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平成25年第30回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:246101

平成25年第30回教育委員会会議

30回教育委員会会議録

 

1 日時  平成25年9月10日(火曜日)午前9時30分~午後0時40

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

       大阪市役所3階会議室

 

3 出席者

長谷川惠一  委員長

高尾 元久  委員長職務代理者

大森不二雄  委員

林  園美  委員

 

永井 哲郎  教育長

荻野 哲男  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

森本 充博  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

上林 幸男  教育事業監理担当部長

三木 信夫  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

山野 敏和  人事・効率化担当課長兼企画担当課長

伊藤 純治  企画担当課長代理

本  教宏  連絡調整担当課長代理

山東 昌弘  総務課担当係長

森 健 総務課総括指導主事

高井 俊一  教職員人事担当課長

江原 勝弘  教職員人事担当課長代理

武井 宏蔵  教職員人事担当課長代理

橋本 洋祐  教務部担当係長

川田 光洋  教務部担当係長

田岡  進  教務部担当係長

延原 弘明  音楽団長

下阪 善彦  音楽団副参事兼担当係長

森本 義範  指導部首席指導主事

茨木 久治  指導部総括指導主事

坪井 宏曉  初等教育担当課長

島田  武  指導部指導主事

吉田 政幸  こども青少年局幼稚園運営企画担当課長

森岡 慶喜  こども青少年局管理課担当係長

藤巻 幸嗣  総務課長

玉置 信行  総務課長代理

松浦 令   総務課担当係長

ほか係員2名

 

4 次第

(1)長谷川委員長より開会を宣告

(2)長谷川委員長より会議録署名者に大森委員を指名

(3)議題

議案第164号 職員の人事について

議案第166号 大阪市立学校の入学料等及び幼稚園の保育料等に関する条例施行規則の一部を改正する規則案

議案第167号 市会提出予定案件(その11

議案第168号 市会提出予定案件(その12

議案第169号 市会提出予定案件(その13

議案第170号 職員の人事について

議案第171号 「国家戦略特区」に関する提案について

議案第172号 職員の人事について

議案第173号 職員の人事について

なお、議案第164号、議案第170号、議案第172号及び議案第173号については教育委員会会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、議案第167号から議案第169号については教育委員会会議規則第6条第1項第5号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく会議は非公開とされた。

 

(4)議事要旨

議案第166号「大阪市立学校の入学料等及び幼稚園の保育料等に関する条例施行規則の一部を改正する規則案」を上程。

吉田こども青少年局幼稚園運営企画担当課長からの説明要旨は以下のとおりである。

国が平成25年度の幼稚園就園奨励費補助金国庫補助額の対象区分を改正し、新たに対象者が設定されたことから、大阪市立幼稚園の保育料の減免の対象者について改正する。具体的には、大阪市内に居住し、幼稚園、特別支援学校幼稚部等に在籍する兄又は姉が2人以上いる大阪市立幼稚園在園児の保育料について、年額79,000円を限度とする減額を行う。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「12ページのところで年額79,000円を限度とするとあるが、所得によって差があるのか。」

吉田課長「幼稚園に年度途中に入園の方について月割りになるため、79,000円を限度としている。」

高尾委員「ということは原則79,000円という理解でよいか。」

吉田課長「そのとおりである。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第171号「「国家戦略特区」に関する提案について」を上程。

浅野総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

「国家戦略特区」に関する教育委員会関係の提案であり、公設民営学校の設置に関する3つの提案を行うものである。1つ目は、「国際バカロレアの認定を受ける公設民営学校の設置について」、現在国際的に活躍できる「グローバル人材」を育成することが急務となっており、また、国際的な人材を招へいするためにも、その子弟を受け入れることができる国際バカロレア認定校の増設は極めて有効な手段と考えている。国際バカロレアの認定を受ける中高一貫校又は中高一貫した学科を設置し、公設民営の手法により学校運営の全体又は一部に民間活力を導入することで、運営に関するノウハウや教員育成などの課題解決を図るものである。2つ目は、「公立学校運営の民間への開放について」、中高一貫校を新設して実施するものである。大阪市において多様化する生徒、保護者、地域のニーズに対応するため、特色ある学校運営や学校の選択肢の拡大を推進しており、さらなる飛躍を期して、民間のノウハウや専門的人材を活用するため、中高一貫校の設置に当たり、その管理運営の民間委託を行ってまいりたい。詳細な内容については、プロポーザル方式により業者提案を受けて検討してまいりたいと考えている。3つ目は、「公立学校運営の民間への開放について」、既存の小中学校で実施するものである。従来の公立学校では成し得なかったダイナミックな学校経営を実現し、民間のノウハウや専門的人材を活用して、義務教育の質の向上と効率化・多様化を図るものである。詳細な内容については、プロポーザル方式により業者提案を受けて検討してまいりたい。いずれも5年以内の開設をめざすこととしたい。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「11ページの事業による具体的な効果の2つ目に書いてあるとおり、公設民営はあくまで公立学校の範疇で考えていくと、ただし、これまでの公立学校の教育を変え、新しい時代の公立学校のあり方にもっていくということであり、これは要するに費用負担の面で民営化するということではない。そこを誤解されないようにしなければならない。つまり、お金を持っている家庭の子どもが有利になるという話ではない。民営というとかならずそういう誤解に基づく批判があるが、お金の話ではない。これまでの公立学校と同様に公が費用を負担する。また、公立学校である以上は、私学とは異なり、地方公共団体等の教育の目標、目的があるので、特に学力や子どもたちの問題行動を防ぐ、健全育成という教育の目標はきちんと担保しなければならない。教育の質は保証していかなければならない。その目標をいかに達成するかといかという学校の運営や教育活動を民間の創意工夫に委ねるということがポイントになる。そういう意味で公立学校ではあるが新しい時代に即したあり方であるということを強調していかなければならない。別の言葉で言うと公立の学校の民間委託と言えるが、学校教育における民間委託は最も遅れており、保育分野ではすでに取り入れられている。例えば保育所では管理運営の民間委託がすでに実現している。公共サービスのほとんどが民間活力を利用するというか、公共サービスをよりよくするための一つの手段としてそういう手法をとることが他の分野では定着しているが、学校分野ではまだ手つかずであった。今回の大阪市の提案は、そこによい意味で風穴を開けることだと思っており、その意義はものすごく大きいと思っている。ただ、現状では、国家戦略特区を担当している内閣府ではなく、教育を担当する文科省では間接情報では大臣は非常にやる気があってぜひやりたいという意向のようだが、その下の官僚組織については、これまで民間委託の話は幾度も出てきたが、実現してきておらず、そういった役所組織が変わっているのかということが判然としない。大阪から積極的な意欲と緻密に取り組んでいくということを示すことがこの提案以降すごく大事になってくると思っている。質問だが、今の説明の中で義務教育国庫負担法と市町村立学校教職員給与負担法の説明の中で、国の負担だけに言及したような気がしたが、義務教育の教職員の給与費は3分の2は府の負担で残りが国の負担であるが、府費の負担もちゃんと担保することを求めるということでよいか。」

