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平成27年第15回教育委員会会議

2022年9月1日

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平成27年第15回教育委員会会議

第15回教育委員会会議録

 

1 日時  平成27年7月14日 火曜日 午前9時30分から午前11時

 

2 場所  大阪市役所本庁舎屋上会議室

 

3 出席者

大森不二雄  委員長

林  園美  委員長職務代理者

高尾 元久  委員

西村 和雄  委員

帯野久美子  委員

 

山本 晋次  教育長

寳田 啓行  教育次長

大継 章嘉  教育次長

沼守 誠也  教育監

西原  昇  此花区担当教育次長

小川 芳和  総務部長

多田 勝哉  教育改革推進担当部長

三木 信夫  学校配置計画担当部長

井上 省三  教務部長

松本 勝己  生涯学習部長

加藤 博之  指導部長

岡田 和子  学力向上支援担当部長

島田 保彦  インクルーシブ教育推進室長

源  俊司  学校経営管理センター所長

林田 国彦  教育センター所長

飯田 明子  学事課長

堀川 隆史  学事課長代理

山岡 祐二  学事課担当係長

森本 義範  中学校教育担当課長

眞野 麻美  中学校教育担当課長代理

大西 啓嗣  指導部総括指導主事

奥野 直健  指導部主任指導主事

松田 淳至  高等学校教育担当課長

塩見 暢朗  指導部総括指導主事

川阪  明  総務課長

松浦  令  総務課長代理

東川 英俊  総務課担当係長

ほか係員2名

 

4 次第

(1)大森委員長より開会を宣告

(2)大森委員長より会議録署名者に林委員を指名

(3)議題

議案第138号  此花区の就学制度の方針の変更について

議案第139号  平成28年度大阪府公立高等学校入学者選抜における調査書に記載する評定等に関する方針について

 

(4)議事要旨

議案第138号「此花区の就学制度の方針の変更について」を上程。

西原此花区担当教育次長からの説明要旨は次のとおりである。

此花区では平成26年から選択制を導入しており、小学校に関しては隣接区域選択制をとってきたが、地域の方をはじめ様々な方からの意見を頂戴し、区でも検討を重ねた結果、平成28年度から自由選択制に変更する。

また、指定校変更について、平成27年4月1日の規則改正により、区長の裁量でいわゆる兄弟が同じ学校に就学できることとなったことから、此花区においてもこの要件を28年度入学生から適用する。

 

質疑の概要は以下のとおりである。

【大森委員長】  当然、此花区におかれては取り組まれていると思いますけれども、学校による積極的な情報提供は、自由選択制になれば、さらにその重要性が増すと思いますので、お願いしたいと思います。

【西原此花区担当教育次長】  この辺も積極的にやっておりまして、また、選択制におきましては、全中学校、全小学校が一堂に集まって学校説明会というのをやっております。多分24区ではうちだけじゃないかと思っております。そういうこともやって、たくさんの方にまたこれを理解していただいていると思います。また、今年は保育所、幼稚園等々にもこの選択制の意義というものを伝えさせていただいておりまして、3年目になっておりますので浸透してきたかと思っています。今後もこの情報提供は続けたいと思っています。よろしくお願いします。

【大森委員長】  自由選択はこれからですけれども、選択制導入後、直接の当事者の皆さん、学校を選ぶ立場の保護者、子どもの声としては、何か区のほうで聞こえてきていますでしょうか。

【西原此花区担当教育次長】  別の学校を選んだということよりも、自分の行く学校、いわゆる校区内の学校であっても、どういうことをめざして学校、校長先生がやっているのかということが見えたと。今までは自動的に学校に行くことになっていたので、学校が何をやっているかという関心もなかったけれども、そういうことが選ぶようになって、学校側も見られている感がありまして、特色を出そうと必死に動いておりますので、非常に環境がよくなったという声をたくさん聞いておりますので、これはこれからも進めていきたいと思っています。

【高尾委員】  ボランティア団体の方にもご理解いただきフォロー体制を組まれたと、ほんとうにありがたいこと、また、この実施によって保護者の方たちの意識も高まって、関心を持っていただいたということは非常に大きなことではないかと思います。今後ともひとつ意思疎通を盛んにして、制度がスムーズに運営されますように、また、いいほうに向かっていきますように、よろしくお願いしたいと思います。

 正直言って、またこれも学校のほうの意識としては、負担が重くなるということがあるかもしれません。大変恐縮なのですが、教育次長としてその辺のニーズの把握にもお努めいただいて、対応をよろしくお願いしたいと思います。

