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平成25年第19回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:246088

平成25年第19回教育委員会会議

19回教育委員会会議録

 

1 日時  平成25年5月28日(火曜日)午前9時30分~午後0時

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員長職務代理者

大森不二雄  委員

西村 和雄  委員

林  園美  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

森本 充博  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

三木 信夫  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

山野 敏和  人事・効率化担当課長

長谷川耕三  総務課担当係長

高井 俊一  教職員人事担当課長

武井 宏蔵  教職員人事担当課長代理

芝谷 浩誠  教務部担当係長

中村 浩之  教務部担当係長

浦沢 貴行  教務部担当係長

濱﨑 正行  生涯学習担当課長

松村 智志  生涯学習担当課長代理

生駒 紀子  生涯学習部担当係長

藤巻 幸嗣  総務課長

玉置 信行  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

 

岡田 龍樹  社会教育委員会議議長

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に高尾委員を指名

(3)議題

議案第121号 職員の人事について

議案第122号 職員の人事について

報告第7号 新しい大都市制度における生涯学習のあり方について

なお、議案第121号及び議案第122号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

報告第7号「新しい大都市制度における生涯学習のあり方について」を上程。

森本生涯学習部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成24年9月25日付けで社会教育委員会議に対し、「新しい大都市制度における生涯学習のあり方について」の諮問を行った。本日社会教育委員会議の議長である天理大学人間学部の岡田教授から意見具申をいただく。

岡田社会教育委員会会議議長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成2410月から25年4月にかけて、3回の全体回と4回の小委員会を開催し、意見具申を取りまとめた。意見具申の内容について、新しい大都市制度の導入に向けて、この意見具申が、基礎自治体における生涯学習施策の指針としてもらえるよう期待すると明記している。また、「生涯学習」は、行政によって責任を持って推進されるべきこと、個人の趣味や自己実現にとどまるものではなく、市政改革やまちづくりにとっても不可欠であり、重要な役割を果たすことなどを述べている。基礎自治体においては、市民の学習や活動の場となる施設が必要であり、これまで大阪市が培ってきた「生涯学習ルーム事業」や「はぐくみネット事業」の蓄積を活かすことが有効であることを述べ、区役所の役割の重要性、地域の取組の支援の重要性などについて述べている。生涯学習センターにかかわっては、区をまたがる広域を担う生涯学習センターの必要性と役割について記述し、5館から2館となっても、各区役所の生涯学習の推進に役立つ施設となるべきであり、地域の生涯学習支援の機能を充実する必要があると記述している。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「大都市制度と言うと、我々がイメージするのは大阪都という新しい広域の部分と新しい区の連携の部分、広域行政と基礎自治体のふたつをイメージするが、提言をいただいたのは基礎行政が極めて重要であるとの認識であると思う。広域の役割とはどういうものかということを念頭に置いた上で基礎自治体を理解すればよいか。」

岡田議長「広域行政のことを書いているのは第4章になる。基礎自治体の施策を補完する生涯学習センターが必要だということ。ニアイズベターということで今の教育委員会機能が基礎自治体である特別区に移管されて、そこで基本的な住民に近い学習・支援事業が行われるが、なかなかそれだけでは動かない。小さな基礎自治体にフルセットでなければならない施設を置く必要はない。例えば博物館や図書館は広域に点在して共用していく施設である。  5館ある生涯学習センターは2館に集約される。この2館が基礎自治体の生涯学習において行政を支援するという位置づけで考えている。」

高尾委員「生涯学習センターは広域行政に位置づけられると理解すればよいか。基礎自治体のネットワークを支えると。」

岡田議長「例えば外国から来られて方でまだ日本語を十分に理解していない方に対する日本語学習など、広域で行った方が効率が良いものはセンターが中心となって行い、そこで各区で活躍する人材の育成をしたり、全体を見渡した施策を行い基礎自治体を支え支援していくというイメージである。」

高尾委員「生涯学習センターは2館残ることになっているが、違う役割を担うべきかそれとも同じ機能を担うべきか。」

岡田議長「役割の違いまでは今回議論しなかったが、今5館あり、総合生涯学習センターが取りまとめの役割があった。2館になった場合のそれぞれ具体的なところまでは検討していない。」

