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平成25年第27回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:246098

平成25年第27回教育委員会会議

27回教育委員会会議録

 

1 日時  平成25年8月6日(火曜日)午後1時00分~午後2時55

 

2 場所  大阪市役所本庁舎7階市会第4委員会室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員長職務代理者

大森不二雄  委員

林  園美  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

森本 充博  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

三木 信夫  学校経営管理センター所長

高井 俊一  教職員人事担当課長

江原 勝弘  教職員人事担当課長代理

橋本 洋祐  教務部担当係長

弘本  介  指導部主任指導主事

川本 祥生  高等学校教育担当課長

塩見 暢明  指導部総括指導主事

北村 宏貴  指導部指導主事

島田 保彦  特別支援教育担当課長

岩本 由紀  指導部総括指導主事

阪本 友輝  指導部指導主事

藤巻 幸嗣  総務課長

玉置 信行  総務課長代理

松浦  令  総務課担当係長

ほか係員1名

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に林委員を指名

(3)議題

議案第148号 平成26年度大阪市立学校教科用図書の採択について

議案第155号 平成26年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト第1次合格者の決定について

議案第156号 職員の人事について

なお、議案第155号及び議案第156号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第148号「平成26年度大阪市立学校教科用図書の採択について」を上程。

委員長「去る7月30日の教育委員会会議において、委員から出された質問に対して、事務局より回答されたい。」

大継部長「前回指摘のあった次の4点について説明する。1点目に、東淀工業高等学校の答申書の「日本史A」及び「世界史A」の選定について、まず、「日本史A」に関わって、次年度、東淀工業高等学校は実教出版の「新日本史A」を選定し、次点に山川出版社の「日本史A」を挙げている。東淀工業高等学校では、昨年度までも実教出版の教科書を選定しており、 選定理由としては、教科書のサイズが他社のものに比べて大きく、写真や図表、地図が多く掲載されており、当該校の生徒が歴史に対する興味・関心を持ちやすい点などが挙げられている。次点となった山川出版社について、同校では以前に当該教科書を使用したことがあったが、写真や図表等の視覚的に理解を助けるものが少なく、同校の生徒の実情にあわなかったことで、選定には及ばなかった。また、選定の観点において、内容面では「教材の程度、分量、配分」「用いられている資料、素材の適切さ」、学習面では「表現が平易明確で学習に適するか」「表現、挿絵、図版等が適当か」を重視したうえで、同校生徒の基礎学力の定着に適しているとのことで、実教出版の教科書を選定している。次に、「世界史A」に関して、昨年度に引き続いて帝国書院の「明解 世界史A」を選定し、次点に山川出版社の「要説世界史」を挙げている。選定理由としては、人物に関するコラムが多く記載されており、多面的な視点が養える点や、写真や図表、地図が多く掲載されており、歴史に対する興味・関心が引き出せる点などを挙げている。次点となった教科書については、日本史と同様に、同校では以前に山川出版社の教科書を使用したことがあった。同社の教科書は基礎基本を確実におさえることができる教科書であったが、「生徒が興味をもって学習しやすいか」という観点では、帝国書院の教科書の方が同校の実情に適しており、同校生徒の基礎学力の定着により適しているとのことから、今回の選定となっている。次に、前回指摘の2点目について、東高等学校の答申書の「世界史B」について説明する。東高等学校では東京書籍の「世界史B」を選定し、次点に山川出版社の「詳説世界史」を挙げている。