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平成25年第29回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:246100

平成25年第29回教育委員会会議

29回教育委員会会議録

 

1 日時  平成25年9月3日(火曜日)午前9時30分~午前11時、午後1時~午後1時30

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

       大阪市役所3階会議室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員長職務代理者

大森不二雄  委員

西村 和雄  委員

林  園美  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

森本 充博  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

三木 信夫  学校経営管理センター所長

高井 俊一  教職員人事担当課長

武井 宏蔵  教職員人事担当課長代理

川田 光洋  教務部担当係長

芝谷 浩誠  教務部担当係長

坪井 宏曉  初等教育担当課長

小磯久美子  指導部総括指導主事

藤巻 幸嗣  総務課長

玉置 信行  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に西村委員を指名

(3)議題

議案第162号 「幼児教育の改革のための基本的な考え方」について

議案第163号 職員の人事について

議案第164号 職員の人事について

なお、議案第163号及び議案第164号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第162号「「幼児教育の改革のための基本的な考え方」について」を上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

「大阪市教育振興基本計画」において、幼児期は、社会の一員として生きていくための道徳心・社会性、知性や体力の基礎を培う重要な時期と捉え、幼児教育の充実を図ることを示している。本市として、幼児教育に対する取組を強化し、義務教育以降の学力の向上及び人格形成などにつなげられることが求められており、本市の全ての幼児を対象とした、エビデンス(科学的根拠)に基づいた新たな幼児教育カリキュラムを研究開発し編成する。スケジュールとしては、平成25年度に公私立幼稚園・保育所・教育委員会事務局及びこども青少年局の協議により編成し、平成26年度にモデル園において試行し、その効果・課題等を検証する。このカリキュラムにより幼児教育を推進し、市内全ての子どもが享受できるようにするためには、様々な条件整備が必要であり、教育委員会としても市長と連携してその責務を果たす必要があり、幼児教育の充実に充てる施策や具体的事業を推進するとともに、仮称「幼児教育改革センター」の機能の検討を早急に行い、実践・検証の場として、27年度以降、仮称パイロット園を指定する。幼児教育改革センターの機能としては、評価・情報提供機能、カリキュラム開発支援機能、教職員資質向上支援機能の3つを担う必要がある。また、行政の役割として、障がいのある幼児等の特別に配慮が必要な幼児を受け入れるための経費に対する補助金等の支援などの条件整備等について、教育委員会と市長が連携して検討していく必要があると考えている。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「字句の問題について、8ページの3の(1)の本文の2行目の末尾に「設置者の別に関わらず」とあるが、この場合の「かかわらず」は漢字ではなくひらがなであると思う。確認の上、修正されたい。10ページの(3)の第3段落に「行政の役割として私立幼稚園又は保育所に受入れるための」とあるが、「うけいれる」と動詞で使う場合は、「受け入れる」が正しいと思う。字句の修正は以上である。今後この文章を教育委員会として決定した後の話として申し上げる。すでにこの内容は市立、私立を問わずカリキュラム策定に向けた集まりでも説明されているし、幼稚園関係者はご存じだと思う。そこで気がかりな話を聞いた。市立幼稚園の関係者が今回のカリキュラム改革について、今までのカリキュラムに方針の変更があったわけではないという受け止めをしているようである。理想論は別として、いわゆる自由保育、自由遊びという言葉に象徴されるような、指導者、教諭、保育士はあくまで支援者であって、子ども同士もしくは環境の中での子どもの遊びが行き過ぎていて、指導者の役割や意図的にデザインした活動が大事であるということや知性の基盤や規範意識をきちんと指導することが大事であるということを強調しているが明らかなのだが、これが方針転換とは受け止められていない。これまでの自分たちの実践、これは大阪独自の実践ではなくて、文科省の路線に概ね沿ったものであり、小学校についてはすでにゆとり教育が否定されているのに対して、幼児教育は十分な見直しが行われないままであるが、そのところが方針転換されたと受け止められていないと聞いている。今までの実践されてきた個々の幼稚園の実践そのものを否定するのでは全くなく、ちゃんとされているところはしているのだろうが、そうではないところでは自由というものがはき違えられていたり、学習がきちんとできているのか、指導すべきことが指導されていないのではないかという疑問がある。これは小1プロブレムの一因ではないかということも指摘されている。バランスがそっちに振れすぎていたのをより適切なバランスに持って行くということであり、最新の科学的知見に基づいて行うということである。自由保育自体は最近の科学的成果ではなく、私が見た限りでも大正時代からある考え方であり、根源をたどるとルソーまで行き着く。ルソーは非教育者的な人物であったということは歴史上明らかであるが、その人がなぜか教育学上重要視されている。それはともかく、最新の科学的知見に基づいてきちんと知性を涵養するためには、放任しておけばよいということではなく、規範意識についても繰り返し指導すべきことを指導するということを強調しているはずであるのに、今までと変わっていない、今までの市立の幼児教育を守っていくためのカリキュラムだと受け止められている向きがある。これは民営化とは別の話であり、かつ自由保育は市立だけに限った話ではなく、自由保育という言葉でくくることが適切かという議論はあるが、話を簡単にするために自由保育という言葉で言うが、自由保育という考え方は私立にも広く広がっている。ただ、私立は市立ほど一様ではなく、自由保育型の園もあればお勉強型の園もあったりと様々であるが、そういったあり方の転換という趣旨がきちんと伝わると、これはどこか個別の園の取組を否定するとか肯定するとかいうことではなく、今回の幼児教育の改革の趣旨がきちんと伝わるようにする必要がある。ここのところは我々教育委員ではいかんともしがたいところがあるので、事務局においてはきちんと趣旨が伝わるよう、今後きちんと浸透するように説明をし、理解を得られるようにしてもらいたい。」