森本部長「総合生涯学習センターはインストラクターバンクといういわゆる人材バンク的なものやフィルムライブラリーなどをもっている。総合的に生涯学習を支援する機能があり、こういったものは一つでスケールメリットを出した方がよいと考えている。阿倍野市民学習センターでは特に現代的課題に対する講習・講座、識字日本語教室などを担っており、ある程度住み分けができていると考えている。廃止するほかの3館についてもそれぞれ特徴があり、それを総合生涯学習センターや阿倍野市民学習センターに集約し、機能は変わらない形で2館を運営していきたいと考えている。」

高尾委員「区が主体となって積極的に進めてもらうことが重要である。そうすれば学習センターの規模も変わってくると思う。区の活動に関してここがポイントであるというのはどういうところか。例えば社会的要請に対応した学習機会の提供であるとか、人材育成であるとかなどがあげられているが、こういうことを念頭において活動してほしいということか。」

岡田議長「区で生涯学習を行う、さらに広域的には生涯学習センターがカバーすることになっている。 中心は区で生涯学習を推進していくことだが、一番の狙いは、生涯学習によって地域で人材が育ち、単に自己実現・自己完結的な学習にとどまることなく、学んだことを地域に還元することを学んでほしい、それが地域活動協議会につながっていくだろうと考えている。   そういう意味で人々の生涯学習をきちんと支える行政活動をしていただいて、学習しながらその学習を還元し、地域に学習を広げる人材を育ててもらいたいということが一番の中心である。それにより、地域の人の力を借りて行政が協働で進んでいくと考えている。」

高尾委員「私も同感である。人材が今一つ不足しているように感じる。学習センターでキーとなる人材を育てていただき、区役所で広範に人材を育てていただくことが大事であると思う。3つ掲げられた中で、学習機会の創出、人材の育成、高度な学習支援、この中で人材の育成は重要であるし、高度な学習支援については、例えば大阪大学や立命館大学がコラボしておもしろい取組をしているので、そこらへんは次の課題としてお願いしたいと思う。」

岡田議長「人材育成機能だけ切り取って、人をそこで集めて講習会をするというだけでは人材は育たず、大阪の一つの誇りははぐくみネットであり、地域の活動を通じてそれに関わる方が行政とともに動く中で育ってきているということがある。人材育成はセンターに任せてということではなく、それぞれの区で人づくりを目指した活動支援をしていただきたい。そこで育った方をもう少し大きな視点ではぐくんでいく、それをセンターに持たせたいというイメージである。」

高尾委員「公的なパワーと民間のパワーを合わせてマックスの力が出ることが必要と思う。先ほど出てきた地域活動協議会について、従来の地域振興会とは別の、今組織が進んでいるものという理解で良いか。」

岡田議長「27ページに地域活動協議会についてまとめている。小学校区を基本単位とし、そこにいろんな団体の代表が集まって、小学校区で活動することを住民主導で解決したり、解決のための取組の方向を決定するという組織である。これまでの教育に限らず福祉や防災などいろんな活動を地域でできることを地域の人が集まって協議し、力を発揮するという組織であると理解いしている。活動する人は地域の実情をよく理解している人であると思う。そういう意味でこれまで生涯学習ルームやはぐくみネットなどに関わってこられた方の力を借りるというのも地域活動協議会をうまく動かす上で重要である。生涯学習を広くとらえると教育・学習に限定されることなく自分たちの町を自分たちの力で住みやすくしていくという市民の力をエンパワーメントしていくことに対して生涯学習は貢献できる分野だと考えている。」

大森委員「広域行政というのは現在の大阪市の範囲を想定したものなのか、それとも府域になるのか。2つの生涯学習センターは府全体の施設になるのか。その場合に広域の機能は府全体に対する役割なのか、現在の大阪市域に対する役割なのか。」

教育長「府市統合本部で押さえられているが、生涯学習はあくまで基礎自治体の仕事であるとされている。府はそういう生涯学習的機能を持っていないので府下市町村で各自でやっている。旧の大阪市の各ブロックごとで活動するが、少なくとも今の大阪市のエリアでは全市をまたがる総合的なネットワークを作っているので、それを活用する方が大阪市ではうまくいくだろうということでご提案をいただいている。今後各区ごとに教育委員会ができてそれぞれのなかで生涯学習の議論を行っていく。各区が水平連携してネットワークを維持するかどうかはそれぞれのブロックの考え方による。それに先立った、大阪市教育委員会として何らかの方向性を打ち出すかどうかという議論も残っているが、 高尾委員の広域という表現も既存の大阪市域の概念である。」