選定理由としては、幅の広い版型であり側注欄を活かして、大学入試に必要な補足説明が効果的に掲載されている点や、各章ごとの冒頭にそれぞれの章の内容の概観や時代の横のつながりがまとめられ、国公立大学の記述式問題に対して必要な知識や考え方を得ることができる点、地域間交流など、近年注目されている最新の学問的知見が積極的に盛り込まれ、大学入試にも対応している点、近年の研究動向を見据えた時代区分で歴史事項がまとめられている点などが挙げられている。また、近年では進学に重点を置いている多くの学校においても採用されるなど、その割合が増えている。同校では、次点に挙げている山川出版社の教科書が以前は採択されていた。近年、生徒の実情に応じた進学にも対応する教科書の調査研究を進めてきたところ、東京書籍の教科書について、山川出版社の教科書と比較すると、脚注やコラムが多く掲載され、関連する事柄についてより細かな解説がなされている点や、各章ごとの冒頭にある章の概観によって、今から学習する内容をよりイメージしやすくなり、生徒が学習に取り組む動機づけの一助となる点、国公立大学の記述式問題向きのまとめ方となっている点など、より同校の生徒の実情に適しているとのことから、東京書籍の教科書を選定している。次に、前回指摘の3点目について、数学における数研出版および東京書籍について、「数学Ⅰ」を例にとって説明する。編集の基本方針としては、各社が出している趣意書によると、東京書籍では、内容の流れを重視し、生徒の自学自習に寄与することや、学習する面白さが味わえる内容とすることなどが挙げられている。数研出版では、平易な例による明解な説明や、基本概念の明確な理解と基本的な技能の習熟などが挙げられている。次に、各校の選定理由について、東京書籍を選定し、次点に数研出版を挙げている学校では、次のような選定理由を挙げている。市立高等学校では、「基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトにまとめられており、網羅されている。また、例と問とのギャップを無くし、スムーズに授業の展開ができるように、工夫されて編集されている。」、大阪ビジネスフロンティア高等学校では、「レイアウト・文字の大きさや色分けによる表示、解説などが見やすく配慮されている。解法の方針や着想が分かりやすく示され、補足説明も丁寧である。問題量、レベルとも基礎学力の定着を図ることに適している。」次に、数研出版を選定し、次点に東京書籍を挙げている学校では、次のような選定理由を挙げている。東高等学校では、「説明が分かりやすく、丁寧である。例題も基本的なものが多く、解法の流れが分かりやすく記述されているので、生徒が予習・復習する上で適している。また、問・練習問題の種類も豊富である。」南高等学校では、「例・例題が多く、基本問題から比較的難問まで難易度別によくまとめてある。また、豊富な図解入りで理解しやすく、数学を不得意とする生徒から、数学を得意とする生徒まで幅広く適している。」「数学Ⅰ」の選定率をみてみると、市立高等学校では東京書籍が30%で、数研出版が35%である。大阪府下では、東京書籍が18%で、数研出版が54%となっている。最後に、前回指摘の4点目について、学校における教科担当者と教科書選定調査会の関係および選定過程について説明する。大阪ビジネスフロンティア高等学校の英語科の例を挙げると、同校の英語科は14名の教員で調査研究を行い、選定にあたる。そして、まず、次年度の担当予定者の教員で学年単位の担当者会(1学年5名程度)を開催して協議を行い、選定候補となる教科書および次点の教科書を選定する。次に、教科会において、学年ごとの担当者会からあげられた選定候補の教科書と次点の教科書について協議のうえ決定し、教科用図書選定調査会に挙げている。」

大森委員「最後の教科担当者と選定調査会の関係について、学年ごとの担当者会は大阪ビジネスフロンティア高等学校ではどれくらいの回数、時間をかけたのか。英語の教科会はどれくらいの回数、時間をかけたのか。それを経て選定調査会に上がってくるのだと思うが。」

川本課長「時間までは聞いていないが、担当者会は全体で3回、教科会は2回行ったと聞いている。」

大森委員「学年単位の担当者会で選ばれたものが変わったということはあるのか。」

川本課長「この件については担当者会のものがそのまま選ばれたと聞いている。」

大森委員「大阪ビジネスフロンティア高等学校では英語において学年ごとの教科書会社は一緒か。」

川本課長「英語は第一出版社と文英堂である。」

大森委員「あがっている教科書を学年ごとに教えてほしい。」

川本課長「大阪ビジネスフロンティア高等学校の答申書の様式3にあるが、第一出版社の総合英語が1年生、英語理解が2年生、英語表現は文英堂が2年生である。3年生は今回については2年生からの継続教科書を使う予定となっている。」

