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平成27年第12回教育委員会会議

2022年9月1日

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平成27年第12回教育委員会会議

第12回教育委員会会議録

 

1 日時  平成27年5月26日 火曜日 午前9時30分から午後2時

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

大森不二雄  委員長

林  園美  委員長職務代理者

高尾 元久  委員

西村 和雄  委員

帯野久美子  委員

 

山本 晋次  教育長

寳田 啓行  教育次長

大継 章嘉  教育次長

沼守 誠也  教育監

小川 芳和  総務部長

多田 勝哉  教育改革推進担当部長

三木 信夫  学校配置計画担当部長

井上 省三  教務部長

松本 勝己  生涯学習部長

加藤 博之  指導部長

岡田 和子  学力向上支援担当部長

島田 保彦  インクルーシブ教育推進室長

源  俊司  学校経営管理センター所長

林田 国彦  教育センター所長

高橋 年治  初等教育担当課長

井平 伸二  初等教育担当課長代理

石垣 康幸  指導部担当係長

飯田 明子  学事課長

堀川 隆史  学事課長代理

草川 正宏  学事課担当係長

松田 淳至  高等学校教育担当課長

塩見 暢朗  指導部総括指導主事

中西 正明  指導部主任指導主事

山野 敏和  教職員人事担当課長

橋本 洋祐  教務部担当係長

森本 義範  中学校教育担当課長

岩本 由紀  指導部首席指導主事

平田 和也  指導部主任指導主事

西田 清盛  指導部主任指導主事

平岡 昌樹  指導部主任指導主事

小西 基裕  指導部指導主事

大多 一史  教職員資質向上担当課長

川楠 政宏  教務部担当係長

福村 恭央  教育センター主任指導主事

忍  康彦  教職員服務・監察担当課長

栗信雄一郎  教職員服務・監察担当課長代理

中村 浩之  教務部担当係長

川本 祥生  教育政策課長

伊藤 純治  教育政策課長代理

三枝由佳里  教育政策課総括指導主事

濱﨑 正行  生涯学習担当課長

松村 智志  生涯学習担当課長代理

川阪  明  総務課長

松浦  令  総務課長代理

東川 英俊  総務課担当係長

ほか係員2名

 

4 次第

(1)大森委員長より開会を宣告

(2)大森委員長より会議録署名者に帯野委員を指名

(3)議題

議案第110号 児童等がその生命等に著しく重大な被害を受けた事案に関する第三者委員会規則案

議案第111号 大阪市教育委員会等に勤務する職員個人を被告とする

損害賠償請求訴訟の遂行の支援に関する規則案

議案第115号 大阪市立咲くやこの花中学校入学者選抜方針

議案第116号 平成28年度校長公募について

議案第117号 平成28年度使用教科用図書の採択の方式について

議案第118号 大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会の設置等について

議案第119号 指導が不適切である教員のステップアップ研修後の措置について

議案第120号 職員の人事について

報告第3号  平成26年度局運営方針自己評価結果について

報告第4号   指定管理者の指定について

 

なお、議案第118号については、会議規則第6条第1項第5号に該当することにより、議案第119号及び120号については、会議規則第6条第1項第2号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく非公開として審議することを決定した。

 

(4)議事要旨

議案第110号「児童等がその生命等に著しく重大な被害を受けた事案に関する第三者委員会規則案」を上程。

加藤指導部長からの説明要旨は次のとおりである。

 児童等がその生命等に著しく重大な被害を受けた事案に関する第三者委員会の組織及び運営並びに調査審議の手続に関し必要な事項を定めるため、規則を制定するものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【大森委員長】 この第三者委員会というのは、事案があったごとに、その都度違う委員のメンバーで設置するもので、かつ、条例上、市長と教育委員会の共同設置であるが、市長がメインになるか教育委員会がメインになるかは、それも事案ごとというように、具体的にはこの規則というのは教育委員会規則で定めると同時に、市規則でも同様のものを定めて、いずれかの規則に基づいて、つまり市長なのか教育委員会なのか、どちらが委員会を設置するというのをその都度行うのではなかったのですか。

【加藤部長】  市規則あるいは教育委員会規則のどちらでも制定はできます。そして、その場合によって決めていくわけですが、この調査を行う対象は、教育委員会が所管する学校園での事案が主になるということが想定されますので、教育委員会において規則を制定するものとさせていただいております。そして、その都度委員会を立ち上げるという形で考えております。

【大森委員長】  委員については、その事案ごとに市長か教育委員会か、どちらかが委嘱をする、つまり委員会を設置するという、条例上そういうつくりではなかったですか。

【井平代理】  規則自体については、条例が1つですので規則をどちらかでつくるという形になりますが、今回の件につきましては市長部局と協議した結果、教育現場で起こるケースが多いということで、教育委員会規則でつくるということで進めております。実際の第三者委員会の設置に関しましては、条例が1つですので委員会を並行して何個もつくるというのは難しい状況でございまして、1つの規則をつくり事案ごとに調査するということで、委員会の中に部会を設け、事案ごとに調査をするという方向で進めさせていただいておるところです。

【大森委員長】  物事を論理的に整理して話を明確化したいのですが、まず規則をどうするかという話。市規則と市教育委員会規則の2本立てにするのか1本なのかという論点と、それから委員会の設置、つまり委員の委嘱ですね、これは市長なのか教育委員会なのかという論点があります。その2つの論点を区別して、先ほど私がお尋ねしたのは規則の話じゃなくて、市長が委員の委嘱をやるのか、教育委員会が委員の委嘱をやるのかというのはその都度事案ごとに協議してやるのでしょうという話なのですが。

【井平代理】  委員の委嘱に関しましては、委員長がおっしゃったように、事案ごとで必要な場合に委員を委嘱してということになりますので、その事案に対しまして市長と教育委員会が協議した上で委員を委嘱させていただきます。

【大森委員長】  協議してだと誰が委嘱しているかわからないじゃないですか。私が今お尋ねしたのは、事案ごとに市長または教育委員会どちらかが委員の委嘱をするのでしょという点を確認しているのです。それも事案ごとに。つまり、委員会のメンバーというのは事案ごとにかわるのでしょということです。事案ごとにかわるし、委嘱者は事案ごとに市長のケースもあれば教育委員会のケースもあるということでしたよねという確認です。

【井平代理】  委員長がおっしゃるとおりでございます。

【大森委員長】  だとすると、規則というのは市長が委嘱する場合でも教育委員会規則でいいのですか。リーガル面で確認ができているのかというのが1点と、もう1点は、それを政策論として、特にいじめ等の場合ですね、事案によっては、例えば被害児童・生徒の保護者さんが教育委員会に不信感を持っておられるというケースが本市でも、あるいは他の自治体でもあるわけですから、その場合にこの第三者委員会そのものが全て教育委員会規則によって設置されるというのがほんとうに政策論としていいのかというのがあるわけです。

【井平代理】  法的なところは問題ないということで市長部局とも確認をしております。教育委員会規則でつくったもので市長が委嘱するということは可能でございます。

 もう1点、政策的なというところですが、調査自体は条例上、どちらが調査するかも含めて教育委員会と市長が協議して決めるという形になっていますので、それに基づいて進めるということで、その点についても問題ないということでは確認をしているところでございます。

【大森委員長】  問題ないかどうかはさまざまなケースがあると思います。別に教育委員会で構わないという保護者の方、そういう事案もあるでしょうし、それとは逆に信頼できないという事案もあるでしょうから、そういうケースにおいて果たして教育委員会規則に基づき設置された委員会というのがいいのか、受容されやすいのかどうかということを真剣に考えなきゃいけないと思います。この条例に基づいて教育委員会規則と市規則の両方を整備するということは法的に不可能ですか。

【加藤部長】  法的に可能か不可能かということでいうと、不可能ではないと思いますが、確認をいたします。

【大森委員長】  条例においてはどういう授権をしておりましたか。

【加藤部長】  条例においては、「複数の執行機関に属する附属機関の組織、運営その他附属機関に関し必要な事項は、これらの執行機関が協議して定める執行機関が定める」となっております。

【大森委員長】 私の理解では、当時からの議論で、「条例に基づく用語で言えば、その規則を事案ごとに市規則でやるか、教育委員会規則でやるかということでしょう」と言った記憶がありますが、特に反論はなかったと思います。その条例の規定に基づけば、最も素直なやり方はその委員会を立ち上げる、設置するときごとに、それを市長が委嘱する第三者委員会であれば市規則で定め、それから、教育委員会が委嘱する第三者委員会であれば教育委員会規則で設置するというのが素直だと思います。これは事案ごとにメンバーも変わるのではないですか。

