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【第42号】「思春期のひきこもりとその原因」大阪市健康福祉局健康推進部 こころの健康センター 医務主幹 田中 政宏

2019年3月20日

ページ番号:279086

ひきこもりとは・・・


 ひとくちに「ひきこもり」といいましてもその原因は沢山あり、個々のお子さんのひきこもりへの対応を行うことについては、まずその原因を明らかにすることが不可欠です。ひきこもりのお子さんを持つ保護者がその原因を考えるときには、「学校でなにかあったのではないか」「友達との関係で悩んでいるのではないか」または「自分たち、親の対応が悪かったのではないか」など、環境的・心理的な原因だけを考えるのが普通です。確かに、ひきこもりの原因の一つとしては、学校や家庭での環境や友人との関係における問題や悩みがあるのですが、実はそれ以外の問題が根本的な原因になっていることも少なくありません。

ひきこもりの原因と対応


 ひきこもりの原因として明らかな心理的原因が思いつかない場合に考えるべき原因としては、まず広汎性発達障がい(こうはんせいはったつしょうがい)があります(この名称は統一されておらず、別の名称もあります)。 これは、生まれついて社会性やコミュニケーション能力といった機能の発達に偏りがあることを特徴とする、広い意味での発達障がいの一つです。この障がいがある場合、学校での友達や先生との付き合いが苦手だったり、言葉以外のコミュニケーション能力の獲得に時間がかかることがあります。小学校入学前または低学年の間に大きな問題が無くても、成長に従って集団活動でのルールを守ることを求められたり、友達との関係が複雑になるに従って不適応(自分の周りの状況に合わせられなくなること)を起こし、ひきこもりにつながることは珍しくありません。広汎性発達障がいの存在は一昔前まではあまり広くは知られていませんでしたが、現在は学校関係者、医療従事者の間でも広く知られるようになりましたので、幼少時からの成長の状態について詳しい情報があると、それだけで広汎性発達障がいがひきこもりの原因であると判ることもあります。広汎性発達障がいが原因である場合は、それぞれの子どもの状態に応じた心理療法・生活支援が治療の中心となり、それに薬物治療を合わせて行うことが効果的なこともあります。


 その次に考えるべき原因としては、統合失調症、うつ病、不安障がい(いわゆる神経症)などの精神科の病気があります。これらの病気は通常高校入学以降に症状が明らかになる(発病する)ことが多いのですが、稀にそれ以前に発病したり、はっきりしない様々な症状が小・中学校の頃から前触れとしてみられることもあります。これらの病気の主な症状としては、「統合失調症」では幻聴(聞こえるはずのない声が聞こえること)・妄想(ありえないことを本当のこととして信じること)など、「うつ病」では気力の低下、楽しみが無くなること、食欲不振、不眠など、「不安障がい」では漠然とした不安感、社会恐怖(家族以外の人と会うことを極端に避けること)、不潔恐怖(身の回りが汚れているのではないかと極端に気にすること)、パニック発作(突然に不安感、呼吸困難感、動悸などが出現する)などです。これらの病気は必ずしもはっきりした原因がない状態で発生することが少なくなく、また精神科医による治療を行わないといつまでたっても状態が改善しない、または一度良くなってもその後状態がまた悪くなることが通常です。よって、なるべく早く適切な医療機関を受診して、治療を開始することが必要です。
また、上記以外の原因または上記の原因と合併しうる原因として、性格傾向の問題(いわゆるパーソナリティ障がい)、多動性障がい(いわゆるADHDを含む)などもあります。

もしかしたら・・・と不安を感じたら


 もしも、お子さんがひきこもりでお困りの場合は、これらの原因もあることを念頭に置いて、まずは学校の先生と相談され、必要に応じてお住まいの各区保健福祉センターやひきこもり相談窓口(大阪市こころの健康センター)に相談されるとよいでしょう。

  • 各区保健福祉センターの連絡先

 お近くの区保健福祉センターの地域保健活動業務担当へご相談ください。

  • ひきこもり相談窓口専用電話

大阪市在住の方で、長期に自宅で過ごしている、家から出られない状態で抜け出すきっかけがつかめない等、「ひきこもり」に関することで悩んでいる本人や家族のご相談をお受けします。(電話相談後、必要に応じて面接や訪問を行います)

【相談専用電話】 06-6923-0090

【開設日時】 月~金曜日(祝日・年末年始を除く) 午前10時~12時

  • 「ひきこもり」に関する発行冊子のご紹介

大阪市こころの健康センターでは精神保健福祉に関する様々な問題を扱ったパンフレット等を作成しています。パンフレット「ひきこもりかな?とおもったら」は、「ひきこもり」に悩んでいる本人や、「ひきこもり」に不安にさせられたり、イライラさせられている家族や周囲の方が、新しい工夫を見出すためのヒントとなるように・・・という思いから作成しました。「ひきこもり」からの回復の道のりに役立てれば幸いです。

 パンフレット「ひきこもりかな?と思ったら」

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