大森委員「学年ごとの同じ教科、同じ科目だと継続性ということもあるだろうから、学年ごとに話し合って、それで一定の選考をして、次に学年を超えて議論して、学年ごとの結論が確認されるとの説明だったが、本当にそれでうまくいっているのか。学年間のことを考えると腑に落ちないところがある。」

川本課長「いくつか確認した例でも、教科書を採択する学年の担当者が原案を出して、教科全員が集まった場で継続性の議論をして、最終的に選定調査会にあげるという流れは共通していた。どういうことがあったかというところまでは確認していない。」

大森委員「学年を超えた教科としての検討と学年ごとの検討の意味合い、両者の関係についてどうなのかなと思った。これは教科によって違うだろうとは思うが。」

川本課長「高等学校では持ち上がっていくことを基本としており、持ち上がっていく学年で一定の継続性を考えながらやっている。全体で話しあう方が確かにいいが、集まる時間がとりにくいため、担当者間の打ち合わせを先にするという形をとっているようである。」

大森委員「原案を提示する教員が決まっているとのことであったが、多くの教科でそうなのか。」

川本課長「それは決まっていない。学年の担当者の中で決めるので、特定の者が決めているということではない。」

大森委員「別の項目において、東京書籍の301の世界史Bと山川出版社の304の詳説世界史、それと数学では数研出版と東京書籍について説明があったが、結局、例えば、数学の場合、数研を使っている学校と東京書籍を使っている学校の、それぞれのなぜこっちにしたかという説明はあったが、事務局から見てこういう学校の場合はこの教科書の方がいいというような傾向性はあるのか。数学であれば東高等学校が数研出版を選んで、市立高等学校が東京書籍を選んでいる。一方、世界史Bでは東高等学校は東京書籍を選んで、市立高等学校が山川出版社を選んでいる。例えばということでこの両校を例に挙げたが、どういう学校だからこのような教科書を選んでいるという客観的なデータはあるのか。それとも結局はその学校に在籍する教員がこの教科書がいいと判断しているのか。事務局としてのそういう調査はあるのか。」

大継部長「検定済み教科書の中から、それぞれの学校の特色、生徒の実態を学校が勘案して、生徒により適しているものを採択していると考えている。」

大森委員「一般論は理解しているが、具体的に東高等学校と市立高等学校の選定理由をみたときに、この高等学校はこういう学校だからこの教科書を選ぶのは自然であるという違いはわかるのか。」

川本課長「生徒の実情実態を教育委員会として詳細に把握しているわけではない。進学を主とする学校では適切な分量のものを選んでいるかということはこちらとしても考慮できる要素かと思う。」

大森委員「端的に言えば、東高等学校と市立高等学校で違う選定理由になっていることが当然だということを事務局として調査研究としてそこまで突っ込んでやっているという状況ではないということか。」

川本課長「当然、各社分量の違いであるとか、同じ分野で違う教科書を何冊か出しているところがあるので、それについては客観的なものでわかるが、内容的にこれがその学校にあっているというようなことでは教育委員会としては調査研究していない。」

大森委員「つまり、その学校が言っている選定理由について説得力、妥当性があるかどうかの検証があるのかどうかということだったが、とりあえず理解した。」

高尾委員「1番最後の問題に関して、実教出版のことで東淀工業高等学校について聞いた。この学校では歴史の担当の教員は何人いるのか。わかれば教えてほしい。」

川本課長「手元に資料がないのでわからない。」

高尾委員「というのは、学校内で自由闊達な議論が行われたのかというのが一つの関心である。どうしても少ないと専門外の教員で意見を言う人はなかなか少ないという実情も聞いている。その辺が今おっしゃったように誰かが原案を提示して学年で検討して、教科の全体の会議で決定するとのことだが、その過程がわかりにくいと思った。それと、議事録は各校で作成されているのか。」

川本課長「議事録については作成するようにとはこちらから指示しておらず、作成しているところとしていないところがあると思う。先ほどの問いについて社会の担当者は4名で社会の教科書を審議したとのことである。」

高尾委員「100点と零点という対立はなかなかなくて、それぞれ長所もあり短所もあって、比較考量してこちらの長所のメリットの方がいいという議論の立て方があると思う。答申書を見てもそのあたりがたどれない。こういう反対意見があったが、このような審議の経過があって、この教科書を選んだということがわからないが、その点についてはどう考えているか。」

