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平成26年第19回教育委員会会議

2022年9月1日

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平成26年第19回教育委員会会議

第19回教育委員会会議

 

1 日時  平成26年7月8日(火曜日) 午後2時から午後5時

 

2 場所  大阪市役所7階市会第6委員会室

 

3 出席者

大森不二雄  委員長

林  園美  委員長職務代理者

高尾 元久  委員

西村 和雄  委員

帯野久美子  委員

 

山本 晋次  教育長

寳田 啓行  教育次長

沼守 誠也  教育次長

浅野 宏子  総務部長

小川 芳和  学校配置計画担当部長

林田  潔  教務部長

森本 充博  生涯学習部長

大継 章嘉  指導部長

多田 勝哉  教育改革推進担当部長

岡田 和子  学力向上支援担当部長

三木 信夫  学校経営管理センター所長

沢田 和夫  教育センター所長

飯田 明子  学事課長

脇谷 信也  学事課担当係長

島田 保彦  特別支援教育担当課長

川本 祥生  教職員人事担当課長

江原 勝弘  教職員人事担当課長代理

橋本 洋祐  教務部担当係長

松田 淳至  高等学校教育担当課長

柘原 康友  指導部総括指導主事

北村 宏貴  指導部指導主事

塚本 正勝  学校適正配置担当課長 

森  祐二  学事課担当係長

森本 義範  中学校教育担当課長

市川あい子  指導部主任指導主事

塩見 暢朗  指導部総括指導主事

川阪  明  総務課長

松浦  令  総務課長代理

東川 英俊  総務課担当係長

ほか係員2名

 

4 次第

(1)大森委員長より開会を宣告

(2)大森委員長より会議録署名者に高尾委員を指名

(3)議題

議案第126号  大阪市立特別支援学校学則の一部を改正する規則案

議案第135号  平成27年度校長公募について【継続審議案件】

議案第136号  デザイン教育研究所の募集停止の取り扱いについて

議案第137号  入学者選抜制度にかかる意見について

議案第138号  大阪市学校適正配置審議会委員の解嘱及び委嘱について

(4)議事要旨

議案第126号「大阪市立特別支援学校学則の一部を改正する規則案」を上程。

小川学校配置計画担当部長からの説明要旨は以下のとおりである。

平成27年4月1日、難波特別支援学校に小学部を設置するとともに、なにわ高等特別支援学校及び東淀川特別支援学校を27年1月1日に設置、4月1日に開設するため、規則の一部を改正するものである。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり承認。

 

 議案第138号「大阪市学校適正配置審議会委員の解嘱及び委嘱について」を上程。

 小川学校配置計画担当部長の説明の要旨は次のとおりである。

 大阪市学校適正配置審議会現任委員の任期満了に伴い、飯野修芳氏、木村武史氏、小林京子氏、小林将太氏、小林良堂氏、高田一宏氏、南本長穂氏、安本寿久氏を新たに委嘱し、岡本栄子氏、岡本美紀氏、尾﨑公子氏、平井美代子氏、横山俊祐氏の計5名については再委嘱する。

 

質疑の概要は以下のとおりである。

【高尾委員】  一言お願いをしたいと思います。実は、新たに推薦されました審議会委員の候補者の名前に私の会社と同じ者が含まれております。そのために、私はこの採決から回避させていただきたいというふうに思っております。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

【松浦代理】  除斥には当たらないので、本来なら採決に加わっていただいても構いませんが、それは委員のご判断で。

【大森委員長】  どういう理屈で採決に加わるのに支障がないのですか。

【松浦代理】  地教行法の中の除斥の規定にありまして、その中には当たらない。去年か一昨年も同様の議案がありまして、そのときにも調べさせていただいたところ、当たらないという判断で、採決に加わっていただいたと思うのですが。いずれにしても、ご自身がご辞退されるということでしたら、それは委員の皆様でご判断いただければ結構かと思います。

【大森委員長】  わかりました。では、採決のときに賛否が分かれるようでなければ、ほかの方にご異議がないかどうかで判断したいと思います。今回、再委嘱の方と任期満了で交代される方の、どういうケースは再委嘱で、どういうケースは任期満了なのですか。

【小川部長】  本人のご意向も聞いているところでございますけれども、現在、審議会は、2期4年というのが最長になっておりまして、再委嘱される5人の方はまだ2期4年になっていない、もう1期、本人のご希望がございましたらできるという形で、5人ともあと1期務めたいというご意向がございましたので、尊重させていただきました。

 残りの方はもう2期4年になっており、交代をしていく状況がございましたので、それぞれの方の分野に沿った形で後任の方を今回選任したいと考えております。

【大森委員長】  学識経験者と、それから教育委員会が適当と認める者と2種類ありますが、教育委員会が適当と認める者というのは、大体、団体の役員、代表の方のようですけれども、それによる違いというわけではないのですね。

【小川部長】  はい。あくまでも審議会を務めた期間によりますので、所属している団体で振り分けているわけではございません。

【大森委員長】  では、団体代表の方も2年で交代するのではなくて4年務める方が多いということですか。

【小川部長】  そうです。したがって、今回、再委嘱される予定の5人の方は2年務めていただきますが、2年後は4年を務めることになりますので、交代していただくというふうに考えているところでございます。

【林委員】  具体的にこの審議会委員の方々の活動を教えてください。

【小川部長】  現在、この適正配置審議会は、小中学校の適正規模に関しましていろいろご意見をいただく、あるいは、今後どうしていけば良いのかという方向性を議論していく場でございまして、具体的には定期的に答申というものを審議会から提出をしていただいており、直近の答申は平成22年答申になっております。そこでは、基本的には11学級以下の学校に関しましては統合の対象の学校であるというような考え方を整理していただいております。

 今、その答申内容に基づきまして、教育委員会事務局では、各区の区長、教育委員会事務局の区担当理事でもございますけれども、各区の区長と一緒にそういった11学級以下の学校に関しましては、保護者並びに地域の皆さんに今の学校の児童数の状況をご説明させていただいて、中には人数が1年から6年までの在籍数が100人を切る、あるいは100人ぐらいまで陥っている学校もございますので、そういったところは子どもの教育環境をよりよくするという観点から、近接校との統合という議論につなげていっているところでございます。

 特にこの2年間での審議会では、これまで大きな考え方は示していたのですが、具体的な手続の進め方がこれまでありませんでしたので、この審議会の中からワーキング会議というものをつくっていただき、精力的に議論をしていただいて、まとめていただいた意見書が、この3月に教育委員会にお諮りしました指針の基になっております。そういう考え方の方向性を、それぞれ専門の分野からいろいろ多角的にご意見をいただき、こちらからも現状をご説明させていただいて、どれが一番良い方法なのかというのを議論しておりまして、今後も今進めている事案のご説明もさせていただきながら、小学校の今後のよりよい適正化のあり方について議論していくということになろうかと思っております。

【林委員】  では、具体の個別の事案についてもご意見を賜る機会があるということでしょうか。

【小川部長】  はい。この審議会におきましては、今取り組んでいる個別の事案について進捗状況をご説明しておりますので、当然、中には委員の方からは取り組んでいる事例についてのいろいろなご質問をいただくことはございます。

【大森委員長】  ご質問やご意見はあっても、実際に現地での調整にこの委員の方がかかわられることはないのですか。

【小川部長】  それはございません。

【大森委員長】  過去2年間についてワーキングで指針の案をまとめたということですが、ワーキングに入っていない方々もいらっしゃるということですねですね。会議はどれぐらい開催しているのですか。

【小川部長】  審議会は、基本的には年1回の開催になっております。必要がありましたら複数回開きますが、この間は大体年1回の開催になっております。昨年は審議会のほうでもお諮りさせていただいたのですが、審議会には十数人の方がいらっしゃいますので、そこから5人の方を選んでいただき、ワーキング会議チームをつくっていただきました。それは大体1カ月に1回のペースでほぼ半年ぐらい、昨年の春ごろから秋ぐらいにかけて開催し、ご意見をいただきました。それに基づき事務局で整理をさせていただいたのが、この3月にお諮りをさせていただいた指針となっております。

【大森委員長】  今後2年間、この新しい委員構成で、任期があるわけですが、この間の審議会としての重要課題、検討課題は何ですか。

【小川部長】  この間、審議会のほうで継続的に課題が残っているということではございませんけれども、例えば今、国のほうでも小学校のあり方について文部科学省も考え方を見直すとかいうような動きもございますので、そういった情報を事務局のほうで入手をさせていただいて、また、そういったことも審議会の委員の皆さんにご報告させていただいて、それに基づいて大阪市の小学校の適正化のあり方を、これまでの答申がございますけれども、答申にさらに何か意見を加えるのかどうかというところを議論していただくことになるのではないかと考えています。

【大森委員長】  国のほうで、小中一貫の新しい学校を主として、名前は何でしたか、義務学校か何かわかりませんけれども、そういう議論がありますよね。そういう情報はこの審議会にも、もちろん我々教育委員会へも提供していただいて、これからの学校再編、適正配置というものにかかわってきますよね、それは。

【小川部長】  当然、そういうことも含めて、それは国だけではないのですけれども、他の自治体での取り組み事例もいろいろございますので、そういったものを今、事務局のほうではこれまでから幅広く情報を入手しておりますので、それを審議会の場でもお伝えをさせていただいて、議論に反映させていく。この間もそれをしておりますし、今後もそこはしていきたいなと考えております。

【大森委員長】  新しい校種の話じゃなくて、他の自治体の小中一貫の話とは別に、国のほうで新しい小学校とか中学校とは別に、今で言うと、中高の中等教育学校とかありますでしょう。それと同じような話で、学校の区切りが変わる議論なので、それをちゃんとフォローしていただいて。

【小川部長】  はい、わかりました。

【帯野委員】  その審議会に対して答申が出てくるということは、市の教育委員会が諮問するのですか。

【小川部長】  教育委員会からです。ただ、その状況は、事務局で案をつくらせていただいて、当然、教育委員の皆さんにご報告をさせてもらってから審議会のほうに諮問しております。議決は当然頂いております。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり承認。

 

議案第135号「平成27年度校長公募について」を上程。

林田教務部長からの説明要旨は以下のとおりである。

【林田教務部長】  それでは、前回、継続審議となりました議案第135号、平成27年度校長公募についてご説明をさせていただきます。

 本件につきましては、6月24日の市会教育こども委員会の質疑の中で提起されたリーガルチェックの指摘を踏まえまして、検討する必要があるとご指示も前回の6月27日の教育委員会会議でもいただきまして、事務局におきまして再度のリーガルチェックも行うといったことなどの検討を行ったところでございます。