浅野部長「その点は大阪府も協力してくれるということである。府市の共同提案であり、府市が一緒に国に対して求めていくという趣旨である。」

大森委員「公設民営学校についての国家戦略特区についての提案は府市の一体的な提案ということでやっていくという理解でよいか。」

浅野部長「もちろん高校については27年に向けての府への移管があり、これから大阪府と調整していくことが必要となるが、全体として府市が協調してやっていく。ただ、バカロレアについては実施主体は大阪市であり、大阪府との共同提案には至っていないが、協力はするという話はいただいている。他の2つについては共同提案ということで確認をしている。」

大森委員「バカロレアだけでなく小中学校のことで言えば、設置主体は大阪市であり、府が学校の設置主体ではないという違いがある。給与負担の問題もあるが、いずれにしても連名であるとか協力であるとか、技術的な表現の違いはあるが、トータルのパッケージとして公設民営を進めていくという全体の枠組みについては大阪市と大阪府の一体的な取組と考えているがそれでよいか。」

浅野部長「大阪府ともそのように話をさせていただいている。個別の課題についてはこれから調整すべきことが多いと考えているが、基本的には一緒に提案していくということである。」

高尾委員「これはすべての大阪市の学校がこうなるということではない。確かにこれまで公立学校であるが故の制約が一面として長所の反面としてあった。教える内容や方向、問題が指摘された人事の問題や経費負担の問題があった。一つはその制約をプラスに転じていこうとすることである。もう一つは受益者からの視点からすると、これまでの公立学校で受けられなかった内容の教育が受けられる可能性があるということがある。経済的な理由で受けられなかった家庭にもより広いサービスが提供できると考える。ただ、いろいろな人に話を聞いてみると、公教育は民間に譲ってはいけないという強い意見を持っている方もいる。この点も踏まえて我々としてきちんと検討し、説明していかなければならないと考えている。いずれにしろ高校が移管されるという過渡期にもかかっているので、府に対しても理解、協力を求めていくことをなお一層お願いしたい。」

教育長「小中学校は「既存の」ということが書いてあり、どこの学校でやっていくのかは今後委員の皆さんと慎重に議論を重ねたい。ある学校が公設民営学校になると校区の子どもはその公設民営学校に通っていただくことになるので、質の向上を地域の方に約束をして理解を得ながら進めていくことが大前提になる。」

大森委員「公設民営学校は日本の中で考えるとありえないような話に聞こえるが、海外では例えばアメリカのチャータースクール、これは厳密な意味での大阪市で取り組もうとしている公立学校の管理運営の民間委託とは違うが、それに類似した公設民営タイプの学校として有名である。これはそもそもの発端を見るとお金持ちのための学校というよりはむしろ逆の学校も多く、いかに大都市の貧困地域において魅力的な学校で子どもの学力その他を引き上げていくか、将来のチャンスをものにできるような大人に育ってもらうかということで、公立学校の教育の質、水準が必ずしも十分でないという問題意識の中で新しい学校が設けられていったという経緯がある。成功と失敗の例は様々で、トータルとして効果がどうかという議論がずっと続いているが、すでに海外ではそういう例がある。多くの日本人はアメリカのことしか知らないが、イギリスのイングランドでは、中学校において見ると、広い意味での公立学校の数、生徒数で見ると、公立学校の約半分は公設民営型の学校になっているという事実がある。その中で何がポイントかというと、結局校長のリーダーシップの下でどのような教職員がほしいかということを校長がかなりの自由裁量を持ってやれるし、どのようなカリキュラムに重点を置いて、そのためにどういうお金の使い方をするかという自由度が高い。そういう意味で公設民営の学校に変わることによって、校長の能力と理念の下に学校が劇的に変わるということが珍しくない。つまり、ロンドンを初め大都市の貧困地域の学校は学力が非常に厳しいところが多いが、学力が学校の転換後飛躍的に向上して全国平均をはるかに上回るという成果を上げている学校が存在するという事実がある。学校のあり方、マネジメント、ガバナンスのあり方を変えることによって、校長や教職員の理念が教育実践に結びつくことによって、学校の効果が劇的に変わることがあるということである。そのために学校の自主的、自律的な運営と学力その他についての成果についての説明責任とがセットで学校経営の自由が保障されているが、それによって学校は劇的に変わりうるということがある。先進国の間では公設民営化は学校の自由度を増す究極の姿の一つであるが、日本の学校制度はそういう方向に改革に踏み出すことに大幅に遅れている。こういう改革の方向性はアメリカやイギリスだけではなく、北欧でも行われており、中でもスウェーデンが有名である。少なくとも先進国では大きな方向性として公立学校教育の中で自主的自律的な運営ができる姿が追及されている。先ほどの教育長の発言に関連して、地域の学校の民間委託を考えていく際には、地域の行政について一定の責任を負っている区長、区担当理事の役割を重視し、地域の保護者や住民の理解を得ながら進めていく、その際のキーポイントは公設民営の学校になることによって、何ら悪くなる要素はなく、むしろよくなるということを担保して、それを理解してもらいながら進めることが非常に重要だと思っている。学力、学校環境などの様々な意味でみんなが行きたいような学校になっていくということを説得力を持って説明していくことが重要である。その際には地域に根ざした行政の存在である区長の役割を重視するべきだと思っている。」