大森委員「府下全域ではなく現在の大阪市域で広域という言葉を使っているということはわかった。では設置者は誰になるのかというと、現時点でははっきりしていない。ブロックが設置するのか、それとも府に移管するのか、そこら辺ははっきりしていないということか。」

教育長「府への移管は現時点で考えにくいので、ブロックの集合体でどうするのか今後議論していく必要がある。」

大森委員「生涯学習センターの話にとどまらず、教育委員会がどうなるのかという話と関連すると思うのだが、大阪市域を管轄する教育委員会が必要であるという意味合いか。」

教育長「そういうことではない。現在市内のエリアで様々なネットワークが形成されているので、それぞれのブロックが水平連携の方向に行くのか、ブロックで独自にやるのかは今後の議論である。」

大森委員「それは生涯学習の分野か、それとも学校教育も含めたものか。」

教育長「生涯学習の分野でこれまで受けてきた生涯学習センターが行ってきた人材育成であったりさまざまな生涯学習の資料提供なども行っている機能、  今後そういうサービスをそれぞれのブロックでも受けられるようにするとなると、それぞれのブロックが支えあっていかないといけない。そういう議論である。」

大森委員「学校教育については、新しい大都市制度の検討の方向性では、大阪市教育委員会は存続しないという理解で良いか。」

教育長「新しい区ができて小学校中学校は新しい区の教育委員会が持つことになり、高校と特別支援学校は大阪府がもつことになる。区と府の両方がそれぞれ教育行政を担うことになる。」

大森委員「生涯学習については、少し違うという事か。」

教育長「各ブロックの教育委員会がその必要を認めれば、ということだ。経費が伴うので、それを議論する材料として今回の提言を出させていただいている。」

大森委員「生涯学習の指導者の育成については理解したが、他方で様々な事情で十分に学校教育で学ぶことができなかった方々に対するエンパワーメント、エンゲージメントについては、この意見具申ではどのようになっているのか。指導層へのお話はわかったが、現時点での政策の方向性はどうなっているのか教えてほしい。」

岡田議長「2章が『生涯学習は新しい大阪のまちづくりに必要である』としており、生涯学習は基本的人権であり行政の責務であるとしている。ともすれば生涯学習は個人の趣味で行っているものだから受益者負担であって行政はそこまで関わる必要はないという意見があるが、委員がおっしゃるように個人では学習できない方へのアクセスが必要になる。そういう意味では学習機会を提供し、ともに学習していくよう呼び掛けるということが行政の使命であり、アプローチしていかねばならない。しかし、何も生涯学習がなかなかできないという方だけではなく、単に個人のための学習ではない、将来に広がる学習につながるものを行政が支援していく、その方々が今度は市民のため、区域のために、大阪市のために活躍していただける人材になるのだから、そういう意味でも生涯学習があまねく人々に届くよう行政が支援しなければならない。その後でそこで学んだ方が市の活性化のために動いていただく人材になっていく。それがソ-シャルキャピタルという考え方につながる。」

大森委員「自分の趣味でカルチャーセンターでやってくださいということではなく、様々な事情で学校で十分学べなかった方は公的な教育サービスが重要だと思っている。逆に言えば民間がカルチャーセンター的にやる部分は行政が頑張る必要はなく、単に個人のためというのではなく、地域のため大阪のためという社会的、市民的インパクトをもったものとして、これはなかなか民間の教育サービスではこういった観点は弱いのでわかった。他方で従来から言われている学びの機会という面で十分学べなかった方々に対するサービスはある意味当然視されていて、この意見具申は新しい大都市制度に焦点化されているので、あえてそのことは強調していないという理解でよいか。」

