円のシステム改修経費である。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

報告第1号「平成25年度大阪市立桜宮高等学校前期入学者選抜で募集する普通科の教育課程について」を上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

基本方針として、「スポーツに特色のあるものとし、豊かな教養と幅広い人間性(他者を慈しむ心)の基盤の上に、真にスポーツマインドをもった人材を育成することをめざします。」を掲げ、これまでの競技種目別の実技科目「専攻実技」を廃止し、改革の方針に沿って新たに「ヒューマンマインド」「スポーツマインド」「ソーシャルマインド」「コーチングマインド」の4科目を設置し、真のスポーツマインドを持った人材を育成するためのコア科目として位置付ける。専門教科(体育)に関する科目は3年間で約20単位となり、従来の体育科やスポーツ健康科学科に比べて、専門教科は7~9単位減少するが、減少分は新設のコア科目の設置にあてることとする。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「カリキュラムを考えるにあたって、新入生として前期選抜普通科の教育課程に入学されるあるいは入学を志願される受検生、保護者の方々に対して、我々教育委員会が今般の重大な事案を受けて何を伝えたいか、その伝えるべきメッセージがこのカリキュラムに反映されているかということが極めて重要だと思っている。そういう意味では、まだ事案にかかる解明とその結果に基づく対処が行われていない段階ではあり、現時点での問題把握に基づいたカリキュラムの策定ということになると思うが、特に具体的に専攻実技は、私としては問題があったのだろうと、事実上運動部活動の顧問教諭の下で、ある意味カリキュラムの中と外という形式上の違いはあるが、専攻実技は部活と一体化している側面があり、マイナス面があったということがある。まるで運動部活動がカリキュラム面も含むかのように、両者が個々の競技種目ごとの技能向上を目的として一体化し、そこにあってはならない暴力があったということが明確になっている。閉鎖的な空間がカリキュラムの中にも持ち込まれ、学校全体の風土に大きな問題を抱えており、管理職のマネジメントが効いていない状況があっということから、専攻実技を前期選抜普通科で設けないことは当然の決定だと思っている。専攻実技を入れていないことについての事務局の判断はどういうものだったのか説明願いたい。また、減少分は新設のコア科目にあてるということだが、通常の数学だとか英語だとかの通常の普通科科目を増やすのではなく、4つの科目、ヒューマン、ソーシャル、スポーツ、コーチングマインドとなっているが、看板の掛け替えでなく、今までの体育科やスポーツ健康科学科のカリキュラムになかったものであり、かつ今般の事案を受けて今まで欠けていた科目であるということで新設されたものであること、ひたすら顧問教諭の下で実技指導を受ける中であってはならない暴力的な指導が行われたが、今後はそういったことが行われないようにすることと結びついた科目の新設であるという趣旨をきちんと伝えていくということが必要である。専攻実技についての事務局の見解を聞きたい。」

大継部長「専攻実技について、新たな教育課程には盛り込んでいない。専攻実技については部活動と教科の学習が密接に結びついたものであり、新しい教育方針に基づいて桜宮高校を作っていくにあたっては、きっちりとした理念に基づいた内容が必要であろうと考え、専攻実技を廃止し、コア科目である4つのマインドを中心に、真にスポーツマインドを持った人材を育成しようと考えた。」

矢野委員「前期入学者選抜は普通科として実施するということを21日の教育委員会会議で決定したが、それを受けて、普通科のカリキュラムをどういう特色をもったものとして示すのかということが喫緊の課題となっている中で、今日の議案の報告がなされている。この新設の科目を設けるということについては、私も重要なひとつのポイントだと思っている。名称は仮称ということなので、具体化される中でより良い名称にするという含みもあるということで名称にはこだわらないが、4つの科目をコア科目というくくりでまとめ、普通科であるが、同時にスポーツに特色を持たせた教育課程の特徴を出していくということで、全体の趣旨、人間性、スポーツのあるべき姿、社会性、スポーツ指導論を学ぶことは賛成である。ただ、コア科目ということでくくるには、何がコアなのか説明する必要があると思う。スポーツに特色を持たせた普通科教育課程のコアなのだということになろうと思うが、コア科目という言葉についての説明がない。受検生や保護者、学校教職員の皆さんに理解してもらうためにも説明が必要ではないか。3ページの上段に短いコア科目の性格付けを示す一文を入れればいいのではないかと考える。それからスポーツに特色のある普通科の提案だが、4つのコア科目の意義は学校の一部にとどまらせることなく、桜宮高校全体として、運動部活動が大変盛んで、従来の普通科の生徒も部活動に参加して活躍しているということもあるので、後期選抜の普通科の教育過程にも入れられないかということもぜひ検討してほしい。学校全体としてこういうコア科目を教育課程に位置付けることができれば、これからの桜宮高校の教育の一つの特色となるのではないか。」