 特に争点となっております点は、学校活性化条例第10条が予算の流用に与える影響について、それが予算流用の可否についてでございます。学校活性化条例に係りましては、私どもの当初のリーガルチェックにおきましても、条例の規定がある以上、仮に公募を実施しなければ条例違反になると。ただ、校長公募を実施するための予算を削除するという議会の意思が条例の第10条ただし書きの特別な理由に当たるとすれば条例違反は免れるが、立法趣旨からは特別な理由とは緊急の場合等であり、予算が通らないということは想定していないと考えられますので、特別な理由には当たらないと考えられると。結局、公募は実施せざるを得ず、実施しないということは条例違反に当たると。したがって、予算を流用して実施することは合理性があると考えるというのがリーガルチェックのご意見でございました。

 また、加えますと、内部公募のみの実施ということについては、外部公募を行わないということになってきますので、それは本市の職員に対する募集を含め原則として公募により行うという規定でございますので、内部だけの公募というのも条例に抵触するのではないかという、私どものリーガルチェックのご意見でございました。そこの点につきましては、今申し上げました、このたびのリーガルチェックのご指摘も基本、大きくは変わってございません。学校活性化条例の10条に基づいて教育委員会が校長公募を実施するということについては、予算を流用できるかどうかということは別にして実施することができると解釈できるとされているとお聞きしております。

 また、学校活性化条例の第10条第1項のただし書きにおきまして、特別の理由がある場合には公募を実施しなくてもよいとされているところでございますけれども、このただし書きについても、特別な事情があるときは公募を断念するということを許した規定であるから、なお公募を実施するという判断のもとに公募を実施するということについては違法とは言えないとされているところでございます。このことからも、条例に基づく形で内外公募を行うということについては、このご指摘の中でも違法ではないと判断されているところでございます。

 もう1点の学校活性化条例第10条の内外公募を行うために予算を流用するという部分についてでございますけれども、これについては、条例があっても予算流用については禁止されるという指摘がなされております。その根拠といたしましては、普通地方公共団体の議会が経費を削減または減額する議決をした場合に、再議権の行使を定めているのは地方自治法の第177条の規定のみであるとされているところでございます。すなわち、首長が再議権行使により再議決を得るか、また、新たな修正予算の提案をして可決を得ることで議会との調整を図ると、それ以外の方法を定めていないということから、議会の明示の意思に反して首長は予算執行ができないと結論づけた指摘となっております。

 この指摘に対しまして、事務局での現時点の検討状況でございますけれども、このご指摘を踏まえまして、事務局では再度のリーガルチェックを複数実施いたしたところでございます。177条を適用すべき内容かどうかにおいて、指摘の見解とは異なりまして、177条は全国的に実施しなければならない事業や、既に確定している地方公共団体の義務を履行するために設けられた規定で、首長には裁量の余地はなく、再議をむしろ行わなければならないとされていると、首長の予算執行権を拘束する例外的な規定だと私どもは理解をしております。確かに、177条の適用があるとする解釈はあり得ますけれども、176条の予算の再議について検討すべきでございまして、首長が他の予算の執行がおくれることによる影響を鑑みて、予算流用により条例上の内外公募を実施するということについては合理性があるのではないかという意見をいただいたところでございます。

 しかしながら、過去に同様の判例などがない中で、見解としては分かれ得る可能性もございます。訴訟リスクを避けるためには、今後とり得る方法として、指摘においても内外公募を実施すること自身は違法ではないとされているわけですけれども、流用を前提とするというのではなく、選考経費について予算を上程するなどの対応についても事務局としては検討してまいりたいと考えております。公募の事務手続を進めてまいる必要経費については、今申し上げましたように、引き続き改めて検討していくということになろうかと考えております。

 続きまして、今回新たに大阪市立学校長・幼稚園長募集要項(案)を検討させていただいております。この要項についてご説明を申し上げたいと思います。

 1ページから12ページまで今年度の募集要項を載せております。5ページまでが具体の文案でございまして、7ページ以降に受験申込書などを添付いたしております。

 昨年度につきましては、内部の募集と外部の方で別々の要項をつくっておりましたけれども、今年度につきましては、公募制度のあり方検討プロジェクトチーム会議でも議論となりました内外同一の取り扱いという考え方を基本に外部人材と内部人材の募集要項を一本化いたしております。さらに、市会でのご質疑も踏まえた改善を種々行っているところでございます。

 まず、求める人物像でございますけれども、これまで市会などで指摘されました課題を踏まえまして、人物の視点といたしまして、子どもたちの最善の利益をはじめとする教育的な視点、そして、学校教育を取り巻く人々とのコミュニケーション力、さらには、応募者個人に教育者として求められる資質、研究や修養に努めるといった姿勢を明記いたしたところでございます。子どもとのコミュニケーション、保護者・地域住民の方とのコミュニケーション、そして教職員との信頼といった点をポイントの視点としてつけ加えたところでございます。これらの資質や姿勢をはかることができる方法によりまして選考を進めてまいりたいと考えております。

 3番の採用期間でございますけれども、これまで任期は3年といたしておりましたけれども、公募制度のあり方検討プロジェクトチームでの議論を踏まえまして、任期は1年といたしまして、期間は3年を基本とすると。最長を5年に改正を行いました。あわせまして、プロジェクトチームでの議論を踏まえまして、適格性がないと認められる場合で年度途中での異動や処分があり得るといったこと、一方で、特にすぐれた人材については、任用期間後、管理職として教育委員会事務局などに中途採用する可能性があるといったことなども記載をいたしたところでございます。

 次に、4の募集講習及び募集予定人数につきましては、さきの議会でのご議論を踏まえまして、数ありきの採用でなく、内外同一基準により選考し、能力・資質の高い方から採用するということで、内外の採用人数は別々の記載ではございません。合わせて70名程度ということで要項上記載いたしております。

 5の選考方法でございますけれども、まず、第1次選考で論述の当日試験を実施したいと考えております。これは昨年度はございませんでした。昨年までは応募の際にレポートを提出するということを求めておりましたが、当日出題した題目で論文を作成していただくということが人物本位の選考に資すると考えております。

 また、実施内容については検討中でございますけれども、面接につきまして、2次選考に集団討論を導入する。多面的に人物評価できるような工夫を行ってまいりたいと考えております。

 受付期間は、案でございますけれども、7月8日から7月22日といたしております。

 それと、給与面でございますけれども、これは昨年度と比べましても、小中学校、例えば満45歳の方でいえば昨年度は790万円が900万円ということで、これは府のほうでの給料の改善でございますけれども、若手の校長のお給料が改善されたということをアピールしてまいりたいと考えております。

 また、その他のところで右端の改善点にありますように、公債権の滞納は懲戒処分になるということを明記すること。また、職務遂行に支障を来すような事由が発生した場合の調査協力を誓約してもらうといったことなど、課題に対する対応についても記載をしたところでございます。

 あと、一番下にありますのが受験申込書の改正点でございます。外部人材の方についてですけれども、子どもや教育にかかわった経験を記載するという様式を、昨年はございませんでしたが、新たに作成いたしました。子ども教育にかかわった経験を書いていただくことによって面接などの選考にも活用していきたいと考えております。

 また、応募要件の職務経歴におきましては、管理職の経歴をより厳密に確認できるよう、書式の改正も行ったところでございます。

 要項は12ページまででございますけれども、おおむね大きな改善というのは以上でございます。

 校長公募の実施とあわせまして、要項についてご審議をいただきたいと思います。本日、この要項(案)をご議決いただきましたならば、直ちにホームページへのアップでありますとか報道への提供をいたしまして、募集事務を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 【大森委員長】  これは、議案としては1つなんですけれども、まず、校長公募の実施如何について議論をしてから、この公募要項の中身の細かい改善点等について確認や、さらに何か修正、改善すべき点はないかということだろうと思いますので、まず、公募要項の中身のことではなくて、平成27年度の校長採用について、公募というやり方で実施するかどうかということについて先に議論、審議したいと思います。

 今の事務局の提案は、要項を出しているということは、リーガルの話も前段にありましたけれども、事務局提案としては、公募を27年度校長採用についても実施するということで我々教育委員会に審議してほしいと、そういう提案として受けとめてよろしいわけですね。

【林田教務部長】  はい。

【大森委員長】  その理由は、先ほど条例面と予算面の話がありましたけれども、何かつけ加えるようなことはありますか。

【林田教務部長】  基本的には、学校活性化条例におきまして、原則として公募により行うものとするとされておりますので、それに沿って進めてまいりたいと考えています。

【大森委員長】 私がまず思ったのは、ご説明の中で、条例について公募を実施することは何ておっしゃったかな、条例違反じゃないとおっしゃったのか、法令違反ではないとおっしゃったのか、ちょっと気になったんですけども、そうじゃなくて公募を実施しないことが条例違反なんでしょう。その点、解説願います。

【林田教務部長】  リーガルチェックで確認した中で、条例の規定がある以上、仮に公募を実施しなければ条例違反になるというお答えをいただいたところでございます。

【大森委員長】  だから、公募をやらないというほうが条例違反になると。

【林田教務部長】  はい、そうです。

【大森委員長】  公募を実施することについての法的な問題点というのはあるんですか。

【林田教務部長】  実施することについての問題点というのは、これも途中でご説明申し上げましたように、それはございません。

【大森委員長】  予算は別問題ですから。

【林田教務部長】  はい。

【大森委員長】  予算を流用するのかどうするのかというのは別の話なので、公募を実施しないことについては条例違反というリーガルの見解が来ているということですね。他方で、実施することについて何か法的な問題はあるかといったら、そういう指摘はリーガルチェックの結果ないということでよろしいですね。

 そもそも私の考えでは、そういうリーガル面というのは非常に重要で、リーガルに非常に問題が大きければ、政策的に望ましいことであってもそれはとり得ない、やり得ないという場合もあるかもしれませんけども、そうでない場合、本件みたいなことについては、そもそも校長公募というものを継続実施すべきか、政策判断として中止・中断すべきかということのそもそも論があって、あわせて、じゃ、リーガル的にどうなんだと、こっちの選択肢をとった場合に法的に問題にならないかと、そういうセットの、どっちも重要ですけど、政策論、政策判断の問題と、それからリーガルな確認と、どっちも重要で、どっちがより重要ということもないんですけども、両方必要だと思うんですね。両方、どちらからの側面でも結構ですが、ご意見、ご質問、いかがでしょうか。

【林委員】  私としましては、校長を公募で採用するということに関して政策として推進していきたいという意見を持っております。私がかかわったのは昨年度からですが、実際に面接等を通しまして採用にかかわったわけですけれども、いろんな先生方、外部の方、内部の方どちらの方もたくさんの方と面接をさせていただきました。

 いろんな質問もして、話を聞いてというところで、多様な考えを持った方と実際に話ができたことは私にとっては非常に大きくて、外部の方はやはり公教育の校長としての資質というものをどう見きわめていくか、そこの部分は選考としての問題であったと思いますけれども、それはできる限り実際に校長になっていただいたときに、学校現場で問題が起きないとか、支障にならないような方をきちんと選ぶという責任を私、教育委員として負っていると思いますし、そこに関しては精いっぱいやりたいと思っています。

