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平成25年第21回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:246090

平成25年第21回教育委員会会議

21回教育委員会会議録

 

1 日時  平成25年6月18日(火曜日)午後0時30分~午後1時40

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員長職務代理者

大森不二雄  委員

林  園美  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

森本 充博  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

三木 信夫  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

山野 敏和  人事・効率化担当課長

村上 敏昭  総務課担当係長

徳岡 信英  学事課長

脇谷 慎也  総務部担当係長

高井 俊一  教職員人事担当課長

益成  誠  教職員給与・厚生担当課長

川本 祥生  高等学校教育担当課長

塩見 暢明  指導部総括指導主事

北村 宏貴  指導部指導主事

藤巻 幸嗣  総務課長

玉置 信行  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に高尾委員を指名

(3)議題

議案第127号 桜宮高等学校新学科(専門学科)の設置について

議案第128号 教育委員会のあり方に関する共同検討のための会議について

 

(4)議事要旨

議案第127号「桜宮高等学校新学科(専門学科)の設置について」を上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

これまでの桜宮高等学校に関する改革の進捗状況を説明する。部活動改革について、教職員に対してグループワーキングを行い、意識改革を促すとともに、生徒に対してカウンセリングやグループワーキングを行い、生徒の心のケアを行い、その気づきを促した。その結果、生徒や教職員に気づきの芽生えが見られたことから、2月5日に新しいプログラムに基づく運動部活動の開始を決定した。カリキュラム改革について、新たな普通科に4つの科目を新たに設置し、4つのマインドを大切にした教育を展開することを決定した。マネジメント改革の一つとして、柳本晶一氏を教育委員会事務局顧問として迎えるとともに、校長、准校長及び教頭2名からなる新管理職体制とし、ガバナンス改革の一環として、3月末の人事異動で全教職員の約3分の1を異動した。4月には新たな学校体制のもとで新入生を迎え、豊かな教養と他者を慈しむ心をもった幅広い人間性の基盤の上に、真のスポーツマインドをもった人材の育成に努め、部活動においては、豊かな人間性を育む教育活動の場として活動を行っており、定期的に校長を中心とした部活動連絡会を開催し、管理職が点検するなど活動の透明化も図っている。

小川学校配置計画担当部長の説明要旨は以下のとおりである。

桜宮高等学校の新学科の設置について、学科名は人間スポーツ科学科として、1学年120名の募集人員で府下全域から募集し、平成26年4月に設置したい。この学科では、「プレイヤーズ・ファースト」の精神を基調とするスポーツを通じて、すべての人々が健康で豊かに生きる社会の実現に貢献できる人材の育成をめざし、生涯を通じて社会人として活躍できるキャリア形成力を身につける。カリキュラムの特徴として、3年間のコア科目の学習を通じて、豊かな教養と幅広い人間性(他者を慈しむ心)を身につける。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「普通科という形でコア科目、4つのマインド科目を前例のない中で試行錯誤しながら開始せざるを得なかったということはあるが、現状で教育指導の状況、生徒の学習、科目に対する反応や評価はどうか。」

大継部長「4つのマインドについて、設置が決定した時より大学からの支援をいただき、学校と大学、教育委員会が参画してカリキュラム作りに取り組んできた。4月からスタートしているが、1時間、1時間の内容について子どもたちに伝え、考えさせるよう取り組んでいる。ソーシャルマインドについては夏季休業中に集中して実施することとしている。」

大森委員「普通科の中で開始したカリキュラムの路線はうまくいきそうだという手ごたえはあるのか。」

大継部長「校長として赴任し、この間、教職員の異動もあったが、新しいものを作っていこうという雰囲気の中、教職員が共同してやっていっている。子どもたちも学習面でも部活動面でも着実に取り組んでいる。」

大森委員「新学科の設置は決して元に戻すということではなく、この間普通科という形態で取り組んできたことの延長線上にあるものである。つまり、普通科という形ではあるが特色のある教育をやり始めて、それを一層はっきりさせる、進めるということで新しい専門学科に生まれ変わるということを明確にしなければならない。学科の名称もそういう思いを込めて決めたということも伝えなければならない。学校現場でもそうなってほしい。」

高尾委員「コンセプトとして生徒一人ひとりが生涯を通じて社会人として活躍できるという考えが述べられているが、この考えは新しく、スポーツを教える中ではこれまでこのような考えはなかった。あの不幸な出来事が起きてから、新しく設定された重要な価値観だと思う。これを今後ともきちんと推進、実行していかなければならない。これからやらなければならないこととして、カリキュラムをよいものに作り上げる努力が必要である。実際に作るにあたって、配慮をいただきたいことがある。キーワードとしてプレイヤーズファーストという言葉が出てくる。よくサッカーの世界で使われる言葉だが、この言葉の定義は確定していない。我々がこの言葉に込めた思いをきちんと定義して、それをしっかりカリキュラムに反映させなければならない。2年次以降については、どう持って行くのか早く確定させることが必要だと考える。」