大継部長「コア科目については、ご指摘のように3ページの上段に説明文を入れたい。また、後期選抜の普通科について、ここに示したのは桜宮高校全体の精神にかかわるものと理解しているので、今後後期の入学者についてもこういった精神が反映できないか検討する。」

大森委員「コア科目の目的、趣旨について検討するにあたって、5ページにメッセージ文があるが、そこの3段落目に『この普通科では・・・育成するため』とある。さらに一番下の段落に『改革の方針に沿って、・・・育成するためのコア科目』という表現がある。同様の表現が2ページの概要のところにある。この表現、つまり4科目の趣旨・目的を参考に工夫すればいいと思うが、その際、単に『真のスポーツマインド』だけではわからないので、5ページの下から二つ目の段落にある、人間性や教養という言葉をぜひ入れてほしい。その工夫した表現を3ページに入れるだけでなく、2ページや5ページもそれを踏まえた修正をしてもらいたい。」

大継部長「『真のスポーツマインド』という言葉は、豊かな教養と幅広い人間性を重視し、その基盤の上にあるスポーツマインドということを意味するので、2ページ、3ページ、5ページにおいてもそれを踏まえた修正をしたい。」

高尾委員「今回の教育課程について、基本的に改革への前進の大きな一つであると思っている。価値観の転換ということの一つの表れであろうと思う。二度と体罰を起こさないというメッセージが基本としてあり、本当の意味での真のアスリート、新の指導者を育てようという思想がある。責任ある社会人を育てるということがコンセプトの基盤にあるのだと思う。あとは具体的にこれをどう移していくか。教育課程が決まっても、個々の授業、先生のシラバスの編成に確実に反映させて実行しなければならないが、その点についてどう考えているか。」

大継部長「どのように実行していくか、この内容の確認をしながら、それにあった対応を教員を含めて確立する作業を早急にしてまいりたい。」

高尾委員「教育課程について学校に説明したか。あるいは学校と相談して作ったのか。」

大継部長「原案については事務局で作成しながら、学校とも協議しながら作成したものである。」

高尾委員「時間的な制約の中で作成したという事情がある。スポーツ理論については専門家の方が多くおり、いろんな意見、優れた意見がある。どんどんそれを取り入れて具体化してほしい。あとスピーディーに生徒や保護者に周知をしてもらいたい。」

