学校徴収金会計基準
2024年4月1日
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第1章 総則
1.目的
この基準は、学校徴収金会計の適正かつ効率的な執行を図るため、その取扱方法と留意点を示すことを目的とする。
学校(幼稚園を含む。以下「学校」という。)は、この基準により学校徴収金会計の取扱いをより厳正に行うとともに絶えず向上と改善に努めなければならない。
学校徴収金は、校長(園長を含む。以下同じ。)が保護者の信託を得て管理・執行する経費であることから、公費に準じた取扱いや会計処理が求められるものである。
2.定義
学校徴収金とは、児童、生徒または幼児(以下「生徒等」という。)が、現行制度上私費で負担することをたてまえとする経費のうち、学校教育活動に直接必要なものとして、また学校教育活動には直接必要ではないが、これに付随して必要なものとして、校長が保護者から徴収する経費をいう。これは、学校教育活動を通じて生徒等に直接還元されるものである。
いずれも、全学校または全学級を単位とすることを原則とし、校長は自己の名義と責任において徴収しなければならない。徴収に際しては、必ず保護者に徴収の意義、内容等を十分説明するとともに、すべての事業終了後には、収支の決算を保護者に報告しなければならない。
3.会計の設定
学校徴収金会計の会計区分及びその内容は次のとおりである。
校 種 | 会計区分 | 内 容 |
小 学 校 | 児 童 費 | 図書教材費、実験・実習材料費、校外活動費、クラブ活動費、 視聴覚費、学級活動費、保健費、卒業諸費、その他諸費 |
積 立 金 | 泊をともなう行事(修学旅行、臨海・林間学習、一泊移住等) ただし、学年毎に会計を分けること。 | |
中 学 校 | 生 徒 費 | 小学校の「児童費」参照 |
積 立 金 | 小学校の「積立金」参照 | |
幼 稚 園 | 幼 児 費 | 小学校の「児童費」参照 |
4.事務組織
校長は、会計処理にあたって組織を整備するため、収入・支出の事務を行なう収支責任者と出納の事務を行なう出納責任者を定め、相互に牽制できるようにしなければならない。また、校長は自らこれを統括して、その最終責任者とならなければならない。
(1)収支責任者については、事務職員をもって充てること。(ただし、幼稚園は除く。)
(2)会計検査を、所属する共同学校事務室の事務職員に担当させることができる。
5.会計年度
会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年の3月31日に終わるものとする。
6.現金等の保管
現金、預貯金通帳等は、据置き金庫に保管すること。なお、現金を保管する場合は、金額・内訳等を明記し、私金等他の資金と混同してはならない。また、預貯金通帳等の名義人は校長とし、通帳と印鑑とは、必ず別々に保管し、印鑑は校長が直接管理すること。
7.事故の報告
盗難、亡失その他会計上の事故が生じた場合は、担当者は速やかに事実の詳細を校長に報告し、その指示を受けなければならない。校長は、担当者からの報告確認後、速やかに教育委員会事務局(幼稚園においては、教育委員会事務局及びこども青少年局)に報告しなければならない。
また、その事故が職員の不正行為または重大な過失によるものであるときは、その内容を調査し速やかに教育委員会事務局(幼稚園においては、教育委員会事務局及びこども青少年局)に報告しなければならない。
8.事務の引継ぎ
事務担当者が交代したときは、前任者は、速やかに文書により後任者に引継がなければならない。引継ぎにあたっては、特に未処理その他懸案事項を明確にしておかなければならない。
9.その他
この基準に定めるところと異なる取扱いをしようとするときは、あらかじめ教育委員会事務局(幼稚園においては、こども青少年局)と協議しなければならない。
第2章 予算
1.予算編成
予算編成は、会計年度に従い、次の要領で行う。なお、前年度末までに、その年度の事業内容と成果を組織的に十分検証し、作成した事業計画原案を基に、新年度速やかにあらゆる角度から再検討して事業計画を定め、当初予算を確定させることが必要である。
(1)前年度の事業内容を十分検証したうえ、1年間の教育指導計画に基づき、事業計画を立てる。
(2)事業計画の実施に直接必要な最小限度の経費を算出する。(注)
(3)その経費が公私費負担区分及び保護者の経済的な負担を考慮した徴収妥当な範囲であるかを検討し、最終的に計画を定める。
(4)事業計画に従い予算編成を行い、予算書を作成して保護者に通知し、承認を受けなければならない。