【西原此花区担当教育次長】  此花区は土地柄非常にトラックが多く、大きな道路が通っておりまして、最初の導入のときも一番の懸念というのは通学路の安全というものでございました。現在、見守り隊に関しましては、PTAや、もちろん老人会もあるのですけども、実は地域の運輸会社の企業の方までが下校時間に見守りをやっていただいたりとか、提供してやっていただいておったりもします。そういうふうに子どもたちをどうやって守っていくかというのを地域全体でやるように進めております。

 ただ、見守り隊もなかなかちょっと、もともと老人会がスタートしたものでございますから、高齢化が進んでいまして、その辺は実はきのうの区政会議でも議論があったところでございますが、子どもたちをどういうふうに育てていくかというのは地域全体の課題だと思っておりますので、その辺は引き続きやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第139号「平成28年度大阪府公立高等学校入学者選抜における調査書に記載する評定等に関する方針について」を上程。

大森委員長からの説明要旨は次のとおりである。

 

【大森委員長】  この方針については、ご承知のとおり、去る4月に本市教育委員会としてこの方針を決定したところです。ただ、その後、国において、大阪府の統一ルール、統一基準の前提となっている全国学力・学習状況調査の結果の活用について、文部科学省のほうで疑義が示されているという状況ですので、現下の情勢を踏まえて私ども教育委員会の方針を再確認する必要があるということで、急遽、本日の議案を準備させていただいた次第です。

 高校入試においては、公平性、信頼性、妥当性が大事ということが第1段落にございます。それから、第2段落に、いわゆる絶対評価による調査書というものは、共通の評価尺度がない限り到達度を反映したものとは考えられない評定分布のばらつきが生じて、公平性、信頼性が担保できない。これは大げさなことでなく、中学生にルールのない土俵、無法地帯での競争を強いることになると第2段落のほうに書いてございます。

 その次の段落では、4月の本市教育委員会会議における決定を受けて、その後、その円滑な実施に向けて市内の中学校と一緒に準備を着実に進めてきていること。ところが、その次の段落で、今般、文部科学省のほうでは全国的な学力調査に関する専門家会議において、本市の方針の前提となる府教委の方針を否定するような意見が多数出された由で、報道等によれば、8月中にも文部科学省としての対応が示されると言われております。

 次の段落ですけども、このような現状におきまして、大阪府教委の方針と、それを前提とする本市教育委員会の方針に対する信頼を揺るがしかねない現状で、それによって、入試に向けて勉学に励む本市の中学生、それから、その保護者、そして、中学校関係者、多大な不安に陥れるという状況です。8月中、あるいは8月下旬という報道も見かけましたが、これは中学生の保護者の立場からすれば、そんな長期間入試がもてあそばれるような状態が続くということはまことに耐えがたいことです。

 次の段落では、既に府教委や本市教委の方針決定から3カ月が経過するわけです。これらの方針に基づいて、入試に向けて中学生あるいは中学校が学習教育を進めている今日に至って、これまでの方針を変更するということはあり得ないし、それは生徒や保護者、あるいは市民、府民に対して責任ある立場として決してあってはならないことです。

 その次の段落ですけれども、高校入試は生徒にとって一生に一度の重大事です。生徒・保護者に責任を負うのは、これは地方教育行政、つまり教育委員会主体的に判断すべき事柄でありまして、責任を負う立場に全くない有識者等が決定すべきものではありせん。

 次の段落ですけれども、突然起こった国のほうのアクションによるこの許容しがたい情勢について、下記のとおり対応していくということです。

 右側の記のところですけれども、その対応方針として3つ掲げています。1つ目は、4月13日に決定した本市の方針というものを不退転の決意を持って堅持するということです。2つ目は、本市教委としても府教委を全面的にサポート、協力するということです。それから、3つ目ですけれども、文科省に対して、生徒・保護者に対して責任を負う教育行政の立場から、地方自治の本旨に基づき、地方教育行政を担っている本市教育委員会の方針及びその前提となる大阪府教育委員会の方針を早急に認めるよう要望書を提出するということです。

 ここに要望書とありますが、これは、議案資料の4ページをごらんいただければと思います。文部科学省の担当局である初等中等教育局長宛てに委員長名で要望書を出すという案です。