大継部長「個々の審議がどのようなプロセスで、どのような議論があったかというのは我々は把握していないが、その結果としてこの答申書にまとめていただいたということである。すべて検定済みの教科書であるので、その中で各学校の実態により適切なものを見定めるということが重点的に行われているということである。」

高尾委員「やはり手続きの瑕疵がなかったかという議論が前回出たが、そのことをチェックしておかなければならない。全部が無理としても、代表例を見たり、抜き打ちで調べるなどしなければならない。もう一点、実教出版の採用に当たり、サイズが大きいとか、図表の問題、トピックを重視したとの説明があった。前回も申し上げているように、高校生になったら、絵が多いとかそういうことではなく、中身がきちんと書かれているものが好ましいのではないかと思う。それにもちろんイラストや絵やサイズなどがあればそれに越したことはないと思うが、それは次の要素であると申しあげたところである。それから、確かに教科書は検定を受けており、教えるべきことが網羅されているのはその通りだが、生徒がいつも理解に苦しむ部分や、この教科書の方がこの部分はわかりやすくなっているとかいう議論があったり、この生徒たちが社会に出たり進学するに当たって、このことはきちんと押さえておかなければいけない、全部がそうだと思うが、その中で特に、例えば現代的要素として押さえておかなければならないのだということがあると思うが、その辺の判断がどのようにされたのかが、私はサイズの議論の中ではわからないと思っている。」

大継部長「外見上の問題であったり、図表なり、表現の仕方も選定をする一つの視点になる。高等学校であり、選抜を経て入学しているので、義務教育の段階以上に、それぞれの学校の状況、生徒の実態、学習の特性が様々である。最低限のことはそれぞれの検定済みの教科書の中に盛り込まれているので、それぞれの学校の状況に応じて、学習のウェイトや教科間の調整などを勘案しながら選定されているものと考えている。」

高尾委員「率直に申し上げて、そういったことが私にストレートに伝わってこなかったということを申し上げたい。」

林委員「前回は欠席で審議に参加できなかった。経緯を聞き、今回皆さんの話を聞かせてもらった。教育委員になって初めて教科書の選定に関わり、初めて実際の教科書を見せていただいた。自分の子どもの教科書は見たことはあったが、検定済みの教科書であっても各教科において幅が非常にあるということを今回初めて認識した。今回採択に当たって、前年度と違う方法として、次点のものと比較すること、生徒、保護者の意見を聞くということをすることにしたのは、教科書を選ぶということに対する子どもの認識等も違ったものになったのではなかったかと感じている。各校で様々な意見が上がっていたが、数の添付がないので、どの程度の意見の中からの抽出かわからないが、要旨ということで上がってきている子どもの意見として、わかりやすい教科書を求める声もあったり、持ち運びの利便性のためにサイズをそろえてもらいたいという声もあったり、いろんな教科書に対する意見があがってきているということを受け止めて、教科書の選定に当たって、高校生になれば生徒の意見でいいと思うが、そういった姿勢が必要であるということと、教科書採択については教育委員が最終決定するということを今回初めて知り、そこにおいても非常に責任があると感じている。今回いろいろ勉強して、学校の先生が生徒の実情に合った教科書を選んでいるという前提のもとに答申書があがってきていると考えている。もちろん選んでもらっていると思っているが、そこのところがはっきりしていないという気もする。教科書は非常に重要な勉強のツールであると考えており、それを用いてどう授業を展開するかということもあるが、基本的には教科書のみで子どもが自学自習するためのツールだと思うし、そこに書かれていることは正しいと子どもは思うので、実際に教科書を読んでみて、明確にされていない記述が存在するのは教科書としてどうなのかと思った。選定に際しては責任を持って選定しなければならないと改めて感じた。」