(5)支出予算については、各会計にて款を定め、適正な支出処理を行わなければならない。
(注)予算の性質上、予備費を計上することはやむを得ないが、その額は、必要最小限にとどめること。
2.補助教材等を選定する組織の設置
校長は、前述の予算編成を行うため、事業内容とその成果の検証や補助教材等の選定を計画的・組織的に検討する組織(以下「補助教材等選定委員会等」という。)を設置する。
校長は、補助教材等選定委員会等を統括し、事務職員等をもってその事務を担当させる。
3.予算補正
予算成立後、事業計画の変更等の事由により、既定の予算に増額または減額の必要が生じた場合は、事前に予算補正報告書により校長の決裁を得て、予算補正を行うことができる。この予算補正については、保護者に通知し、承認を受けなければならない。
また、転出入等についても、予算補正を行うこと。
4.資金貸借
会計間の資金貸借は、やむを得ない場合に限り、事前に資金貸借書により校長の決裁を得て、必要最小限度で行うことができる。
第3章 収入
1.徴収
(1)徴収計画
徴収にあたっては、事業の実施計画に基づき、保護者の経済的負担を考慮し、徴収回数,納入時期、金額を定めた徴収計画を策定する。
(2)徴収方法
徴収方法は、金融機関の口座振替、振込収納及び現金収納のいずれかで行うこととする。
また、学校での現金の取扱いを最小限にとどめる必要から、生徒等の現金持参にともなう事故防止等の趣旨を保護者に十分説明し、口座振替及び振込収納への理解を得ること。
(3)収入領収書
徴収したときは、納入者に領収書を交付しなければならない。ただし、金融機関の口座振替等においては、各保護者の振替用預貯金通帳への記帳等により領収書の発行を省略するものとする。
(4)その他
PTAその他関係団体から委任されて会費徴収事務を学校徴収金とあわせて徴収する場合についても、適正な事務処理を行わなければならない。
2.収納状況の明確化
学校徴収金は、収納台帳により、個人別に収納状況を明確にしなければならない。
3.収入の処理
収入(雑収入を含む)があった場合は、収入報告書により校長に報告し、速やかに各会計別に預貯金しなければならない。
収入金の預け入れは、即日を原則とするが、やむをえない場合は、金融機関の翌営業日とする。
4.収支の分離
収入金を預貯金せず、直接支払いに充てることは、予算の計画的執行及び不正防止の見地から一切行なってはならない。
5.転入生の取扱い
転入があった場合は、転入後の必要額を勘案し徴収する。徴収に際しては、保護者に内容等を説明しなければならない。
6.未納者への対応
未納者への対応は、「学校徴収金未納対策マニュアル」に基づき、適正に対応しなければならない。
第4章 支出
1.原則
すべての経費の支出は、予算の執行計画に基づき、予算の範囲内で適正に行われることが原則である。
また、業者選定や契約締結にあっては、公費に準じた取扱いを行うものとし、厳正な態度で臨み、公正に行われなければならない。
2.事業起案
事業の実施に際しては、事業ごとに、必ず事前に事業起案書により校長の決裁を得なければならない。
なお、予算計画は概括的事業案であるので、たとえ年度当初に決裁済であっても、そのつど個別に事業起案決裁が必要である。
3.契約
(1)原則
契約は、事業起案書の内容に基づき、必ず事前に契約決裁書により校長の決裁を得なければならない。
契約方法は、競争入札が原則であるが、学校徴収金会計においては、比較見積による随意契約を行ってもよい。ただし、契約事務における透明性・競争性を確保する観点から、業者選定については、見積書を徴する業者が固定化しないように努めることとし、公正・公平に行うこと。
なお、比較見積になじまないもの、また比較見積によりがたいものに限り、契約の特例として、特名契約を行うことができる。その場合は、特名契約理由書が必要である。
(2)履行確認(検収)
契約に基づき納品された内容について検査が確実になされるよう留意し、厳正に行なう必要がある。検収により不良と認められたものについては、代品納入等適切な措置をとらなければならない。
4.支払
(1)原則
経費の支出は、金額が確定した後、相手方が正当債権者であることを確認のうえ、支払決裁書により校長の決裁を得て支払う。
(2)支払決裁書の作成
支払決裁書は、原則として会計及び債権者ごとに作成する。
(3)支払方法
支払方法は、銀行振込支払と現金支払のいずれかを債権者に選択させること。
(4)支払期日
原則として毎月定例の支払日を設定し、債権者に対し請求書の提出締切日を周知すること。
なお、支払は原則として請求日から、30日以内とする。