 他方で、内部の方の面接をたくさんさせていただいた中で、現場の今の教頭先生ですね、がどのように物を考え、校長になってどういうふうな教育を実現していきたいかということを直に聞けたことは私にとっては非常に大きなことで、そこも踏まえた上でどちらも必要であるというのが私の結論でした。そこもありまして、外部・内部含めて公募制度というのは制度としてはやっていかなければいけない。特に子どもの教育に関して多様な発想や価値観を持った人が学校現場に実際にいるということは大きなものをもたらすと思っておりますので、その観点からもぜひ進めたいと。

 あとは、やはり採用をどうするかということと、研修も含めてですけれども、きちんと学校現場に即した方になっていただくという部分、それから、教育委員会としてきっちりとサポートしていくという、この部分を最善を尽くして改善をして進めていきたいと考えております。

【帯野委員】 私も今のご意見と基本的には同じで、外部・内部を含めて公募制度そのものは継続されるべきものであると考えます。ただ、現在の議会等の環境を考えますと、今の時点で今年度それを実施するという判断を下すには勇気が要るということをひとつご理解いただきたいのと、ただし、私自身は、その判断は法に基づいてなされるべきだと思いますので、先ほどご説明のありましたリーガルチェック、まず、議会のほうのリーガルチェックにおいても、予算流用には問題があるけれども、公募を実施することについては問題がないということ、また、事務局側のリーガルチェックにおいては、公募を実施しなければ条例違反となる、実施することが条例の趣旨に沿ったものであるということ、それから、内部公募のみで実施をするということは条例違反になるということをもう一度しっかりした形で専門家のほうからきちんとした見解を上げていただきたいということを後日お願いしたいと思います。

 それから、あとは、要項についてはこの次の議題になるのですが、実際にどうやって流用をしないで公募をするのかというところについて、少し事務局の方法論を伺いたい。どの時点で経費が発生するのか、直接経費、それから予算確保の見通しについても少しご説明いただけたらと思います。

【山本教育長】  今の帯野先生からのご意見のうち、初めの部分の専門家のご意見等につきましても、また、私どものほうできちっとした形での担保をしてまいりたいと思っております。

 それから、もし本日議決をいただきました場合に、その後の実際の事務執行に当たっての我々としての考え方でございますけれども、我々といたしましては、前回の市会の中での再議という形で、今の条例のたてつけの中においては、我々はこの条例を粛々と進めていく、公募校長の採用を行うということが我々の責務であると考えております。そのためには、内外同時の、まず選考のためのいろんな手続のための費用等がかかってまいります。それらを含めまして、いろんな今の状況のご懸念もございますけれども、我々はやはり一番正しい手続をとってやっていくための努力を怠らないようにいたしたいと思っております。

 基本的には、例年の日程であれば、また秋以降、議会が開かれますし、今年の場合にはまた議会日程等も変わってまいるかもしれませんけれども、そのあたりと我々の事務日程、まずは選考のための手続に係る費用、今の条例のたてつけの中で議会についてもご意見を伺う手続というものをとってまいるのをまず第一と考えております。

 それから、校長公募選考も、おそらくまた皆さん方との議論の中、この要項を見ても相当厳格な選考手続になりますから、次の段階の選考終わった後の研修等につきましては、当然、1月になりますけども、そういうような方々の大体の必要な経費、いわゆる概数等の見定めもなりますと、これ、10月から11月といった話になろうと思いますので、それはそれでまた改めてきちっとした執行の手続をとらせていただくという形になります。その中で、そのときの情勢がどういうときに動くかということは、ただいまのこの段階では予想できませんけれども、基本的には、先ほどのリーガルチェックだけではなく、この委員会の先生方からいただいている基本的姿勢として、まずは適正な手続に沿ってきちっと一個一個、手間を惜しまずに対応していくということを考えておりますので、ご理解よろしくお願いいたしたいと思います。

【高尾委員】  重複するので簡単に申し上げたいと思うんですけども、1つは、やっぱり現実があるということも間違いないことだと思います。つまり、公募をストップされれば、来春には校長先生が1人も誕生しないという大変危機的な状況が生まれるということがあります。

 それから、また、理念的に考えると、先ほどからご指摘ありますように、条例があるということは、もとよりまず第一に考えなければいけないことだろうと思います。その上に立って考えますと、将来の教育とか運営のあり方というものを模索しますと、やはり職業の教育人だけではなくて、それ以外の方も参加して教育を創造していくということが必要なんだろうと思っております。

 それから、とはいえ、これまで行ってきた採用の仕組み、その後のマネジメントといいますか、結果について全く問題がなかったということではないということではないと思うんですね。やっぱりそこには指摘されているような問題点もあろうかと。これは真偽取りまぜて、違う尾ひれのついた話もありますけども、その部分を除いても、やはり是正すべき問題点はあったのだろうと思っております。

 これについて、公募制度のあり方検討プロジェクトチームが組み立てられて、そこで非常に丁寧な検証と評価がなされまして、それに基づいて抜本的な改善策が提示されたわけです。それはごく最近のことなんですけども、それに基づいて今ここに出された応募要項が出来上がっている。これの随所に改善策が盛り込まれていると思っております。そうして見ると、これはかなり多くの方にご理解いただける内容になっているんじゃないかと思います。

 それから、もう少し踏み込んで申し上げると、まだほかにちょっと気がかりな点を私は持っておりまして、それは、校長先生の学校運営、特色ある意欲を持ってなさる運営について、何か阻害をする、それにストップをかけるような仕組みというのが最近明らかになってるんじゃないかと思います。そうしたことが民間人校長に遺憾なく能力を発揮していただく、そういうことを組織的に妨げる1つの要因になってるんじゃないかなという懸念を持っています。こういう機会ですから申し上げますけど、法令に合致した運営というのがきちんとなされていて、本来の公募制度の趣旨が生かされ実現化されるということが必要だろうと思っております。

 最後に、大きな問題となっております、議会で公募の予算が削除されたという点でございます。それによって議会のご意思が示されたということは十分よく理解をしておるところでございますけども、予算の執行については私たちの権限外の部分であると伺っております。それから、そういうことも踏まえた上で、先ほど教育長のお話があったように適正な手続、デュープロセスをもって対応していく、実施していくということでございます。そうであるなら、我々としての判断は、厳格な意味での、小さい狭い意味での教育的な観点のみから判断すれば足り得るではないかと、今の時点ではそう思っております。

 それで、その後生じております種々の法的な問題、それについては、権限と責任を持つ執行機関のほうから適切な判断がなされていって、今後の展開においてもまた適切に対応されて、広く一般市民に説明がなされるであろうと期待しております。

【西村委員】  条例に従って公募を行うという、それについては全く当然のことと思います。一番重要なのが、活性化条例や教育振興基本計画を理解して教育改革を進めていくような人材を採用していくということだと思うんですが、選考方法が今年から当日試験を設けたり、集団討論を実施することなど、改善されていますので、それと、十分と言えるかどうかわからないですけど、給与も改善されてますので、よりすぐれた人材が公募で採用されることを期待しております。

【大森委員長】  校長公募は平成27年度採用の校長採用についても実施すべきということでございます。

 まず、高尾委員でしたでしょうか、おっしゃったように、公募をやらないと約70人の穴があくということになりますので、それは再任用でまかなえるような数字では到底ないと。そこに何かの勘違いがあるのかもしれませんが、公募というのは内外公募をセットで条例で規定されていますので、公募を実施しないということは、言ってみれば穴があくということになってまいりますので、70人前後の校長を採用しなきゃいけないということがまず大前提としてあって、今の冒頭の事務局のリーガルな説明によれば、これは条例上公募によって行うというのが一番順当な法的な条例解釈であるということですので、今申し上げましたように、穴をあけるわけにはいかないという現実問題としてあるということと、あと、政策論としては、これ、この条例の名前があらわしているように、学校を活性化するためにこういったことをやっているわけでして、内部にしろ外部にしろオープンな形で外部の目も入れた形でできるだけ透明なプロセスでもって校長に採用すべき人材を見きわめて採用すると、手続をちゃんとオープンにするということで、そうやって選ばれた校長先生に、じゃ、今後どういう活躍を期待するかというと、これはOECDの国際教員調査というんですか、今、ある新聞の記事を見てますけれども、これを見ると学校の校長の裁量が日本の場合は極端に狭いということが書かれてまして、教員の採用から教員の昇級から、もちろん教育課程、教科書ですとか教員人事とかさまざまな面で文科省のほうで定めてたり、あと、これは残念ながら高尾委員ご指摘の通りだと思うんですが、上は文科省のほうで、下は学校現場のほうで必ずしも校長が自分の判断でもって学校の運営をやっていくという条件が整っているかというと、どうもそうじゃない組織風土みたいなものが今まであったと。言ってみれば、上からも下からもあれで、校長というものが、よく言われるように、教師の上がりポストとして認識されていると。言葉は悪いんですが、校長の期間、大過なく過ごせばいいと、残り3年とか6年とかですね。そんなことじゃ、学校というのが活性化どころじゃないという状況だと思うんですね。

 今般の公募制PTの検討のきっかけになったトラブルあるいは不祥事といったものは真摯に反省しなきゃいけない。けども、ちゃんと役割を果たしている校長、それは外部にも内部にもいるわけで、そういうものはあまり報道もされないということですけどね。外部だけじゃなくて内部でも立派に頑張っている校長先生をもっともっと報道なり、あるいは我々教育委員会がちゃんと取り上げてバックアップしていくべきだと思うんですけどね。逆に、阿倍野区でレゴ社とか使って頑張っている校長先生の、頑張る校長、頑張る教員の取り組みをいかにも何か悪いことしたかのような質疑、やりとりが市会で行われると。後でリーガルチェックしたら何にも問題なかったということでした。どうも、そうすると話の中で出てきたのが、積極的に今までと違う新しい取り組み、斬新な取り組み、斬新だからいいということじゃなくて、子どもたちの教育効果があるような取り組みを真摯にやると、何か周りの校長が出たくいを打つじゃないんですけれども、そういう雰囲気があると議員さん本人が、それに近い趣旨のことをおっしゃっていました。それなら、それを変えてもらうべきで、だから、我々が頑張る校長、頑張る教職員を応援しなきゃどうなるんですかという話なんですね。 この公募制度というものは、別に外部の人間を入れるためのものじゃないですよ。内部のそういう意識の高い方が頑張る組織風土にするためにも、内部だけじゃなくて一定程度は外部の人も入れていくことがプラスになると私は思っています。ただし、それが自己目的じゃないです。私は今、委員個人として言ってますのでね。私の頭の中の構造で言えば、外部イコール活性化とか、そういう単純な話じゃない。内部のそういう元気な、ほんとうにやる気のある、大過なく過ごせばいいと思ってる人じゃない校長先生がもっと増えていって、何となく出過ぎたことをやるとみんな困るよみたいな風土のほうがひょっとして校長の半分以上だとすると、そんな校長を、変えてもらわなきゃいけないんですよ。そのための外部の人というのはごく一部の力ですよ。ですから、内部の人たちを我々がきちんとした選考の目でもって、やる気のある教頭先生を校長に上げていかなきゃいけない。そのときに外部の人も役に立つんです。ちゃんとした人を選ばなきゃいけないということは、第2期生についても改善したし、今般、さらに改善するわけですけども、その点はまた、この後議論するわけなんですけども、というふうに思ってます。