【加藤部長】  はい、事案ごとに委嘱し直します。

【大森委員長】  結果として総入れかえになるのか、一部のメンバーが重なるのか、それは結果論であって、考え方としては全く別のメンバー構成でということですよね。

【加藤部長】  はい。

【大森委員長】  もちろん事案ごとにその都度規則をつくったり改正したりする必要があるのかということはあります。ただ、条例規定を見て素直な対応の仕方とすれば、仮にその事案ごとに教育委員会規則や市規則をつくるのでなくても、一応市規則と教育委員会規則の両方を整備しておいて、その事案ごとにこれは教育委員会が委員を委嘱するケースという場合は教育委員会規則に基づいて委嘱を、いや、今回は保護者等のご意向もあって市長が委員を委嘱するというほうがいいという場合には市規則に基づいて委嘱すると。

教育委員会規則1本でこの条例に基づいてやっていくというのは、私が少なくともあの条例について議論しているときの理解と違うのですよね。

 条例を議論しているときには、結局どっちの規則でやるかだという。それは別の表現をすれば事務局はどっちになるかということと結びつくわけですけれども、でも、事務局というのは条例にある言葉じゃないから、法令的なリーガルな言葉で言えば、当時の議論としてはその事案ごとにどっちの規則に基づいて委員会を設置するかだというふうに理解したのですが。

 だから、私はこの議案を見たときに、市規則も同時に制定するものと当然思っていたのですが、ご説明だと教育委員会規則のみという話なので、仮に法的に問題ないとしても、私は政策論としてよろしくないと思いますね。

 非常に本質にかかわる話なので、特にいじめ等の場合にはやはり保護者等の関係者が納得されるかどうかというのがすごく重要なので、せっかくこういうものをつくろうとしているときに結構そういうことは細心の注意を必要とするので、教育委員会規則に基づく委員会ですということは、それは明らかなことですから、それでやっぱりそういう制度、仕組みというのはよろしくないと思います。市規則に基づく第三者委員会もあり得れば、教育委員会規則に基づく第三者委員会もあり得ると。それに対応して委嘱者が違うというその素直な姿にしたほうが、せっかく新しい制度をつくるわけですから。

 6人の委員のうちの一委員の意見として申し上げれば、私としては、いま一度この議案については、市規則も同時に設定する方向で市長部局と調整してほしいなと思います。

【加藤部長】  わかりました。調整させていただきます。

【林委員】  委員長のご発言、もっともだと私は思っております。やはり重大事件が起こったときに、委員長もおっしゃられていましたけれども被害に遭われた方が事実をしっかりと納得できるということが非常に大事だと思いますので、両方整備しておくということが必要だろうと思います。

 私の理解としては事案ごとに立ち上げるというふうに理解しておりましたが、その記述がこの議案からは読み取れなかったのですが、普通は議案の中に盛り込まないものなのでしょうか。全くわからない人間が読むとこの委員会は常設なのかなというふうに感じると思うのですけれども。

【井平代理】  常設というふうには基本的に考えておりませんが、今の文言で足りないところについては追記することも検討させていただきます。

【大森委員長】  林委員がおっしゃっているとおり、それは曖昧にするのではなくて、できるだけ条文の早い段階でこの委員会というのはその事案ごとに委員を委嘱する、あるいは設置するということが明確にわかる規定を記載すべきであると思いますね。

【井平代理】  先ほど委員長がおっしゃられていました市規則と教育委員会規則の2本立てというところもあわせまして市長部局のほうと法規等々を確認して、調整したものもまたご説明させていただくという方向でお願いしたいと思います。

【高尾委員】  私は、過去のケースなどを拝見してきますと、やはりこれは教育委員会でやってもらうよりも市長直轄でやっていただきたいと、そういうふうな関係者の要望といいますか、強い意見といいますか、そういうことが出るのもまた当然だろうなというふうに思います。

 それで、2本立てということが具体的に挙げられておりますけども、そのときに全体の仕組みとしてどういうふうになるかということについてもぜひご協議いただきたいです。つまり、文面もこれと同じ文面を市長部局のバージョンでつくる、それでいいのだろうか。関係者の方、保護者の方がお持ちになっていた気持ちにどう応えているのかというところをあわせて確認をお願いしたいと思うんです。

 例えば具体的には、市長と教育委員会の両方の名前が出てきますのが2条のところですけども、これは両方が「適当です」というふうに推薦した委員の中から協議して決めるとなっていますけども、例えば教育委員会規則であれば教育委員会が市長と協議してとか、市長の意見を参考にしてとなりますでしょうし、市規則となるとこれは市長が教育委員会にと、主語が違うようにしてやるとか、実質的にその目的を遂げるような内容についても確認をお願いしたいと思います。

【大森委員長】  今の高尾委員のご意見、特に第2条第2項ですか、ここの「委員は、学識経験者その他市長または教育委員会が適当と認める者のうちから、市長及び教育委員会が協議して定めた執行機関が委嘱する」と。だから、協議して定めたこの執行機関というのは市長か教育委員会かそのいずれかということになるわけですよね。

先ほど私が冒頭に申し上げた意見とリンクさせると、これは市規則に基づいた委員会で対応する場合は、ここの執行機関というのは市長になるし、教育委員会規則で設置する第三者委員会で対応する事案の場合は、教育委員会になるというふうな対応関係になると思いますが、その点も含めて、高尾委員が今ご発言になったように市規則、それからこの教育委員会規則、2本立ての場合の規定ぶりというのはそういう形式面と実質面の両面から再度よく吟味していただければと思います。

 また、第6条の第2項に、「部会は委員長が指名する委員で組織する」と「委員で組織する」となっていますが、専門委員が入らなくなりますが大丈夫ですか。委員というのは専門委員を含むということをどこにも断っていないので、それとも、専門委員は入れないで部会をやるという意図ですかね。

【井平代理】  部会自体は専門委員が部会の委員になるということではなくて、部会は第三者委員会の委員をもって結成しまして、専門委員につきましてはそのもとで調査をするという役割にしております。

【大森委員長】  普通、そういう組織論はあまり聞いたことがないですね。委員会の委員と専門委員がいて、さらに細分化されたことを審議するために部会とか小委員会とかつくったときに、委員会のほうには専門委員が加わるけど、細かいことを議論する小委員会や部会には専門委員が加わらないなんて、そんな組織論はまず見たことないのですが。

【加藤部長】  専門委員は委員会を組織するメンバーではなくて、委員会の指示を受けて調査する事項で、おっしゃるようにこういう形で部会とは別で専門委員を組織しているケースもありますし、部会の中に専門委員を入れるというケースもあります。これは両方事例としてはありますが。

【大森委員長】  実質的に専門委員は部会に関与させないつもりならこれでいいですよ。だけど、部会に関与させるつもりなら、疑問なくみんなに分かるようにちゃんと部会には専門委員も入り得るという規定にしておかないと、規定がそうなっていないのに何か専門委員が入っている、あるいは場合によっては中心になっているなんていうのだと規定そのものと乖離している。つまり、規定というのは読んだ人が実体とこの規定とができるだけ対応してわかりやすいものでなきゃいけないので、形式論ではなく実質論として専門委員を部会に関与させる可能性がないのであれば構わないですけど、あるのであればそれは専門委員も個々に見えるようにしたほうがいいと思います。

【加藤部長】  整理させていただきます。部会での審議に専門委員がかかわるのであれば、それがわかるようにさせていただきます。

【大森委員長】  部会というのが事案対応じゃない場合にそもそも部会というのが要るのかどうかということも再度きちんと検討しなきゃいけないと思うのですけど、私はイメージ的には何となく1つの事案に対処する上でもあってもいいのかなという気はします。

 それから、もう1つ細かいのが第11条第2項ですね。第11条第2項に「市長及び教育委員会は、前項の意見を公表するものとする。ただし、当該調査事案において被害を受けた児童等またはその4親等内の親族もしくは同居の親族が公表を希望しない場合はここの限りでない」とありますよね。ここで、被害等を受けた児童等またはその4親等内の親族もしくは同居の親族、この皆さんが一致して希望するケースもあれば一致して公表を希望しないケースもあるとは思いますが、一致しないケースもあると思うんですね。つまり、親族の一部が希望し、他の一部が希望しないというふうにご意見が、ご意向が分かれる場合はどうするのですか。この規定ぶりだと、誰か一人でも公表を希望しないとなったら公表しないのですか。この限りでないという、そこら辺はどういう解釈になるのでしょうか。

【井平代理】  基本的な考えとしましては、関係される方の誰かが希望されない場合は全面的に公表するというのは難しいかなということでは考えておりますが、そこは被害を受けたとされる児童等の本人とか保護者、親族の方等とお話をした上で判断する形になっていくと考えております。

【大森委員長】  極論すると、例えばご両親は公表したいのに4親等内の誰かが反対したら公表しないと、ほんとうにそれは正しいあり方なのか、よく検討しなきゃいけないわけですよ。だから、もちろんこの規則の規定ぶりというのは過度に複雑にすべきではないけれども、規則の文言として可能な範囲でどこまで明確化できるか、あるいは望ましい形の規定にできるかということで、これは十分考えられることですので、ご意向が違うというのは。やはりそこは一般的には児童・生徒、児童等に近しいご親族、例えばご両親とかいうような方々のご意向を尊重すべきではないかという気はします。これだけ読むと何かみんな平等、4親等の人もご両親も一緒にしか見えないような規定ぶりなので、そこをどうにかできるかどうかというか、改善できるかどうか、さまざまな修正点等を含めてこの点も検討いただければと思います。