岡田議長「必ずしもそういうわけではない。その点は強調したい点である。6ページに「さまざまな社会問題が起こっていて危機的な状況である、地域とのつながりが希薄な人や生涯学習に対する関心が薄い方が現実にはおり、そういう方々に働きかけなければならない、そのためには人々をつないでいくことにより、そういう方々へアプローチしていかなければならない。これは重要な視点であり、学校、地域、家庭をつなぎコミュニティを再生するところから地域づくりを行いより高度な学びへつなげていく。人のための活動に参加することに力をかしてもらいたい。」

林委員「私は小学校のPTAをきっかけにはぐくみネットに4年程関わった。図書館活性化事業もボランティアとして関わっている。図書館をきれいに整備して子どもたちに図書館に来て頂くために読み聞かせ会を企画したところ、区で活動している人が地域にいるということで読み聞かせしていただけることになったが、私たちも勉強していこうとなった。講習会等もしていただき、そこに参加していたが、3、4年したときに地域の読み聞かせ会ができた。そこにはプロの読み聞かせの方が来て教えていただき、地域の人が集まって活動を始めてもらった。昨年からそことコラボレーションして活動が広がっている。地域に還元する生涯学習の教室ができたと喜んでいる。年に3回の読み聞かせを開催しているが、自分が関わってきて、こういうことをしたいと思っても、相談していく場所がなく、人材が不足している。やりたい気持ちはあるが手助けをしてくれる場所がはっきりしていなかった。このようなことが実現されるといい方向に進んでいくと思う。地域で喫緊の課題である防災に関しての学習会やはぐぐみネットでは数年前から音楽会を開いている。子どもたちよりもお年寄りの方の反応が高く、喜んでもらっている。そういう形で動き始めているので、もっと活動を活発にしていくために、人材育成と地域にやってみたいと思っている方がいると思うが手を挙げづらいことがあると思うので、気軽に手を上げられる、登録できる形を身近な区で作ってもらいたい。生涯学習センターについて、5館あったものが2館になるということで、機能や目的がはっきりすることになるのだと思うが、そこで従来行われてきた活動が区に移って続けていけるということを保証することが大事であり、各区でスペースを確保することが大事である。生涯学習ルームは小学校の教室を使ってやっているが、地域の会館はあまり活用されていない現状がある。地域活動協議会ができていろんなものがすっきりした形になるといいのではないかと思った。」

岡田議長「ニアイズベターで場所は非常に重要であり、みんなが集まれる場があってほしいと思っている。基礎自治体でもぜひそういうことを考えてほしい。」

委員長「私も市民活動やまちづくりに関わってきた。方向性についてはいいと感じている。ただ実務レベルで言うと、市民社会を作っていくという観点で言われるが、実態ではものすごく時間がかかる。全体を見せていただいて、特に8ページの2番の「生涯学習は市政改革では新しいまちづくりには不可欠」とあるがそのとおりだ、しかし現実ではなかなか進まないというのが現状だと思う。こういう方向性の中で仕掛けていくことは大事だと思う。私がイメージするのは広域と区役所の役割と小学校区の役割の有機的な連携が重要だと思う。十分機能しなければならないのは区役所の役割がかなり大きいと考えている。場所の問題では、サロンという言葉があるが、来やすい場所、みんなと関わることによって社会活動・市民活動化していくしくみのなかで自然と巻き込まれていく形式が出来るとまちづくりへの関わりにおのずとなっていくと思う。そういう意味では区役所を中心に、いろんな興味のある内容が出てきて、そこにサロンとして参加して動機付けされて市民活動の中に入っていく。そのときには継続性が必要だと思うので組織がしっかりしている必要がある。サロンに参加した人をどの程度引き込めるのか。」

森本部長「地域活動協議会は立ち上がっていっているところである。市内全部ではまだできていないと思う。そういう中で生涯学習でご活躍している方に入っていただきたい。生涯学習推進員の方については事前に研修を受けていただいており、考え方をご理解いただいたうえで推進員になっていただいている。地域でそういった研修を受けた方は少ないと思っている。そういう方々が地域協議会の中に入っていただいて活動してほしいと考えている。どの方が入っているかの把握はできていない。」

委員長「大阪でNPO組織は5,000を超えている。NPOを作る方は思いが強いので、そういう方々に声をかけてもらい、もうすこし軽い形で彼らが動ける状況を作れば、サロンに来た方々を自然に巻き込める状況ができると思う。はぐくみと区役所の連携がうまくいくことを願っている。私は区役所と小学校区の連携がうまく使われていくことが実務レベルでも生きてくるように感じている。私も地域活動協議会のことはよくわからないが、そこと小学校区との連携をうまく活用していただけたらと思う。」