林委員「今在籍している2年生、3年生は違うカリキュラムで学習されていたと思う。今在籍している生徒は新しいカリキュラムでスタートしているのか。それで行われているとしたら、違う目的で入学している生徒もいると思うが、その反応も聞かせてほしい。」

大継部長「新1年生は、新しい前期普通科の内容で学習している。2年生と3年生は、従来の学科に在籍しているところであるが、4つのマインドの改革に伴い、2年生と3年生についても、そのマインドを入れたカリキュラムにしており、学習に取り組んでいる。」

委員長「来年は1年、2年、3年ともにカリキュラムが違うことになるが、現時点での考えている対応を教えてほしい。」

大継部長「1年生は普通科で入学しているが、学校の中で転科することを希望に沿って進めたいと説明会で説明しているので、新しい専門学科が開設されれば、希望により転科を図ってまいりたいと考えている。」

大森委員「できるだけ希望をかなえるという側面と、それぞれ学科が違っても、基本的な教育の方向性は今現在の我々が考える方向性でやっていくことが必要である。それぞれ違う学科であることの制約をできるだけ乗り越えて、新しい桜宮高校の教育の方向性でやっていくべきであるが、その点は大丈夫か。」

大継部長「柳本顧問からも適宜指導やアドバイスをいただいており、今回の学科のコンセプトであるプレイヤーズファーストの精神を基調に人間力を高めていき、このような教育を進めていくべきという意見をいただいている。今回の新たな専門学科の設置に当たっても、体育科だけではなく、普通科の教員とも議論し、学校全体で4つのマインドに基づいた人間作りをすることで一致している。4月からその方向で進めているが、新学科の設置で全面的にこのことを知らせて行くような学校づくりをしていきたい。また、勝利至上主義、目先の競技の大会に出場するという目標でなく、将来にわたって、自らのキャリアをアップさせ、さまざまな活動を通じて活躍していける幅広い人間性をもった人材を育成したいと考えており、新しい学科では学ぶべきことをしっかり学んでいくという内容を取りそろえて行きたい。」

委員長「今後、新しいカリキュラムを作ることになるが、3年生もそのカリキュラムに移るということをしてもいいのではないか。」

大継部長「学科をさらに検討していく中で、在籍している生徒も可能な限り対応できるものを検討していきたい。」

大森委員「キャリア形成ということがすごく大切であり、柳本顧問のようなトップレベルで活躍してきた方がおっしゃるからより説得力があると思うが、トップクラスの競技者であるか、そうでないにしろ、スポーツ選手としてだけで長い一生を職業として食べていける人はそれほどいない。選手を引退した後にコーチなどで生計を立てていける人もそれほど多くいないという状況の中で、スポーツを専門にした高校時代に将来を見据えてどういう力を身につけさせるかということが非常に大事である。生徒が第一であるが、保護者も含めて浸透していくようにしなければならない。大会に出ることや勝つことは一つの目標として悪いことではないが、その先にあることが人間性であり、そこに生徒や保護者の目が一層行くようにしてもらいたい。これまではややもすると試合に勝つこと、その先に大学進学の機会を得るという手段的なものがなかったわけではなく、その状況が変わるようにしなければならない。これが子どもの将来を考えたときに必要なことだと思う。人間スポーツ科学科という学科名にはいろんな意味が込められており、それが教科やカリキュラムの中で活かされるよう、教職員、保護者、生徒の理解・認識を共有しなければならないと思っている。」

委員長「先日行われた柳本顧問の講演を聞かせてもらった際に、2点感動したことがある。1点は、120%のレベルに持っていくことは可能であるが、150%にもっていくのは至難の技で、キーになることは人間力を伸ばすことが150%にする要素だと柳本顧問はおっしゃっていた。4つのマインド、理論を掲げてやっていく一方でスキルを指導者が伸ばしてあげるということについて、教職員にその辺の極意を、工夫ができないかなと思った。それともう1点、伸びるチャンスについて、一気に伸びるチャンスがどの子どもにもあり、それを摘んでしまったら、伸びないということをおっしゃっていた。指導者は大変だという印象をもった一方で、指導者がそういう目をもって育ててあげれば、スポーツだけでなく、人間力を伸ばしたり、大きく成長することになると思った。非常に重要なことだと思ったので、できるなら採り入れてもらいたい。」

大森委員「プレイヤーズファーストという言葉の意味について、私の認識では、指導者が考え、プレイヤーはそれに従うという中で不幸にもいろんなところで暴力行為等がみられた。そういうあり方ではなく、指導者のいうとおりとか、指導者がこうやったら勝てるということではなく、選手一人ひとりのためにということと、選手一人ひとりが主体的に自分の頭で考え判断していく力をつけていくという意味での主体性も込められていると思っているが、事務局の見解はどうか。」

川本課長「コーチから見れば選手を支えるということ、選手から見れば選手が自立するということをプレイヤーズファーストと言っている。」

沼守次長「生徒一人ひとりが主役であり、それに付き添って導くのがコーチであるということである。柳本顧問も常々主役が子どもたちであるとおっしゃっており、誰を大事にしなければならないかを忘れないでやっていきたい。  カリキュラムについては、今後、詳細な制度設計に入る。この考えを活かしたカリキュラムを作っていきたい。」