教育長「大阪市の場合は、いわゆる大阪市の教育改革の中で小学校との接続を念頭に置いてやっていこうということで平成17年頃から大きくハンドルを切った。そういう意味で単なる自由保育ではなく、小1プロブレムを見据えた上で小学校への連続ということでやってきた。そのことについて園長が意識をして子どもの指導にあたっていることから、大森委員が聞いたような感覚があるのかもしれないが、当然のことながら今やっていることがすべてよいということではなく、どのような形で将来にもっていくのがいいかという議論をしていく。ただ、大阪市の教育改革の中で小学校への接続を見据えた保育を市立幼稚園はやってきたということを園長たちは自負しているので、それが大森委員にそういう形で伝わったのかなと思う。そこは議論をしてあるべき方向に向けて進めていきたいと考えているのでよろしくお願いしたい。」

大森委員「大阪市の個々の幼稚園の実践について否定しているわけではなく、今回のカリキュラム策定に当たって何も変更がないというように伝わっている節がある。メッセージは明確で仮に市立幼稚園の中でここ数年間でそういう方向での転換が図られているのであれば、それはそれで、その延長線上でより行政としての姿勢を明確化することが今般の趣旨である。いずれにしても大阪市としての明確なトーンを出しているということがきちんと伝わるようにということである。」

西村委員「字句の修正について、2ページの(1)の2段落に「脳科学の分野でも」という文章があり、例えばという例示があるが、この例示は経済学の分野でのことであり、ここに入ると誤解があるので、「幼児教育には、脳科学の分野でその重要性を示す研究成果があり、また、大きな経済的・社会的効果を有するとの研究成果も諸外国には数多くある。」とあるが、日本でもあると思うので、「諸外国には」を削除して「数多くある」とし、「例えば、・・・」とすればどうか。それと、「良質の幼児教育を受け、学習意欲と読み書きの基礎が培われた」という文章があるが、読み書きも規範意識も全人格的な要素が大きく、それぞれについては後で詳しく説明しており、ここで学習意欲と読み書きの基礎だけを書くと中身を誤解されるので、「良質の幼児教育を受けた子どもには」とした方がよい。」