 第3段落でございますが、今般、文科省のこの専門家会議において、本市の方針の前提となる府教委の方針を否定するかのような意見が出され、8月中にも対応が示されるというような報道があったということで、このような現状は、府及び本市の方針に対する信頼を揺るがしかねないもので、それによって中学生、中学校を多大な不安に陥れる、また、結論が出るまでの長、期間、入試がもてあそばれるような状況が続くということは、中学生や保護者あるいは中学校にとっては耐えがたいことであるということを4ページの最後の段落で言っております。

 それから、5ページのほうに、大阪市教委としては、府市の方針決定から3カ月が経過して、今日に至って、その方針を変更するようなことは決してあってはならないということでございます。したがって、本日開催したこの会議において方針の堅持を再確認する決定を行ったとここに述べております。

 その次の段落でございますけれども、これも生徒にとって入試というのは一緒に一度であり、責任を負う教育委員会が主体的に判断すべき重要政策である。責任を負う立場にない有識者などが決すべきものではない。国と地方の違いはあっても、同じく教育行政の重責を担う文部科学省においても同様の認識を当然するだろうと推察するということであります。

 それから、なお書きですけれども、本年4月に作成した広報資料を見てくださいということを書いております。

 本市教育委員会としては、この評定等に関する方針を堅持するとともに、下記のとおり要望を行うということを書いてございます。

 記に参りますと、文部科学省においては、地方公共団体と同様に現実の教育行政に責任を負っている立場から、地方自治の本旨に基づいて地方教育行政を担っている本市教育委員会の方針が円滑に実施できるよう、本市教育委員会の方針の前提となっている府教委の方針を早急に認めるよう要望するということが1点目。

2点目といたしまして、専門家会議で多数意見が出たからと文科省は言っておられますので、その専門家の方々と府教委並びに本市教育委員会の代表者とが公開の場で意見交換する会議をぜひ設定いただきたいということ。

 公平公正な入試の重責を担う教育委員会の見解と自由な個人の立場からの専門家の方々のご意見の両方を聞き取ってもらった上で、公正な判断をいただきたいという趣旨でございます。

 その後の段落以降は、7月7日の専門家会議においては、府教委からの説明者が退席した後に、その専門家の方々だけで議論して厳しい意見が出され、それに対して府教委に再説明の機会を与えられないままに、その専門家会議なるものの協議結果だけが伝えられたと聞き及んでおります。この専門家会議は非公開であったそうですけれども、市民に対する説明責任を重視する本市教育委員会としては、公開の場での意見交換を希望いたします。ぜひ、公開の場で専門家の方々と府教委と市教委とで議論させてもらいたい。

6ページに参りますと、なお書きとして、専門家の方々のご意見に対して府教委なりの見解というものは表明されておりますけれども、これにつきましては本市教育委員会としても全面的に支持するべきであろうということを書いております。

 その次の段落ですけども、専門家の意見を最初から軽んじているということではなくて、責任を負うのはどっちだということが重要でありますが、それに加えて、専門家会議で出てきたというご意見の中身にも納得のいかない、合理的でない点が幾つもございます。根幹のところの趣旨逸脱云々については、府教委のほうで見解が示されておりますので、それ以外のところです。意図的にそれ以外のところに着目して、(1)と(2)という形で整理させていただいていますが、まず、(1)個々の生徒の責任に帰すことのできない学校別成績によって評点が影響を受ける旨の指摘が専門家会議においてあったそうでございます。

けれども、よく考えてもらいたいのですが、一部の都道府県で既にそういう個々の生徒の責任に帰せない学校別成績によって評定を受けるような補正のやり方をやっているわけでございます。各中学校の評定の平均値が教育委員会の設定した標準値を超える場合は、その中学校出身者の受験生の評定を引き下げる。十分に5に値する生徒であっても、この機械的な補正によって4に下がってしまう。逆に標準値を下回る場合は引き上げるということもあります。そういう補正をやっているところを批判するつもりは全くありません。補正をしないむちゃくちゃな絶対評価、文科省の言いなりに子どもの一人一人のよさを云々とかで、学校間の学力差を反映しないのが相対評価の問題なのです。共通の評価尺度で見れば、この学校のこの生徒はほかの学校に行けば十分5がとれるのに、この学校の学力レベルが高いものだから5がとれないということは不公平でしょというのが絶対評価の本来の考え方なのですが、子どもの内面を見詰める評価みたいな、関心、意欲、態度とかで、要するに相対評価を取り払うだけで、それにかわる基準、ルールが何もなしというのが、文科省が全国にやれと言った絶対評価、つまり相対評価のたがを外して、代わりの基準が全く示されていない。ひどいものです。そういう中で乱暴とはいえ何らかの補正を試みた都道府県を批判するつもりは毛頭ございません。ここで言いたいのは、そういう補正が既にあるということです。