大継部長「今回、生徒、保護者の意見をいただくということを決めていただいたので、各学校でさまざまな工夫をしながら、意見を吸い上げるということをした。それをこの中に反映させていくということであったが、今回第1回目であったので、今後すべての学校に周知し、生徒や保護者の意見がうまく汲み取ることができ、それが反映できる取り組みを進めてまいりたい。採択に当たってはこれまでも厳正な採択について通知して厳正に進めてきたが、今後とも厳正に進めてまいりたい。」

林委員「特に高等学校に関しては、義務教育と違い、高等学校は選択するものであるということで、どういう教科書を使っているかということは選択の一つの材料になるのではないかと考える。各学校のホームページにそういう情報も公開することも必要ではないかと感じた。」

大森委員「本日欠席の西村委員からあらかじめメールで意見をいただいている。私から簡単に説明すると、教科書採択は最終的に我々委員の権限、責任にある。もちろん事務局に補佐してもらってそれがはじめて可能になるが、教育委員の採択の権限、責任をさらに実質化しなければならないという観点からの意見である。今後は学校からの答申は、複数の選択肢を優劣をつけずに挙げてもらい、また、教育委員会の審議においても十分に時間を割くようにすればどうかという意見をいただいている。本日の議論でも西村委員の指摘にあるようなさらなる改善の必要性が出ていると思う。私から動議を提案したい。動議として附帯決議を提案する。西村委員のご意見、前回の会議、前々回の会議でも出たが、高等学校の教科書採択の方式について、これがベストという方法はないと思う。確かに保護者の意見を聞いたり、各学校の選定した教科書と次点の教科書を挙げてもらい、それを比較してもらうという改善をしてきてはいるが、さらなる改善、改革が必要だと考える。これは教科書採択のあり方は、これがベストとはなかなかならないので、毎年よりいいものとするよう考える必要がある。この附帯決議案について、高等学校を対象にしている。特別支援学校、高等学校はそれぞれ特性がある。特に高等学校について、教育委員会レベルでの議論なり、そのもとになる事務局の調査研究という面で必ずしも十分な状況にあるとはいえないという問題意識があがっていると思っている。ということで高等学校を対象にこういった提案をさせてもらっている。この提案は今回の採択に関わることではなく、次回、つまり平成27年度に使用する教科書の採択に向けての提案である。大阪府へ今日決めたことを伝えなければならないタイムリミットなので、それはそれとして、次回の採択に向けて改善すべき課題が浮かび上がっているという観点から、附帯決議という形で提案したい。なお、当然のことながら平成27年度は新しい大都市制度がスタートするというスケジュールで、教育も含めて様々な検討が進んでいる。高等学校、特別支援学校は大阪府への移管がスケジュール上前提になっているが、提案は平成27年度に使用する教科書の採択であるが、その採択は平成26年度の5月頃に採択の方針を決定し、8月頃に採択そのものを決定しなければならない。次はもう少し早めにスタートしなければならないが、いずれにせよ、平成26年度中に採択手続きを進めなければならないので、それはまだ大阪市教育委員会が責任を負っている年度である。府への移管を前提にしつつ、大阪市教委としての責任を果たすという観点からすると、平成27年度限りで、その後府へ責任が移管することになるが、ただ、1年度限りだから改革、改善を議論しても仕方がないということにはならない。その年度に採択される教科書はそれを使う生徒、保護者、教員にとってはかけがえのないものであるので、次回に向けて改革すべき点は改革しなければならないと考えて提案するものである。教育委員会による適正な採択に向けた審議の一層の充実ということで、具体的には平成27年度の採択のための手続きを進める準備に早く取りかかるということで、その方向性を提案するものである。3つの改革の方向性を挙げている。1つ目が高等学校の選定調査会から選定候補として2つ以上の教科書を答申に記載していただき、それぞれの長所と短所を記載してもらうが、推薦順位や優劣は示さないという形でというのが趣旨である。2つめは教育委員会は答申書を参考にしつつ、自ら調査研究を行い、教科用図書を採択するというものである。これは非常に重要なことであり、答申を参考にしながら選ぶといっても、教育委員会で十分に調査研究しなければやれないことである。我々委員はもとより、事務局の皆さんも教育委員会の権限と責任で生徒のための最善の教科書を担保する、そのための教科書の研究をきちんとしましょうというのが趣旨である。3つめがスケジュール感も含めて見直した上で、各高等学校の答申が行われる時期と最終的に教育委員会の採択が行われる間にこれまで以上に十分な時間を確保する必要が当然に生じるということである。今まで以上に教育委員会としての責任、つまり、教科書を生徒本意で採択する、それを制度的に担保するために、この3つの点を含めた見直し、改革を、今回の反省の上に立って、行なわなければならない。反省というのは、教育委員会独自の調査研究に至らない形で本日を迎えているものの、採択の決定を延ばすわけにはいかないということで、改善を図るべき点を附帯決議という形で明確化しておく必要があるという趣旨で提案する。」

