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木造荼吉尼天騎狐像 1躯(東大寺)

2019年1月9日

ページ番号:270519

木造荼吉尼天騎狐像

もくぞうだきにてんきこぞう

指定民俗文化財

 有形民俗文化財

所有者

 宗教法人 東大寺(とうだいじ)

所在地

 大阪市住吉区万代

紹介

木造荼吉尼天騎狐像

像高81.7cm

 住吉大社の周辺は中世から近世には複数の神宮寺が建ち並び、神仏習合を基盤とした独自の信仰圏が築かれていた。宗教都市といえる住吉の信仰の中心は老翁の姿をとる男神の住吉大明神であり、女神に対する信仰については不明な点が多いが、住吉大社の第四本殿の祭神が神功皇后で、その本地が聖観音とされることなど、相応の機能を果たしていたと考えられる。弁才天は天部であるとともに中世以降の代表的な女神だが、住吉では荘厳浄土寺の鎮守としてまつられていた。元禄14年(1701)刊の『摂陽群談』では、本地垂迹(ほんじすいじゃく)の霊像で伝定朝作とされている。
 旧荘厳浄土寺境内と考えられる弁天塚に寺地を占める東大寺には、荼吉尼天像が伝来している。頭上に宇賀神(うがじん)をあらわす一面多臂(ひ)像で、脇手や持物は失われているが、弁才天との習合像である。頂から足先まで約三尺と大きく、制作年代は室町時代にさかのぼる。住吉地域の女神信仰を考える上での重要な史料であり、荼吉尼天の彫像の古例としても希少な像である。

用語解説

住吉大明神(すみよしだいみょうじん) 住吉大社の祭神四神のうち神宮皇后をのぞく三神 表筒男命(うわつつおのみこと)・中筒男命(なかつつおのみこと)・底筒男命(そこつつおのみこと)は男神であり、しばしば住吉大明神と称される翁の姿で表される

本地垂迹(ほんじすいじゃく)  神仏習合の中で、日本古来の神々を、仏が変容してあらわれた姿と考える思想

定朝(じょうちょう) 平安時代後期を代表する仏師で、宇治平等院の本尊の作者。王朝貴族の好みにかなった豊麗な仏像の様式・藤原様(ふじわらよう)の創始者とされる

荼吉尼天(だきにてん) 耕作神である稲荷神が、仏教や道教の影響をうけて、狐に乗る女性の姿で表された尊格

宇賀神(うがじん) 水神である白蛇神で、頭部は翁の姿をとる。同じ水神である弁才天と習合し、しばしばその頭上に現わされる

 

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