大森委員「最初の修正について、2つに分けた方がよいかもしれない。」

西村委員「そうかもしれない。」

大森委員「細かい部分は確認しないとわからないが、今西村先生がおっしゃった趣旨で修正されるのであれば賛同する。」

高尾委員「長い間、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の連携が図られてきたが、それぞれの校種の先生方の間で不満があることを聞く。高校の先生に聞くと中学校でここまでやっておいてほしいという要望、中学校の先生は小学校でここまでやってほしい、小学校は入学前にここまでやってほしいということがあり、これは以前に比べたらよくなっているという評価は当然にあると思うが、まだそこらへんが完全でない、あるいは新たな問題が出てきているのかもしれないという思いがある。功績は功績としてわかるが、よく説明していただいて前向きの努力をお願いしたい。質問だがモデル園とパイロット園の違いは何か。」

大継部長「モデル園は4ページ中程に書いているものである。現在幼保合同研究協議会を設置し、この基本的な考え方に基づいたカリキュラム編成の検討を行っている。編成したカリキュラムに基づいて協議会に参加している幼稚園、保育所の中から平成26年度にモデル園を設置して、このカリキュラムを実際に試行することを考えており、これをモデル園としている。パイロット園は9ページに書いているが、カリキュラムを策定し、さらに幼児教育改革センターを設置し、カリキュラムの実施を全面的に実施していくための実践的な場所として平成27年度にパイロット園を設定するものである。」

高尾委員「ということは、大きな違いは試行でやるか全面的にやるかということか。それと、モデル園は市立幼稚園よりも私立幼稚園の方を重視してやっているような印象、パイロット園は両者を同じようにするという印象を受けたがどうか。」

大継部長「現在策定に関わっている私立幼稚園、公立幼稚園、保育所の関係者の中で公立、私立にかかわらず実施をしたいと考えている。27年度以降のパイロット園も公立、私立を問わず実施していきたいと考えている。」

高尾委員「ではあまり私立にこだわらなくていいのか。」

大継部長「そうである。」

大森委員「今回の民営化にかかわり、モデル園、パイロット園について、どういう園が対象になるのか。先だって廃園や学校法人への移管という方向性が示された市立幼稚園がいくつかあるが、これらの園ではモデル園やパイロット園の対象としては考えられないという理解でよいか。」

教育長「そういうことになると考えている。モデル園は25年にできたカリキュラムを26年に試行していただいて、27年度以降はパイロット園に変わっていく。パイロット園はおそらく公募することになると思う。」

大森委員「モデル園は公募しないのか。」

教育長「モデル園はカリキュラム策定にかかわった園にやってもらうのがいいと考えており、改革の趣旨を理解いただいた園にやってもらいたいと考えている。」

大森委員「公募ではなく、今策定にかかわっている園の中から話し合いの中で実施園を決めて、支障がなければ行政として指定するという段取りでよいか。」

教育長「よい。」

林委員「社会のニーズとして今働く女性が非常に増えており、保育所に期待を寄せる部分が多くあると思うが、今回一つの方針が示され、幼稚園と保育所が合同で話し合いの場がもたれていると思うが、どの程度連携がされていて、どの程度保育所が参加する可能性があるのか。」

大継部長「現在幼保合同研究協議会では公立幼稚園、私立幼稚園、公立保育所が参加し、私立保育所がオブザーバーという形で参加している。この間2回の合同研究協議会を実施した。保育所は0歳から子どもがおり、0歳からの保育の中でこれをどのように盛り込んでいくか現在議論している。言葉一つにしても十分な議論をしながら検討していかなければならず、そのあたりは鋭意努力しながら1年かけて議論していきたい。」

林委員「議論がスタートしたことは非常にいいことだと思う。できれば一つの保育所でもいいので、モデル園は難しいかもしれないが、パイロット園は公募するということなので、少しずつでも手を挙げていただいて広がっていくことがいいと思う。非常にニーズがあることなので、その努力をお願いしたい。」

西村委員「幼保の連携に関して、特に幼稚園が終わった後、両親が働いている場合に、アメリカであればずっと昔から幼稚園の先生が園児を保育園に連れて行き、後は保育園で過ごすことになっているがそういう連携はあるのか。」