委員長「ただいまの大森委員から提出された動議について、教育委員会会議規則第7条第2項の規定に基づき、直ちに議案として審議することとする。質問、意見はないか。」

教育長「実務的なことについて、教科書採択の手法の改善はしていなかければならないことである。この附帯決議の内容について現時点で精査できていないので、これを具体化する時にどういった作業をどの程度しなければならないか検証する必要がある。本日附帯決議が採択されれば、事務局として具体にスケジュール等の案を作成し、協議会等で諮らせていただいて、しかるべき時期に平成27年度の教科書採択に向けて反映させていきたいと考える。改革の方向性そのものは問題ないと思うが、どういうやり方を具体的にしていくのか、学校での作業内容や教育委員の皆さんにどういう作業をしていただく必要があるのかといった点について本日は精査できていないので、附帯決議が採択されればそういう具体の作業に取りかからせていただきたい。逆に言うと、こういう点で問題があるということをコメントできる状況にない。」

大森委員「まさにその準備を始めましょうということである。一定の教育委員会の意思決定がないと始まらない。附帯決議なので、具体的な緻密な計画スケジュールや具体の作業が網羅されているわけではないので、ここで3つの改革の方向性を確認できたら、具体の作業に入るということで、これがないと始まらない。これを出発点にするというのが提案の趣旨である。」

委員長「提案については前進している提案だと思うので私も賛成するが、実務レベルで心配する点がある。1点は、ボリュームの問題である。かなりのボリュームになると思う。我々教育委員も含めてということになると、我々は専門性がないので、その点をどう考えてもらうか。5教科だけならまだしも、それ以外の教科も含めて判断することには困難性もあると思うので、どう解決するか実務的に考えてもらいたい。スタートアップは私も同様に思うので、実務レベルのことを我々に示してほしい。」

高尾委員「附帯決議案を支持する立場から説明する。教科書の採択は我々の重大な責務である。地教行法第23条にもあるとおりである。難しいから他人任せでいいということにはならない。その上で大切にしなければならないのは、市民の意思を尊重することである。具体的には教育2条例や教育振興基本計画ということがあり、市会の議決を経て、その価値観や方向性を尊重していくこととなっている。多数の検定済み教科書が出ているが、教育基本法に盛られているからどれでもいいということにはらないと思う。例えば、グローバル改革の観点から考えると、2つの条例の考えを一番効果的に具体化するにはどのような教科書がいいか  という真摯な検討が必要である。実際に選ぶ際に市民から手抜きしたと思われることがあってはならない。全力を尽くして当たらなければならないと考えている。選択に際して質問をせずに決定ということでは責任を果たしたことにはならないと考えている。いくつかの視点があると思うが、多くの方々の意見をもらいたい。現場の教員の意見は大事であり、形式的に書くのではなく、詳しく実質的に書いてもらうことが必要である。具体的には、扇町総合高等学校の答申書の理由欄にたった5行で62字のものがある。それで本当に伝わってくるのか。比較について記載しているものも3行で30字というものがあった。詳しい内容、どういう議論があってどういう方向性になっているのかということを踏み込んで知りたいと思っている。専門家ということについて、皆さん高等学校を卒業しているし、ある程度の経験もある。外部の方に意見を尋ねる、専門家や実務家、実社会で経験を積んだ方に聞くことができるのではないかと思っている。専門分野だから自主性でということでは片づかない問題があると思う。結果よりも経過を大事にしたいという意味から、この附帯決議案は非常に大切なことだと思っている。専門性ということについて、文科省が昨年9月に通知を出している。その中で高校の教科書については教育委員会に調査研究の組織を設けるなどして恒常的な教科書の調査研究に努めるべきだと書かれている。この辺は我々としても参考にした方がいいのではないか。答申書が6月20日前後の日付になっているが、我々に正式に出てきたのが7月23日で1ヶ月かかっている。もう少し効率的に日数を縮めて実質的な審議を並行してできないか。正式な答申をもらわないときちんとした議論ができないのでお願いしたい。やはり採択権者の責任が不明確になってはいけない、それに伴って我々として義務を果たさなければならないということだと思う。」