採決の結果、委員全員異議なく、議案第110号については継続審議とすることに決した。

 

議案第111号「大阪市教育委員会等に勤務する職員個人を被告とする損害賠償請求訴訟の遂行の支援に関する規則案」を上程。

小川総務部長からの説明要旨は次のとおりである。

 市長部局において職員が職務に精励することができる環境を整備し、もって市政の円滑な推進に資することを目的として、職員個人が被告として提起された本市職務上の行為に関する損害賠償請求について組織的な支援を行うため、訴訟の遂行支援を内容とした規則が昨年度末に制定されたことを受け、教育委員会においても同様に対象となる職員を支援するための規則を制定するものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【大森委員長】   市規則はもう定められているのですね。

【小川部長】  4月1日施行で昨年度末に定めております。

【大森委員長】   市規則と今般のこの議案の教育委員会規則の中身で何か違う点というのはありますか。

【小川部長】  特にございません。それに準じた形で規則制定をさせていただければと考えています。

【大森委員長】  過去これまで個人が訴えられたものとしてはどんな前例、事例があるのでしょうか。住民訴訟のほかにどのようなものがありますでしょうか。

【松浦代理】  ある校長が生徒を制止しようとした際腕をつかんだことについて、つかまれたことによりけがをしたとして直接校長が訴えられたケースがあります。

【大森委員長】  そういう場合に直接校長ないし教職員を訴えるというのはまれですか。

【松浦代理】  基本的には国家賠償法で請求をする場合は直接職員を訴えることはできませんが、民法で損害賠償請求ということであれば訴えることは可能です。まれですね。

【大森委員長】  それは訴える側がどちらかを選ぶことができるということですか。

【松浦代理】  はい。弁護士がついているケースは国家賠償法で請求してきますけれども、さきほどお話したケースは本人が訴えるものでございました。

【大森委員長】  まれということですね。要するに市規則のほうは市長が幾つか抱えておられる訴訟も対象になるわけですよね。

【小川部長】  市長も対象になっています。

【大森委員長】  市規則においては、「職員とは次に掲げる職員をいう」と、市長、副市長となっているのですけど、ただ、市規則も教育委員会規則も今般のこれらの規則というのは損害賠償請求訴訟って限定がついているので、いわゆる住民訴訟は損害賠償請求訴訟ではないですよね。住民訴訟については、市長への市の支援、市役所の支援というのはないのですか。

【松浦代理】  制度としてはございません。ただ、地方自治法がそれを改正する方向で検討されているように記憶しています。市長個人に対して多額の請求が行われるというケースがあるので、それはいかがなものかという議論がされているというふうな記憶はあります。それは国のほうの議論になりますけど。

【大森委員長】  こうやってお尋ねしているのは、潜在的にほんとうに市長だけなのかどうか確信がないので、我々教育委員会の委員や職員も対象になり得ると。私の感覚としては多分委員よりも職員のほうが、教育長をはじめとした職員のほうが予算の執行というあれがあるので対象になり得るのかなという頭もあって、ほんとうに損害賠償請求というふうに限定するのがいいのだというのは、どういう検討になっているのでしょうか。

【小川部長】  総務局に確認をいたします。

【大森委員長】  教育委員会の場合は、お金が絡む場合とか損害賠償以外には何かそういう委員職員個々人が何か訴えられるようなケースというのは損害賠償請求以外に、あるいは住民訴訟以外に考えられないですか。

【松浦代理】  名誉毀損とかいうのはあり得るかもしれません。

【大森委員長】  名誉毀損についてはどういう検討を経てこの支援の規則に盛り込まないことにしたのですか。

【松浦代理】  それもあわせて確認させていただきます。

【大森委員長】  今の説明だと地方自治法の見直しみたいな話もあるようですが、ただ、そういう制度がまだ完璧じゃない、ある意味、大阪市に限らず全国の自治体で真面目にやっていて、政策判断の賛成・反対をめぐって反対のお立場から個人を訴えるという手段というのは、組織を攻撃しても組織は頑丈ですから個人を攻撃するというふうなことは、ほんとうに好ましくないあり方だと思っておりますので、せっかく大阪市においてこういう支援の制度を規則によって制定するのであれば、きちんといろんなケースに対応できるようにしたほうがいいと思うので、それは市長部局のほうでやっていないから教育委員会がやれないということでは多分ないと思うので、もちろん両者よく協議・調整して可能かどうかというのを吟味・検討しなきゃいけないと思いますね。

【寳田次長】  実は委員長のご指摘はおっしゃるとおりの部分がございまして、10年ぐらい前からでしょうか、そういう訴訟の対象に我々、地方公務員がその対象になり得る状況というのが現実に生じております。ただ、今も事務局からの説明がありましたように損害賠償請求の訴訟の場合は、被告人席に座らせるという事例はほとんどまれでございます。例えば行政訴訟ということになりますと、これは行政機関が相手になりますけども、当然ながら例えば教育委員という行政機関の構成メンバーの個人を攻撃すること、これはまたほとんどまれでございますね。

 ただこの制度が十分かというと、損害賠償請求の被告にもし職員個人がさらされてしまうと、手を尽くしたとしても、裁判官が原告の主張をお認めになった場合はやはり個人が背負うというその根底の部分は変わりません。

 そうすると、こういう場でご説明するのがいいのかどうかわかりませんが、市職員も含めて多くの地方公務員が個人で保険に加入してございます。これは個人で当然掛け金をお掛けしてそういう場合に備えるわけですけども、私が承知している限りでは個人が加入する保険も住民訴訟は対象になっていないという状況になります。

【大森委員長】  ですから、どこまで可能なのかということを、今クリアに整理できているわけじゃないですよね。だから、それはクリアにすべきだと思います。もう一度きちんと整理していただく必要があるんじゃないかなと。住民訴訟はなぜ保険の対象にもなっていないのかという、それが何故なのかとかいうことがあります。それで、住民訴訟ということでいけば普通は予算の執行にかかわりますね。だから、法的には教育委員は予算執行しないので、教育長以下、事務局の職員の皆様に直接かかわる話ですよね。それはこの市規則においても支援対象になっていない。でも、やっぱり個人をこうやって攻撃されたときに、支援ではあっても組織がちゃんと支援してくれるというのが重要であって。個人的な意図でやっているわけじゃないわけですからね、ほとんどのケースですね。

 ですから、やれることのやれる支援の限界があることは重々わかっていますが、その支援対象がこうならざるを得ないということがクリアにきょうの段階では説明いただけていないので、そういう住民訴訟の問題、それから名誉毀損というふうなケースもあり得る、訴えもあり得るというお話がありましたし、この際きちんと確認、整理いただいてというふうに私は思います。せっかく制度設計、制度整備するので、ちゃんとしたものをやったほうがいいと思います。

【高尾委員】  あわせて大阪府の例についてもご調査いただきたいというふうに思います。全国でも先見的な事例ということで紹介されたことがございまして、弁護士費用の貸し付けであるとか、職務専念義務の免除であるとか、あるいは訴訟への補助参加というふうな内容も持っておるようでございますけど、おそらくこれは府庁で働く方、あるいは労働組合、そういったところの意向も十分に酌み取って判断されたことだろうと思うのですけども、その辺等の異同についてもご調査いただきたいと思います。

採決の結果、委員全員異議なく、議案第111号については継続審議とすることに決した。

 

議案第115号「大阪市立咲くやこの花中学校入学者選抜方針」を上程。

三木学校配置計画担当部長からの説明要旨は次のとおりである。

 咲くやこの花中学校の入学者選抜の実施については、入学者選抜に志願することができる者の要件、募集人員、選抜方法など、基本的には昨年度方針と同様の内容で実施することとする。

 

質疑の概要は以下のとおりである。

【大森委員長】 特に選抜方法についての変更点はないというご説明でしたが、変更する必要性を感じないという理解でよろしいですね。つまり、選抜を経て入ってきた生徒さんというのが咲くやこの花の教育に十分対応できる、あるいはそれにふさわしいお子さんたちが入学してきてくれていて、それで教育の成果も上がっているという理解でよろしいですか。

【三木部長】  はい、そのように考えております。実績といたしまして、例えば平成25年度に初めての卒業生が出ておりますが、理数系では京都大学、大阪大学、神戸大学等に入っておりますし、芸術分野でも京都市立芸術大学、大阪芸術大学等に入っております。26年度の進学実績でも同様に東京大学、京都市立芸術大学とか京都大学等に進学者が出ておりますので、十分実績としては出ておるかなと考えております。