林委員「受益者というか保育者の視点からこの事業について考えた時に、大阪市で進んでいる学校選択制に始まり、これまで教育は選ぶ権利がなく与えられてきたのが、選ぶことができるというように大きく変わっていく中の一つであると思う。保護者が選ぶという形になれば、正確な情報を発信することが大切になる。このプロジェクトが実現していく段階で、地域の人への説明やいろいろなことがあると思うが、一つ一つ不安を取り除く努力が行政に求められるし、学校も情報を発信する必要がある。それを子どもや保護者が受け止めて選んでいくということが大阪市から始まっていくというように捉えている。英語教育も始まるがそれによって力をつけた子どもが世界で活躍していく上での一つのものとして、国際バカロレアも重要である。いろんな特色を持った学校や教育によって、特色や個性のある子どもが育っていくと思うので、丁寧な対応できちんとした学校の実現に向けて努力していきたい。」

委員長「国家戦略特区の提案のキーポイントはここに書かれている「新時代の公教育を創造する」という言葉だと思う。ただこの言葉は抽象的なのでなかなか伝わりにくいところがある。私が考える新時代の公教育の創造は、今大阪市は教育改革を進めており、私はその中で開かれた学校づくりがキーになっていくということで教育委員会内部で様々なところで議論されている。そういう意味で言うと、新時代の公教育を創造するというのは、結果的には開かれた学校が究極になると考えている。いろいろな場面で開かれた学校づくりをやっていくのであるが、そういう意味で言うとこの戦略特区の提案がやりやすさがでてくると思うがその辺はいかがか。」

教育長「そういう意味ではいわゆる義務教育を含めた公教育の多様性を入れていくということになる。具体的には事業者のプロポーザルを受けて、その中でどれがいいか議論して選んでいくことになるが、教育委員会事務局で今やっている範囲を超える発想が出てきてほしいと思っている。ただ、あくまで公設なのでその学校に対して教育委員会として責任を持たなければならない。自由な発想を求めるが実現可能性の高いものに絞っていくということについて、引き続き議論をお願いしたい。」

委員長「私立学校、公立学校、公設民営学校という種類に分かれていくと思うが、公設民営学校が発展的なものになっていく施策が必要だと思うので、コンセプト作りはできるだけ明確にしていく必要がある。私が思う公設民営化のコンセプトは開かれた学校だと思うので、皆さんで今後議論していきたい。」

大森委員「今教育長から事務局からは出てこないような発想でという意見があったが、今の政権、政治家は異次元の改革とかそういう言葉が経済を始めいろんな分野について言われており、日本再興戦略もそういう考えだと思うが、それに大阪市、大阪府が答えていくということなので、行政としての責任を担保しながら、同時に行政自体も異次元の発想について行けるようにしていかなければならない。そうしていかないと国の意気込みに対して大阪市からこのように大胆に提案しているのであるから、そういう発想力を国に対して大阪市も問われると思っている。同時に行政としての責任を考えた場合に、11ページにあるように教育の質を担保するということと業者が撤退した場合に自治体が直ちに運営を引き継げる体制が必要になる。経営上のリスクがない業者を選ぶしかない。委託の段階で近い将来経営リスクがありそうなところではない業者、財務面で健全な事業者を選定することが行政として必要だと考えているが、万が一のためのセーフティネットであると考えている。教育という観点からすると、教育の質を担保する評価等の仕組みの構築ということになると思う。ただ、この点は気をつけないと行けない。こういう理由のために細かい規制を作って、結局何のための公設民営化だったのかとならないようにしなければならない。細かい規制で質を保証するのではなく、結果としての子どもの学力や状態を客観的な指標で測定してチェックすることが大事であり、事前に細かな規制を設けてその通りにしなさいというのでは何のための公設民営かわからなくなってしまう。これは国に対してもきちんと言っていかなければならない。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第164号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

本件は9月3日の教育委員会会議で継続審議となったものである。9月2日に当該校長より提出された顛末書を受け、追加調査を行った点について説明する。臀部を触ったということについて、当該校長は、通路が狭かったため、当該保護者の後ろを通ろうとした際に手が触れてしまったものであると述べ、故意でなかったことを強調しているが、その場に同席していた方に聴取したところ、臀部を触ったのを目撃したが、偶然手が当たったようには見えなかったとのことであった。さらに、未成年の女性に対する発言について、当該校長は明確に否認したが、その場に同席していた方に聴取したところ、校長の発言を聞き、その場で校長に対して注意をしたとのことであった。これらの点について議案書を変更している。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「基本的な立場について考えてみたい。当該校長の行為はあるまじき行為であると思う。意図的であるか意図がなかったかは問わず、女性の人権を侵害しセクハラと評価されるものである。これを許容することはできないと考える。処分については校長がセクハラの意図というのを否認しているということ、訴訟も辞さないという姿勢を見せているということを聞いており、慎重に事実とルールに照らして公正な処分をすることが必要であると考える。過去の処分例を見たところ、今年に入って学校の幹部職員によるセクハラ案件が2件ある。1件は校長によるセクハラ事案であり、被害者が女性教諭である事案である。被害女性の訴えによれば、校長とともに別の男性職員からも繰り返しセクハラを受けていたということ、校長は日頃から何度も被害女性教員の体に触れる、中には胸の近くまで触れるということがあったということ、さらに離婚の理由を尋ねて、性的な不一致が原因ではないかということを聞いていること、さらに他の男性職員からセクハラ被害を受けているという本人にとって他の人に知ってほしくない情報を同じ学校の教員2名に話したこと、当該女性教員の父親が自衛隊員であることを指摘して右翼だと非難したことであるが、集中した攻撃を加えている事案である。これに対して教育委員会として懲戒処分をする必要がないとして、口頭注意という行政措置で済ませている。この件に関して私は説明を受けた記憶がない。こうした今年にあった2件の実例を見ていると、今回のケースは口頭注意や戒告という寛大な処置で済ませるべきではなく、私は減給1月という極めて重い処分を科すことが妥当だと考える。」