岡田議長「市政改革の中にも中間支援組織という考えがあり、そういう団体を支援する組織が必要であるとされている。区役所の行政職員の仕事でもあり、市の社会教育主事の仕事でもある。これらの職員がNPOという組織が支援する役割を担うということもあるかと思っている。地域活動協議会自体も目的をもって自立していくということを長期の観点から必要だと思う。地域活動協議会がコミュニティビジネスとして自立して育っていくことが必要であり、そのために中間支援組織が支援する必要がある。」

大森委員「地域活動協議会は大阪市の政策として小学校区単位で作ってもらっていこうとしているものなのか。また、生涯学習、社会教育など教育委員会に関わること限定ではなく、様々な市政全般に関わることや地域の課題、活動なりに取り組んでもらう組織であるのか。」

森本部長「行政からお願いする形で作っていっている。27ページの資料にイメージ図があるが、ここで言う地域団体は町会や社会福祉協議会、PTA、生涯学習推進員などであるが、地域の実情に応じて広く網羅してほしいというお願いである。その下に部会があるが、地域の実情に応じて防災や福祉、生涯学習などに関して作ってもらいたいとお願いしている。その下に地域協議会の設立の要件として書いているが、規約において制約をもってやってもらいたいということで、すべての住民を対象に活動することや、活動区域の誰もが参加できるようにするとか、役員の選出についても民主性が確保されるようにしてほしいであるとか、要件をつけて、認められできあがった団体に対しては大阪市から一定の補助を行うという団体である。」

大森委員「教育委員会主体の団体と考えていいのか。」

森本部長「福祉や防災など幅広く扱い、教育行政だけではない。行政主導でつくっている。」

大森委員「担当部局はどこになるのか。」

森本部長「地域活動協議会そのものは市政改革室が担当しており、実際は各区役所がやっている。」

大森委員「大阪市では自治会組織があると思うが、そことの関係はどうなるのか。」

森本部長「連合町会も構成団体の一つである。連合町会は地域活動協議会の中に入っている。」

大森委員「実際にどれだけできているのか。」

上林部長「ほぼできていると思う。」

採決の結果、委員全員異議なく、承認。

 

議案第121号「職員の人事について」を上程。

浅野総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

事務局の課長級職員2名について、休職により係員に降任するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「給与はどうなるのか。」

山野課長「休職に入って1年間は本市からは無給であるが、共済組合から傷病手当として約8割支給される。2年目以降は本市から8割の給与が支給される。」

大森委員「それは全国的に同じか。」

浅野部長「違う。他都市では最初の1年間を給料で支給し、2年目以降を共済組合からの手当で支給している。本市でも以前は他都市と同じであったが、橋下市長が休職者が多いことを指摘し、現在の形に改めた。」

大森委員「本給はどうなるのか。」

山野課長「現給を落とさないよう金額が同じところに降格する。管理職手当は支給されない。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第122号「職員の人事について」を上程。

浅野総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

桜宮高等学校事案に係る対応に関して、不十分な指導に対する責任、体罰事案の報告の流れを改善しなかった責任及び体罰防止の有効な対策を出せなかった責任を問い、教育長及び教育次長2名を懲戒処分として戒告し、部長級職員4名及び校長1名を文書訓告、校長1名を口頭注意とするものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「組織上の問題を個人に帰すのは難しいとのことであったが、逆に言うと責任体制がはっきりしない組織であったという事であり、重く受け止めるべきである。今後教育委員会事務局の中でどのセクション、どの管理職がどういう領域について学校長に対する監督の責を担うのか、現行の法制度下で可能な限り明確化する必要があると考えている。また、より上位の補職にある者を処分することが妥当であるという理由で、本議案が提出されているが、もしこれで議決された場合に、これが他の事例を参照した場合に非常に重いものであるということ、我々として桜宮高校事案が一人の生徒が亡くなったという非常に重いものであり、顧問教諭はもとより校長・教頭に対して非常に重い処分を行っており、他都市と比べてかなり厳しい処分を行っているということをきちんと伝えていくことが必要だと考える。処分が決定された後には記者会見することになっているが、そこでもきちんと伝えるべきである。そうしてもなお市民、マスメディアの感覚からは甘いという見方があり得ると思うが、そこはきちんと伝わるようにしなければならない。我々教育委員が主導して厳しい処分を行うことを決めたので、その趣旨がきちんと伝わってほしいと思っている。」

