ページの先頭です

【第36号】「発達障がい~成長とともに知っておきたいこと~」 京都市発達障害者支援センター「かがやき」 澤 月子

2019年3月20日

ページ番号:249013

発達障害者支援センターが全国にできたのは?


 昨年度、文科省が行った調査では、知的な遅れはないのに学習や行動上の課題を持つ子どもが各クラスに6.5%いるとの結果が示されました。その多くが発達障がいをもっているのではないかといわれています。1990年代からの学級崩壊や不可思議な事件の後に発表される「鑑定の結果、発達障がいがあった」など、私たちの発達障がいとの出会いは、非常にマイナスイメージからの出発になってしまっている現状があります。
 法の谷間にあった発達障がいの方のために、2005年、各都道府県と政令指定都市に発達障害者支援センターを設置するよう義務付けられ、早期の発見と生涯にわたる支援の必要性が強調されました。

発達障がいとは何か?


 多くは先天的で発達の早い時期に特徴が現れます。脳のメカニズムが違うのです。育て方や本人の努力不足が原因ではありません。生涯にわたって特徴を持ち続けます。でも、スピードは違いますが必ず発達します。特に社会性のスローラーナーなのです。とても得意なところと、とても苦手なところの差が「普通」よりも激しいために、「こんなことができるのに、なぜこんなことができないんだ」と理解されにくい障がいとも言えます。
 発達障がいは大きく分けて、次の3つの障がいが規定されています。自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群を含む)、AD/HD(注意欠如/多動症候群)、LD(特異な学習障がい)です。自閉症スペクトラム(WHOでは広汎性発達障がい)は、対人関係やコミュニケーションと見えないことを想像することが苦手で、これらを3つ組の特性と呼んでいます。  
 AD/HDは、不注意や注意がころころ変わる、そして多動であったり、衝動性が高い障がいです。LDは、読み書き計算が苦手と言われており、実際の能力より学校の成績が低くなってしまいます。

自閉症スペクトラムのライフステージごとの特徴

 発達障がいの3つの障がいは重なり合うことが多いのですが、中でも最も広範な障がいである自閉症スペクトラムを中心に見ていきます。

乳幼児期~

 まず、乳幼児期から養育者との愛着形成が難しいことや感覚過敏、変化への抵抗があるために非常に育てにくいか、または、自発的に相手に伝えるというコミュニケーションの育ちの弱さから、受身的な子どもの姿があります。子育ての楽しさを味わえない親を含めて、安心できる環境を作ってあげることがとても重要な時期です。

学齢期~

 学齢期、通常学級では、集団活動も多くなり、複雑な関係の理解が困難であるため、打ち解けられない、何か自分は違うといった疎外感を感じ始めます。思春期には、周囲が自分をどう見ているのかが気になり始め(社会性の芽生え)、自己評価が低くなりがちです。また、いじめなどの体験が生涯にわたって、今、目の前で起きているかのように思い起こされる「フラッシュバック現象」で悩んでいる方がたくさんいます。

青年・成人期~

 青年・成人期になって初めて診断される方が増えてきました。それまでに3つ組の特性から、生き辛い日々だったと思います。しかも、ゴールが学校で何とかみんなについていくことだったり、大学に入ることだったり、適応を迫られたが故の不適応で鬱などの二次障がいを抱えることもあります。診断される前から、相談すること、支援を受けたらうまくやれたという体験を持つことはとても大切だと思います。なぜなら、ほとんどの方がそういう体験がないために、結果としての「できない自分」像が肥大化してしまっているからです。

支援のあり方


 私達は、目が見えない人に「もっとよく見なさい」とは言いません。触覚や聴覚など、使えるところを使って弱さを補う支援をしています。つまり、得意なところを使って苦手なところを補う発想です。
・ 話し言葉の理解は苦手→文字や写真、絵の方が理解できる。視覚的な記憶が良い。
・ コミュニケーションが苦手→ことばではなく絵カードを渡して、自分の思いや要求を伝える方法を使う。
・ 変化が苦手、見通しがないと不安→1日のスケジュールや活動の流れを絵や写真、文字で示す。
・ あいまいなことが苦手→具体的に示す。
・ 動機づけ→「シールがたまったらご褒美」と見える形で褒める。


以上、これらはすべて「視覚的・具体的・肯定的」(おめめどう、ハルヤンネ語録より)です。無理させないことが支援ではありません。支援とは、こういったツールを使って分かりやすく伝えあい、「ちょっと頑張ったらできた!」の体験をどれだけ小さい時から積み重ねることができるかと言うことに尽きるのではないかと考えます。
「僕は、大きくなったら、明るく元気に働く大人になります!」
(漫画「光とともに」戸部けいこ著、秋田書店刊より)
なんと素敵な目標でしょう。親も支援者も、もう一度考え直していきたいものです。

さいごに


4月2日は「世界自閉症啓発デー」、4月2日~8日は「発達障がい啓発週間」です。
2日は世界中で有名な建物やタワーをブルーに染めて、発達障がいの方への理解と支援を訴えています。ブルーの光に希望を込めて!

SNSリンクは別ウィンドウで開きます

  • Facebookでシェア
  • twitterでツイートする

似たページを探す

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市 教育委員会事務局生涯学習部生涯学習担当生涯学習推進グループ

住所:〒550-0014 大阪市西区北堀江4丁目3番2号(大阪市立中央図書館4階)

電話:06-6539-3347

ファックス:06-6532-8520

メール送信フォーム