教育長「いずれの案件も人事監察委員会の意見と同じ内容の決定となっている。今回については人事監察委員の2名は停職1月が相当という意見を伺っている。今の話であれば前例に照らすと停職1月は厳しく、3段階低い減給1月が妥当であるということになる。」

高尾委員「人事監察委員会については、果たして丁寧なきちんとした資料に基づいて判断していただいているかというとそうではないのかと思っている。特に2回目の事実の認定に関しては前提となる事実がどうなのかという思いを持っている。人事監察委員会の意見が決定権を持つということではなく、我々が判断する際の参考とするものである。我々の自律的な判断があってしかるべきだと考えている。停職1月と比べてということではなく、全体の流れの中で重いと言われる減給1月にしたらどうかと思っている。私は減給1月は決して軽い処分ではないと思っている。これまでの処分実績から比べても非常に厳しい処分を受けるということは、本人にとっても重大な事柄だと思っている。口頭注意で済ませるような場合と違って、やり方によっては社会的に抹殺されることに等しい非常に厳しいものである。」

教育長「減給1月が厳しい処分というのは間違いない。公務員にとって懲戒処分を受けるのは厳しいものである。案件と量定のバランスとして減給1月が軽いのではないかということを申し上げたのであって、減給1月が重い処分であるというのは間違いない。」

大森委員「案件そのもので判断しなければならないのであるが、そうは言っても我々委員が判断する際には、職員基本条例の基準だけでは相対的にどういう処分に値するか、それぞれの材料がないと判断が困難であることは事実で、結果として過去の事案と照らして考えるということはやむを得ない。高尾委員から話のあった過去の2つの事例を考えても、被害者の側の受け止めということだけではなく、教職員を懲戒の対象として考える際に、行為そのものが客観的に見て信用失墜するものであったか、どの程度の深刻な行為であったかということが大きな重要性を持っている。被害者側の心情は考慮すべき事情の一つに過ぎないと考えている。基本的にはその行為の深刻さ、信用失墜の程度が大事である。被害者側の心情は様々な背景や事情があってそういう受け止めになっているということがある意味明らかである。セクハラの定義だけで公務員の処分量定を考えるものではないと思っている。行為を客観的に見てどうかということが大前提としてあるのだと思っている。その点が処分の量定については被害者側の言い分次第というように聞こえかねない事務局の説明があったが、その点は認識としてどうかということを指摘しておく。それと校長に対する口頭注意の事案について、校長が否認している行為がいくつかあるが、被害教員の言い分によれば校長の責任は非常に重い。最終的に被害教員が退職に至っているのは尋常ではない事態である。校長本人の非違行為のみならず、技術指導員によるセクハラ行為は、学校の管理運営者である校長の責任、さらには他の2名の教員に話したことにより、教員が被害教員に詰め寄るようなことが起こっているという、こういうことが起こっている学校の管理責任を考えなければならない。トータルで考えて行政措置で済ますような事案ではなかった。地公法上の懲戒処分を検討しなければならなかった事案だと思っている。この事案は相当深刻であるにもかかわらず、校長は一番軽い口頭注意で済んでいるという結果に終わり、被害教員が退職しているということになっている。これは一体どういうことかと思う。本件については、厳しい処分をしなければいけないと私も思っており、高尾委員と同感であるが、同時にトータルでどのレベルの量定に該当するかということに関しては妥当な水準のもので判断しなければならない。その際に過去の処分事案を参照せざるを得ない。過去のこの2つの事案に照らし合わせると減給が妥当な厳しい処分であると考えている。減給何月ということについては、今の時点では断言は避けたい。そこはさらによく考えたい。西村委員は事前に減給6月という意見が寄せられている。」

川田係長「口頭注意とした校長の事案について補足説明をする。当該校長の認否について不明な点があったので、その場に臨席していた教諭3名に聞き取りを行っているが、そういった発言については一切わからなかったし、言っていた記憶もない、また、トラブルになっている様子も見受けらなかったということであった。その件については本人も否認していた。身振り手振りが大きくなって当たったことがあったかもしれないということと、父親が自衛隊であり右翼的な考えがあるかもしれないという話をしたことは認めた。また、他の教諭に話したことについても認めているが、その他の点については事実認定としては載せていない。他の教諭に伝えた理由についても、当該女性教諭自ら他の教諭数名に伝えていたことやセクハラを行った技術指導員がバスケ部を担当していたことから、急に辞めた場合、混乱が生じる恐れがあり、クラブを担当している生活指導主事らに伝えたという一定の合理的な理由があったことから、総合的に判断して口頭注意としたものである。」

大森委員「それはすでに資料としていただき、把握している話である。」

高尾委員「今の厳しい目で見れば校長の証言は信用できない面がある。どちらの立場に立つかというともう少し厳しい処分をすべきだったと考えている。」

大森委員「すべきと言っても、我々委員は情報の提供も受けていないのでどうしようもない。」

林田部長「当初は、当該教諭からの校長への訴えに関わって、指導員からの行為について校長に強く訴えたところ、そのことを校内に広められたということが第一の訴えであった。」