沼守次長「国の方針の中でも幼稚園が終わった後の時間をどう過ごすかということが示され、平成18年に大阪の公立幼稚園では預かり保育という形で、現在5時まで預かっている。私立は時間帯は違うがほとんどの幼稚園で子どもたちを延長して預かっている。」

西村委員「5時は早いのでは。」

沼守次長「いろんな議論があった。それを踏まえて改善をしてきた。例えば夏期休業中の預かり保育もしている。どういう時間帯がいいのか施策の観点から検討、検証が必要だと考えている。」

大森委員「欧米の大きな議論の流れでは、日本と同様に少子高齢化、女性の就労支援という観点から、子どもを預かる機能というか、保育所的な機能が大きく着目され、子育て支援という観点からの政策が先行したが、これが近年そのまま継続されつつ、預かっていればいいということではなく、そこでの子どもたちへの教育、学習がその後の人生に大きな影響を与える、あるいは学校教育の中で幼児期の教育が最も影響が大きいということが強調されるようになって、どちらかというと今は幼保全体を教育施設と考えるようになっている。例えば国の省庁でいうと、西側先進国の趨勢としては、もともと分かれていたものを教育担当の省に一元化するという所掌の変更が行われている。そういう意味では日本では当の文科省が幼保一元化に抵抗しているという状況があるが、日本ではなかなか幼保の境目が取り払われていない。ただ、実際にやっていることは似たようなことであり、先進国の中では行政の体制として遅れているのかなと考えている。大阪市では今の林委員の話にもあったが、ぜひ保育所の関係者の皆さんに教育機能、今までも重視されていると思うが、一層重視していただくために、このカリキュラムが納得のいくものになるようにして、保育所でも導入してもらうようにしてもらいたい。保育所であれ幼稚園であれ、また、年齢にしても3歳の方が4歳、5歳よりも重要だという話もあり、そういう意味で保育所はすごく大事だと思う。国の所管が分かれており、それと並行して地方公共団体でも教育施設と福祉施設ということで管理が違ってくるということは制度的に仕方ない面はあるが、それを乗り越えて教育機能が担保されることが必要だと思っている。教育問題について幼児教育だけに着目するのではなく、小学校、中学校まで含めて見た場合、大阪市の学力の問題、生活指導上の問題、児童生徒の問題行動の観点をトータルで見てどう捉えるかということが必要である。問題があることについて、それぞれの段階できちんと検証する必要がある。問題行動の面でも学力の面でも問題が顕在化するのは中学校であるが、それがすべて中学校の責任かというとそうではないと思う。幼小中のそれぞれの段階で問題を直視して、何をどう改めるべきかということをやっていく、本日の議案はそれの幼稚園段階のものであると考えている。全体の中で義務教育を見通して小学校、中学校を含めて考えていく必要がある。」

西村委員「名前について、英米ではプリスクールエデュケイションということでまとめている。就学前教育という言葉をもっと使って、幼稚園と保育所を区別しないで、就学前教育という言葉を使っていくのがいいと思う。確かに3、4歳が一番効果があると言われている。」

小磯総括「保育所の関係者からも非常に多く意見をいただいており、今作成中のカリキュラムも幼児教育カリキュラムという名前ではなく就学前カリキュラムにしてはどうかということで検討中である。それと保育士は0歳から2歳の子どもたちの育ちが3歳児からの幼児教育に非常に重要な役割を果たしているので、その部分がほしいということで、それを一つ項立てして入れていこうと考えている。また、小学校の校長先生からも幼児教育の中で小学校への接続が非常に重要であるので、幼稚園、保育所からの接続についても項立てしてはどうかという意見をいただいており、検討している。」

大森委員「今の点について、今日は就学前教育ということになっており、今の段階で文言を変えるのはおそらく難しいと思うが、この文書を就学前教育とするということはなくて、小学校との連携についても特に項立てするわけではない、要するにこの議案においては、幼児教育という言葉のままで、小学校との接続も項立てするということではないということでよいか。カリキュラムの最終的な成果物の段階で幼児教育ではなくて就学前教育とし、小学校との接続を柱立てをするという話か。」