 大阪府教委が今般設計されたやり方、大阪府方式は、他の都道府県と比較にならないぐらい公平公正について考え抜かれているということを(1)で言っています。そんなことをほんとうに専門家の方々がわかっておっしゃっているのか、報道が正しければ、ここで反論しておく必要がある。

 それから、(2)ですけれど、同じく報道によれば、大阪府教委の検討期間が短くて制度設計が不十分であると。大阪における検討の経緯を少しでもご存じの上で、よくそんなことを言えたものだなと思いますね。そもそも学校間競争の評価尺度がないままに実施されてきたいわゆる絶対評価、全国の大阪以外の絶対評価の調査書において、この評定分布のばらつき、インフレ等、正当化できない不公平。5を半分以上の生徒につける学校もあれば、1割にも満たない生徒にしか5をつけない学校もある。それが同じ土俵で入試を行うわけですから、信じられないですよね。そんなことが現実に起こっているということを承知しているのですかと。専門家会議の専門家の方々はこの入試にとって必須の公平性、信頼性がほかの都道府県で担保されてきたと認識しておられるのか、府教委、大阪方式以外にももちろん何か方式があればそれでもいいのですが、いずれにせよ何らかの学校間共通の評価尺度が必要で、そういうものを設定する必要があるとはお考えにならないのですかということです。ぜひご見解を伺いたい。やめろと言うだけで、ほかの46都道府県の内申点、入試をどうお考えなのか、ぜひ、専門家の方々の見解を伺いたいというのが(2)でございます。

 7ページ以降は4月の我々の決定した方針の議案書、文書、それから、9ページ以降は大阪市内の中学生、保護者、市民の皆さんへの広報として整理した資料を添付しているわけでございます。

 議案資料の説明は以上ですけれども、私のほうからコメントをつけ加えさせていただきます。ほんとうに本市の教育改革、さまざまなことをやってまいりましたが、内申書の改革、革命と言ってもいいと思うのですけど、内申書革命というのは最重要事項であると思っておりまして、この内申書革命にとんでもない思わぬところから横やりが入ったなというのが率直なところでございます。

 これは府教委の事柄であって、大阪市、大阪市教委は関係ない、傍観者的立場であると誤解されてしまうかもしれませんが、決してそうではなくて、高校入試という意味では大阪市立の高校もあるということが第1点です。第2点としましては、入試の影響を受けるのは中学生ですが、本市は大阪府内で最多の中学生を抱えるわけで、3カ月もたってからの横やりによって、本市の中学生は最大の被害を受ける立場にあるということです。

 3点目としてつけ加えさせていただきたいのは、これは言ってみれば後出しじゃんけんなんですね。文科省の後出しじゃんけんで大阪の高校入試がもてあそばれている。なぜ後出しかといいますと、府教委は方針を決定される前に事前説明に文科省に行かれているわけです。そのときにだめという話は一切なかったと市教委のほうも聞いております。さらに、実施する前後のときも、実施に当たっても、文科省がおっしゃったことは問題が起きないかということをちゃんと実施後に報告するようにということだったわけです。それで学テを粛々と大阪府下で実施した。実施後に府教委が調査したところ何ら問題はなく、そのことを文科省に報告した。ところが、今になって、問題がなかったということも関係なく、そもそも趣旨逸脱でだめと。その結論の当否は別として、3カ月もたってから、学テも実施してから今ごろになってだめというのは何なのでしょうね。責任がある対応とは到底思えません。

 さらに、同じ行政であるはずの文科省が、誰にも責任を負わない専門家の意見を、責任を負う地方公共団体、議会や教育委員会の見解よりも尊重されるなんてあり得ない。

教育委員会というのは文部科学省の出先機関ではないわけです。国と地方公共団体というのは対等なわけです。これは精神論ではない。法的な事実であり、地方分権一括法による改正後の現行の地方自治法では、国と都道府県と市町村はあくまで対等な関係と法的に位置づけられております。したがいまして、今後の文科省の対応次第でありますが、場合によっては法的手段ということも含めて対応を検討していく必要もあろうかと思っています。文科省が行政として本来あるべき良識あるご判断を下していただけば、必要はないのですけれども、教育行政に責任を持っている立場からすると、最悪の事態にも備える必要があるということでございます。