大森委員「技術指導員は正規雇用ではないとしても、学校の管理下にある人である。その点での校長の責任もある。」

高尾委員「酔って身振りが大きくなった結果、手が当たった、当該女性教諭が不快な思いで過ごしているのに気づかなかったという校長の発言を見ると、本件と非常に似ている。」

林田部長「今回のケースは複数の保護者に行っており、また未成年の女性にも行っている点で大きく異なっている。」

高尾委員「保護者に対して行ったセクハラ行為で言うと、非常に似ていると思う。」

教育長「本件は意図的に行っているという点で異なる。」

高尾委員「認める、認めていないということのセクハラの認定における考え方について、私は大森委員と違う意見であるが、認めていないからこうだということではないと思う。同じような病巣があると思う。酔って身振りが大きくなったので方に手が当たったというのは不自然である。今回も共通していると思う。」

教育長「故意に触るのとは違う。」

林田部長「職員基本条例において、「教職員が児童等又は保護者等に対して性的言動を行うこと」は停職、減給又は戒告となっており、さらに「前項に掲げる行為により、児童等に著しく不安又は不快感を与え、本市の教育行政に対する信用を著しく失墜させること」は免職という規定もある。もと校長でセクハラにより懲戒免職処分を行っている者もいる。そういった意味では被害者のセクハラ感情は考慮すべきである。」

高尾委員「今挙げられた事例は論外である。程度が大きく異なる。身体的接触を要求したり、着衣の中に手を入れたりしており、論外である。」

林田部長「教諭によるセクハラ事案で減給処分を行っているものもあり、責任がより重い校長によるものであることから停職1月が相当であると考える。」

高尾委員「口頭注意の事案は学校内のことだったということも影響したのかもしれないが、同じ学校で働いているものであっても、PTAに対してであってもやってはならないのであって、校内の教員に対する事案だから軽くするということがあってはいけない。」

林田部長「ただ、規定上は職員に対しては相手の意に反してという要件があり、それとは別に教職員に対しては保護者等に行った場合の規定がされているので、児童生徒や保護者に対するものは意味あいが違うと考えている。」

高尾委員「退職まで追い込まれた女性教諭の気持ちを考えるとその論理には賛成できない。」

教育長「本件についての量定を決めていただいたらよい。我々は第三者機関である人事監察委員会の意見を踏まえて停職1月と考えているが、あくまで決めてもらうのは教育委員会であるから、その立場で決めていただいたらよい。」

高尾委員「処分をどうするかということが真っ先に掲げられることに違和感がある。この事案において処分すること以上に我々が学ばなければならないことが多くあると思っている。具体的には公募校長の採用基準、研修がどうだったのか、我々の支援体制は十分だったのか、学校内の意思疎通が図られていたのか、学校の理想に向けてみんなが一丸となってやっていくという姿勢があったのか。もちろん校長のやり方は問題がある。こんな誤ったやり方で、当該校長の言い方をすれば間違ったものを正そうとしたことは全然やり方が違うのではないか。しかし、教頭はもっとサポート、理解を求めることはできなかったのか。校長がお金の使い方や体罰事案について疑問に思った点についてちゃんと答えられるはずである。また、酒席に同席した教育委員会幹部が臀部を触った事象の際に「それはあかん」と言ったと新たに聴取した方は明確に言っている。やっぱり教育委員会の幹部であれば、校長に対してその場できちんと事実関係を確認し、指導して正していかなければならない。なぜそれを言わなかったのか。それからPTAとのつきあい、距離感を真摯に検討しなければならない。なぜここまで酒席が絡んでくるのか。大切なことが学校の外で議論されるようになっている。学校は地域の核でなければならないという話を聞くが、そのためには多くの人に学校に来てもらってそこで議論してもらうことがあるべき姿であるのに、これでは学校の外に出かけていって話をし、人間関係を築こうとしている。それは逆ではないかと思う。学校の中でお酒のない状態で人間関係が作れて、前向きの議論を作っていくというのがなぜできないのか。OBの校長が来て、教頭がそれについてくという状況があったが、そういうことはやめて、そういう時間があるなら保護者や子どもと向き合って未来のことを話し合ってもらいたいと考えている。さらに先日公募校長と意見交換をする機会があったが、その際当該校長は非常に意欲的なことをやっておられると感じたのも事実である。子どもの未来を守るということと特別支援教育を充実しいじめと体罰のない学校を作りたいということ、図書館を工夫したり、勉強に疲れたら校長室に遊びに来させるとか、校長ポストを作って児童に見せたいもの、自慢したいものがあったら書いて入れてもらって意思疎通を図ろうとしているということをおっしゃっていた記憶がある。こんなことを考えながらなんてことをしてくれたんだと残念な気持ちがある。」

大森委員「これまでの事務局の説明と我々委員の述べたことをトータルで考えた時に、今回の事案の個々の行為、言動の一つ一つの深刻さと頻度をどう捉えるかという時に、過去の処分事案との比較が必要である。過去の処分事案を見た場合に、事務局の説明では行為は深刻であるにしても被害者側の心情、受け止めであるとか、校長の件については否認しているということがあるとのことだったが、過去の事案についても個々の行為の深刻さ、客観的に信用を失墜する行為かどうかが重要である。口頭注意で済ませた事案には広範な問題が伺える。方や口頭注意で終わり、方や退職にまで追い込まれている。過去の事案それぞれの個々の行為の深刻さ、数、頻度をトータルで見た上で、本件の個々の行為、言動、頻度を見たときに、比較しなくても本件は厳しい処分をしなければならないということは否定はできない。問題はどの処分なのかということについて、事務局と委員の見解が異なる。過去の2つの事案と本件を見比べてどうなのかということに関して事務局と委員との見解が異なる。これ以上はそこは水掛け論になると思っている。」