高尾委員「おっしゃる通りで、そのことを踏まえることが重要である。おまえのためにここまで厳しくやっているんだという理屈が出る危険がある。それを絶対に起こさせず、真の意味でのプレイヤーズファーストを確立しなければならない。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第128号「教育委員会のあり方に関する共同検討のための会議について」を上程。

浅野総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

教育委員会は、教育振興基本計画に基づき、本市の教育行政及び学校運営並びに両者のあり方について、改革・改善を図ることとしている。また、市長部局では教育委員会のあり方検討プロジェクトチームが設置され検討が重ねられ、報告書が取りまとめられた。今後、改革を推進するために、新たな制度の構築に向けて両者が共同で検討を進めるため、「教育委員会のあり方検討会議」を設置する。検討事項は、市長と教育委員会との関係、教育委員会と学校との関係、教育委員会事務局の職員及び学校園の教職員の人事管理及び給与制度のあり方、教育委員会の組織及び運営、報告書における提言の具体化に関することである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「検討事項をいくつか挙げられているが、この中で教育委員会と学校との関係について、教育振興基本計画に趣旨の文言が入っていった経緯は、桜宮高校における重大な事案に至る過程の中で、公益通報の調査に当たって当時の校長に対して事務局の指導主事が生徒への聞き取り調査を行うべきと伝えたにもかかわらず当時の校長がこれを拒んだということがある。これは一体何なのかということについて、私としては、校長に教育委員会から指示や職務命令が出せるし、生徒への聞き取り調査は事案を防げた機会の一つであったにもかかわらず、その時の事務局の行為は指示なのか指導なのか何なのかわからないものであった。これは大阪市に特有の問題ではなく、いわゆる指導行政の名のもとに教育委員会と学校の関係が責任の所在が曖昧になっている現状がある。指示なのか指導なのか明らかにすることなく、事務局から学校に伝えられるということがありふれたことである。指導助言に従って何かを行った結果、悪い結果が生じたときに校長の責任なのか教育委員会の責任なのか曖昧である。これは1990年代の終わりごろに中教審が「今後の地方教育行政の在り方について」という答申を出しており、その中で私が今申した問題が指摘されている。中教審の答申の見解では、指導助言に従うかどうかは校長の判断であるとされている。しかし、世間では教育委員会のいうことに校長が従っていれば教育委員会の責任だと考えるのが一般的である。他方で桜宮高校の事案であったようなことが事務局と校長の間で起こり得る。この状況は考え直さなければならないと思っており、今後主張していきたいと思っている。大きな方向性としては教育委員会として教育政策として実現しようとすることは指示なり職務命令を発すべきであり、今般の教育振興基本計画に謳っているようなことは実現しなければならない。ただ、その具体的な内容まで縛ることは適切ではないが、指示や職務命令を行うものがある一方、そういうことではないものは学校長が責任をもって判断して対処するという姿を確立する必要がある。」

委員長「指導助言に関してはなかなか難しい面がある。校長のマネジメントを活かすという観点と責任をもってもらうという観点と教育委員会が責任をもつ観点は、具体的に詰めていけば、その辺の明確化はできないのではないかと思っている。とはいえ、今回のあり方検討の中で、指導助言と命令の区分けは可能と思うので、ぜひ検討してもらいたい。」

大森委員「職員の人事管理及び給与制度のあり方について、管理職のなり手の問題、特に教頭への希望者がこの10年以上減り続けているという問題がある。教員採用試験の量的、質的確保も課題だと考えている。その際給与は非常に大きな影響力を持っており、単なる志だけでは人間は動くわけではないので、一般の教員と教頭でこの程度の差しかないなら、しんどい思いをして教頭になる意味がないということで志願者がこの10年間減っているということがある。給与や定数の問題は市ではなく府が権限を持っているということがあるので、この検討事項は市教委と市長部局でやっていくが、その検討内容はいずれ府に対して提案、要望をしていく可能性があるものを含んでいる。」

委員長「メンバーを決めたい。私から推薦させていただく。大森委員と林委員にお願いしたいがどうか。」

高尾委員「新しい制度を考えるにあたって、新しい感覚が必要だとつくづく思う。多くの人たち、保護者、学校現場の思いを伝えられるには林委員の方が適任だと思う。また、今候補として挙がっているメンバーに女性が一人も入っていない。女性の視点からおかしいと思ったことを提言してもらった方がよいと考え、できれば林委員にお願いしたい。」

林委員「そのように言っていただいてありがたく思う。思ったことを忌憚なく言わせてもらうということで受けさせてもらう。」

大森委員「この間ずっといろんなトピックでこの問題に発言させてもらっている。事務局の職員についての課題、教育職という位置づけのために市立高校に発令しているなどの課題など、問題意識を持って発言してきたので、委員長から推薦をいただいたのでお受けしたい。」

委員長「大森委員と林委員をあり方検討会議の委員として推薦したい。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

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