 先ほどの議案資料の3ページの記の1のところで不退転の決意を持ってというのは、精神論ではございません。法的に正当な結論を出すべき話でしょうということです。

 繰り返しますけれども、大阪市も当事者でございます。大阪府と一致結束して府と市の方針を貫いていくということ、生徒と保護者に公平公正な入試、公平な内申点を保障するそういう意味の闘いなのです。そういう闘いにおいて撤退するとか後退するということはあり得ない。とことん我々の正当な方針を堅持していく。堅持していくに当たっては、国の対処によっては最悪の事態にも備えなきゃいけないと考えているところでございます。

 長くなりましたけれども、私のほうから議案資料及びそれにまつわる我々が覚悟すべき今の状況というものについてつけ加えさせていただきました。

 

質疑の概要は以下のとおりである。

【林委員】  今回の件について、私としても全面的に支持しようと思っております。この件を初めて新聞報道で見たときに、やはり当事者である大阪府内、市内の受験生が非常に不安に思っただろうなということをぜひわかっていただきたいと思います。

 そもそも有識者の方々が心配されていることは何だろうと考えたときに、過去の受験戦争、私たちが学生だったころに非常に学力至上主義のようなことになり、詰め込み教育になり、過度な競争が起こり、それこそ自殺してしまうような学生があらわれるということが、私が学生のころに確かにありましたけれども、そういう過去の経験を踏まえて私たちはやはり学んできたのではないかと思いますし、そういうことがまた再来すると思うこと自体が何か情けないことのように私は感じます。

 学力とは何だ、教育とは何だというところで、確かに豊かな人生を送るために確かな学力をつけて教育をするというのが公教育の1つの大きな目的だとは思いますが、そこを追求していくのであれば、入試をそういう学力で振り分けて与えられる教育環境が全く違うようなことにするのではなく、どこの高校に上がっても同じ教育環境を与えられるようにすれば、それでいいのではないかと思うのです。しかし、現実は学力によって行ける高校が決まっており、与えられる教育環境は全く違う。先に開ける人生も、極端な話をすれば、どこの高校に行くかで変わってしまうという現状があるのであれば、やはり公教育であっても、小学校、中学校教育の間に生徒、保護者が望む教育を与えられるように教育を担保することが必要であると常々思ってきました。

 入試制度に関しましては一番大切なことは、公平公正であることが一番優先されると私自身は思っています。やはりそこを主眼に置いた制度設計を府と協議しながらつくってきたということで今回のことになっていますけれども、できればこのまま認めていただいて、続けていってほしいというのが私の意見であります。

【高尾委員】  やはりすごく短絡的にお考えになっているのではないかというのが1つの私の見方です。つまり短絡的というのは、あたかもこの学力調査が入試にかわるものだと。100%学力調査の結果が反映されていて、それによって決まる、そこに集中させていって、論議を決しようという危うさを非常に感じます。今の高校入試のやり方がほんとうに子どもたちを公正にちゃんと扱っているのだろうか、フェアプレーで審判を下してやっているのだろうか、将来のこの子どもたちの未来をしっかりと考えてやっているのだろうかという、そこに問題意識があったのだろうと思います。それをまず優先することが必要だと思います。いろんな問題点が明らかになって、ほんとうに同じ物差しではかっているとはとても言えないという議論が出てきたと思うのですね。

 例えば実際のクラスにおいて、すごく内気で口下手なお子さんが、質問をかけられてもなかなか答えられない、そういうお子さんでも、中にはすごいものを持っている人もいるかもしれない。それから、長く力を蓄積していく人もいるでしょうし、そうじゃなくて一気に集中型で勉強していって力をつけていくという、いろんなやり方、いろんな子どもさんがそこにはたくさんいるだろうと思うのですね。そういう方々の努力や能力というのをしっかりと見きわめていくことが求められるのに、実際には非常に大きな矛盾があったのだと思うのですよね。これまで行われてきた入試というのはこれだけ不合理で不公平でいいのと。

 それはまた地域的な問題、学校だけの問題というのもあったかもしれません。よく言われますようにすごく優秀な子ばかりのところで内申点がすごく悪いと。でも、この子、市全体で見たらそんなことはないよと。中以上にも行くような子なんだよという地域性の問題もある。これが先ほど言った個々人の問題ともまた違う視点からの問題像、もっと多角的に客観的に判断できる基準というのはないのだろうかということをいろいろ探したわけですね。その中で随分と議論を重ねていって、幾重にも積み重ねられてフォローしたシステムになっていると思うんですね。