林委員「今大森委員から説明があったように私も過去の事案から本件の量定を考えた。公務員のセクハラなり性的ハラスメント、痴漢行為に関しての事案を調べた。最近あった処分の中に巡査部長が痴漢行為を行った処分が停職1月と発表されていた。痴漢行為は犯罪であるので、それを軸にするのはおかしな話かもしれないが、ここに上がっている議案は背景や校長の思いなどをそぎ落として行為のみを淡々と述べられた議案になっている。行った行為から考えると停職1月は少し重いのではないかと考えている。量定は減給として、何月がいいかということで考えた際に、当該校長が手段としてPTAの保護者から情報を得たいという手段としてこういう行為を行ったという非常識な部分を重く見て減給6月が妥当であると考える。」

高井課長「教職員が痴漢を行った場合は懲戒免職処分にしている。」

荻野次長「林委員がおっしゃった非常識な行為というのは顛末書でも述べられている。保護者の気を引いて情報を入手するということをおっしゃっているのだろうと思う。それと未成年の女性に対する発言について、改めて同席した人の証言をとって今回事実認定をしているが、もともと当該校長は相手が嘘を言っているとは思えないので、そういうことがあったかもしれないと言っていたが最後にそれを否認している。それに対して同席していた方は発言を聞いて直接校長に注意したということを述べており、それに基づいて事実認定をさせてもらっている。当該校長はバーベキュー大会で一切そういう発言はなかったと主張している。未成年の女性は私と楽しそうに会話していた、不快感を示した様子はまったくなかったと主張している。我々が認定している事実と校長の最後に提出した顛末書の主張が大きく食い違う。未成年の女性からするとそういう事実を訴えて、第三者からの証言も得ているのに、校長が全面的に否定して、ましてや未成年の女性が不快感を示した様子が全くなかったと校長が言っていることについて、教育委員会としての考え方がいるのではないかと考えている。」

大森委員「事実認定しているのであるからそれでいいのではないか。」

高尾委員「荻野次長と全く同感である。だから口頭注意や戒告という軽い処分で済ませられず、厳しい処分が必要だと思っている。

大森委員「個々の行為に着目した場合にこの行為が最も重いと考えている。当初から当該行為を事実認定するという案で出していて、今般校長が言っていないということに切り替えたということだが、当初から事実認定しているのであるからそれでいいのではないか。」

荻野次長「事実行為の否認と、未成年の女性が全く不快感を示していなかったと書いており、当該女性からすると非常に重い内容である。」

林委員「ただ、ぱっと見た感じで不愉快そうな感じには見えなかったというのは事実かもしれない。子どもはそういうことに対してスルーする対応をすることがあるので、本人がそう感じなかった可能性はあるかもしれない。」

荻野次長「発言の事実を否定しており、言ってないから不愉快な思いをしていなかったとしている。言ったが不愉快な思いをしていないということではないので。」

林委員「そこは第三者が聞いているのであり、事実認定すればよいと思う。」

大森委員「これまでの顛末書を読むと当該校長自身がおとなしくしていれば、あるいは反抗的な態度をとらない方が穏便な措置がとられるのではないかという期待感が随所にみられた。ところがそうではなく、厳しい処分がされるのではないかということを感じて、相次いで顛末書を連続して提出し、その中でかつては相手が言うならということで認めていたことを否定しているということであり、それはそういう流れで受け止めるべきだと考える。前言を変えるということはよくないことではあるが、流れとしてはそういうものであると見ている。だからといって許されるものではなく、未成年の女性に対する発言は最も重い。それに加えてトータルで考えた時に高尾委員や林委員と同じように減給が相当である。」

委員長「林委員、教育職は一段厳しい処分になるとのことだが、減給6月のままでよいか。」

林委員「痴漢行為は犯罪であるのでセクハラ行為と比べるものではないと思う。実際に行われた行為が重要である。お酒の席で臀部を触るという行為と未成年の女性に対しての非常識な発言、他の保護者に対する非常識な発言の3つではあるが、行為そのものは非常に強引に行ったものではなく、他の2つは発言であるので、そこを考えた場合に減給でいいのではないかと考える。」

委員長「私はセクハラは相手の感情がベースになってくるので、それを考えると停職1月でいいと考えている。意見が分かれているがどういう判断をすべきか。」

教育長「量定を決めなければならない。減給とおっしゃっている方が3名で、本日は出席していないが、西村委員は減給6月という意見をおっしゃっていた。減給は1月、3月、6月の3段階で運用しているが、減給にするのであれば減給何月かということを決めてもらう必要がある。原案は否決として修正案を可決していただく必要がある。」

大森委員「修正の理由について、対外的には厳しい処分が必要であること並びに過去の処分事例と比較して減給何月が妥当と判断したという説明になると思う。メディア的には減給で軽いという話にはならないと思う。」

教育長「ただ、人事監察委員会の判断との違いを説明しなければならない。」

大森委員「人事監察委員会は独自に判断したのではなく、事務局の提示が停職1月であり、その際の判断資料が事案の概要と処分事由書だけであるとのことであり、それと事情聴取メモや顛末書から明らかになった些細な状況を見た時では受け止めが異なる。また、人事監察委員会がオーソリティを持っているのではなく、教育委員会が決めるのであり、かつ人事監察委員会は事務局原案に対するコメントである。」

委員長「修正は無理ではないか。どうしてもということであれば議決をとるべきである。」

林委員「それでは私の方から修正案の動議を提出することとする。本事案に関して減給6月の処分とする動議を出す。」

教育長「停職1月と減給6月で採決をとってもらって決めることとなる。」

大森委員「今般厳しい処分をしなければならないということであり、林委員と西村委員が6月とおっしゃっているので、私自身は何月という確信があるわけではないが、減給6月で賛同したいと考える。」

高尾委員「客観的に1月で十分厳しいと考えるが、6月で結構である。」

修正動議について採決の結果、賛成3名、反対2名となり、修正動議のとおり可決。

 