(5)資金前渡
支払いの原則に対し、金額または債権者が未確定の場合、両方とも未確定の場合、または事務上もしくは教育上特に必要と認められる場合にあっては、次に掲げる経費に限り、教職員に事業実施の当日又はその前日に、経費を前渡することができる。その日が金融機関休業日の場合は、前営業日とする。
ア.校外活動等での交通費や、入場料のように事業現場で支払いを要する経費。
イ.店頭で直接現金によらなければ調達しがたい物品の購入経費。
資金前渡を受けた教職員は、用務終了後5日以内に資金前渡精算報告書に証拠書類を添付して精算しなければならない。剰余金が生じた場合は、速やかに出納責任者に返納する。出納責任者は、剰余金を即日、預け入れることを原則とするが、やむを得ない場合は、金融機関の翌営業日とする。
(6)立替払の禁止
あらかじめ教職員が支払ってしまった経費を、後日支出することは、原則として禁止する。
5.領収書の整備
学校での支払いに際しては、必ず領収書を徴取しなければならない。領収書は支払関係を客観的に明らかにするものでなければならない。支払方法の別によって次のとおり取り扱うものとする。
(1)口座振込の場合
金融機関が発行する振込金受領書等を支払決裁書に添付する。
(2)現金支払の場合
業者からの領収書、または一定の要件を備えたレシートを支払決裁書に添付する。
資金前渡の場合は、資金前渡精算報告書に添付する。
第5章 決算
1.収支の精算
収支の精算について、残額が生じることが当該年度の最終徴収月以前に明らかになった場合は、徴収月額の変更により、減額調整することが望ましい。
(1)不参加者等への精算
校外活動、修学旅行等は、行事終了後速やかに精算を行う。また修学旅行費積立金については返金することとし、校外活動等の不参加等により経費に余剰が生じた場合は、その後の徴収月額を減額調整することが望ましいが、減額調整を行えない場合は、年度末にまとめて返金するなど、振込手数料の保護者負担が最少額になるよう考慮すること。
(2)転退学者への精算
転退学する生徒等に対しては、当該生徒等のそれまでの徴収金額と支出金額を勘案し、徴収金額が超過している場合は超過額を返金し、不足する場合は、不足額を追加徴収しなければならない。いずれの場合も、保護者に収支の明細を説明しなければならない。
(3)年度末の精算
その年度の執行をすべて終わったにもかかわらず残額を生じている会計がある場合、最終学年以外の生徒等については、保護者の承認を得て生徒等に返金することなく、残額のすべてを次年度へ繰越すものとする。この場合、次年度の徴収金額の決定にあたっては、繰越金を考慮して調整しなければならない。
なお、最終学年の生徒等については、返金を行うこと。
2.決算報告
会計年度が終了し、またはその取扱いが完了したときは、速やかに収支の計算を行い、その決算内容を全ての保護者に文書で報告しなければならない。
第6章 会計検査
出納責任者は、毎月末の会計の収支の状況を翌月初め速やかに校長に報告し、検査を受けなければならない。
校長は、各会計の収支の状況を確認し、綿密厳正に検査すると共に関係帳票についても確認を行うこと。
この収支の報告は、学校財務会計システムを利用し、金銭出納簿及び、預貯金通帳(ゆうちょ銀行の場合は、振替受払通知票)をもって行うものとする。
また、必要に応じて適正な措置を迅速確実に行わなければならない。
校長は、今後の予算の適正な執行管理を行うために、毎学期末に各会計の今後の収入及び支出予定額を十分把握しておく必要がある。
第7章 帳票その他の証拠書類
1.帳票その他の証拠書類
学校徴収金会計に属する全ての会計について予算書、決算書の他に整備しなければならない帳票その他の証拠書類は、次のとおりとする。
様式については、別途定める。
- 収入報告書
- 支払決裁書
- 資金前渡精算報告書
- 資金貸借書
- 貸借資金返済書
- 会計検査
- 消込不明対応票
- 予算執行状況明細
- 収納台帳
- 未納者台帳
- 事業起案書
- 契約決裁書
- 契約変更決議書
- 特名契約理由書
- 予算補正報告書
- 納付書
- 預貯金通帳等
2.誤記訂正の原則
帳票その他の証拠書類の誤記訂正は、取扱者または債権者の同一印章をもって行わなければならない。ただし、親金額(合計金額)は訂正してはならない。
3.整理保存
帳票その他の証拠書類は、常に整理し、適切に保管しなければならない。また完結した帳票その他の証拠書類は、大阪市立学校文書規則の定めるところにより保存すること。
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