小磯総括「そうである。」

委員長「幼保一元化のこども園について国で議論されていると思う。厚労省と文科省の考えの違いが相当あると思うが、今どんな議論になっているのか。融合はしていけるのか。」

小磯総括「現在子ども子育て会議が立ち上がっており、その分野で幼稚園と保育所を認定こども園という形で見直しが図られていると聞いている。市でもこども青少年局でこども子育て支援会議を立ち上げている。」

委員長「認定こども園は以前から言われているが、なかなか整合していかない状況があるが、本当に融合していくのか。0歳児から2歳児、2歳児から5歳児ということで言うと、0歳児から2歳児の部分は保育所の方がノウハウがあるのでその部分は保育所がイニシアティブをとっていく、幼稚園は小学校との連携があるので、その部分は幼稚園がイニシアティブをとっていく可能性があるということからすると、両方をうまく融合させていく必要があると思う。本当にできていくのか。」

教育長「もともと幼児教育の基本的な考え方は、幼稚園、保育所に行っている、あるいは在宅の子どもといったすべての子どもたちにきちんと就学前教育を行っていくことを目的にしている。幼保合同のカリキュラムについては、保育所の中にも幼稚園教育の要素を入れていく、小学校との接続も保育所の中にも入れていく。逆に保育所において0歳児からカリキュラムとして組み立てていく。大阪市域の子どもたちはそういうカリキュラムを受けれるような状況に持って行くことが趣旨である。問題は、私立がこのカリキュラムを使うかどうかは経営者の判断になることである。我々としてはいいものを作っていくことをしていく、そのためにも私立に入ってもらい使いやすいカリキュラムを開発したいと考えている。子ども園を作るのではなく、大阪市の保育所が機能的に幼稚園機能を含んだものになっていくことを狙っている。」

委員長「その時に第三者評価の問題も絡んでくると思う。評価指標についてはどうか。」

教育長「今そこまでは議論がいっていない。」

大森委員「評価指標は議案の9ページにも記載がある。幼児教育改革センターの3つの機能の中の一つとして評価・情報提供機能があり、こども青少年局を主体として検討が始まったと理解しているが、教育的観点がきちんと反映されるよう、評価とか質、水準という以上は、預かり保育やバスの送迎などのサービス面だけではなく教育面でどうなのかという情報が提供する、客観的にわかるものはどんどん公表するよう私立にも協力してもらうという方向性が必要だと思うが、教育委員会としても貢献していく部分だと思う。認定こども園について、国の動きとして、幼稚園や保育所がすべて子ども園になっていくとか、幼稚園や保育所の種別がなくなる方向で動いているとは思えないが、事務局で国の動向は把握しているか。」

小磯総括「子ども子育て関連3法が成立し、それに従って今後子ども園の方向に進むということが言われているが、現在は幼稚園、保育所と認定こども園が存在するというように考えている。」

採決の結果、委員全員異議なく、修正案どおり可決。

 

議案第163号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成24年度における体罰事案を一括して審議いただく。被処分者として小学校5名、中学校10名の計15名である。処分量定として2名を停職、10名を減給、3名を戒告とする。処分量定の考え方として、傷害のあった事案は減給1月を基本とし、傷害の程度が軽微な事案を戒告としている。また、過去の体罰による懲戒処分歴、本件事案の体罰の態様に応じて加重をし、総合的に判断して量定を決定している。最も重い量定が停職2月である。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「高校はないのか。」

芝谷係長「今回、高校では懲戒処分にあたる事案はなかった。」

大森委員「中学校では生活指導と部活動の2つの場面があるが、中学校の10名のうち体育科教諭は何名いるのか。」

芝谷係長「3名である。」

大森委員「議案書36ページについて、事実の概要の1(2)の暴力事案について、卒業生とはすでに卒業していた者なのか、当時は在校生だったのか。また、体罰なのか暴力行為なのか。」

芝谷係長「当時すでに卒業していた者に対する暴力行為について懲戒処分を行っている。当時すでに高校生になっていた卒業生で高校で停学処分を受け、当該中学校で復学指導を行っていた際に暴力行為を行った。」