大森委員「各高等学校での議論のプロセスについて、議事録もないということで、結果の答申書しかないということだが、それで本当にいいのか。附帯決議案にその観点が書いていないということを思った。今から4つめの文案を考えてもいいが、附帯決議には以下の諸点を含む改革を行うこととしとあるので、この3つの点をどのように進めるか作業面も含めて事務局で詰めてもらい、それを踏まえて我々で決めるということになるので、3つの点を含めということなのでいいのかなと思うが、高尾委員はどう考えるか。各学校のプロセスのことが入っていないが。」

高尾委員「当然に決議案の趣旨の中に含まれていると理解している。」

教育長「具体のやり方の議論の時にそこは見ていただければと思う。それを含めた案を作る。」

大森委員「今の点についてきちんと議事録に残してもらいたい。」

委員長「附帯決議について採決を行う。」

採決の結果、委員全員異議なく、附帯決議を附すことに決定。

委員長「次に高等学校の教科用図書の採択を行う。」

採決の結果、委員全員異議なく、選定調査会の答申通り採択。

委員長「次に特別支援学校の教科用図書の採択に移ってまいる。意見、質問はないか。質問がないようであるので特別支援学校の採択を行う。」

採決の結果、委員全員異議なく、選定調査会の答申通り採択。

 

議案第155号「平成26年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト第1次合格者の決定について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

今年度の第1次採用選考の主な特徴としては、志願者数が3,759人で昨年度よりも181人減少し、受験者数が2,327人で昨年度よりも78人減少し、合格者数が863人で昨年度よりも50人減少している。全体の倍率は2.7倍である。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「社会人について、全体の統計はどこにあるか。」

橋本係長「トータルで81名が受験している。内訳について、小学校は24名、中学校が24名、高校が14名、特別支援学校が8名、養護教諭が9名、栄養教諭が2名である。」

大森委員「これは前回に比べるとどうなのか。」

橋本係長「前回は何の措置もなかったので、単純に比較できない。」

林田部長「昨年度は社会人経験者の区分では43名の受験者がいた。今年度は81名で相当数増えている。昨年度までは全くメリットがなかったが、今回は1次の筆頭で30問中、20問に絞って得意な問題を受けられるメリットがある。」

大森委員「社会人の定義は変わっていないか。」

江原代理「今年度は5年以内に2年間の社会人経験がある者であるが、昨年度は過去10年以内に5年間の社会人経験を要件としていた。」

大森委員「そうすると比較が難しい。単純に43名が81名に増えたのは社会人特例のおかげと言えるのか。」

林田部長「カテゴリーが違うので厳密な分析はできないが、少なくとも受験案内の中で特例をアピールしているので、受験生はメリットがあると思ってもらえていると推測している。」

大森委員「81名のうち、合格者数は何人か。」

橋本係長「39名が1次合格している。昨年度は9名が合格している。」

大森委員「これは明らかに効果が出ていると言えると思う。1次での全体の倍率はどうなっていたか。」

江原代理「2.7倍。」

大森委員「それに対応する社会人が81名中39名ということで2倍弱ということか。」

林田部長「そうである。」

大森委員「面接だけ受験しているのはどういう人か。」

橋本係長「教諭特例として現職の教諭で2年以上の経験がある者、講師特例として5年間で2年以上講師をしている者、もしくは大阪市で講師をしている者は期間に関係なく特例としている。これらの者は実際に教員として現場に立っているので、筆頭は免除して面接選考のみとしている。」