【大森委員長】  確かに進学実績というのは、特に最初の卒業生のあれは私も記憶にありますけど、ある意味目覚しい成果を上げている。他方で、そういう目覚しい成果がある学校であっても、ひょっとして一部あるいはごく一部に学校の教育に適応できない子どもたちがいるケースというのも、ここのことじゃなくて一般論としてあり得ると思うんですね。そういう課題とか何とかというのは特に今のところ見えないかどうか、つまり選抜方法になお一層の工夫・改善を要するのではないかと思われるような何かしら課題みたいなものが見えないですか、一部の生徒とか。

【大継次長】  この間、初めての卒業生を昨年度出しまして、学校のほうで入学をいたしました生徒の状況について学校長と状況を定期的に把握をいたしまして、意見交換も行ってきた次第でございます。その中で、学校から求められる入学後の能力など、十分に把握をしながら、入学に当たる選抜方針の内容を若干改正しながら進めてきましたので、今のところは学校のニーズに合った選抜であると考えているところでございます。

【大森委員長】  選抜方針の改善というのは、以前何か変えましたね。

【三木部長】  選抜の方針の改善点としまして、最初に25年度に検査項目の作文を適性検査Ⅰという形に変えたという部分と、それから、一番大きな決定方法での抽選を廃止しております。抽選ということでありましたらご本人の能力とか成績にかかわらず偶然によるということでございますので、抽選を廃止したということで才能のある若い方が入ってこられるようになってきたと。それから、26年度には募集人員に係る男女比率を廃止いたしました。当初はそれぞれのところで30%以上それぞれ男女が均等にということでございましたが、むしろ才能のある分野で優秀な方を男女に関係なく採用するというような形での、順次それは実情に応じて選抜方法の改善に取り組んでまいったところでございます。

【帯野委員】  かなり実力本位で選抜を行っているということになると思うのですが、その場合に言語ですね、小学校でまだ外国語活動というのは教科にされていない現状のもとで、言語の適正というのは潜在性をはかるような試験を行っているということでしょうか。

【三木部長】  言語につきましては、当然小学生でございまして、学校教育法施行規則のほうで一応公立の中学校、中高一貫校については学力検査を行わないとされておりますので、あくまで適性を見る適性検査という形にしておりまして、特に言語につきましては国語が中心にはなるのですが、その国語の問題でいわば漢字とかそういうのではなくて、考えさせてそれの表現力、そういったものを見て評価するという形で判定をしております。

【帯野委員】  外国語ではなくて国語ということで言語の適性をはかっているということですね。

【大森委員長】  倍率がちょっと下がっているというお話がありましたけど、それは特に当初のころは、こういう言い方はあまり適切ではないかもしれないですけども、かなり合格が困難な方々も含めて受験されていたので倍率が高かったけど、だんだんこの学校の求める適性検査等のレベルがわかってきたので数字が下がって落ちついているみたいな捉え方でいいのでしょうか。それとも、若干人気そのものというか、何か落ちているという実質的な低下傾向があるのでしょうか。

【三木部長】  委員長がおっしゃるとおりに平成20年の開校当初は10倍を超える倍率があったわけですが、それについて、1つは大阪市で初めての中高一貫教育の公立高校であったということの人気とともに、当時は抽選をやっておりましたので、いわば検査での成績にかかわらず抽選で偶然に通る場合もあるという期待感、それがかなり倍率を押し上げていたところはあると思います。現在は抽選を廃止しておりますので、あるいは学校選択制ということで選択の幅も広がってまいっていますので、ほんとうに受験したい方が受験されるということで倍率が落ちついておると、このように考えております。

【大森委員長】  現在の倍率が維持できれば特に懸念されるようなことは、今のところないということですね。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第116号「平成28年度校長公募について」を上程。

井上教務部長からの説明要旨は次のとおりである。

 平成28年度校長公募について、募集校種及び募集予定人数については、小学校、中学校、高等学校は内外合わせて70名程度、幼稚園は内部のみで若干名とし、選考方法については、第1次選考は書類選考及び論述試験、第2次選考は集団討論、第3次選考は個人面接を実施することとし、昨年度と同様、内外同一基準で人物本位の厳正な選考を実施する。

 

質疑の概要は以下のとおりである。

【大森委員長】  前回27年度の募集要項と比べて、違いはいかがですか。

【井上部長】  応募期間が少し早くなっております。前回は予算議論もありましたが、今回はゆとりを持って6月にということになっております。

【大森委員長】  求める人物像や応募資格、選考方法など、人材確保の根本にかかわるところは特に修正点はないということですね。

【井上部長】  はい。去年どおりの内容で概ねよいという判断をしております。

【大森委員長】  残念ながら初年度、25年度採用者につきましてはいろいろな課題もあったわけですけれども、その後、26年度採用についても一定の改善を図って募集選考を行いましたし、それから27年度につきましてはさらに改善を図ったということがこれまでの経緯でありますけれども、今のところその効果が十分あらわれていて、28年度においてはもう選考方法や募集選考について中身的な修正は要しない、むしろこの路線でやったほうがいいということで事務局も判断しているということでよろしいですか。

【井上部長】  はい。

【大森委員長】  校長の質はもちろん大事ですが、数、量も近年確保が厳しい状況があって、再任用の方を入れて確保しています。よく外部人材登用のせいで校長になれるはずの教頭がなれていないというような報道もありますけれども、現実問題としては平成27年度採用、それから26年度採用もある程度そうだったのではないかと。結局、仮に外部人材の選考がなくても、教頭で校長に昇任させて大丈夫という人数が内部人材だけでは賄い切れなくて、再任用をお願いして何とか確保してきたという実情があると思うのですが、今般の28年度の状況というのはどのように見ていますか。

【山野課長】  委員長からご指摘いただいたように、昨今、再任用の方が非常に増えております。特に新任で校長になる分でいいますと、小学校でも中学校でも大体5割以上が再任用でお願いせざるを得ないような状況になってきております。我々としましては、やはりまず教諭から教頭に昇任していただくような方々を確保しなければ、教頭から校長に昇任していただく方の数も十分には確保できないというふうな問題も持っておりますので、そのあたりも含めて総合的な対策をとっていかなければならないと考えている次第です。

【大森委員長】  少なくとも27年度、そのときには別に外部の人材の枠があるから本来合格にしてしかるべき人を合格にできなかったということはなくて、合格にすべき人は全部合格したけれど、数が足りなかったというのが27年度採用の現実だったと思うのですが。

【山野課長】  その状況というのは28年度においても劇的に変わるものではないと考えてございます。

【大森委員長】  引き続き困難も予想されるということですね。

【山野課長】  おっしゃるとおりです。

【大森委員長】  その下の教頭の登用というのも重要で、校長の登用も教頭の登用も当然重要でありましてですね。ただ、勘違いしちゃいけないのは、教頭から校長になれる十分な合格水準の人がたくさんいるのに、外部人材を登用しているせいでなれていないという、そんなでたらめな報道はやめてほしいですね。それぞれ重要な問題で、この際申し上げると、朝日新聞の報道で東京でも1面トップに出ていましたけれども、「求む、教頭・副校長」という報道がありました。これは事務局に取材がありましたかね。

【山野課長】  はい、ございました。今般、教頭の選考におきまして本人の出願ではなく校長の推薦という形で、1校一人以上は推薦してくださいというような方法で候補者をたくさん挙げていただく、そのようなことについての取材に対して私からもご説明させていただきました。

【大森委員長】  この3人連名の記事ですけど、この3名の記者とぜひ公開討論したいぐらいですね。この記事を読んでも、なぜ、教頭、副校長のなり手が減っているのかということがちっともわからないですね。どういう問題意識でもってこんな記事が書かれているのかと思うのですけど、民間人校長が増えて昇進の機会が減り、夢を持ちづらくなったとか、大阪市の施策・政策批判が盛り込まれていますけども、それが原因じゃないでしょう。原因分析、背景分析ゼロなのですね。「苦情を言う保護者に校長が『教頭によく言って聞かせます』と応対するのを聞き、心が折れた」と、これは大阪の小学校の話と出ていますけど、大阪市の校長の名誉のために言えば、そんなことを言う校長は多数派じゃないですよ。どういう問題意識なのかというのが全く見えないですね。

 要するになぜなのかといったら、校長、教頭、特に教頭の職というのが十分魅力的じゃないからですよ。十分魅力的でない理由は2つあって、1つは仕事の中身、やりがい。この記事に書いてあるとおり、そういう役割になってしまっている。何でこんなことになっているかということをこの3人の記者は考えたことがあるのですかね。それは朝日新聞がよく言う意味での民主的学校運営、校内人事もよく教職員の意見で決めればいいみたいなそういう間違った民主主義観ですね。ほんとうの民主主義というのは、生徒のため、保護者のため、生徒や保護者が希望するその学力向上、落ちついて勉強できる環境、そういったものを実現するための学校運営ですよ。かぎ括弧つきの民主主義じゃないのですよ。かぎ括弧つきの民主的な学校運営が残念ながら大阪市を含めて日本全国でまだ支配的であるからこそ、教頭の仕事が小間使みたいになっているのですよ。それを触れたくないから朝日新聞のポリシーとしてこんな背景・原因分析ゼロの記事になっているのか、それともほんとうに背景・原因がわからないからなのか、いずれにしても情けない記事ですね。