委員長「マネジメント、ガバナンスの問題からこのような形に決定していった。私としてはマネジメント、ガバナンスを問うときに責任があいまいになっていることは問題だと考えている。これは教育委員会制度によるものであり、大きな課題であると考えている。両次長を含めてまでする必要があるのかというのが私自身の思いである。責任が明確になっている場合は、思い切った処分ができるが、責任があいまいな状況では判断は非常に難しい。処分は処分でするべきだと思っているが、再発防止策が非常に重要だと考えている。私は自分自身の責任も含めて、私が大事にしたいと思っているのは二度と起こらないよう教育委員会としてどのようにコミットするかである。今後教育委員として柳本顧問の支援を大事にしながら再発防止の協力を最大限していきたい。そのために現場をしっかり見なければならないと思うので、校長とも相談しながら桜宮高校へ訪問させてもらいたいと思っている。」

林委員「処分に関しては、両委員がおっしゃったとおりであり、責任の所在が明確でなかったことが一番の問題である。責任がはっきりしない中での処分ということで、どのような量定がいいか悩んだ。今回の事案は単発の問題ではなく、大阪市の公教育の中で培われてきた部分が大きな形として露呈したと認識している。大きな問題にはなっていない他の事件は多々起こっていたと思っており、氷山の一角と認識した場合、ここできちんとしたものを出すのは非常に大きな意味があると考えた。体罰はだめだということで来ていたと思うが、そこに対しての認識の曖昧さがあったことが一つ、もう一つ、何か問題が起こったときに、子どものことを一番に考えてもらえているのかという疑問があった。大人の都合が優先されているのではなかったかという部分でも、そこを軌道修正していくという意味でも、この事件を契機にいろんなことを変えていかなければならないと思う。今後の対策、責任の所在を明らかにしていくシステムづくりをしっかりしなければならない。現場で対応している教員にも認識を新たにして対応してもらいたい。そういう意味でもこの量定でよいと思う。」

高尾委員「3つの責任が挙げられているが、教育委員並びに事務局として最も重いのは体罰防止の有効策が出せなかった責任だと思う。不作為の怠慢があったのだと思う。権限と責任においてあいまいな部分があったのはその通りだと思うが、事務局のみなさんのおかげで、職務命令の取扱いについて勉強させてもらった。私たちの持っている権限は、この曖昧な制度の中でもある程度明確である。権限を行使する裁量権が収縮していたのではないかという観点からすると、残りの2つからも責任があるのかなと思っている。総合的に見ればこの処分内容で異議はない。この曖昧な教育委員会制度の中にあっても、この件に関しての責任は明確であったと考える。」

大森委員「特に公益通報の処理に関わっては、指導助言行政の問題の本質が表れたと思っている。つまり、指導主事から校長に対して生徒に対する聞き取り調査を伝えたのは、結果として拒まれたことからすると、命令ないし指示ではなかったということであり、それは何だったのか今もってわからない。指導なのか助言なのか、何なのか。結果として拒まれたことの問題性を深刻に受け止めなければならない。あやふやな指導行政を促してきたのは、文科省が指導行政と言って行ってきたことが背景にあるが、現行法制のもとでも大阪市教育委員会の判断によって、明確化した対応が可能であると考える。つまり文科省がどう言おうが、職務命令をあらゆることに対して発する権限を持っており、行政の目的を実現するために学校長にやってもらわなければならないことは明確に指示命令すべきである。学習内容などに関しては教育委員会のいうことに従う学校長が多いのだと思う。そうすると指導助言に従って様々な学習指導・教育活動を行った場合に、それは誰が判断しているのかと、指導助言を受け入れた校長の判断、責任であるというのが文科省の見解であるが、現状はそうは思えない、言ったほうの教育委員会の責任ではないか。校長の判断に委ねるものは指導助言をあまり行わず、真に必要なものは指示命令するということが、今回の桜宮高校の事案を受けての教訓とすべきものの一つだと思っている。」