 とにかく校長先生というのが、諸外国に比べて全然、学校運営、学校経営の主体になってないというのが、この某新聞の記事にもそういう趣旨のことが書いてありますしね。校長が1年間に非常に頻繁にとった行動として、日本が他のOECD諸国に比べて極端に低いとか最低なのが、生徒の学習成果に責任を感じるような取り組み、最低32.6%。平均は75.5%。当たり前ですよね。学校って何のためにあるんですかね。生徒の学習成果に教員が責任を感じるような取り組みというのを校長が頻繁にあるいは非常に頻繁にやったかどうか、そういう行動をとったかどうかという質問ですね。日本の校長って何なんでしょうね。何を目的に校長職、学校のトップを務めてるんでしょうか。この調査結果が意味するものをどう解釈していいのか、非常に悲しいものがありますね。

 あと、教員が指導能力の向上に責任を持つような取り組み、これも日本が最低で38.9%。OECDの平均では68.6%。当たり前ですよね。何か一番肝心なことが取り組まれてないんじゃないかというふうな、日々の仕事に追われてるみたいな、そういう中で大過なく過ごすみたいなですね。年齢も高いわけですよ。平均年齢57.0歳。OECD平均が51.5歳だそうですけれども。ですから、残り3年しかない人もいらっしゃれば、残り6年の方もいらっしゃるかもしれない。そんな状況じゃ、上がりポストじゃだめで、有能な方は内部の方ももっと早く教頭や校長としてなっていただく。

 はっきり言って、教頭先生が不足しているわけですから、現実問題、公募をやらなきゃ約70人とれないというだけじゃなくて、内部公募だけでもだめなんですね。先ほどのリーガルの事務局の説明では、内部公募だけでは条例の規定する公募にはならないという明確な説明がありましたから、リーガルでそもそもアウトなんです。仮に内部だけでやろうとしても、既に教頭先生のなり手が不足している中で、先般の平成26年度、つまりこの4月に採用になった校長さん方の募集選考の段階で、我々、既に内部人材と外部人材に同じ基準、合否基準ですね、設定して面接で明確に、点数を決めて、この点以下か未満か忘れましたが、については校長には適さない、ふさわしくないという設定をした上で最終面接選考もやったわけで、その結果、残念ながら内部の教頭先生だけじゃ合格者数が足りない。別に外部を合格させるために内部を削ってるわけじゃないので、前回選考をやったときに、実際、校長にしていいというラインを超えた人の数が、何人だったか忘れましたけれども、それで外部のほうは22名超えてましたけれども、これも残念ながらですが、最終的に辞退者が相次いで、最終的には12名ということになりました。内部のほうも、結局、外部がいるから合格できないんじゃないんですよ。合格させるべしという人が足りないから、だから、再任用で何とかしのいで、再任用は結構多かったと記憶してます。

 何が言いたいかというと、世の中に誤解があって、外部を無理やり入れるために内部、なれるあるいは校長にすべき人をさせないなんてことをしてるわけじゃないんですよ。これ自体が問題だと思うんですけど、教頭のなり手がいないイコール校長のなり手がいないということにつながっていきますので、残念ながら、今のような管理職と教職員の関係、それから学校長が上下から任されている部分というのが非常に狭い範囲であるという状況、これをちゃんと改革していかなきゃいけない。これは本市においては校長経営戦略予算もそうですし、教職員人事についても校長の判断というものを尊重する方向で教員の公募、教員公募人事ですとか、それから教員のFA制度ですか、そういったものを取り入れてやっていますから、我々としては、とにかく校長というものを経営主体、運営主体としてもっともっと権限と責任をもって働けるようにしていくということをいろんな側面からやっていく、それと同時に、そういった新しい求められる校長像にふさわしい人を教頭からも、そして外部からも採用していくということだと思っております。

 1人の委員として申し上げると、今言ったようなことで、とにかく公募でやるということをここで合意すれば、公募で応募された方の選考は政治的な配慮とかそんなのは一切ないですよ。当然、校長にすべき人か、すべきでない人かということで、すべき人が幸いなことにたくさんいらっしゃれば、上から順に、すべき人はもっといるんだけど、採用人数70人程度だから、じゃ、ここで切りましょうということでやっていって切ったところで、さて、結果、じゃ、70なら70、上から採っていったと、あるいは、残念ながら採用基準に達する人がぎりぎり70ぐらいでしたと。だったら、そこ70。結果として、その70ぐらいの人たちが、内部何人、外部何人というのは、これはやってみなきゃわからないことで、何か枠を設けることはしないというのは、諸般の政治情勢に鑑み、内外大体どれぐらいの見当で数字を考えればいいとか、そんなことは一切考えるべきじゃない。要するに、校長にすべき人かどうか、すべき順番、そういったことで選考をやっていくべきだと思っています。それに当たって、もちろん内外同一の取り扱いなんだけれども、やはりそれは内部の人には明確に、外部の人にはないアドバンテージが一般的にはあって、いい意味でのアドバンテージですね、そういうことからして、今般、この後もし実施が合意されれば、その公募要項の中身に入っていくわけですが、やはり外部の人については、この間の問題も踏まえてきちんとチェックしていかなきゃいけないこととかは、やっぱり内外同一だって、見るべきことというのは違う部分もありますので、それはちゃんとやっていかなきゃいけないと。その上で選考はちゃんと王道、正当、正面からやっていくということで申し上げたわけです。

 予算の話がございます。これは、教育長もおっしゃってるように、一番正しい進路を我々がとっていって、その上でなおかつ、そうならないことを祈ってますけど、人数に必要な予算が仮に確保され得ないと、予算確保の努力をした上でも確保できないということがあれば、それはしようがないということもあるかもしれません。そうすると、これは技術的なことがありますのであれですけど、あとスケジュール的なこともありますからね。予算の裏づけのないものを採用はできないということはあるかもしれません。選考基準に達しているのにというふうな、実際、合格させるべきと判断した人間をお金が足りないから採れないと。逆のケースもあり得ますよね。外部を採用する予算がないとなると、合否ラインに達してない内部の人を採用しなきゃいけないかもしれない。でも、それもしようがないですよね。予算がそうだとなれば、まさか70人前後が必要な中で2桁単位で穴をあけるわけにはいきませんので。ですから、合否ラインに達してても予算のために仮に外部を減らさなきゃいけないというのは、理論上あり得ますね。逆に、合否ラインに達してなくても穴埋めのために内部から合格させなきゃいけないということもあるかもしれません。私の考えでは、そういう事態になれば、それを教育委員会としてはちゃんと世の中に公表すべきだと思います。そういう事態にならないように、正面から正当な真っ当な手順を踏んで、予算確保も含めて、きちんきちんと一番真っ当な手続と思われることをやっていくべく教育長をはじめ事務局の皆さんと一緒に努力していきましょうよ。というのが私の一委員としての意見でございます。

 募集要項の話をもしするのなら、一応、ご意見を委員の方々から伺ったので、まして教育長は事務局の提案を出している責任者ですから、一応、公募は実施するという方向性になってると思いますが、よろしいですか。それを前提に次の募集要項のほうの話に進んでいいかということですけども。

 よろしければ、募集要項のほうに移りたいと思います。質問というよりは、要するに市長部局のほうの所属長とか区長とかも含めた公募制のあり方検討プロジェクトチームの取りまとめ、これを受けた募集選考等についてとり得る改善点、これはほぼ網羅したと考えてよろしいですね。

【林田教務部長】  そうですね。任期を1年で3年にするといったことや、適格性が欠如している場合についての処分等についての明記などを取り入れてまいりました。

【大森委員長】  あと、実際問題としては、選考の人物の見きわめ、これは現実問題、民間企業の採用もうまくいってるわけじゃないという話は民間からも聞きますけれども、そうはいってもいろいろ改善点を試みる必要があると思うんです。今、この募集要項レベルでは当日に論述試験を実施するということ。つまり、これは今までやってなかったことですよね。

【林田教務部長】  はい。初めてでございます。

【大森委員長】  書類選考だけで済ませてたことを全員を対象にして、集まってもらって、当日試験という形で論述試験を全応募者に受けてもらうということですね。

 それから、2次選考の集団討論。今までは1期生、2期生といいますか、内外公募のという意味ですけど、これについては、2次選考もいわゆる面接だったわけですけれども、これ、集団討論に変えた意図について説明いただけますか。

【林田教務部長】  今まで1対1で、ないしは何人かで個別に見るだけでございましたけれども、集団でご議論いただく中で、それぞれの方の教育的な識見も含めまして、そして、コミュニケーション能力ということについてもその中で把握していきたいと考えております。また、今後どういう形でというのがありますけれども、例えば外部と内部の方が同じ場でご議論いただくということになれば、その中での個性なり、また取り組みの具体的な実力といったものが見えてくるかなと考えております。

【大森委員長】  これは内部と外部をまぜるわけですよね。

【林田教務部長】  委員のご意見もございますけれども、そのように考えております。

【大森委員長】  細かいあれは後で議論するとして、もしまぜれば、これは外部の人がちゃんと内部の教頭先生方の議論についていけるかどうかというのも見ることができると思うので。個人面接ではなかなかそういうのはわからないところだと思うんですけど。

【帯野委員】 いろいろ意見を網羅していただいて、ここに盛り込んだということはよく理解できました。任期1年ごとの更新であるとか、不適切な場合は分限、人事異動があり得るとか、いろいろ盛り込まれているので内部的にはこれでよいと思うのですが、今度は応募する人の立場になった場合にこれで良いのか。つまり公募するということが目的ではなくて、学校を活性化する、それができるすぐれた人材を登用したいということが目的で公募をするわけですから、その場合に、35歳以上で管理職の経験者、すぐれた人に応募していただけるかどうか、応募する人の側に立った場合にこれがどう映るのかということです。ただ、これはもう決まったことでありますので脇に置くとして、一番気になるのは、「研修を実施する場合は」とありますよね。これは、研修が受けられないという場合はそのままということになるのでしょうか。これだけいろいろな問題が社会を騒がせている中で、研修の機会を経ずしていきなり学校現場に放り込まれるというのはあまりにも気の毒であるし、また無謀なことだと思います。先ほどの予算にも絡みますが、研修予算2,600万の内訳とか、昨年どういうことが実施されたかというのを私は知らないのですが、研修をやっぱりやるという方向で考えるべきで、やり方については、先回、教育長にお願いしたように、その方法をいろいろ工夫するとしても、「研修を実施する場合は」という表現はちょっと。これですぐれた人がほんとうに得られるのかなという不安があります。研修を実施すると言い切ることはできないんでしょうか。