 要するになぜ魅力がないかといえば、1つは教頭職、校長職というものが学校を率いて市民や保護者が望む学校教育の姿、子どもたちのための学校教育ということに十分な権限を持って、そして責任を負って進めていく、そういう職に残念ながら十分になっていないということです。なぜかというと、もっとある意味突っ込んで言ってしまえば、校長が一番指示や依頼をしやすいからですよ、教頭先生は。

 要するに教頭は一刻も早く校長になりたいのですよ。人事評価というのがあるので校長さんの評価というのも重要なので、校長の言うことを教頭というのはわりとよく聞く。だから何でも教頭に頼みやすいというのがあるけど、逆に校長にしろ教頭にしろ、一般教職員にやってほしい、やってもらうべきことも十分にやってもらえていないからこうやって仕事のしわ寄せが来ているという面があるわけですよ。もちろんそれだけではなく、我々教育委員会あるいは国のほうも含めて、いろんな調査物なり仕事が外から来るなど、多忙化の原因はいろいろあるのですけれども、それにしてもやはりそういう業務も含めてきっちりと、組織である以上は教頭がやらなくても済む仕事というのは洗い出せばあるのに、それもやらずに。

 実はこの間山梨県の小学校の教員に聞きましたけど、やっぱり朝一番で鍵をあけて、みんなが帰った後自分が鍵を閉めて出ていくのは教頭の仕事だと、まるで判で押したようです。よく地域の独自性とか実情とか言うけど、この学校の問題というのは日本全国ほぼ同じ。その程度がひどく問題な地域とそうでない地域というか、自治体というか、そういう差異はあるかもしれないけど、根本の問題は同じですよ。そういう学校運営、かぎ括弧つきの民主的な学校運営によって校長や教頭が真にマネジメントによって学校をよくする、子どもたち第一によくしていくという力を発揮できない、あるいはそういう権限や責任を十分に担っていない。ちゃんとやっているとおっしゃる先生方がいらっしゃるとは思うけど、でも、客観的に言えば諸外国と比較しても校長や教頭の権利、責任というのはほんとうに弱いですよ。そういう状況が1つ。

 もう一側面は給与ですよ。要するに校長、教頭をめざさなくても、大過なく教員生活を送っていれば、教頭よりは多少安いかもしれないけど、50歳、55歳、60前になっても結構高い給料をもらうと。それは頑張っている先生もいれば頑張っていない先生もいると。それにあんまり差がつかないと。教頭はそういう教諭の、同年齢の教諭の2倍の給料をもらっているわけじゃないという状況の中で、誰がやりたがりますかね。給料も安いし、やりがいの面でも特に魅力的でない、記事に書いてあるとおりというような、そういうことなんですよ。これもまたかぎ括弧つきの民主的考え方からすればけしからんことになるのかもしれませんけど、要するに給与に差をつけるべきですよ。もちろんその際には、さっき申し上げたように権限と責任、これがセットでちゃんと管理職に、校長、教頭にセットで今以上に来なきゃいけないのですけれども、その見合いでちゃんと改善していかなきゃいけない。

 そういう裏が見えている、背景・原因がわかっているから、それは朝日のポリシーに反するから書かなかったのか、全くわからずに、何かこんな数が足りなくなって、茶化したような記事ね、「求む、教頭」とかって、要するに問題意識が理解なしで書かれたのか、理解しているからこそ触れたくなかったのか、いずれにしてもこの記事はほんとうに読んでちょっと頭にきたので、この際、関連する議題なので発言させてもらいました。

 それだけだとあまり意味がないので、今般、住民投票の結果、大阪市は政令指定都市として存続するという結論になりましたので、今申し上げた給与の問題、小中学校教員の給与につきましては、これまで昨年の11月に大阪府と大阪市、それから堺市の教育委員長や教育長の意見交換会を開催しましたが、その際に大阪市教育委員会から大阪府のほうに教員給与、大阪市のための給料表を独自設定してほしいという、検討してほしいというふうなことを要望いたしました。

 ただ、政令指定都市として存続するというそういう結果を踏まえて、もはや大阪府に要望するのではなくて、近い将来、私の認識している情報が最新の情報であれば、平成29年度には県費負担教職員の、大阪の場合は府費ですけど、府費負担教職員の給与負担や、それから給料の決定ですね、そういったものが府から市のほうに委譲されるということが、29年度にそういう新制度に移行するということになっていますので、国のほうの制度としてですね。これはもう大阪府に要望する必要はなくては、大阪市独自で設定できると。

 いずれにせよ、府に要望するにしろ大阪市独自にするにしろ、事務局のほうにかねて、検討、着手してもらってやってきてもらっているのですけれども、策定準備を急ぐようにということで申したいと思います。

 給料表の中身ですけれども、かぎ括弧つきの民主的お考えからするとけしからんかもしれませんけれども、まず今申し上げた教頭をはじめとする管理職の人材確保という面で管理職の給与を引き上げるということ、それから、もう1つは新規採用の教員、これを質、量十分によい先生を確保するというために初任給の引き上げが必要だと思っております。当然のことながら財源には限りがございますので、一般の先生方について、特に管理職をめざすわけではない先生方については原則として昇給を一定期間、何年、これは別に決まった数字はないのですが、イメージしやすいように申し上げると例えば10年とか、その数字は変わるかもしれませんが、一定期間でとまると。ただし、よい先生方はみんな管理職を希望するわけではないし、管理職向きとは限らないので、ある意味、管理職登用以上に難しいかもしれませんが、ちゃんと教員評価、人材評価を行った上で、片仮名で言えばスーパーティーチャー的な立場というものを明確化して、そういう方にはそういうキャリアパスを用意して、少数というか、小さい比率のそういう先生方には給与の面でも報いると。給与というのは本給なのか手当なのかいろいろ考え方、長所、短所があると思いますけれども、そういうもろもろのことを既に府への要望を以前から事務局のほうで検討してもらっていますけれども、重ねて今般の大阪市、政令指定都市としての存続という結論を受けて、その策定を急ぐように、準備を急ぐように申し上げたいと思います。

【井上部長】  現在、ご指示いただいた内容で調査・検討を進めております。

【大森委員長】  府への要望じゃないわけですからね。もちろん給料表というのは条例なので、市会の承認、あるいはもちろん市長が提案しますので市長との調整、それから市会の議決というのが最終的には必要になりますが、我々としては教育のために、大阪市の学校のためにいいと思うことをやると。私は文句なくこれは必要なことだと思っていますので、教員の資質確保の面でも、それから管理職のこうやって朝日新聞さんに茶化されている教頭職の確保の面でも必要なことだと思います。これなくして対症療法だけではもう限界だと思います。そういうことでちゃんとやってもらえますね。

【帯野委員】  募集要項の中で研修のことをどこに触れていますか。

【井上部長】  応募資格のところに、「研修を実施しますので、研修予定期間である平成28年1月1日から終日勤務が可能な人」というふうな形で触れております。

【帯野委員】  わかりました。それで、去年は予算議論の中でこれについてかなり議論したと思うのですが、今年は潤沢な予算があるということでよろしいのでしょうか。

【井上部長】  予算は確保してございます。

【帯野委員】  わかりました。同じことを申し上げますけど、民間でリーダーシップがとれるから教育現場でリーダーシップがとれるというものではないし、逆にまた民間のリーダーシップでもってリーダーシップをとろうとして、それがうまく機能しない場合もありますので、特に民間の応募者については徹底研修をお願いしたいと思います。

 それと、もう1つ。給与等についてですが、この給与等のところで扶養・住居・通勤手当が含まれていないということは、地域手当、教員特別手当、それから期末勤勉手当もここに含まれているということでよろしいですか。

【井上部長】  はい。おっしゃるとおりです。期末勤勉手当も含まれております。

【帯野委員】  できたら、例えば「賞与を含む」みたいに書かれたほうが、民間の人で期末勤勉というのはなかなかわかりづらいと思うので、ボーナスは別と思われる方もいるかもしれないし、ボーナス込みなのかと思われる方もいるかもしれないので、できたらそこは「賞与を含む」と書かれたほうが民間の人にはわかりやすいかなと思います。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第117号「平成28年度使用教科用図書の採択の方式について」を上程。

加藤指導部長からの説明要旨は次のとおりである。

義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律において、義務教育諸学校において使用する教科用図書については、政令で定めるところにより、政令で定める期間、毎年度、種目ごとに同一の教科用図書を採択するものとすると定められ、同施行令第14条において種目ごとに同一の教科用図書を採択する期間を4年としており、今年度が中学校の採択の年となっている。