委員長「マネジメントするときに、厳しい内容なしにマネジメントすることはできないと思っていた。体罰の問題に関しては私自身はどちらかというと仕方がない場合もあるということがあった。今回の事案が起こってから、私も体罰は許されない、今回のケースは暴力行為という言い方がふさわしい内容だが、今回の件を受けて考えが変わったことは事実で、反省している。私自身はこの事案は命令と指導助言とをわけて考えるときに、自分の意識として指導助言は非常に重要だと認識していたので、そちらにウェイトをかけて考えていた。今回の案件が指導助言というあいまいな形でのやり方が今回のような非常に悲しい結果につながったということは反省しなければならない。今後、法律の問題も含め指導助言のことと、指示命令の問題をしっかり把握していかないといけないということを反省の言葉として述べておきたい。今後、指導助言の問題と命令の問題を我々教育委員としてしっかり議論しておく必要がある。今後校長のマネジメント職の強化ということが謳われるようになるので、校長のマネジメント強化と命令の問題、校長のモチベーションを維持しながら、常に命令するわけにはいかないので、区分けをしておくことが必要である。我々として意識を共有する必要があるので、どこかで議論しておきたい。今回の案件はどちらかというと教育長一人の責任という考え方を示したが、両次長が自らの責任に言及したので、そのことは私として受け止めたいと考えている。」

大森委員「今回の事案については、指導助言、命令指示といった教育委員会制度、教育行政のあり方にまつわることのほかに、学校内で教員等から校長へ、校長から教育委員会事務局へ、事務局の指導部から教務部へという情報の流れに関して、形式的な情報経路の整理で済む話でない指摘が外部監察チームからあった。つまり、保護者が問題としない限りは情報としてあがってこないということが明確に指摘されている。今回の事案は体罰に関わることだったが、これはおそらく体罰に限るものではなく、教員による様々な不祥事や、いじめのような児童生徒同士の問題の中で大事なことを学校の管理者たる校長が隠すことにメリットがあるような学校管理職に対する評価のあり方を考え直さなければならない。体罰、いじめなどの不祥事があった場合に、これを報告すること自体がマイナスの評価につながるようなことがないよう、よく監督責任と言われるが、どうしようもないということが本音としてあるケースがあったと思うが、そういうことを報告することが校長としてマイナスになることがないということを明確化しなければならない。通報相談体制の中も含めて、情報があがってくるルートを多様化することが重要である。外部監察チームの報告書でも指摘されていたが、学校現場と同じ先生という意識の世界でそういうことが起こりやすいということが指摘されている。これは先生がけしからんということではなく、同じ世界の人たちだけで閉鎖的に情報が共有され処理される世界は常にそういうリスクがともなっている。様々な背景をもつ職員が関わることが必要である。隠すにも隠せないという状況に近づけることが大切である。それが結果として現場の教員にとっても仕事がやりやすくなると思っている。そういった体制を今般の事案を受けて作ることは非常に重要である。そのために今般の処分は、これだけの事案、組織運営、体制に問題があった、体罰問題に対する有効な施策がとられていなかったことからすると、やむを得ないと考えている。他の前例から比べると厳しい処分をするのは、今後の体制の見直しに関わる、職を多様化していく、指導部の教員系職員と学校現場の間だけで処理されないということ、相談なり情報の経路をできるだけ多様にして、それがきちんと認識されることが、厳しい処分をするにあたって、けじめをつけたうえでそういうことをしていくことで、より世間に訴えることができると思う。」

林委員「今回の問題が起こった一つの原因として、教員の在職年数が非常に長かったということがあると思う。この学校、この事案だけの問題ではなく、高校は学校数が少ないので難しい問題があると思うが、小中学校においても在職年数が長い先生はその学校の知識も豊富であるので、発言力が強まる傾向がある。管理職の在職年数は3年から5年であるのに、教員が10年以上も同じ学校にいるという状況になれば、何らかの気遣いをしたり、頼りにしたりする状況が生じると思う。それについても問題意識を持って変えていかなければならない。正常な判断が働かなくなった原因の一つはそこにあったと思う。」