大森委員「大阪市として体罰と暴力行為の言葉の使い分けは厳密にやっていきたい。この中で最も重いけがはどれか。」

芝谷係長「骨折については、行為の後に児童が転倒するなどした際に起こったものであり、直接的に叩いた行為による最も重いのは鼓膜損傷もしくは4針縫った側頭部裂傷と考えられる。」

大森委員「鼓膜損傷や側頭部裂傷でも基本は減給なのか。」

芝谷係長「今回の考え方としては軽微な傷害は戒告としている。当該の傷害は加重すべき重篤な傷害とは考えておらず、加重要素とは見ていない。」

大森委員「重篤な傷害とはどのようなケースなのか。」

林田部長「これまでのケースでは鼻骨骨折などが考えられる。」

芝谷係長「後遺障がいが遺るようなケースも重篤な事案にあたると考えられる。」

大森委員「部活動及び生活指導が体罰等が起こりやすい局面である。中学校においても部活動で起こっているということが問題である。」

高尾委員「事案の10番と11番のケースが気になる。10番では、ある生徒が別の生徒を背中越しに持ち上げて地面に落としたとあるが、背中越しとはどういう状況だったのか。」

芝谷係長「後ろから羽交い締めにするような形で持ち上げて落とした。」

高尾委員「それはかなり激しかったようで、口から血を流して気を失っていたとある。11番のケースでは、他の生徒の手足を持って3階から投げ落とすまねをしたとあるが、どのような状況だったのか。」

芝谷係長「3名の生徒が1名の生徒の手足を持って窓に向かって放り投げる仕草を繰り返していたと聞いている。」

高尾委員「窓は開いていたのか。」

芝谷係長「開いていた。」

高尾委員「両ケースともいじめの可能性を検討しなければならないが確認しているのか。」

芝谷係長「当該教諭がその行為を見つけた際に、すぐにやめさせて、投げられるまねの行為を受けていた生徒に最初に確認したところ、ふざけて遊んでいたということを確認した。いじめかどうか確認したが、ふざけていたということを確認し、その上で行為を行っていた3名を別室に呼んで指導している。」

高尾委員「それから最初のケースで気絶しているというのはふざけとは思えないが、これはいじめについての確認はどのようにしたのか。どういう結果だったのか。」

芝谷係長「当該生徒は日頃から問題行動を起こす生徒であり、当該教諭は部活動顧問であるとともに生活指導も行っていたので、常日頃から当該生徒に指導していた。部内でもいじめというよりは当該生徒の下級生に対する問題行動が日頃からよくあり、今回は非常にひどい状況になってしまったので当該生徒もかなり驚いていたと聞いている。」

高尾委員「日頃からあったというのはいじめにつながっているのではないか。10番のケースでは上級生と下級生という関係でなされているのでもう少しきちんと押さえておく必要があったのではないか。先生が聞いて大丈夫だったからどうということではなく、組織的に対応しましょうということになっている。これまでの授業態度はどうだったのか、部活ではどうだったのかといったその生徒のすべての情報を合わせて、丁寧に対応するというのが基本的なルールの一つだと思う。現場の先生が聞いて大丈夫だからというのでは不十分だと思う。10番のケースは事案が9月に発覚し、それをそのままにして教育委員会にも報告がなくて、翌年の2月の一斉調査の際に初めて報告があった。いじめも疑われているような事案において報告がこれでよかったのか。問題があるように思う。同じことが11番のケースでも言える。これも教育委員会には報告がなく、半年以上経ってから初めて教育委員会に報告があった。体罰暴力行為もさることながら背景にいじめの要素も疑われる事案で、このような対応でよかったのか疑問に思う。」

大森委員「処分の問題とは別にして、いじめ事案としてきちんと対応しているのか。いじめられている生徒がいじめではないと言うことはよくあることなので、いじめを疑って学校として対応すべき事案だと思うが、両事案において関係生徒から事情を聞いて対応しているのか。」

教育長「11番の事案は対処している。」

芝谷係長「10番のケースは特定の生徒ではなく、一人の上級生からいろんな下級生に対してこのような行為を行っていた。当該生徒が集中的にされていたというわけではない。」