 採択の方式については、市立中学校及び市立特別支援学校中等部の教科用図書については、執行機関の附属機関に関する条例に基づき設置されました大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会の厳正かつ公正な選定を経た答申を参照し、教育委員会において採択するものとする。

 教育委員会においては教科用図書選定委員会と並行して調査研究を進めるとともに、採択権者の権限と責任において公正かつ適正な採択を実施する。

 市立小学校及び市立特別支援学校小学部については、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第14条及び同法律施行令第14条第1項の規定により、平成26年度と同一の教科書を採択するものとする。

 採択の手順については、教育委員会が教科用図書選定委員会を設置し、選定についての諮問を行う。次に、教科用図書選定委員会は専門調査会及び学校調査会を設置し、調査研究した後、選定資料を策定し教育委員会に意見を答申する。教育委員会においても並行して調査研究を進め、教育委員会で採択をする。なお、平成28年度使用教科用図書の採択については、大阪市で種目ごとに1種類の教科書を採択する。

 教科用図書選定委員会については、保護者、校長、学識経験者、教育センター職員、区担当教育次長を委員として委嘱する。また、選定委員会は各種目別の調査員からなる専門調査会より報告を受け、さらに各学校で調査を行った学校調査会から報告を受けるとともに、市内32カ所に設置する教科書センターにおけるアンケートにより、学校協議会委員や保護者並びに市民からご意見を聴取する仕組みとなっている。

 次に、高等学校及び特別支援学校の教科書については、学校教育法第34条及びその準用規定である同法第62条及び第82条により、文部科学省検定済み教科書及び文部科学省著作教科書の中から採択することが原則となっているが、高等学校の実習教科等や特別支援学校の各教科等で文部科学省検定済み教科用図書または文部科学省著作教科用図書がない場合については、学校教育法附則第9条及び学校教育法施行規則第89条によりほかの適切な教科用図書を使用することができると定められている。

 各学校に教科用図書選定調査会を置き、教育委員会からの諮問により当該学校の選定調査会が教科用図書の調査及び研究を行い、教育委員会に意見を答申した上で教育委員会が採択する。各学校に設置される選定調査会は、当該学校の教育課程や生徒の状況を踏まえ、他の教科用図書との比較の観点を答申に加えるものとする。また、調査及び研究の公平性、透明性を確保するため、選定調査会では当該学校の生徒、保護者の意見を聞き、それらを踏まえて意見を答申するものとし、採択後その内容を公表する。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【大森委員長】  採択の方式について、「教育委員会は教科用図書選定委員会と並行して調査研究を進めるとともに」とありますが、教科用図書選定委員会での調査研究と教育委員会の調査研究を並行して進めていくということですね。

これについては、我々は、非常勤で限られた時間で効率的、効果的に調査研究を行うということになりますので、資料や情報の提供を期待するところが大です。よろしくお願いします。

【加藤部長】  わかりました。

【大森委員長】 我々教育委員として利用可能な時間、労力の中で最善は尽くしてきているつもりですが、隅から隅まで全教科、全科目のあらゆる校種、あらゆる種目の教科書を全部調査するということではないので、教育委員会の調査研究の中には事務局の調査研究もあり、その両方を最大限活用させてもらって、教育委員、あるいは合議制の教育委員会が最後責任を持って判断する。その際には我々教育委員あるいは合議制の委員会の判断として、その専門的な調査研究の成果というものに基づいて、例えば高等学校の場合、2冊への絞り込みというのもやっていますので、そういうものを尊重して判断する。

 ただ、その尊重というのは我々自身が責任を持って尊重するべきであり、高校であれ、小中学校であれ、特別支援学校であれ原理原則は同じですが、どこまで我々自身が細かく見るか、あるいは肝心なところはやはり我々自身が責任を持って、調査研究の結論と必ずしも一致しない場合も含めて、どこまでそれを活用し、尊重するかということも我々の判断の範疇なのです。

 それから、教科書採択の問題については、委員も教科書会社をはじめ教科書関連、関係者からの直接のアプローチは、お断りすべきだと思っています。 教科書の採択というのは教科書の中身だけで判断すればいい話ですので、要らぬ誤解を最大限避けるためにも、疑念の種というのは断ち切るほうがいい。事務局も同様と考えていいですか。

【大継次長】  採択にかかわりましては、やはり静ひつな環境の中での採択ということが求められますし、また、公正性、公平性が非常に大事でございますので、事務局の全担当課長及び指導部全体に対しても、今後の採択に当たりましては、不審な点を抱かれることのないようなきっちりとした対応を行うように指示をしているところでございます。

【大森委員長】  ありがとうございます。あくまで教科書は読んで中身を判断するので、きちんとしておくべきことだろうと思ってあえてこの公開の会議の場で申し上げました。

 それから、静ひつな環境の維持ということで、前回の教育委員会会議において、全く事柄を異にする議案ではありましたけれども、議案が審議できず、公開の会議を非公開審議に切りかえる決定をせざるを得なかった。

 やはりああいった事態というのは今後あってはならないことだし、会議の場だけじゃなくて全体的に採択のプロセス、これを公正かつ適正な採択を行うための第1条件としてそういう静ひつな環境というのが必要です。文部科学省からの通知にも「静ひつな採択環境を確保するため、外部からの働きかけに左右されることなく、採択権者の権限と責任において公正かつ適正な採択を行うこと」や「円滑な採択事務に支障を来すような事態が生じた場合や違法な働きかけがあった場合には、各採択権者が警察等の関係機関と連携を図りながら毅然とした対応をとること」と示されております。ぜひ毅然とした対応を事務局のほうでお願いします。それでよろしいですか。

【大継次長】  先ほども申し上げましたように何よりも採択にかかわりましてはこのような静ひつな採択環境の確保ということが重要でございますので、委員の皆様にもそのようなことがあってはなりませんので、これは万全を期してまいりたいと考えております。

【大森委員長】  ありがとうございます。円滑な採択事務に支障を来すような事態を生じさせるようなそういった行動、行為を行う方々というのは、みずからは民主的と思っておられるようですけども、言ってみれば異論を許さない、非常に怖い、全体主義に通じかねない集団主義的な思考、つまり自分たちが善なので悪は絶対に許さないという志向性はいかがなものかと思います。もちろん市民あるいは大阪市民に限らず国民は各自、思想信条、表現の自由、それは存分に発揮していただいていいのですが、ここに書いてあるような支障を来すような事態を生じさせるということが現実に他の自治体においては起こっている。そういう行動をとっておられる方々は自らを正義というふうに信じ込んでおられるので、悪をやっつけるんだという思いから行動される。これは民主的でも何でもないですよね。

 ですから、文科省の通知にあるような静ひつな採択環境を確保できないような事態を起こすような事態に対しては、ほんとうに警察も含めた関係機関と連携をとる、毅然とした対応をとるということを、ここできちっと我々委員と事務局を含めて大阪市教育委員会の意思としてはっきりしておきたいと思います。教育長、よろしいですね。

【山本教育長】  はい。

【大森委員長】  委員の方々、特に何かつけ加える点があれば、今の静ひつな環境について。よろしいですかね。

 【高尾委員】  今、委員長のほうから静ひつな採択環境ということについては言及がございました。その点は大事だと思っておりますので、改めまして文科省の初等中等教育局長の通知を確認しておきたいと思います。

 1つはそういう静ひつな環境の確保ということ、もう1つは、採択権者の判断と責任において綿密な調査研究に基づき適切に行うということであろうと思います。特に、仮に調査の段階で何らかの評定を付す場合であっても、その資料及び評定については十分な審議を行うことが必要であり、必ず首位の教科書を採択・選定、または上位の教科書の中から採択・選定することとするなど、採択権者の責任が不明確になることがないように、当該評定に拘束力があるかのような取り扱いをしないことということまで書かれております。こうした基本点を踏まえて、真摯に採択に当たってまいりたいと思います。

次に、採択の手順についてという流れを書いた四角囲みのフローチャートがございます。その中に「教科用図書選定委員会が選定資料をもとに、教育委員会に意見を答申」とありますが、その言葉で「選定資料をもとに、」というのは重複しているんじゃないかなと思います。

 それから、もう1つ、これも理解のために描かれたイラストでございますが、学校調査会が選定委員会の外側に出ていますけども、拝見しますと学校調査会も専門調査会と同じように並んで選定委員会の中の一組織として位置づけられているということなので、その2点について注意喚起をしておきたいと思います。

【加藤部長】  ただ今のご指摘につきましては十分踏まえさせていただきたいと思います。

【大森委員長】  学校調査会というのは教科用図書選定委員会の中に入っている、つまり専門調査会と同様に中に本来入っているものですか。

【大継次長】  位置づけとしては、入っておりません。

【大森委員長】  専門調査会は中に入っておりますが、学校調査会はほんとうに外なのですか。

【大継次長】  学校調査会のほうは選定委員会の外の組織でございます。

【高尾委員】  「教科用図書選定委員会が各調査会を設置」とありますので、設置する母体としてはこういうものがあって、その外側に出るということはないのではないかと。丸括弧で(専門調査会、学校調査会)と書いてございましたので、これはやはり選定委員会の内部組織だろうなというふうに私は判断をいたしました。