 具体的に言えば、まず学校の先生がどういうふうにごらんになっていたのか。この見方、学校の先生の判断というのも大事ですね。それから、市内で全体を見回したときにどうだろうか。この学校にたまたまいるということですごくハンディを受けているんじゃないかとかいうことはないだろうか。

次に、大阪府下全体を見回したときにどうだろうか。これも客観的に見られるのだろうか。また、1年生のときの評価と2年のときの評価と3年のときの評価、さまざまなレベルで適正にそれが反映されているのだろうか。そういうことを考えて構築されているわけですね。決して学力調査が全てでもないのです。むしろいろんなところで補正をかけていって多面的に客観的にやっていくと。全体的な評価というのを私はめざされているのだろうと思います。

 学力調査が全てだと言っているわけではないのです。さまざまなものを積み重ね、学校の先生の評価からずっと積み重ねていって、そして、そういうものを提示して、何遍も客観的な問題意識といって提示していく。それから、一方でそれを受ける学校の姿勢、高等学校としてはどういう生徒さんを望んでおられるのか。その高校がどういう子どもさんを持っているかというその高校に向いたものも含めて、そこで総合的に判断していただくということです。その意味ではまさにワンポイントイシュー的な判断ではなくて、非常に積み重ねられた、その子の将来に対する期待がかかっているものに対して応えられるようなシステムになっているのだと思うのですね。

 決して一発勝負ではないのです。ずっと、1年生のときの評価をどういうふうにやっていく、2年生のときの評価はどうだ、3年生のときの評価はどうなっているのか、しかも、それがある意味主観的な、現場で見られた密接な先生の見方も入れるし、あるいは大阪市全体としてのレベルとしてはどうだろうかと補正をかけてみて、あるいは大阪府全体の中で見るとどうだろうか、不公平というのが、不公正というのがないのだろうかと、そういうことをきちんと考えられてやっているわけです。

 私、強調したいのは、この学力調査が入試とイコールですよということを決して申し上げているわけではありません。それは1つの手段として使われている。しかも、その目的は、かけがえのない子どもたちの将来を担保するために、きちんと評価するためにある。決してこれは競争をあおるとかそういう性格のものでは全くないと私は思っています。その辺をやはり踏まえながらやらないといけないのかと思います。

【西村委員】  今、全国でやっている絶対評価というのは客観的でない、主観的であるということで、先生や子どもたちに与えているストレスというのはものすごいものがあると思います。いろんな子どもたちの道徳観にも、思考にも、文科省が進めている絶対評価の方式に原因があると思うのですね。ですから、その部分を補正するために何か客観性を持たせる基準はないかということで、文科省の進めている方式に対してある程度調整できるような方式を提示するものだと思うのです。ですから、そういう意味でいえば、子どもたちも、父兄も、それから行政、ほかの都道府県も文科省もこれを歓迎すべきものだと思う。決して今までの方式を完全に否定するものではなくて、問題となっていた部分をある程度修正するものです。

 それから、全国学力調査というのは、毎年莫大な予算をかけているわけです。それだけの予算をかけていながら、それをほとんど有効に活用してないというのは、国民の税金を使ってお金を捨てているようなものだと思います。

 これは学力テストの最も有効な活用法の1つに入ると思うのですね。同じ府内でも独自に学力調査をやれば別ですけど、独自にやれば、またそこに多額の予算がかかるわけです。同じものを重複してやってお金をかけるよりは、1つの調査があったら、それをいろんな面で活用していくことができるのであれば、その学力調査の意味も出てくるし、それを進めてきた主体である国としても、これは歓迎すべきことじゃないかと思うのですね。

 にもかかわらず、専門家会議という会議の委員が否定的な見解を示したというのは、ちょっとよくわからない。それは一体何の専門家なのかと、そこら辺をはっきりさせていただきたい。専門家会議という名前はついているのですが、どう考えてもこの専門家というような人は思いつかないですね。委員長の言ったように、ある意味公開討論会みたいなのを開いて、国民や保護者にどちらが生徒やあるいは先生、保護者の立場に立った方策なのかということを判断してもらいたいですね。