議案第172号「職員の人事について」及び議案第173号「職員の人事について」を一括して上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

吉田 敬校長を教育センター付とするとともに、後任として指導部総括指導主事の上山 敏弘を三先小学校長に任命する。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「免職や停職としたわけではないので、引き続き何らかの業務を続けることになる。過去に減給で人事異動している事例はあるのか。仮にその場合に、当該校長は公募で採用しているのでそのままずっとそこで勤務させるわけにはいかない。きちんと研修を行って、研修の効果で改善が見られたら現場に復帰させなければならない。3年しかないので早く研修をして見極めないといけない。」

沼守次長「教育センターできちんと研修を受けてもらい、委員の皆様に見極めてもらわないといけない。」

大森委員「我々委員が直接面接しなければならない。職場復帰させる場合に我々委員の責任は重大である。面接でちゃんと効果があったか判断しなければならない。研修計画を我々に見せてもらうとともに、現場復帰の計画を示してほしい。」

教育長「年度内に校長の空きがでたときにそこに行くことが適当かどうか議論してもらおうと思っている。研修による改善が大前提になるが。」

大森委員「研修は期間の問題ではなく中身だと思う。厳しい指導が必要である。」

高尾委員「厳しい研修が必要である。どこから誤った認識や考えが出ているのかわからないが、根深いものがあるなら徹底的にたたき直して、どの程度反省しているのかについて我々の目でチェックしなければならない。教育センターも従来にない厳しい姿勢で臨んでいただきたい。」

大森委員「今の学校に置けないというのはPTAや地域の関係から仕方がないが、どのタイミングにしろ、この校長を赴任させる際には、赴任先の保護者や地域が歓迎するわけではないと思う。それを覚悟した上できちんとした研修を行い、委員会としてきちんとした現場復帰の判断をしなければならない。」

林田部長「研修について、ずっと研修させるのか、ある一定の業務を担ってもらいながら行うのか考えていく。」

大森委員「研修計画等の事務局の考えを整理してもらって示してもらいたい。後任はどういった方か。」

沼守次長「現在人権国際ラインの総括であり、昨年度はセクハラ相談の窓口のチーフをやっていた者であり、そういう意味では人権やセクハラの問題を一手に引き受けて相談を受けてきた。人物的にもしっかりしている。教頭も経験し、事務局でも3年目であり、人権ラインの中心となっている者である。」

大森委員「この場合は教育改革よりも住民や保護者とうまくやれるかどうかが重要だが、その点は大丈夫か。」

沼守次長「これまでも現場にいる際には地域に対して丁寧な対応をしてきているので大丈夫である。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第167号「市会提出予定案件(その11)」を上程。

吉田こども青少年局幼稚園運営企画担当課長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成24年7月策定の「市政改革プラン」に基づき、市立幼稚園の民営化を進めるため、本年8月に、「市立幼稚園の民営化計画(案)」が策定され、廃園又は民間移管に着手する園が示されことを受け、8園を廃園、11園を民間移管するため学校設置条例の一部改正を行う。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「形式について、なぜ一つ一つの幼稚園ごとに条例案が別になっているのか。一つの条例案にまとめれば済む話だが。」

吉田課長「幼稚園の民営化計画案に基づく条例改正であり、各園それぞれに廃園なり民間移管が望ましいかということが議会でも問われている。条例案の一部修正という形での議決がないので、議会で審議いただいた結果、例えば津守幼稚園の廃園は認めるが、靭幼稚園の廃園は認めないということになった場合全部否決ということになってしまうため、一園ずつ議会で審議いただくよう条例案を別にしている。」

大森委員「仮にそうであるなら教育委員会会議の議案も分けないといけない。仮に議会の審議によって公立幼稚園でなくなる園が減ることがあった場合、こういうやり方をとっても議案の修正が必要であることは変わらないので、今おっしゃった趣旨であるならこの議案も一園ずつ別にしなければならないと思うのだが。今回の議案は一本の議案であり、その中で書き分けているだけなので、議会の審議である園が民営化の対象にならないことになったとしても、一本の議案である以上は議案そのものの修正の決定が必要であることには変わらない。」

教育長「この議案の修正にはならない。この議案の決定を受けて市長に条例の議会への提案を市長にお願いすることになる。例えば議会でどこかの部分が修正されてもこの議案自体は修正する必要はない。これは市長にこの内容で議会に上程してほしいという内容の議案である。これまでも教育行政基本条例や学校活性化条例においても議会での修正がなされているが、我々の議案としては市長に対して議会にこれで上程してもらいたいという議案なので。」

大森委員「今の点については私が誤解していた。私が確認したかったのは、法技術的には一つの条例案の中で書けば済む話だが、シンボリックな意味合いで分けているということか。」

教育長「法的には一つの条例案で上程するのが普通である。一つ一つ別々に審議してもらうように分けている。」

高尾委員「廃園にするか民間移管にするかいろいろな判断基準があったと思うが、規模は考慮事項としてあったか。」

吉田課長「廃園にする場合は私立も含めた周りの園で受け入れ可能かどうかで判断している。」

高尾委員「規模の大小ではなく可能かどうかで検討しているということか。」

吉田課長「そういうことで判断しており、着手年度の考え方として廃園する場合は児童数の少ない園から着手していくという考え方でやっている。」

委員長「その際に教職員の問題は考慮したのか。」

林田部長「今回の案の中で言えば、幼稚園の教員全体で考えた場合に、期限付講師や退職者で調整できると考えている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第168号「市会提出予定案件(その12)」を上程。

森本生涯学習部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成27年7月に策定された「市政改革プラン」において、行政としての役割の整理を図ることとして、平成26年度より廃止し、大阪市から自立することとなったため、大阪市音楽団条例を廃止するものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