大森委員「その後それは解決されたのか。」

芝谷係長「はっきりとはわからない。」

大森委員「11番のケースも、そのときにいじめかどうかやられていた生徒に確認して、それで終わっているだけである。」

林田部長「今回処分ということで教務部で教諭から聞き取った状況を報告している。おっしゃるようにいじめ事案に対しては学校長を中心とした対応なり、指導部への報告がある。再度その後の状況を確認したい。」

大森委員「指導部は2月にこの調査をする以前からこの2件の情報は知っていたのか。」

教育長「知らなかった。」

大森委員「いじめに関わる調査は指導部はやっているのか。」

教育長「やっていない。処分を前提とした調査しかしていない。」

大森委員「背景として生徒のいじめや問題行動が出てきた場合は、それはそれできちんと対応しなければならない。学校で対応しているかどうかを確認し、学校で対応していなければ対応するよう指示しなければならない。」

教育長「教務部だけで聞くのではなく、指導部も入って聞かなければならないのではないか。」

大森委員「そういう話ではない。桜宮高校の件でもそうだったが、教員を処分する案件でなぜ指導部が入っているのかということなので、そういうことではなく、そこから出てきた情報でいじめ等が疑われる生徒問題が明らかになった場合に情報提供がなされなければならないのであって、別に教員の問題について最初から教務部と指導部が一緒になって事情聴取するというのは違う。」

教育長「同席すればよいと思う。どうしても生徒の問題行動の観点が抜けてしまう。」

大森委員「教員の非違行為だけだったら教務部の所管であり、生徒の問題行動が疑われる場合にのみ指導部の役割が出てくる。そこははっきりさせないといけない。」  

教育長「以前桜宮高校の事案の時にフローチャートに教務部が主体とした調査で、そこに指導部が同席するということで整理している。責任は教務部であるということで整理している。委員の皆さんで議論してそう決まった。」

大森委員「教務部が事情聴取している中で指導部の所掌にかかわる事象が出てくればそれを指導部に情報提供することが大事なことである。今回の事案を見ていると、教員の非違行為にしろ、生徒の問題行為にしろ、教育委員会に情報があがっていない、学校で隠蔽されるということが明らかになっている。今般の調査あるいはこれから出す指針を受けて、どの程度それが実効性が持つか。出せば改まるとは思えない。今回出してきたのは生徒のアンケートをとっているからである。裏がなければ隠蔽する恐れがある。」

高尾委員「10番のケースで、いじめが疑われていた生徒に対して継続したいじめはなく、継続的に3年生が1年生をいじめるという関係にあったとのことだが、これもいじめにあたる。むしろ悪質性がさらに発展する可能性がある。特定の生徒がいじめられたからいじめであるということではないということをきちんと押さえておいてもらいたい。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第164号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

小学校校長について、同校に在籍する児童の保護者に対し、不適切な内容のメールを複数回送信するとともに、学校関係者との親睦会において当該保護者の臀部を手で触った。その後同校のPTA役員等から注意を受けたにもかかわらず、再び当該保護者の左肩から左腰にかけてのあたりを軽く触れた。また、未成年の女性に対し不適切な発言を行った。さらに別の保護者に対し不適切な発言を行った。以上のセクシュアル・ハラスメント行為により懲戒処分として停職1月を科すものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

委員長「昨日当該校長より新たな顛末書が提出されたが、この内容について説明してもらいたい。」

林田部長「事務局として当該校長が事実関係を認めていると認識していた事柄について、それを否認する内容の申し立てがあった。昨日提出されたところであるので、その内容についての事実関係の確認はできていない。」

大森委員「本件は重大な事案であるので、資料を詳細に、かつ慎重に検討した上で、公正、公平に判断する必要があると考えている。重要な部分にあたるので、その点について事実関係を確認してもらった上でないと判断できない。」

教育長「今回の申し立て内容について事実関係を調査する。その上で改めて判断してもらいたい。」

採決の結果、委員全員異議なく、継続審議とすることに決定。

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

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