【林田教務部長】  今、委員のほうからもお話ありました。1つは、経費的な側面で、今後、最終的な合格発表までに整理をしていくということになりますけれども、そのことを含めまして研修を実施する場合ということで、今回表現をさせていただいております。

 ただ、当然、その際の状況にもよりますけれども、何もしないでというよりも、どういう形、今までの研修でいいますと、経費が生じてまいりますし、経費が生じないような研修が可能なのかどうかという検討も必要かもしれません。一方、今年度でいいますと、4月からの配置されてからの支援体制ということで、3人のOB校長が現場を回るという中で、かなり成果を上げている部分がございますので、そういったところを総合的に考えながら、詰めていきたいと考えております。

【帯野委員】  それは研修を実施するということですか。方法を考えるというのは。検討して実施をするということですか。

【林田教務部長】  今も申し上げましたように、経費的な確保の取り組みをした上でということになります。

【寳田次長】  事務局としては、登用する場合は研修は必要と考えています。

【帯野委員】  この文章はお任せしますので、それが明確にわかるように。というのは、例えば、幾つか起こった残念な事件において、セクハラであるとかパワハラであるとか、これは研修以前の問題ではあると思うのですが、やはり民間のトップダウンのマネジメントが教育現場にはなかなかそぐわないというか、そのまま適用できないことも多いので、教育現場独特の組織のあり方をきちんと研修する機会を設けておかないと。すぐれた人を採用しても結局は失敗させてしまう。そういうことになると思いますので、やはり研修を実施するという前提で募集はしていただきたいと思います。

【高尾委員】  もちろん、これをお書きになっていることは、研修は不要であって、もしくは、五分五分でしない場合もありますよということではなくて、多分、行政的な判断から予算措置が、今、裏づけがとられていない段階での文章の表記として、どうしたらいいかということをお考えになって、こういう表現になった。それは特に新たな経費が問題となるような、また新たな経費が27年の3月31日までに発生する場合を想定しておっしゃっているということだろうと思います。おそらく真意としては研修を否定されているのではなくて、もしこれでお金がとられない最悪の場合であっても、4月に入ってからでもいくらでも徹底して研修をやるということもまた可能ではあろうかと思ったりしております。そういったいろんな意味合いにおいてこの表現を理解しております。

【大森委員長】  これは、実施する場合というのは3カ月研修のことを念頭に置いて言っているんですよね。だから、金のかからない研修も含めたら、研修は実施すると言ったほうがいいんじゃないですか。行政的には、今、高尾委員がおっしゃったように、予算の裏づけなしに断言だけで書くわけにいかないというのはわかるんですけど、ただ、帯野委員がおっしゃるように、研修なしという可能性もあるのかなと、それはやっぱりないでしょう。だから、3カ月研修のことが事務局の皆さんは頭にあって、そう書いておられるけど、確かに「研修を実施する場合は」というのは、実施しない場合があるのかというふうに見えちゃうので、これは修正したほうがいいと思いますね、私は。だから、3カ月のあれを約束することではないけども、研修はやりますよと。それで予定としては、この3カ月を考えてますというふうなね。応募資格のほうにも、そのときは1月1日から勤務できることみたいなのが書いてありますよね。ちょっと、そこも。結局、2カ所でしたかね。2カ所だか3カ所だか忘れましたけど。

【川本課長】  2ページ。

【大森委員長】  2ページと、それから、応募資格があるから1ページのところでしょう。1月1日から終日勤務が可能な人と。これ、研修を実施する場合がありますのでと、ここも実施しない場合があるのかというふうに読めちゃうので、どちらのページも研修はやりますよと、ただ3カ月研修を前提にしているとは必ずしも読めないような表現の修正がいいんじゃないかなと思うんですけど、いかがですか。

【帯野委員】  はい。それでいいと。

【林田部長】  今ご指摘の点を踏まえて、表現の工夫をしていきます。

【大森委員長】  厳密な言葉、今、この場で合意しなくても、その点を修正するということで、この議案は処理できると思いますので。

【林田部長】  あと、済みません、4ページの下のところにも研修の場合の報酬の予定という表現がありますので、そこも含めて整理させていただきます。

【大森委員長】  帯野委員のおっしゃるとおり、研修を全くやらないということはあり得ないと思うので、仮にお金を使えないのなら、お金を使わないでやるということも含めてですね。そうならないように、3カ月研修がやれるように最善を尽くすことが必要だと思いますけれども、この時点で行政的に書ける範囲で、研修はやることはやると。

【高尾委員】  それから、これも言わずもながですけども、着任後のサポート体制その他種々の校長に対するマネジメントというのをもう一度確認、その辺も徹底して、過去に効果があったもの、効果がなかったものを明確にして、それもいずれの機会にきちんと明らかにするということが必要だろうと思います。

【大森委員長】  それから、今般、応募者が減少してもおかしくないような募集要項の修正を行っているので、これは公募制PTの取りまとめを受けて任期1年更新とか、さらに、これもやむを得ないというか、やむを得ないというより必要なことだと思ってやっているわけですが、子どもや教育にかかわった経験とか、そういったものを求めている様式を新たに設けて、それを選考で使うとしているわけですし、もろもろ一般企業の管理職経験者が応募するに当たってハードルになるようなものが増えていることは、一面否めない。つまり、応募者数の減につながってもおかしくないような。これは必要な改善、修正だからやっている、公募制あり方検討PTの議論、そしてまたそれを受けた我々自体の校長、教育界ということを踏まえた改善となっているんですけど、反面、これが応募者減につながっていかないようにするには、これ、お金の制約もあるんですけど、PRが重要になってくると思うんですね。この点については、今の時点で、この募集要項の文面とは別にどうやって、できるだけお金がかからないで、できるだけ広報効果が上がるような、その点、事務局の今の段階での考えを教えてください。

【林田教務部長】  1つは、やはり説明会などを考えていきたいと思っております。その際の経費がかからないように、私どもの中で、例えば公募校長として実績のある方にお話しいただく、またディスカッションしていただくといったことなどを含めまして、そういった説明、PRをしていくといったこと、また、いろんなホームページへのアップとかはもちろんございますけれども、いわゆる再就職関係の企業などにも積極的に情報提供をするなどを考えていきたいと思っております。

【大森委員長】  この会議の場じゃないですけれども、作成準備されていると思うんですけど、実際の校長さん方の生の声を載せた広報、要するにウエブとか紙を通じて、リーフレットみたいなのを今作成中ですよね。

【江原代理】  現在作成中でございます。

【大森委員長】  それがすごく重要で、メディアの皆さん、すぐ誤解されるかもしれませんけど、別に外部校長だけ登場させるわけじゃなくて、内部外部問わず、私の言葉で言えば頑張る校長、頑張ってる校長の生の声を伝えてもらって、要するに、実際にトラブルがあったことは事実なので、それは反省してるわけですが、反面の頑張ってるほうの校長さん方の姿というのがおそらく全く伝わってなくて、メディア報道だけ見てれば、大阪市の校長というのはひどいことになっていると思われてもやむを得ない状況だと思うので、そうじゃない、頑張ってる校長先生方をね。トラブルがなきゃいいという話じゃなくて、大過なく過ごしてる人が多いような状況も困るわけで、そうじゃない校長先生方、内部人材の校長、外部人材の校長両方含めて、そういうポジティブな前向きの部分というのを中身的にも伝わるようにしてほしいなと思うんです。

採決の結果、委員全員異議なく、原案より一部修正したうえで承認。

 

議案第136号「デザイン教育研究所の募集停止の取り扱いについて」を上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

 デザイン教育研究所の平成27年度以降の入学者の募集停止を見直し、平成27年度、平成28年度入学者の募集を行うこととする。なお、平成29年度以降の募集については、本研究所の今後のあり方を検討した上でできる限り早い時期に決定をする。

 

質疑の概要は以下のとおりである。

【大森委員長】  専修学校として設置されたのが昭和63年ということですが、その前身というのはあったんですか。前の何かベースになるような。

【松田課長】  工芸高等学校でございます。その部分の中からその年に新たに設置したということです。

【寳田次長】  高等学校の継続教育という考え方で、専修学校、いわゆる専門学校ですけども、2年制の専門学校を昭和63年に新設をしたということです。

【大森委員長】  そのベースになるような、高校以外に何かがあったということじゃなくて、純粋な新設だったんですか。わかりました。そのとき、これは最初から教育委員会所管だったんですね。

【寳田次長】  そのとおりです。

【大森委員長】  大抵、行政からこういう目新しいものってあまり、お役所の行政公務員の方から出てくるってあまりないんですけど、何か旗振り役みたいな人たちとか、いたんですかね。

【寳田次長】  工業高校でありますとか商業高校の学校教育は非常に課題が山積で、現実に子どもたちも普通科に流れて、大学への進学をめざす子が行ってると。こういう実業系の高等学校を改革していこうという姿勢が当時、大阪市教育委員会ではあったと記憶しています。

 特に工芸高校の場合は歴史と伝統があるんですけども、3年間だけでは現実に、今申しあげた4年制大学等に進学した方々に匹敵するようなご活躍をいただくについて、やはり非常にみじか過ぎると。だから、3年間だけではなしに、プラス、その当時では少なくとも2年間の継続教育をする必要があるだろうと。実業系の高等学校の改革議論の中から、工芸高校の継続教育ということで専修学校を新設したと記憶しております。

【大継部長】  学校の要項の中には、1923年に5年制の市立工芸高校として設立されました工芸高校でございますが、それがデザインと造形教育の中心的な役割を担ってきたということがございまして、ちょうどそのころ、デザイン界に多くの優秀な人材を送り出してきましたが、国際化の流れの中で大きな変化を遂げて、デザイン界においても時代への対応が迫られてきたと。そういう中で高度な能力と国際感覚を持ったデザイナーの育成とが期待をされまして、この88年に設立をされていったと。要項からはそういうことがうかがえる次第でございます。

【大森委員長】  基本、民営化論議というのがまずあって、そのときもそうですし、その後も基本はコストパフォーマンス、費用対効果の観点からまず民営化の道を探り、次いで、民営化がだめだということになったら募集停止、その先にはもちろん廃止ということがあるわけですけど、というふうな検討経緯、検討経緯というか、一番大きな理由というのは費用対効果の問題と考えてよろしいですか。