大森委員「他の自治体の教育委員会における重大事案の処分の事例に照らしても、教育長及び両教育次長への戒告という処分、さらに多数の職員に対する文書訓告、口頭注意は、我々としては厳しいけじめをつけるということである。」

挙手採決の結果、賛成4名、反対1名により、原案どおり可決。

委員長「本件に関連して、私から動議を提出したい。本件については、特に、学校のマネジメントや教育委員会のガバナンスに対する責任を重視して処分量定を検討してきた。その検討の中で、教育委員会のトップである我々委員についても、自ら責任を示す必要があるとの合意に達したところである。責任の示し方については、前回の協議会において、委員報酬の自主返納とすることとし、本件事案に係る在任期間に応じて、私と高尾委員は報酬月額の10分の5 1月、大森委員は同じく10分の3 1月をそれぞれ返納するという案でまとまった。以上の案について、委員長動議として正式に提案し、ただちに議題として審議したい。」

大森委員「おそらくこれでも市民やマスメディアの感覚からすると甘いと思われるかもしれない。ただ、情緒的に総ざんげではかえって責任の所在が曖昧になると考えている。新しく委員になった西村委員と林委員が除かれるのは当然として、長谷川委員長と高尾委員が一番厳しい返納措置で、私はやや軽い返納措置であるが、本件事案に係るそれまでの経緯を踏まえてのものである。動議には賛成であり、趣旨が対外的にきちんと伝わるようにしてもらいたい。責任に応じてきちんと判断したこと、きちんと判断するにあたって他の教育委員会の重大事案にかかる責任の取り方を調査し、それに照らしても我々の措置は重いということ、さらに本市における特別職が責任を示した事例に照らしても、重いものであるということを再確認しておきたいし、記者会見における対外的な説明においても趣旨が伝わるようにしてもらいたい。

委員長「私の自主的な判断でこのような結論を出した。ただこれで済むとは思っていない。桜宮の事案が二度と起こらないよう、柳本顧問に対し最大の支援をしていきたい。」

高尾委員「自主的ということになると、会議の場ではなく、非公式の場でするべきではないのか。自分自身に関わることを議案として審議できるのか。」

大森委員「法制上、我々に対する懲戒処分がない。我々が自ら責任を取る必要があるが、それは我々自身が決める必要がある。それは非公式でなく公式な会議で決めるのがあるべき姿である。なんら心配することはないと思う。」

高尾委員「今回の事案については、非常に責任を痛感している。真摯な反省が私自身必要だと思っている。平成23年以降体罰が多発し、23年4月から10月の間だけでも部活動時の体罰が4件発生していた。そのことを認識しながら防止のための有効な対策や体制整備をしてこなかった。平成23年9月の第19回教育委員会会議では、バレー部の顧問に対する事案が審議された。今回の問題と共通する危険な問題点がはっきり指摘されていた。バレー部による体罰事案について、1.学校からの報告ではなく保護者からの通報により発覚したこと、2.校内で事態を収めようとしたこと、3.この学校には体罰を容認する姿勢が疑われるということ、4.校長に大きな責任があると考えられるのに行政処分という軽い処分で済ませたということ、がその時の議事録にも明記されている。これに対して教育委員の大半から非常に厳しい意見が出された。私も教員の研修だけでは防げず、生徒からの定期的な聞き取り等の有効な対策が必要だ、校長の対応には問題がある、ということを述べた。残念ながら言っただけで、何としても体罰を防止するという真摯な義務感にかけていたと思う。危機感を共有し、有効な防止策が何かを考え、合意に達し、体制構築に全力を挙げるべきであった。さらにバレー部の事案も、適切な調査をすることで、体罰の原因を探っておく、事務局の皆さんに対してはきちんとした防止策の進捗状況をしつこく聞いて、必要不可欠な体制を確立すべきだったと反省している。教育委員会制度の形がい化は当時から指摘されていたので、こうした問題にはなおさら留意してあたらなければならなかったと思っている。本件事案の発生を防げなかったことについて大きな責任があると考えている。責任の重要性を厳しく受け止めて、暴力行為、体罰を受けた方とそのご家族、さらには市民に対してこの場を借りておわびを申し上げたいと考えている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

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