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木造大勝金剛坐像 1躯(勝鬘院)

2019年1月9日

ページ番号:270507

木造大勝金剛坐像

もくぞうだいしょうこんごうざぞう

有形指定文化財

 美術工芸品[彫刻]

所有者

 宗教法人 勝鬘院(しょうまんいん)

所在地

 大阪市天王寺区夕陽丘町

紹介

木造大勝金剛坐像

像高75.0cm

 「愛染さん」の通称で知られる勝鬘院は四天王寺の境外支院のひとつで、聖徳太子が建立した施薬院を端緒とすると伝えられる。『摂津名所図絵』によれば、聖徳太子がここで勝鬘経を講讃したことから今の寺号となったという。多宝塔は慶長2年(1597)に秀吉が寄進したと伝えられ、国指定重要文化財となっている。
 本像は多宝塔の本尊で、塔内中央の須弥壇(しゅみだん)上にまつられる。大日如来の変成した金剛界を統括する、金剛薩埵(こんごうさった)と同体とされる大勝金剛で、彫像・画像ともに類例は少ない。一面二目十二臂(ひ)の像容である。塔内は、四柱に三列×三段、各柱九尊ずつ合計三六尊の金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)の諸尊を、内壁に八方天を描く立体曼荼羅となっている。大勝金剛曼荼羅としては高知県金剛福寺所蔵の画像が知られるが、配置は異なる。玉眼を嵌入(かんにゅう)した彩色像で、構造は頭部・体部ともに根幹部は前後に材を寄せる。面から頸部にかけて後補の金泥が施されるが、彩色は当初のものと見られる。制作年代は、多宝塔建立時より若干さかのぼる室町時代と考えられる。

用語解説

八方天(はっぽうてん) 東西南北と北東・南東・北西・南西の八方位を守護する、水天などの天部の諸尊のこと

玉眼(ぎょくがん) 水晶・珠玉・ガラスなどを嵌め込んで眼を表現する、彫刻の技法。鎌倉時代から一般化する

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