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【第43号】「パパを子育てに巻き込む3つのポイント」NPO法人ファザーリング・ジャパン関西 代表理事 和田 憲明

2022年10月30日

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はじめに・・・パパとママの子育て事情


 2児の父親・看護師の夫として主夫業をしています。また、NPO法人の代表として「笑ろてるパパがええやん!」を合い言葉に父親支援活動をしています。笑って家庭も仕事も地域活動も楽しむ父親を増やすことによって、社会を明るくすることがミッションです。
 イクメンブームと言われて久しいですが、まだまだ子育てに関心がないパパは多く、ママひとりでの子育てに苦労をしているという悩みをよく聞きます。そんなママ自身のため、家族のために、パパを子育てに巻き込むポイントを3つお伝えいたします。

1 パパを子育てに巻き込むメリットを知ろう


 子どもにとってパパの子育ては、育つ環境を2倍豊かにするものです。ママひとりの言葉・行動・価値観の影響を受けて生活していたところに、パパが別の価値観を持ち込む。人によって価値観が違うことを知った子どもは社会性を身につけ、豊かに育つことができます。
 パパにとってはまたとない成長の機会です。ママが子育てを通して成長するように、パパも子どもという未知の存在と真正面から向き合うことで、大きく成長することができます。子育てによって身につけたコミュニケーション術やタイムマネジメント能力は、仕事にも活かすことができます。
 夫婦の絆も強くなります。子育てというプロジェクトにチーム夫婦として取り組み、乗り越えることでお互いに共感できる部分が増えます。夫婦生活は乳幼児期の子育てから再スタートするといっても過言ではありません。

2 男女の違いを知ろう


 夫婦関係と家計に関する実態調査(※)によると、夫婦喧嘩の話題の第一位は「態度」という結果が出ています。態度が喧嘩の原因になるのは、言葉によるコミュニケーションが不足しているからです。コミュニケーション不足の原因のひとつはお互いへの無理解があります。
 研究が進み、脳の仕組みや欲求が男女で大きく違う傾向があるということが明らかになってきました。たとえば話し相手に求めるあいづち。女性は多くの場合「うんうん、それわかるわ〜」といった共感を求めますが、男性が求めるのは共感よりも「すごい!かっこいい!!」といった尊敬です。男性は女性以上に褒められることが好きです。
 もちろんこれは、性差よりも個人差のほうが大きいということが前提ですが、多くのご夫婦にあてはまることと思います。
 よく褒められた子どもほど伸びると言われますが、パパも褒められるほど成長します。
 少しでも家事育児をしたときに、妻から「すごい」「かっこいい」「たよりになる」などの声をかけてもらったパパは、さらに張り切って家事育児に励んでくれるでしょう。

3 上手に夫婦げんかをしよう


 夫婦げんかは犬も喰わないと言います。しかし価値観の違う2人がひとつの家庭内で生活し、子育てというプロジェクトに共同で取り組むにあたって、意見のくい違い・けんかが起こらないわけがありません。パパがイクメンであるほど、けんかが起こりやすいとも言えます。
 もちろん避けられるけんかは避けた方がいいのですが、どうしてもの時、けんかを必要以上に恐れなくてもだいじょうぶ。上手な夫婦げんかのこつは、お互いの想いや考えを伝え、決着をつけずに、仲直りは時間にまかせることです。それによって「いい妥協」がうまれます。
 わが家の例をあげます。
 夕食中にテレビをつけるかつけないか、それでけんかになりました(つまらないけど夫婦げんかってそんなもんですよね)。妻は「仕事から疲れて帰ってきた私から楽しみのテレビをとりあげないで」。僕は「夕食中は家族でおしゃべりしたい」。完全に平行線で結論はでませんでした。
 でもそのけんかをした翌日、仕事から帰ってきた妻は自分からテレビをつけませんでした。それを見た僕は妻に「テレビをつけてもいいよ」と声をかけました。けんかの中で相手の要求を知ったことで自然に譲り合いが起きたのです。今は夕食時テレビをつけていますが、妻の好きな番組ではなく家族で楽しめる番組を観て、それをネタに家族で会話をしています。
 子どもに夫婦げんかを見せてはいけないということもよく言われますが、これも間違いです。子どもの前で夫婦げんかをしてしまったら、自然に仲直りするところまで見せる。これによって、子どもはけんかしてもまた仲良くすることができること、人間関係を学びます。夫婦げんかも子育てに活かせるのです。

おわりに・・・「今」を夫婦で楽しもう


 さて、夫婦でがんばって子育てをしても、子育ての結果は20年後までわかりません。日々けんかしたり仲直りしたりしながら協力して生活する姿を見せたら、あとは子ども自身の育つ力を信じましょう。
 子どもはすぐに大きくなります。子育ては今しかできません。ぜひチーム夫婦として今の生活と子育てミッションを楽しみ、未来に期待してください。

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大阪市 教育委員会事務局生涯学習部生涯学習担当社会教育・生涯学習グループ

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