ページの先頭です

木造男神坐像・木造男神半跏像 2躯(今宮戎神社)

2019年1月9日

ページ番号:270509

木造男神坐像・木造男神半跏像

もくぞうだんしんざぞう ・ もくぞうだんしんはんかぞう

指定有形文化財

 美術工芸品[彫刻]

所有者

 宗教法人 今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)

所在地

 大阪市浪速区恵美須西

紹介

木造男神坐像 像高86.0cm / 木造男神半跏像 像高82.0cm 

 十日戎で知られる今宮戎神社に伝来する男神像である。吉野から迎えたと伝えられるが、伝来の経緯は明らかでない。

 烏帽子をかぶり狩衣(かりぎぬ)と指貫(さしぬき)を着け、右手は掌を下に向けて捻じ、左手は掌を上にして開き膝上に置く姿の坐像が戎神といわれる。一方、烏帽子をかぶり、直垂(ひたたれ)に掛襷(かけだすき)をつけ、何かをつかむように両手を胸横で捻じ、左足を踏み下げる半跏(はんか)像が三郎殿といわれるが、こちらの像が本来戎像ともいわれる。両目を見開いて威厳のある戎神と、にこやかな三郎殿の表情は対照的で、構造的にも体部根幹材を前後、正中でそれぞれ割矧(わりは)ぐことなど相違はあるが作風は通じており、もとから一具の像であったと考えられる。玉眼を嵌入(かんにゅう)するが、双方ともに構造は古様で、頭部・体部はそれぞれ共木で割矧ぐ。現状では素地を示す。荘柄天神社の伝源頼朝像など、鎌倉時代の肖像彫刻に通じる写実性を顕著に示す男神像である。制作年代は鎌倉時代後期にさかのぼる。

木造男神坐像

木造男神坐像(戎神)

木造男神半跏像

木造男神半跏像(三郎殿)

用語解説

戎神(えびすしん) 福の神・漁業神として平安時代末期以降、信仰されてきた。夷、恵美須(えびす)とも表記

半跏(はんか) 結跏趺坐(けっかふざ)と呼ばれる正式な坐法に対し、片方の足を踏み下げた略式の坐り方

三郎殿(さぶろうどの) 戎神の随神とされるが、一方で戎神と三郎殿を一体の神として祀る形もあり、諸説がある

玉眼(ぎょくがん) 水晶・珠玉・ガラスなどを嵌め込んで眼を表現する、彫刻の技法。鎌倉時代から一般化する

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

教育委員会事務局 総務部 文化財保護課
電話: 06-6208-9166 ファックス: 06-6201-5759
住所: 〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所3階)