【大継部長】  費用対効果の問題もまさにそうでございまして、それを受けまして、平成22年度からは入学検定料や入所料、また授業料等におきましても一定の値上げをしてきていたということもございます。

 また、工芸高校自身を取り巻く環境が変化をしてきたことから、継続教育としての役割が若干低下をしてきたということ、それから、その周りの類似の学科を設置いたします大学等が設立当初よりも充実して増えてきたと、こういうようなことが1つの要因ではないかと推測されます。

【大森委員長】  つまり、入学者のうちの工芸高校からの進学者の占める割合、比率が低下したということと、それから、工芸高校からの進学先として大学ですとか、専門学校ですとかでデザインが学べる、そういう機関がほかにも増えてきたのでという話ですよね。

【大継部長】  はい。

【大森委員長】  他方で、本日の午前中、学校を視察させていただいたんですけれども、教育内容的にはかなり評価すべき、そこがコストパフォーマンス云々という皆さんの論点にもつながってはいくんでしょうけど、教育内容的にはかなり評価できるものがあるんじゃないかというのは短時間の視察でも感じたんですが、その点はいかがですか。

【大継部長】  今朝、委員の皆様にご見学をいただいて、説明も受けられ、また、直接に学生からもお話をお聞きいただいたところでございますけれど、この研究所の特色といたしまして、プロジェクト型の学習というものを中心的に行っておりまして、産学ともにチームを組みながら取り組みを進めておりまして、そういうことでは非常に先進的な取り組みを進めているというような状況でございます。

 また、この間もさまざまな賞なり、世の中にも多くの作品を出していきまして、その取り組み自身には高い評価を得ているところでございます。また、卒業生も、この5年間の平均就職率でございますが、90.1%を誇っているということで、有名企業も含めた多くの企業に就業しているという状況でございます。

【大森委員長】  私も大学で教えているんですけど、今、大学でもプロジェクト学習が――PBLというんですけど、プロジェクト・ベイスト・ラーニングというんですけどね、これをもっとやらなきゃいけないという話があって、実際、ちゃんとやれば非常に効果がある学習法であるんです。大学もそうなんですけど、どちらかというと、今までの日本の学校、小中高校の特に中高のカルチャーと大分違う雰囲気であって、そういう意味ではかなりおもしろい教育のアプローチということは、短時間ではありましたけど、感じた次第なんです。他方で、これまでのコストパフォーマンスといいますか、費用対効果、ある意味で手厚い、1学年45人ということでお金をかけてやってきていると。他方でパフォーマンスは、今、指導部長のご説明で、そういう人材も輩出しているという話もありましたが、これ、民営化云々というのは市政改革の議論ですか。

【大継部長】  事業仕分けです。

【大森委員長】  事業仕分けでしたね、最初は。その後、市政改革か何かの議論に乗っているんですか。

【大継部長】  それはなかったと思います。

【大森委員長】 結局、民営化できないということを受けて、ではどうするんだということと、もう1つは高校の府への移管の話ですね、1つのきっかけは。これまでの経緯を踏まえて、かつ現状、そういう教育の特色とか成果とかを踏まえつつ、どうするのかということについて、とにかく27年度、28年度の入学者の募集は行うと、その後については改めて議論して意思決定していくというのが本日の議案の趣旨ということでよろしいですかね。

【高尾委員】  基本的には、今、委員長がお話しになった内容に全く賛成なんです。見方が、高校生の進路先として見られてきたというのが1つはあろうかと。しかし、場合によったら、全く新しい機関として存在し得るのではないかという見方も、また1つはあるのではないかという気がしてまいりました。というのは、私どもの会社の先輩に田中一光さんという人がいるんですけど、工業デザインでは大阪、関西が日本を引っ張ってきた時期があるんですよね。それがいつしか、ジャズと一緒で、消えてしまうようになっていったという経歴があって、何か随分受け継いできた血脈というのを新しいものに転化できないのかな、新しい内容、新しい形態というのをもし模索できたら、極めてユニークな存在となる可能性があるのかなという気持ちを、ほんとに思いつきで申しわけないんですけども、きょう、学校を拝見して、今、委員長おっしゃった考えと同じような考えを思ったというところなんです。

 本件の議案については、また、それとは別のところでございますので、議案については、差し当たって27年、28年でやるということについて賛成したいと思っております。

【大森委員長】  個人的には、やっぱり教育機関で一番大事なのは、学生、生徒、子どもどもの心に火をつけられるかどうかということなので、結構火がついてる子どもが多いんじゃないかと。火がついてるというのは、悪い意味じゃなくて、要するに、前向きに何か取り組むと、取り組む気になればプロジェクトに取り組むということを通じて、普通だったらお勉強しなさいじゃ、本もそんなに読まないし文章も書かないような子が、本も読むし文章もちゃんと書けるようになるとか、まさにそういう。全学生がそうなっているかどうかわかりませんけれども、そういうことをかなりやれてる教育機関かなというふうな、短い時間ではありますけど、そういうものがうかがえたのでね。

 さはさりながら、他方でこれまでの長年にわたる検討の経緯というのがあるのも事実ですので、また立ちどまって、それこそ検討して、別途29年度以降については意思決定するということで、きょうのところは27、28の取り扱いだけ決める議案になっているということだと思うんです。

【西村委員】  デザイン教育研究所は非常に就職率が高いと聞いてるんですけど、今のような状況で就職率が高いというのは、社会的に望まれてる教育機関だということだと思うんですね。そういう、ある意味、成功している教育機関、これからもほかの教育機関全てがそういうふうになっていかなきゃいけないんだけれども、今、実際にそれでうまくいってるところを廃止するというのはもったいないと思うんですけど、でも、そういう議論が出てきたというのは、本市の高等学校を府に移管する、一元化されるという環境の変化だと思うんですけど、そういう環境の変化も見きわめながら、何ができるかということで、当面は27年度、28年度、入学者の募集を行うのはいい決定じゃないかと思います。

【大森委員長】  もちろん、すばらしい決定というんじゃなくて、ある意味、宙ぶらりんなのでね。ただ、やむを得ないかなと。今の時点ではね。28まで。

【西村委員】  そういう意味です。

【林委員】  私も実際に見せていただきまして、実学といいますか、子どもたちが非常に前向きに学んでいる姿という部分では評価できるのではないかと感じました。ただ、今までの議論の中で、いろんなデータを見た中で、やはり非常に受益者が少ないと。特に大阪市に住まわれているお子さんが数としては非常に少ないという部分で、大阪市の税金を使って運営している学校であるという部分が非常に引っかかっているところではあります。

 もう少し生徒数を増やすとか、きょう帰り際に説明された方にお伺いしたんですけれども、例えば今の倍の人数の生徒さんを受け入れることは可能でしょうかと、今の建物で、多少設備は増やさなければいけないかもしれません、コンピューターとかそういうもの、教師も増やさないといけないかもしれないけれども、生徒の数を倍にすることは可能ですかという質問をさせていただいたんですが、やり方は工夫しなければいけないかもしれないけれども、可能であると思いますと、その方はおっしゃっていました。

 今後どうしていくかという方向、可能性を探る意味でも、いいものはもっとたくさんの子どもどもたちに教育を受ける機会を提供したいと思いますので、そういう方向も含めて、またいろんなアイデアがあって形でできてくるかもしれませんけれども、宙ぶらりんということでは、私もこの議案に関しては賛成ですし、大都市制がどうなっていくかという部分も含めて、こういう決定でいいと思うんですけれども。そういうふうに感じましたので。さまざまな方向からいろんな検討ができるのではないかなというふうに今回感じました。

【大森委員長】  確認ですけど、府市統合本部というのは関係してないですね、これの何か方針決定というのは。さっき市政改革については確認したんですけど。要するに、我々で自由にというか、変ですけど、もちろん教育委員会に決定権限があるんですけれども、これまでの経緯。

【松田課長】  工芸高等学校の移管があった場合、府から、デザイン教育研究所については移管の対象外である旨の達しがございました。

【大森委員長】  いや、これの募集停止云々ということは、統合本部は関係ないわけですね。

【松田課長】  ございません。

【大森委員長】  わかりました。それから、市政改革のあれにも載ってはいないということですね。教育委員会として、これまでの経緯と、それから今の状況、教育の現状と課題と成果を踏まえて、29年度以降を検討するに当たって、ある種、別の機関での何か方針があったりはしないということですね。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり承認。

 

議案第137号「入学者選抜制度に係る意見について」を上程。

大継指導部長からの説明要旨は以下のとおりである。

 入学者選抜において選抜資料とされる調査書については、公平性、信頼性、妥当性が求められるところ、大阪府教育委員会では府内統一テストの実施等公平性の担保に向け準備が進められているところであるが、なお解決されていない課題について次のとおり要望を行う。

 1点目として、調査書における第3学年の評定は、3年生ではチャレンジテストが実施されないために、本来ならば相対評価を維持すべきであると考えるが、目標に準拠した評価を導入するに当たり、公平性、信頼性を担保するため、事前に府内統一ルールを設定、明示していただきたい。

 2点目として、現在の調査書には3年生の評価のみ記載されているが、1・2年生の評価についても活用するならば、チャレンジテストの結果の活用が可能になる年度にそろえるべきであると考える。また、テストの対象外の教科については、相対評価を維持するか、また、先ほどの1で述べました統一ルールに基づき、公平性、信頼性の高い制度設計としていただきたい。

 3点目として、チャレンジテストの対象学年、対象教科における評定について、テスト結果を活用した統一ルールを設定、明示していただきたい。

 4点目として、評定については、知識・理解、技能、思考・判断・表現等の能力についての到達度を評定するものとして、関心・意欲・態度の評定は別途特筆すべき点と文章化して記載するなどの方法をとっていただきたい。

 5点目として、生徒の多様な能力、適性、関心等に基づいた進路選択ができるよう、評定以外の調査書の記載事項については、各高等学校の特色を生かした選抜方法に対応する記載内容としていただきたい。また、生徒・保護者にとってわかりやすく、かつ中学校側の負担が過大とならないよう、項目別に簡潔に記載できるよう整理をしていただきたい。

6点目として、生徒に不利益が生じないよう、大阪府教育委員会の責任において府内統一ルールの設定を強く要望する。

 

質疑の概要は以下のとおりである。

【大森委員長】  大阪は約10年間、相対評価を維持してきたわけですよね。文科省の通知という文書によって指導したわけですが、それに沿って46都道府県は、数年のうちにいわゆる内申書、正確には調査書における教科の評定というのを、それまでの相対評価から絶対評価に変えていったのですが大阪だけが相対評価を維持してきたということです。