高尾委員「たそがれコンサートは何人ぐらいが見に来るのか。」

森本部長「平均で1,700人前後、多い時は2,000人以上が訪れる。特に市内の中高生の吹奏楽部の生徒が2,000人を前にして演奏できるというのは非常にすばらしい機会なので、今後は生涯学習事業という位置づけで教育委員会が主催してやっていければと考えている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第169号「市会提出予定案件(その13)」を上程。

浅野総務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第27条及び大阪市教育行政基本条例第6条の規定により、平成24年5月の「大阪市教育基本条例」、平成24年7月の「大阪市学校活性化条例」及び平成25年3月の「大阪市教育振興基本計画」で示された今後の教育改革の方向性に基づき、教育改革を推進する視点から点検及び評価を実施した。平成24年度における教育委員会が所管する事務事業の管理及び執行の状況の点検及び評価として、事務局においては局運営方針に掲げた目標の達成状況等について、大阪市運営方針評価有識者会議からの意見も活用しながら点検及び評価を行うとともに、各教育委員においては各自が目標の達成に向けて行った取組や活動の状況等についての点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成したので、市長決裁を経て市会へ提出し、公表する。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「委員の自己評価について、罷免事由にあたるなど、条例上の特別な意味があったと思う。手続き的に市会への提出と市長との関係はどうだったか。」

山野課長「本日議決が得られれば、村上副市長及び市長の決裁を経て市会へ提出することになる。決裁の際に委員の自己評価を市長がご覧になって、これは罷免に値すると判断することがあれば、そこで委員の罷免の案件を市長が発案することになる。」

大森委員「市会への提出案件の決裁として市長が見た場合に罷免事由が発見された場合はということであり、それがなければ市会案件の手続きしかないということか。」

山野課長「そうである。」

大森委員「市会はこれを承認することになるのか。」

山野課長「報告のみであり、承認等は行われない。法律上も条例上も報告ということになっている。」

大森委員「内容について問題があれば質疑につながるだけということか。」

山野課長「その通りである。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第170号「職員の人事について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

高等学校の教諭について、平成16年4月から平成25年5月にかけて、通勤届とは異なり、認められていない自家用車両による通勤を行ったことにより、懲戒処分として停職3月を科すものである。

質疑の概要は以下のとおりである。

大森委員「マイカー通勤について、職員基本条例では停職又は減給という重い処分が基準になっているが、この理由は交通混雑の解消と地球温暖化の抑制が思い当たったが、それであっているか。」

林田部長「服務規律の中で喫煙とマイカーが重くなっており、マイカーに関わっては通勤手当を搾取するという観点があり、かつ市内であるのでどういう交通手段でも来られるにもかかわらず、許可なくマイカーで通勤するという、守るべきルールを守らないということである。」

大森委員「厳しい理由付けとして地球温暖化対策や市内の交通混雑の解消を役所が率先してやるために、こういう取扱いになっているのかという質問である。

教育長「都市部であるので交通網は発達しているということと、おっしゃったようにマイカーを使わないことで混雑の軽減等が理由としてある。一つ大きいのは、公務員が交通事故を起こした場合に加害者になることを避ける意味合いもある。通勤途上で事故を起こさないよう厳しくしている。全国的には学校の立地条件が難しい場合はマイカー通勤を認めているが、大阪市では厳しく対応している。」

林田部長「本件については、定期券は購入しているものの、平成23年8月以降はほぼ毎日車で通勤しているので、その部分は通勤手当を戻入することになる。」

大森委員「心臓の手術を受けているがそれは汲むべき事実とはならないのか。」

林田部長「こういった手術を受けていることは事実であるが、だからといってマイカーでの通勤が必要だということにはならない。」

教育長「医者の診断書が出れば別であるが。」

大森委員「許可を得ずにやったということが問題か。」

林田部長「一方で心臓に関する疾病であり、運転中に万が一ということも考えられるため、むしろ電車の方が安全ではないかとのコメントを医者からもらっている。」

高尾委員「厳しいような気もするが、平成16年から平成17年の間の健康状況はどうか。」

田岡係長「もともと他の疾患を患っていたということは本人は言っていた。それで通勤がしんどくなったことがマイカー通勤を始めた理由として言っていた。心臓の病気も後に患われたと聞いている。」

高尾委員「本人は診断書を出していれば認められる可能性があると認識があるのか。」

田岡係長「この件が発覚してから、本当に認めてもらいたいなら正規の手続きをとればよいと本人に話したところ、医者にも相談したのだが、今の状況であれば電車通勤で様子を見るようにと医者からも言われている。マイカーが認められる状況にないということである。」

大森委員「職員基本条例だと停職又は減給だが、停職3月が妥当というのはどういう理由からか。」

林田部長「基本的にはマイカー通勤をしている期間が7ヶ月以上あるケースについては、過去の処分事例では停職1月を基本としている。本件は3年を超える非常に長期に及んでいるため、それを加味して停職3月としている。」

沼守次長「かなり悪質である。市民からの指摘もあって、ここ10年ほど毎年マイカー通勤の禁止を周知してきた中にあって、まったく改めていない。全く言うことを聞いていない。」

林委員「本人はわかっていてやっているのか。」

沼守次長「わかっている。毎年文書も校長から周知してもらっているし、かなり厳しい処分をするということも伝えている。」

大森委員「教育委員会が処分する事案として過去にマイカー通勤はあったか。」

教育長「最近は少ないが、過去にはかなり多くある。」

高尾委員「停職2月では足りないか。」

沼守次長「もっと重くてもいいと思っている。何度も言い続けてきている中でここまで隠れていたのも珍しいと思う。」

大森委員「メディアも過去に厳しい処分をしているということはわかっているのか。」

沼守次長「過去にマイカー通勤をしてきて学校内に駐車している件について市民団体から指摘があった。そこからかなり厳しく徹底してきたということがある。市民からもマイカー通勤はかなり厳しい目で見られている。」

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)長谷川委員長より閉会を宣告

 

 

 

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