大森委員「受検生と保護者に周知をする際の力点を置くべきメッセージについて、2点あると思う。一つには、我々は体育スポーツの教育的意義を重視したカリキュラムに対して決してネガティブになっているわけではないということである。普通科の中にあって、体育に特色を持ったカリキュラムにしようとしているし、入試においても準備してきた受検生への配慮ということでそういうことをしている。2点目として、ただし、これから桜宮高校で教育委員会として進めていこうとしている体育なりスポーツ指導は、これまでの悪い部分を改めて、まちがっても暴力的な指導なり、暴力行為そのもの、体罰が行われないのは当然として、科学的、倫理、人間性の面でも今の社会が求めているものに変えていくんだということ、一人一人の子どもの人権、安全が確実に守られるという学校の姿に変えていく。したがって、体育とスポーツをこの学校では大切にし、しかし同時に、今までの実技、技能向上に偏重していたあり方、それが事実上部活動と一体化して顧問教諭のワールドができていたという構造を、カリキュラム、入試から変えていくということである。体育とスポーツを否定しているわけではない。今まで欠けてきた部分をコアとしてやる、それを組み合わせてするのである。看板の掛け替えではない。体罰・暴力行為をなくすという大前提として、その学校の特色を否定しているわけではない。その上で問題のあった部分を刷新し、改革し、欠けていた人間性を重視した真のスポーツマインドを持った人材を育成するということで中身を変えていくということを受検生や保護者に伝えるべきである。体育、スポーツが問題だから薄めたというわけではない。この学校に希望を持って受検しようとする方々にそういうメッセージが届くようにしてもらいたい。同時にこれまでとは違うやり方で刷新していくということをセットでやっていくということもきちんと受検生や保護者に伝えることがこれからの課題である。今般の報告は受検生とその保護者へのメッセージとカリキュラム内容の情報提示であるが、ここに示された考え方は改めて在校生及びその保護者にきちんとメッセージを伝えていくということと、その際、カリキュラムを今般のような非常事態であるので、通常は入学後のカリキュラム変更はないのかもしれないが、必要な変更はあると考えているので、今回新入生向けに示された考え方に基づいてどのような変更が必要なのかを次に検討していきたい。これは即、取り組まなければならない課題としてある。」

大継部長「後ろに保護者、中学生あてのメッセージをつけているが、単にこれを渡すのではなく、校長会と十分連携をとりながら、我々はスポーツにネガティブになっているのではなく、暴力を一掃した、安心・安全を確保した学校にし、スポーツを愛する学校にしていくというメッセージが正しく伝わるように取り組みたい。それとあわせて、この新しい普通科は成果を検証した上で将来的に専門学科に改編するということも視野にいれており、学科のあり方については、改革の進捗状況とあわせて改めて検討する、このような予定も併せて示したい。在校生、保護者に向けた説明であるが、機会をとらえてきちんと説明する必要があると考えている。この精神を踏まえて、在校生の次年度のカリキュラムのあり方について、適切な見直しを図る必要があると考えている。」

矢野委員「言葉の修正の提案だが、3ページのコア科目『ヒューマンマインド』の (人間性・倫理性を学ぶ)と書かれているがその後に続く3行には道徳性という言葉がある。また、道徳性という言葉は『スポーツマインド』(社会性・道徳性を学ぶ)  の中にも出てくる。ヒューマンマインドのところを「個人としての人間性、倫理性を学ぶ」としたほうがよいのではないか。」

大森委員「コア科目の『ヒューマンマインド』について、『教養』という言葉を入れた方がいいのではないか。望ましい集団作り、という表現ではどういう集団が望ましいのかわからない。今回の事案で明らかになった桜宮高校のネガティブな面、顧問教諭の暴力に声が上がらないという面、あるいはこれは桜宮に限った話ではないが、教諭と生徒の関係だけではなく上級生と下級生の関係でも、いわば過剰なまでの上下関係が望ましい集団関係だと思っている節もあるので、そういうものではないということで、打ち消すために、知性に裏打ちされたものとして豊かな教養というのを、言葉だけでなく『ヒューマンマインド』という科目に入れてほしい。これがないと批判的思考力が身につかない。先生の言っていることが正しいのか自分で考えることは必要であるので、ぜひそういったところを教養という言葉を入れて明確化してもらいたい。本日は報告案件であり、今後文章の修正はできると思うので、そういう作業をしてきたい。」

委員長「前期普通科の教育課程のキーワードとして幅広い人間性(他者を慈しむ心)をキーワードとして表現されている。他者を慈しむ心ということでいうと、今回の4つのマインドの科目はふさわしいと考えている。今後実行段階にうつるときに、着地点として豊かな教養と幅広い人間性、他者を慈しむ心をもった人材が育成されるよう我々も取り組みたい。今回の入学者選抜において、今回応募される受験生にとっても内容がはっきりわかったと思う。そのうえで今後もう少し中身を突っ込んだ質問も出てくると思う。その時に今の在校生、次の2年生3年生がどういうカリキュラムになるかということも今後の内容として出てくると思うので、できるだけ早めに示してほしい。」

委員全員異議なく、承認。

 

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

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