【大森委員長】  確かにおっしゃるとおりこれを見るとそうとしか思えないですね。括弧の中に専門調査会と学校調査会というのが並んで書いてありますね。2の採択の手順についての左側のフローチャートの2つ目の枠囲みのお話ですよね。これを見れば完全に内部ですね。大丈夫ですか。これは明確化したほうがいいと思うのですが。

【加藤部長】  この部分の記述につきましては、一定含まれるというふうな形でもう一度検討させていただきたいと思います。

【大森委員長】  原案では、学校調査会というのが教科用図書選定委員会の枠囲みの外側に出ていますが、これを中に入れ込む形に図を修正するということを採決のときには前提としたいと思います。

確認ですが、採択の手順についてのフローチャートの図があり、それの左側の下の枠囲みで「教科用図書選定委員会が選定資料をもとに、教育委員会に意見を答申」とありますけれども、このうちの「選定資料をもとに、」を削除して、「教科用図書選定委員会が教育委員会に意見を」。これ、「答申」ではないですか

【加藤部長】  意見を答申ということで。

【大森委員長】  昨年度に実施したときも、意見という形ではなく、選定資料そのものが「答申」の中身でしたよね。

【加藤部長】  かしこまりました。

【大森委員長】  「教科用図書選定委員会が教育委員会に答申」ということで修正願います。

【林委員】  市民の意見を聞くということで教科書センターを市内32カ所に設置するということですけれども、具体的にはどちらを予定されているのでしょうか。

【大継次長】  市内の各区役所を中心に教科書センターを設置してまいります。

【林委員】  なかなか市民、一般、保護者が教科書を目にする機会というのはないと思うのですけれども、周知の方法というのはどのようにお考えでしょうか。

【大継次長】  ホームページで20日に掲載いたしました。それから、各学校へも教科書展示会につきまして周知いたします。また、今回の教科書採択にかかわり、小学生もこの教科書を使うという観点から、小学校にも教科書展示会につきまして周知文を出させていただきます。

【林委員】  周知文を出されるということは、各家庭にそういう展示があるというお手紙が届くという理解でよろしいでしょうか。

 あと、アンケートとか意見とかをその場でいただくという方法になるということですね。

【大森委員長】 先ほどの説明で資料としては昨年の小学校の採択のときと変更がなされているという言い方をしたと思うのですが、ただ、実態としては昨年も同様のやり方をしていますので、今般は要するに実態をより反映した議案資料になっているという意味で、補足させていただきます。

 要するに、現実問題、答申を受けてから採択まで非常に短期間であり、これはやむを得ない面もあるので、教育委員会と事務局で並行して、限られた時間の範囲内で最善を尽くして調査研究をやるという、昨年もやっているし、今年もそれをやる以上は明確化したということでございます。

採決の結果、委員全員異議なく、議案を一部修正のうえ可決。

 

報告第3号「平成26年度局運営方針自己評価結果について」を上程。

多田教育改革推進担当部長からの説明要旨は次のとおりである。

 運営方針については、全ての局が各年度の目標と取り組みについて定めるものあり、それに沿って予算を編成し、事業を実施している。次年度に各区長、局長が目標の達成状況について自己評価を行い、その結果を市政改革室に報告し市民に公表することとなる。

 様式1の自己評価結果の総括については、局の運営方針に掲げた3つの経営課題とその解決に向けた7つの戦略、26の具体取り組みについて、その目標の達成状況、取り組みの有効性などを踏まえ、1年間の取り組みの成果や今後の解決すべき課題などについて記載したものである。

 また、様式2として評価結果の集計表、様式3として同じく評価結果の一覧表、項目ごとの表を、様式4として具体的な取り組みの達成状況評価を行い、課題と改善策を明らかにし、様式5として、施策・事業の見直しの関係の帳票を掲載している。

 なお、今後実施する教育行政点検評価については、各委員において事務局の自己評価をご参照いただき大所高所の視点で施策の点検評価を行っていただくとともに、各委員においてご自身の活動の状況について振り返っていただき、今後協議を重ねながら、市長及び市会に提出する報告書の取りまとめを進めてまいる。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【帯野委員】  総括のところで違和感があるというか悩ましいと思いますのが、英語教育をはじめとするカリキュラムイノベーションにつながるモデルがすぐれた効果を発揮しているという、この「すぐれた」というところがちょっと悩ましいのかなと思います。

 ただ、これは単年度ですので、そこのところを見ると例えば英語授業ですか、楽しいと思う児童・生徒の割合を増やすということで、実際そこは増えていましたので、そういう意味で単年度、26年度は結果を出していると思うのですが、問題はその楽しいと思う子どもが増えても、この間の英語能力判定テストの結果を見ますと、楽しいと思ってもそれが学力に結びついていないというところが問題だと思います。このことはおそらく次期教育振興基本計画、そのときにやはりこの現在のものを振り返るときに分析をしないといけないと思っています。

 実際に、他の細かなところについてもう少し分析が必要だと思うのですが、基本計画の目標に対し現在の基本計画を分析したときに成果が上げられていないところが出てくるのではないかなと感じているのですが、そのときに成果が出ていないということになるところについて、今「すぐれた」という表現を使っていいのかなというところが悩ましいと思います。ただ、この間も学校を視察させてもらいましたけど、先生たちは大変頑張っている、事務局も精いっぱいやっている。なのに、学力判定テストにおいては結果が出ていない。点数だけではなくて様々な分析もあると思うのですが。ということは、やはり振興計画の目標自体、少し達成が難しい困難な目標設定だったのかもしれないし、あるいは方法論において何か問題があったのかもしれない。そこのところは冷静に分析する必要があると思いますので、次期振興計画策定までにもう少しきちんと自分も勉強したいと思っているのですが、成果が出されていないから予算を減らすということではなくて、そこは冷静に分析して、こういうところが足りないのだから、もう少し手厚い予算やマンパワーが必要になるかもしれないので、判定テストの結果を踏まえてかなり冷静に分析が要ると思っています。

 そういう意味で、「すぐれた結果、成果」というのがよいのか、もしかすると「一定の成果」としたほうがよいのかなと思うのですが、単年度の事業目標で楽しいと思う学生が増えておりますので、これはこれでよいのかなといった感想を持っているということだけお伝えしたいと思います。

【大森委員長】  今の点に関連すると思いますが、これは事務局の自己評価で、事務局が自己評価してそれを市政改革室に既に提出したということで、一応この後の採決で承認するという採決をとることになっております。私の理解では、これは文責、文章の責任、この資料の中身の責任は我々委員にはなくて教育長にあるということですかね。

ご説明いただきました教育行政点検評価、ここにおいて我々教育委員を含めて、あるいは合議制の委員会としての自己評価というものが問われるということになると思います。ですから、今のご指摘の点、すぐれた効果と言えるのかと、おっしゃるとおりだと思います。それは別に事務局の責任というよりは、我々も含めてまだまだ満足できる状況にはないと。

 特に学力の向上というのは最優先課題で、一応「全国平均との差が徐々に縮まっていると見られる」というふうに書いていただいているけれども、その改善のスピードというか、幅というか、満足は全然できない状況かと思います。

 やはり学力の向上というのは、特に小さな村とか小さな町とかはともかくとして、小学校が約300校、中学校が約130校ある大阪市ぐらいの規模になると、ちょっとやそっとの政策、施策あるいは予算の効果であっという間に上がるというのはなかなか難しい。だけれども、そんなことを言っていちゃ責任を果たせないので、ただ、これまでどちらかというと中長期的に学力に関係あるかもしれない、あるいは関係あってほしいというふうなこと、例えば学校選択制もしかりですが、そういった施策というのは学力に直接的な働きかけを狙った直接的施策というよりは、選択できること自体がよいことというように、学力のためだけにやっていることではないので、我々が、大阪市教育委員会がやってきた施策というのはそういうやるべきこと、あるいはやったほうがいいことをやってきてはいるのですが、学力に直に働きかける部分というのは、例えば習熟度別少人数だとか、特に学習面、それから生活指導面で課題のある学校に対する人的なサポートとか、やれることをいろいろやってきていますけれども、直接的に学習に働きかける部分の施策というのはまだまだ改善の余地があるということ。

 それともう1点は、やはり校長のリーダーシップのもとに教職員が一丸となって、学力向上を含む学校改善、教育改善に取り組む体制面がまだまだ弱いと思いますね。ですから、直に学習に働きかける施策、サポートする部分と、それから学校運営のあり方、そこには人事制度、教員の給与とか人事とかそういうことも含めた、それにより学校というのが、校長というのがやはり学力を上げないと責任を問われる。逆に言えば、学力で成果を上げればその校長さんの将来は明らかに違うと。そして、校長になる年齢ももっと早くなって、1校3年で2校6年とか上がりポストというふうな状況を変えていく。そして、そこをめざす教頭さん方、教頭先生自身の仕事が別に校長への通過点じゃなくて、教頭自体がやりがいのあるポスト、仕事になっていくということ。そして、管理職向きでないすぐれた先生、頑張る先生はスーパーティーチャーとしてきちんと処遇していく。そういうことによって、学校の現場に前向きの文化、組織文化、向上心のある人が報われる、そういうカルチャーがもっともっと強くなる、広がるということがまだまだ弱いと思うのですね。