【大森委員長】  今の西村委員のお話で、要するに大阪がやろうとしている、あるいはやりつつあることというのは、国にとっても本来は感謝してもらってもしかるべきことだということだと思います。私も全く同感でありまして、46都道府県でやったことは残念ながら相対評価よりも悪くなっている。本来の絶対評価というのは、学校内での順位、位置によって成績が決まるという相対評価の最大の問題点を是正できるのが絶対評価のよさであるわけで、そのためには学校を超えた共通の物差しが必要なわけです。それを大阪府、そして大阪市は実現するということで一致してやっているわけで、言ってみれば本物、真の絶対評価ということを4月の広報資料以来強調しているところでございます。本来、他の都道府県に責任があるというよりは文科省に責任があるわけですが、絶対評価なるものがかぎ括弧つきのいわゆる絶対評価でしかないというところを、大阪において真の本物の絶対評価を実現するということをやろうとしているわけで、そのこと自体、国においても評価、感謝してもらってもおかしくない話であります。

それから、西村委員からお話があった2点目ですが、まさに同感であります。全国学テの活用というのは、抽象的には何かPDCAサイクルを回すとか、そういう美辞麗句は聞こえてくるのですが、現実に具体的に各自治体でどういう活用をしているのかという話が国レベルから聞こえてこないですね。

 何か事務局のほうで具体的にこんなにたくさん活用されているという話、聞かれていますか。別に入試じゃなくて、PDCA云々で具体的に何か聞かれていますか。

【大継次長】  私どもでは、情報収集の力不足なのかもわかりませんが、具体の話は十分に伺っておりません。

【大森委員長】  情報収集能力の力不足じゃないと思いますよ。メディアの皆さんもたくさんいらっしゃって、全国目を見張っている中で、全然見えてこない、聞こえてないわけですから、結局、現時点では文科省のお題目にすぎないのですね。教育・学習を改善していくと。そのためのPDCAを回すと。そのための貴重なデータになるという、その考え方自体に全く異を挟むものではございませんけれども、それを現実的にいろいろ実現していかなきゃいけない。予算は相当な額であると思いますが、それをやって具体的にどう改善されているかということ、まさか文科省が活用すればそれだけでいいというお考えではないでしょうから、これは各自治体で、あるいは各学校で具体的に十二分に活用すべきものでございまして、そのためにそういう多額の税金が使われているわけでございますから、内申点に活用するというのも、このテスト事業にとっては有効な活用の1つであります。それに対して趣旨逸脱と、専門家会議から出された意見となるものを報道されていますが、何一つとして具体的な実害があるとは聞いたことがないですね。趣旨逸脱という、その一点張りで、テスト準備教育に中学校教育が堕落するのではないかと。そんなことを言うのだったら、高校入試をやめたらどうですかね。高校入試の学力検査があればみんなテスト準備しております。この学力調査結果で全てが決まるわけじゃない。いかにも大仰な話で、それはいわゆる入試、つまり学力検査自体のほうがよっぽどそのテスト準備教育にするという意味ではそうですよ。

学力をつけるというのはどういうことかと考えた場合に、テストとか試験を悪者扱いして、それでいいという話じゃない。だから、入試、学力検査というのは、限られた入学定員にそれを超える応募者があれば選抜せざるを得ないという当たり前のことですけど、それはできるだけ公平公正にやるべきである。これまた当たり前のことをやっているわけです。その一部にこの全国学テの結果も活用するというのにすぎないのに、何か点数主義とか言って大げさな話にされているので驚いているのです。

 もう1つ、事前協議が行われて競争になると。既になっているじゃないですか。どことは言いませんけども、相当力を入れて事前準備なさっている自治体もあると聞いていますし、それによって結果も結構左右されるんじゃないかといううわさも流れていますし、大阪府がこういう有効な公平公正な入試のための真っ当な活用をやらなくても、事前準備をやっている自治体とか事前準備をやっている中学校や小学校なんて幾らでもあるわけですね。今ごろそんなものが一切なくて、大阪だけが問題であるかのような信じがたい指摘を受ける。点数主義になるとか事前準備が行われると。

 しかも、それを言うのなら、大阪府が4月に委員会会議で正式決定する前に事前に相談しているわけですから、そもそも趣旨逸脱でだめだというのならそのとき言う話ですよ。もちろんそのときに言ったら、はい、わかりましたと府教委がなるということではないですけどもね。国の見解が今ごろになって、しかも専門家会議のご意見を待ちたいと。専門家会議をやってみたら反対が多数意見であったからって、行政に責任を負わない有識者に判断を行政機関が丸投げするのですか。それはほんとうに信じがたいですね。しかも3カ月もたってから。