大森委員「カテゴリーの取扱いは同じということか。」

橋本係長「同じであるが、大阪市講師特例は学校長の評価を反映させているという点がある。面接点の中に校長評価を入れている。」

大森委員「中学校の数学でいうと、面接点の合計点が非常に高い人がいるが、こういう方は筆記免除の教諭特例又は講師特例の方か。」

橋本係長「そうである。」

大森委員「1次免除は前年度一次合格者のみが対象か。」

橋本係長「前年度一次免除とあとは大学推薦と教師養成講座特例である。」

大森委員「教師養成講座は誰がやっているのか。」

教育長「教育センターで9月頃から2月にかけてやっている。」

林委員「どういう人が対象か。」

教育長「大学の3回生以上で教師を志望している方である。」

大森委員「受講生はどのくらいいるのか。」

江原代理「今年度は200名である。」

教育長「これまではメリットはなかったが、採用試験で優遇するので、今年度は人数を絞った。」

大森委員「この人たちは一次が免除されているということか。」

林田部長「そうである。」

大森委員「これは今年度からか。」

林田部長「そうである。大阪府が同様の措置をやったのであわせた。」

大森委員「これは他の自治体でもやっているものだったと思うが。東京都はわりと早かったか。」

林田部長「やっているところは多いが、採用試験にメリットを与えないところと、メリットを与えるところがある。メリットを与えるところが増えてきており、大阪府も同様のことをして反映させているので、本市でも導入することとした。」

大森委員「この人たちが2次でどうなるかが重要である。受験者減は歯止めがかかったのか。」

林田部長「募集人数によって受験者数が増減するので一概には言えない。」

大森委員「今回厳しい校種、教科は何があるか。」

林田部長「大学推薦で募集している中学の理科、数学、技術など、倍率が低いものはもっと受けてほしいと思っている。」

林委員「大学推薦はどこの大学か。」

橋本係長「教員免許を与える課程認定を受けている大学であればどこでも可能であり、そういう形で周知している。」

大森委員「実際に周知できているのか。対象大学の数でいくつの大学から推薦があったのか。」

橋本係長「34名受験しており、複数名出しているところが数校程度なので、学校数で30校程度だと思う。」

大森委員「大学名と推薦数を記載した一覧表をもらいたい。教師養成講座は受講生はどういう学生が多いのか。」

林田部長「こういう講座を受けて教員を目指そうとしている方なので積極的な人が多い。」

大森委員「大学の分布などを教えてもらいたい。」

沼守次長「教育センターに連絡して詳しい資料で改めて説明させてもらう。」

高尾委員「最低合格点の設定は倍率から考えるのか。」

林田部長「そうである。したがって教科によって最低点が異なる。」

林委員「実際に中学校で数学と理科の教員が非常に不足している話を聞いている。確保が大変になっていると思う。そういうところがあってこういうシステムをとられているのだと思う。それでも若い先生が育っていない現状についてはどう考えているか。」

林田部長「新規採用についていえば、初任者研修や2年次研修など、資質向上のための研修はしっかりと行っている。数学や理科、技術はもっと受験していただいて厳選したいという思いがあり、少しでも多くの人に受験してもらうべく大学推薦などに取り組んでいる。より一層周知し、社会人採用についても理科や数学の人を増やせるよう工夫してまいりたい。」

林委員「社会人推薦のことも理系の分野に関してはもう少し知恵を絞る必要があると思う。大学推薦はいつから始めたのか。」

江原代理「昨年である。」

大森委員「試験なので不正防止の観点から聞くが、受験番号を採点者がわからない状態で採点しているのか。」

江原代理「マークシートなので、機械で採点している。」

橋本係長「2次は受験番号しか解答用紙に記載がないが、さらに採点者には受験番号も見られないようにしている。」

大森委員「転記などのダブルチェックはしているのか。」

橋本係長「どのタイミングでもダブルチェックしている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第156号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校教頭の休職に伴い、教育センター指導主事の川崎 俊己を豊新小学校教頭に任命する。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

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