 絶対評価に変えるという話が起こった経緯を考えると、私が教育委員になる直前、平成24年の春、私が平成24年6月に教育委員に任命されていますが、その直前のころ、4月、5月あたりです。その前からひょっとして何かあったかもしれませんが、橋下市長とか松井知事が発言されていたのは、相対評価だと学力が高い子が多くいる学校だと相対評価が低くなって、その逆はまた逆で、要するに学校間のレベルの違いというのを反映できないから不公平であるという話があったわけです。しかし、最大の問題は、現実の46都道府県の絶対評価というのは、市長とかがその当時おっしゃっていたようなすばらしいものではないということです。日本の文科省ご指導の絶対評価は、そういう学校間とか市町村間の違いを超えて、レベルの違いを超えて、共通の物差しで正確に子どもたちの学力を評価、判定しているということが大前提としてあるが、そもそもそんな立派なものじゃないということです。逆に、相対評価であれば一定のルールがあるが、いわゆる文科省の観点別学習状況の評価は、つまり関心・意欲・態度を筆頭に持ってきている、言葉は悪いですが、その主観的な評価で意味のないものを足し合わせて、結果として5段階なら5になる、4になる、3になるというような、わけのわからない、教員の仕事だけが大量に増えて、その評価結果について見るとクエスチョンです。つまり5がたくさんついている、あるいは、10段階評価でいくと10や9がたくさんついている学校がそうじゃない学校よりも学力が高いなんて保障は、何もないのです。日本で行われている絶対評価は、そもそもなぜそういう学校間の違い、あるいは市町村間の違いが出ているのか、その違いについて何が要因なのかというのを把握しようがないのです。

 これが現実の絶対評価ですので、そのようなものを導入することを先に決めた平成24年8月の府教委の決定が今般の問題の根源なのです。せっかく10年間も、何のために変えずに来たのか。立ちおくれただけなのですかという話ですけれど。府教委の決定の最大の問題点は、いわゆる絶対評価をやるということをその時点で決めてしまって、テストをやるということは決めていないのです。さらに言えば、統一テストでもって絶対評価を本来の言葉の正しい意味での絶対評価、つまり市長らがおっしゃった学校間の学力の差を共通する物差しでもってわかるようにして、この学校にいるから有利、この学校にいるから不利という相対評価の問題点をなくそうという話が全然担保されない絶対評価をやるということだけ決めて、市長らがおっしゃっていた問題意識、そういう統一テストをやるとか、それを活用するとかということは決めずに、絶対評価で内申点をつけるということだけ決めたのが約2年前の平成24年の8月の決定で、これが根本間違っているということです。

 私は何が言いたいかというと、よほど納得できる公平性、信頼性が担保できる仕組みが絶対評価にセットで出てこなければ、我々としては、むしろ今の相対評価を維持すべきだと主張すべきだと思います。ですから、一言で言えば、この意見書案でいいということです。

【林委員】  評価をどうするかということはやはり非常に大切で、誰しもが納得できる評価をしなければいけないと思うのです。公平公正であるということが一番大事で、その点において信頼できない、例えば子どもなり保護者なりがこの評価は信頼できないとなった時点で大きく教育自体が崩れてしまうという、すごく大事なことだと思っています。

 特に今回のこの件は高校入試にかかわってくる部分で、先ほど委員長が言われましたけれども、今の相対評価であっても学校間格差があって、適正に公平な入試が行われているという認識は、実は保護者も子どもも持っておりません。それを是正する方向で絶対評価が導入されるのであればもちろん大賛成ですが、どうも今のそのご説明を聞いていると、そこが担保されたものではないと。絶対評価にするならばするできちんとした制度設計が必要で、それは誰が見ても納得できる形でないと絶対だめだと思っています。

 特に高校入試においては、1人の子どもにとっては基本1度だけのもので、お試しがあってはいけない、絶対いけないことだと思っていまして、それに翻弄される子どもと保護者のことを考えると、対応としていかがなものかと私も強く思っております。

 絶対評価をするに当たってきちんとした具体な制度設計が一番重要であるにもかかわらず、そこの議論に加われないもどかしさは非常に感じておりまして、意見書は意見書として出していますが、実際に議論ができるような、意見を聞いていただけるような場があって、それもオープンな場できちんと議論がされるべき問題であると私自身は思っています。本当に公正公平であるべき問題で、そこの部分に大きな疑義を私自身は持っております。

【西村委員】  評価というのは非常に重要で、評価が全て、のそれまでの努力を決めていくところがあるので、例えば関心・意欲・態度というのは先生が主観で決めるわけですから、どうしても子どもたちにとっては公平でないというか、正しくないという気持ちを与える。正しいルールで結果が決まるのでなければ、それはうまく働かない。うまく働かないというのは、やはり勉強しなくなる。それだけじゃなくて、やはり子どもたちの倫理観に影響すると思うのです。正しいルールで結果が決まっているのではないということが子どもたちに対して与える悪い意味の影響は非常に強いと思う。学力も上がらないし、倫理的にもいい影響がない。だから、内申書にしても、やはり客観的にはかられるもので決められていくようにしていくべきだと思います。

 だから、チャレンジテストなり、1年生、2年生のときにそういうものを使って、それを内申書に生かしていくとか。もしそれができないのだったら、内申書の比率をかなり低くする。かなり低くしても、弊害は免れないですけれど。少なくとも弊害を少なくする。あるいは内申書を使うのをやめるとかのほうがいいかと思う。今のは極端な意見で、一番いいのは、やはり内申書も客観的な評価によってつけていくということだと思います。

【高尾委員】  正直に言って、素人の目には何が何だかわからないというのが本心です。一番はじめにご紹介のあった市長の問題提起ですが、これに応える必要もまた一方でいまだ解決されずに残っているんだろうなという気がします。それで、解決するための手段としてどうやるのか、そこの制度設計はどうなっているのか、これも林委員のご指摘のとおり、いまだもってよくわからない。

 それで、この府の資料で評定の公平性を担保する方策について検証するとあるのですが、そこと評定の公平性を担保する方策の検証ということ、これを何度読んでも、これによってどう担保するのだろう、レンジはどれぐらいあるのだろうというのがまるで見えてこないという。結局、生み出されるのがタイムラグです。絶対評価を実施してしまう。しかし、きちっと同時にやらなければいけないものが後からついてきて、まだめどがつかないという状況。結局、保護者の方のご理解、納得というのが得られない。つまり公正でないままでやらざるを得ない。子どもさんにとっては非常に負担が増えるというだけに終わってしまうと困るなと。今のところは抽出校に対してやるということでございますけれども、そういう問題点があって、やはり早期に府に明確に申し上げておいたほうがいいのではないかと思います。

【帯野委員】  これ、昨年も要望書を出して、今回も意見を出すということですが、これに対して全然進捗がないというところが制度的によくわからないのですが、委員長ご自身は府教委と直接いろんな話をされているのですか。

【大森委員長】  いや、事務局もそうだし、教育委員もそれぞれいろいろ公式、非公式のルートで情報交換することはあっていいし、私もそういうのはあるのですけれども、公式の動きとしては、結局、なぜ大阪市がこういう提言、意見書を以前にも出していても、そういうふうになっていないかといえば、他の市町村は、共通の物差しなしの、わけのわからない絶対評価が一番いいと言っているのです。その論理が私には全くわからない。

 他の市町村教委がおっしゃるには、俺たちを信用しないのかみたいな意味のご発言があるのです。俺たちとか、あるいは学校の先生の評価能力を信用しないのかとかという趣旨のご意見をおっしゃるのだけれど、違うでしょうと。学校の先生を信用するとかしないとか、市町村教育委員会を信用するとかしないとかじゃなくて、それぞれは真摯に真面目に絶対評価をやったとして、それは学校の違いを超えて、市町村の違いを超えて、何が同じ尺度、物差しでやったと担保できるのですかという問題で、真面目にやってないとか、最大限公平に努めて評価しているとか、個々の先生の頑張りとか、個々の学校の頑張りとか、個々の市町村の頑張り、良心的にやるやらないという問題ではなくて、それを超えて入試というのは物差し自体の共通性が担保されなきゃいけないので、それぞれ勝手に良心的にやっていても、それは共通するものには原理的になり得ないのです。

 今の世の中でそれを現実的に担保し得るのは、今、日本だけじゃなくて、人類の世界において、残念ながらというのか、よかれあしかれというのか、統一テストしか現実問題としては担保できるものは発見されていない。いくら文科省、あるいは国立教育政策研究所て文科省の機関が教科別に評価規準みたいなものを出しているのですが、そんなのは作文であって、それを具体に当てはめて、じゃ、これが5になるのか、3になるのか、4になるのかなんて、自動的になんか出てこないのですよ。そんなものを、示して、できるだけ評価の共通性を担保すべく努力していますよというのが、今の日本全国の絶対評価というものの実態なのです。おっしゃるとおり、そういういいかげんなことがまさか高校入試でやられているなんて、世間の方々は知らないので。これはスキャンダルですよ、はっきり言って。こんなでたらめなもので中学生の高校への進路が決まっているなんていうのはスキャンダルですよ、私に言わせれば。すごくいいかげんなのですよ。

 かつてより問題にならなくなっているのはなぜかというと、絶対評価と言いながら、テクニカルなことは省略しますけど、補正と称してできるだけ相対評価の分布からかけ離れたことを各学校がやらないように、ということをやったりしているわけなのですよ。結果として、相対評価からむちゃくちゃかけ離れて10や9ばかりつけるとかいう学校が減ってきたことをもって絶対評価は定着した、特に大きな問題はないとか他の都道府県は言っているのですよ。何を言っているのですかと。

 まず我々自身が問題にしやすいのは学校間格差、市町村間格差なので、それが学力差に基づくものなら、それは本来の意味の絶対評価で、市長が平成24年の春に求めていたようなものなのですよ。でも、そんなものである証拠は何もないし、当の都道府県教育委員会が把握できるはずがないのですよ。だって、そういうでたらめなものであって、なかなか難しい。

 この意見書の案にはあまり出てきていないのですが、もう1つ大きな問題は、学校間格差は問題ですが、個々の生徒がえこひいきとか、逆に、勉強できるのに先生の受けが悪くて下げられちゃっているとか、そういうことも個別に見るといろんなことが起こっているんですよ。だから、評価というのは、言ってみれば権力ですから、評価権というのは、やはりこれは慎重でなければいけない。

 要するに、えこひいきとか何とか言いましたけれど、大半の先生はそうじゃなくて、大半の先生にとっては無駄な作業が増えるのです。つまり、絶対評価ということになると、学力とは関係なしに、よく言われましたけれど、手を挙げる回数とか提出物を出す回数とか、さまざまな数値にできるものを数値化して、それでもって教科の、数学とか理科とか社会とか国語とかの成績を、評定というのは成績ですから、決めていくと。でも、結果として数学の力がついているのか、社会科の力がついているのかということと関係なく、何で教師がそんなことをやらなきゃいけないかというと、文科省の観点別評価というのに沿ってやらなきゃいけないといって、その証拠をつくらなきゃいけない。つまり、保護者の方から、あの子は5なのに、うちの子は何で4なのですかといわれたときに、はい、数字で計算したらこうなっているからですと、私が恣意的にやったわけじゃありませんと。でも、それは無駄な作業ですよね。もし実態で間違っていたら、誰か補足すべき点があれば言ってください。私は労力が増えるだけで、ほとんど意味のない作業が増えるのだと思うのですけれど。