 でも、その面での努力というのは大阪市としてはやっているほうだと思いますが、まだほかの自治体と同様、そういう組織文化の面での変革がなされたかというと、私はまだ狙っている変革には至っていないというふうに認識していまして、直接的に学習に働きかける部分と、学校を前向きに校長のもとで進めていく、前に進んでいく、改善していくというそういう組織文化を培っていくための人事その他の制度、そういった両面においてまだまだ十分じゃないから、非常に大ざっぱな言い方で恐縮ですが、全体としてはまだまだ満足のいくような改善というのが見られないというふうに認識しています。

今後、教育委員会としての行政点検評価はきちんと委員の皆様、そして事務局とともにやっていきたいと思っています。

 

 報告第4号「指定管理者の指定について」を上程。

松本生涯学習部長からの説明要旨は次のとおりである。

 大阪城音楽堂の指定管理者の指定について、大阪城公園パークマネジメント事業の導入に併せて公園施設と一体で管理させることとし、株式会社電通、読売テレビ放送株式会社、大和ハウス工業株式会社、大和リース株式会社、株式会社NTTファシリティーズの5社の連合体である大阪城パークマネジメント共同事業体を指定管理者として指定したところであったが、当該連合体より、事業をより円滑に推進するため、新法人を加えた6社を構成員とする連合体による運営を開始する必要がある旨申し出があったことから、新法人である大阪城パークマネジメント株式会社を構成員とし、新たな連合体となった大阪城パークマネジメント共同事業体を大阪城音楽堂の指定管理予定者として選定するものである。

指定期間については、平成27年7月1日から平成47年3月31日までの約20年間としている。

なお、本件については、教育委員会教育長専決規則2条により教育長による専決処分を行ったことから、同条第2項の規定に基づき報告するものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【大森委員長】  昨年の時点で全体的な説明はありましたが、教育委員会が指定管理を音楽堂部分についての合理的な説明、そこに焦点を当てた説明がないのではないかというふうなご指摘もあったかと思います。

我々が指定管理というかなり責任の重いことをやる以上は、我々教育委員会の権限と責任で指定管理者の指定、つまり音楽堂の管理者を指定するということの合理的な説明、それがこの新たに1社加えた形での指定をすることによってよりよい施設管理になるんだという合理的な説明というのが必要かと思うのですが、いかがですか。

【松本部長】  当然、事業予定者のほうからその6社による共同事業体のメリットということがこの選定委員会にも提出されておるのですけれども、例えば事業の効率化と管理経費の縮減であるとかそういったことが述べられておりまして、結果としまして大阪城全域のパークマネジメントが今よりなお一層効率的・効果的になっていくというふうなことの提案がありました。それについて選定委員会のほうでご審議をいただいた結果、そのことについて承認をされたというようなところでございまして、私どもとしましても事業者のほうから提案がありました、このパークマネジメント事業そのものが単なる指定管理ではなく、例えば既存施設を改修していただいたり、新規施設をつくっていただいたり、大阪城公園そのものの魅力を上げていくといった側面も持っておりますので、当然各事業者間の風通しのよさも必要でありましょうし、効率性も必要であろうというようなところ、そういうことを踏まえましたら、大阪城も含めた大阪城公園そのものについてやはり6社目を加えることについてはメリットがあろうというようなところで判断させていただいたということでございます。

【濱﨑課長】 今回の場合には各特長を持った法人だけでなく、いわゆる資金管理をする別法人を打ち立てて6社体制でいくわけです。資金の一括管理もできるという形で、比較的面積が大きくない音楽堂等についても十分にメリットを生かしていただいて、また十分に集客強化等をしていただいて、本来持っている教育的ないろんな音楽事業の活動等にも十分活用していただける状態になると考えられると思っております。

【大森委員長】 今般の決定に当たっても今口頭でご説明いただいたようなことを踏まえて、音楽堂について、やはり教育委員会の権限、責任事項についての部分について合理的な判断をしているということをプロセスとして、この会議の場というのはそういう場だと思いますので、そういった資料をお願いしたいと思います。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第118号「大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会の設置等ついて」を上程。

加藤指導部長からの説明要旨は次のとおりである。

 平成28年度使用中学校教科用図書の採択に当たり、執行機関の附属機関に関する条例に基づいて教科用図書選定委員会を設置する。委員の構成については、保護者として市PTA協議会から4名、学校協議会委員より1名、校長5名、学識経験者3名、区担当教育次長1名、教育センター指導主事5名で組織することとする。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第119号「指導が不適切である教員のステップアップ研修後の措置について」を上程。

井上部長からの説明要旨は次のとおりである。

指導が不適切である教員としてステップアップ研修を実施してきた教員について、指導力向上支援・判定会議の意見を踏まえ、ステップアップ研修後の措置として、ステップアプ研修を延長するものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【高尾委員】  ほとんど改善の状況が見られないようですが、これは何に起因しているのでしょうか。

【大森委員長】  採用の段階が適切であったかどうかという点もあると思いますが、採用試験の結果はいかがですか。

【井上部長】  1次試験、2次試験ともに、下位でした。

【大森委員長】  面接の成績は、どういう状況でしたか。

【大多課長】  2次試験の面接につきましては、平均点以上でした。

【大森委員長】  面接がよかったのですね。

1次試験の筆答、面接の成績はいかがでしたか。

【大多課長】  1次試験の筆答は平均点以下、面接は平均点以上でございます。

【大森委員長】  筆答の成績が良かったとしても、人物も良いとは限らないと思いますが、筆答の成績がよくない場合、人物にも何か問題がないかと疑ったほうがいいと思います。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第120号「職員の人事について」を上程。

井上教務部長からの説明要旨は次のとおりである。

中学校教諭について、勤務校における期末テストの答案用紙を生徒に返却することなく棄損したことについて、地方公務員法第29条による懲戒処分として減給10分の1、1月を科すものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【大森委員長】  職員基本条例別表によれば減給または戒告ということですね。

【井上部長】  はい、減給または戒告となっております。故意に他人の物を損壊することについてということです。

【大森委員長】  生徒の物も他人の物ということで、一番当てはまるものがこれだということですね。このような行為に及んだ理由というのは、聴取されて、ほぼ言っているとおりだろうということですか。

【井上部長】  はい。返却が遅れていたことを担任に知られたくなかったと、責められるのではないかと恐れたということです。

【大森委員長】  遅れても早く返したほうがよかったということですね。

【井上部長】  当然そういうことです。そこに思いが至らなかったという。

【林委員】  これは2学期の期末テストですよね。多分3月までに個人懇談等があればもっと早い段階できっと発覚していたと思うのですが、結局そういうものがないがために、保護者もわざわざそのことで学校に電話をしないという。そういう経緯で発覚しなかったというところですか。

【井上部長】  ほかの先生方は返却していないこと自体を知らなかったようです。

【林委員】  担任の先生からも、返却してもらっていないという申し出もなかったと。

【井上部長】  はい。通知表としては評点が出ておりますので。

【大森委員長】  だけど、その通知表の評点とテストの点数というのを見比べると思うのですが、返していないということはテストの点数も返っていないということですか、子どもたちに。

【井上部長】  採点はしておりますので、通知表にはテストの結果として返っております。

【大森委員長】  期末テストの点数というのは、要するに5、4、3、2、1とは別に記入しているのですね。

【沼守教育監】  はい、素点記入しています。

【大森委員長】  だから、あまりそれほど騒ぎにはならなかったと。

【大多課長】  保護者から見たらきちんと通知表に素点が書いてあるしということで、特段気にとめる保護者もおられなかった。

【大森委員長】  もう確認のしようがないのですが、本当に通知表というか成績評価へのテストの点数の反映、転記がきちんとなされたかどうか、今となっては確認のしようもないですよね。それこそ公平公正な成績評価がなされたのかどうかというのは確認しようがないのですが、今のところは生徒や保護者からその点についてのクレームとか疑問は来てないのですか。

【井上部長】 当該校長から答案用紙を裁断処理してしまったことを保護者の方に伝えたところ、驚かれて、今後注意してほしいというような意見があったというふうに聞いております。

【大森委員長】  この方のこれまでの勤務態度は問題がなかったのですか。

【忍課長】  勤務態度に問題があるとは聞いておりませんが、若干指導力が不足しているというような評価は聞いています。

【井上部長】  指導力不足につき、同校のほかの先生がサポートしておりました。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)大森委員長より閉会を宣告。

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