【大継部長】  評価の問題でございますけれど、絶対評価につきましては、評価規準に基づきまして、それにどのように到達しているかということで判断をされますので、一定の正規分布を生じるような評価ではないということでございます。ですから、委員長のおっしゃるように、どのような評価規準であるのかということが極めて重要になってくるということでございます。

【西村委員】  本来の絶対評価というのは、例えば、85点以上は全部5と決める、これがほんとうの絶対評価なのですよ。今導入しようとしているのは、絶対評価という言葉を使っているけれど、実はそうじゃなくて、単に先生の主観的な評価。テストではかれる知識・理解は、4つの評価項目のうちの1つでなきゃいけない。ほかの3つの評価項目は関心・意欲・態度で代表される曖昧なものなのです。そうすると、関心がありそうな顔つきとか、宿題を出したとでしかはかれない。そういった75%を無理やり点数化するのです。そうすると、試験の成績がよくても5をとれないということがたくさん起きる。先生によく思われないと成績がよくならないので、生徒はそれに対応する態度をとる。

 委員長が言ったように、宿題を出した回数とか、そういうのを無理やり点数化してもあまり意味がないですし、それだけで済まない。実際はものすごく主観的に成績をつけてしまうことになるし、それに子どもたちが対応していくようになるめちゃくちゃな評価制度だと思うのです。

【帯野委員】  そこは他の市町村は別として、じゃ、大阪府教委としてはどう考えているのですか。

【大継部長】  現在、絶対評価の導入に当たりまして、評価基準を作成しているというところでございます。なお、この調査書への反映の仕方につきましては、今般示されましたチャレンジテスト、これをどのように調査書に反映していくか、このようなことを検討中ということでございます。

 また、このチャレンジテストは試行でございますが、チャレンジテストを試行された後、府下の市町村から一定の数をピックアップいたしまして、仮評定というものを集約しまして、チャレンジテストの結果との相関関係を調査し、先ほど少しございましたが、一定の評定の範囲を提示していきたいと聞いているところでございます。

【大森委員長】  だから、そんなことでちゃんとした学校を超えた物差しがほんとうにできるなんて信じていますか。それは文科省の国立教育政策研究所が示したものとか、他の都道府県教委が評価の規準だか基準だかいろんなことを言って出しているもの、あれで学校間の同じ物差しになると思いますか。できるわけないじゃないですか。同じようなことを府はやろうとしているだけですよ。違いますか。できるとおっしゃってくださいよ。やれるんですか。

【大継指導部長】  いや。

【大森委員長】  そんなの、できないことはできないと言わなきゃだめですよ、教員系の方々こそ。できないですよ、そんなもの。

【大継部長】  ほんとうにおっしゃるように、恣意性というのは排除していくべきだと私は思っています。

【西村委員】  今、子どもたちと先生を苦しめている最大の要因がこの評価ですよね。先生方はものすごいエネルギーを使って、やっても意味のないことをやるし、子どもたちはいつも先生の顔色を気にしなきゃいけない。日本の教育の中の最大の悪い要因がこれだと思うのですよ。だから、それを何とかしようというのが大阪方式であるべきだと思うのです。ほかでやって失敗していることを忠実にやるというのはあまり意味がないと思いますけど。

【大森委員長】  だから、関心・意欲・態度を筆頭に持ってきているのですよね。教育基本法の制定のときだったかな、違ったかな。学校教育法が改正されているのですよ。学校教育法の改正によって知識や技能のほうが先に来て、法律では関心・意欲・態度は後ろに来ているのに、ところが、文科省の御用学者というか、よくわからないけれど、教育学者が、要するに越権行為ですよ。文科省の役人と教育学者の越権行為ですけれど、法律の順番をまたひっくり返して、もとどおり関心・意欲・態度を先に持ってきてしまった。いわゆる指導要録の改定のときにですね。本来であれば、法律が改正されて順番がひっくり返ったのだから、そのとおりにしなきゃいけないのに、関心・意欲・態度、自分らの今まで言ってきたことを守るようなね。

 それはちょっと置いておいて、置いておいてというか、その話を端的にあらわすと、これは私の言葉じゃないのですけれど、別の学者、今言った学者じゃなくてもっとまともなことを書いている学者ですけれど、紹介すると、「それでは、現在の中学校における関心・意欲・態度の評価は、生徒にいかなる能力を身につけさせているのか。それは単純に教科に対する勤勉さとも言い切れない。逆説的なことに生徒たちが身につけているのは、教科学習とはかけ離れた社会の荒波に乗るための上手な世渡りの可能性もあるのである」。まさにそうですよね。

【西村委員】  そうですね。

【大森委員長】  まさにそんなものは子どもたちにとってだけじゃくて、教職員にだって精神衛生上よくないですよ、そんなものは。無駄な作業はめちゃくちゃ増えるしですね。だから、教科の学力はそれにふさわしい形できちんと測定して、それは主として5教科の話ですよね。それで、その他の4教科は4教科でふさわしい形で評価して、そういう9教科以外で見るべき点は、子どもたちのよさとかは定性的にきちんと評価して、内申書に書くのなら書くと。みんなにいいこと書くのじゃなくて、ほんとうにこの子のこの点は強調したいというのを書かないから、結局、重視されないのですね、高校入試の側でも。それを何かごまかして、定量的というか、10段階とか5段階で、いわゆる内申点と言われている教科の評定について、そこに何かわけのわからないいろんな要素でやろうとするから、全く信頼性も妥当性もないような、これ、まさに教科の学力じゃなくて上手な世渡りの能力と。こんなもの小中学校からやってどうするのですかという話ですよね。小中学校の間にちゃんと必要な基礎学力、基礎基本を身につけなきゃいけないと言っている片側でこんな評価方法をやり続けていると。

 はっきり言って、文科省、国レベルでの議論というのはタイムラグがあって、ゆとり教育はやめますというのは、カリキュラム、学習指導要領のほうは間に合ったが、指導要録の改定のほうは前のゆとり路線のままに作業に取りかかって、結局、そのままになってしまったのですよ。非常にばかげたくだらない話なのですが。

 済みません、この問題、西村委員と私は思い入れがあるので、ちょっと。すいません。何が問題かというと、やっぱり帯野委員がおっしゃるように、世間に全く伝わっていないし、今でも何を言っているのかわからない部分がありますでしょう。これ、実際にはわからなことをいいことに、とんでもないことが子どもの将来を決めているのですよ。はっきり言えば、今の内申書は。

【西村委員】  これ、算数も数学も理科も英語も全部、一つ一つの科目がこういう成績のつけ方をされているのですよ。成績って昔はテストの成績で決まったでしょう。今はそうじゃないのです。

【大森委員長】  ですからね、指導部長、文科省や府教委の幹部が言っているような建前論のことはやめて、ほんとうのことを話さないと、我々の間では。我々だけじゃない人たちがいるからかもしれませんけれども。本当のことを。できないことをできるなんて言っちゃいけないのです。できないことをできるなんて言っちゃいけないので、この意見書はこういうことだと思うのですけれども、この後、府教委のほうから、さすがにもうちょっとしたらもっと具体的なものが出てくるのだとは思うんですけれども、内申点を絶対評価にするということだけ先行して、それを共通の物差しでもってコントロールするということが伴っていないけれども、とりあえず絶対評価で内申点をつけさせてくれと言ったら反対ですよ。いいですか。反対。反対しても我々に決定権限がないから、それでも強行されたら、この意見書の最後に書いてあるように、「我々大阪市教育委員会の責務として、大阪市の中学生の最善の利益を図る対応をとると」。当たり前ですよ、そんなことは。ルールがない土俵に子どもたちを投げ込まれたら、その中で我々が守ってあげるしかないじゃないですか。そういうことでやっていきたいと思います。

【帯野委員】  府教委の幹部ではなくて、大阪府教育委員会が自主的にどういう考えを持っているかということを、一度、公的な場で意見交換をするということは必要ではないのかなと感じましたがいかがですか。

【大継部長】  この間の府と市との協議の状況につきましては、先ほど申し上げましたように、24年度また25年度に大阪市の教育委員会の教育長名で府への要望書ということを上げております。その内容につきまして、25年の7月に府の教育委員会主催で府下の市町村の教育長会議が開催されておりまして、そこでは本市の要望書につきまして教育長のほうから市町村の前で説明をさせていただいているという状況がございます。また、25年度の12月には、知事、市長、それから府市の教育委員長を交えた意見交換会がございまして、この中でも統一テストについてご議論をいただいているということもございました。

【大森委員長】  教育委員長だけじゃなくて私らもいましたからね。教育長も出ていたし。

【大継部長】  教育委員長でございますね。

【大森委員長】  正確に言うと、教育委員で出席可能な人間が出たのじゃないですか。

【大継部長】  はい。そういうことでございます。それが12月にも開催をされています。

【大森委員長】  ただ、あれ、オープンじゃなかったですよね。終わってから記者を。

【大継部長】  そうですね。記者会見をしました。

【大森委員長】  あれもオープンでやればよかったのです。

【大継部長】  また、同じく12月にもさらに府下の市町村の教育長の意見交換会が開催されておりまして、この間、この議論は府全体の中でも行われておるというところでございます。

【大森委員長】  それで、要するにこの会議の場じゃなくて非公式な打ち合わせ、つまり教育委員協議会の場で府教委から最新状況についての資料、情報の提供を求めてくださいと言いましたけど、くれないのですね。

【大継部長】  今のところ、これ以上の情報はいただいておりません。

【大森委員長】  それ、言ったけどくれないのですか。

【大継部長】  はい。

【大森委員長】  それはないということですか。それとも、見せられない。

【大継部長】  今のところ大阪市としていただいておらないというところでございます。

【大森委員長】  大阪府下の公立高等学校の入学者選抜は府教委の専管事項なので、ですから、我々は意見を言うしかないのですけれどね。紙で出すか、意見交換会で言うかなんですけれども、ただ、府教委の専管事項であるというのは、言ってみれば、こうやって入試、内申書の公平性を担保する全責任も府教委にあるのですよ。市町村教委が頑張れば、各学校が頑張れば公平性が担保できるはず、そんなことはあり得ない話なのでね。教委に責任をもって公平性を担保できる制度設計をしてもらわないといけないということ。この意見書のエッセンスはそういうことなのですよ。残念ながら我々は意見を言うしかないということですね。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり承認。

 

(5)大森委員長より閉会を宣告

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