 混乱は、もう既に生じていますよ。大阪府内、そしてこの大阪市内においても、子どもたちや保護者は不安にさらされていますよ。入試がもてあそばれているんです。もてあそぶ事態を招いたのは誰か、どこかと言ったら、それは大阪府でもなければ大阪市でもないわけです。国は一刻も早くもてあそび状態をやめていただきたいと思います。

【帯野委員】  この問題については、私が就任以前から皆さんで努力を積み重ねてこられたことでありますし、そのことについては特に今さら意見を言うようなものではないと思いますが、わからないのは、突然今になって文科省のほうからそういう通達というか、文科大臣みずからもメッセージを出されたというところで、おそらく4月の府教委の決定を受けて文科省は有識者会議を立ち上げたのではないかと思うのですが、そうすると、4月の時点で文科省が何を危惧したのか、過度な競争をあおるとか、テスト主義になるとか、ほんとうにそれが真実であるのかどうかというところを見きわめたいと思います。今の文科省においては学力向上ということが1つの方向性となっていますので、過度な競争をあおるという1点で急遽有識者会議なるものを立ち上げて大臣みずからもメッセージを発するという結果になったのか。報道で見る限りなかなか真実が見えないので、整理して情報を得たいということです。

 それから、府教委が文科省に報告に行ったとき、有識者会議の様子は、報道あるいは一部事務局から断片的に聞くだけですので、できれば府教委のほうからきちんと教えてもらいたいなと思います。それらの情報を整理した上で、一体なぜ急遽こういう結論に至ったのかというところを考えてみる必要があるのかなと思います。

 それから、文科省のほうから大阪市もその当事者と受けとめてもらえるのか、おそらく国に出しても、「当事者は大阪府教委である」という答えが返って来るのではないかということが危惧されますので、できるだけ我々の目的が達成できるようなより合理的な手段を見出すために、もうちょっと情報があればと思っております。

【大森委員長】  最後の点、それはそういうふうに言いたがると思いますが、大阪市は厳然たる当事者の1つです。もっと正確に言えばほかの市町村教委もそうですが。

 それからあと、専門家会議というのは今回立ち上げたのではなく、ずっと前からあるのですよ。問題は、国のほうでどういう経緯だったのかということが、少なくとも納得のいく経緯の説明はないということなので、事務局のほうで把握されている限り、国と府教委との間の4月前後から今日に至る経緯の概要を口頭で説明いただけますか。

【大継次長】  国と大阪府とのやりとりですけども、府教委のほうも継続的に国のほうから連絡等があったのではなく、今回の4月についてもこういう会議が開かれますのでということが国から府教委にあって、急遽出席したという形ですので、大阪府が言ったことについてはご報告等を口頭でいただいておりますけども、その中身がどういう経過で出されてきたかということについては、再度府教委に確認をするべきだと思いますし、再度しっかりとした形で連絡をとって確認をさせていただけたらなと思っております。

【大森委員長】  3つあって、府教委の方針決定の前の事前説明の際にはだめという話は一切なかったというのが1点目。学テ実施に際しては、問題が起きないかどうかを実施後報告する指示しかなかったというのが、2点目。実施した結果、府教委として検証したところ特に問題が起きなかったと検証して、その検証結果を文科省のほうに報告したことが3点目です。

【大継次長】  今おっしゃっていただいたように、事前説明から、また実施に当たって、またその経過について、その折々に府教委のほうに文科省のほうから報告を求められたということで、その経過を含めて確認をさせていただいて、今のポイントで事務局のほうでまとめさせていただきたいと思っております。

【大森委員長】  大事なのは、こうやって口頭でしょう。それで、事務局の皆さんと府教委のほうとの間のやりとりも口頭。こういう重大な事態に至っている以上は、国と府教委とのやりとりをきちんと府教委のほうで文書化していただいて、その文書というのは別に隠すべきものでも何でもないので、市教委のほうにも提供していただいて、今後国との対応に当たっていくということが必要だろうと思うのですけどね。

【帯野委員】  委員長がおっしゃった大阪市教委が当事者であるということは認識していますし、特に最多の中学校、中学生を抱えているという点で第一の当事者であるということは分かっているつもりです。

【大森委員長】  ありがとうございます。府教委が最大の当事者というのは、それは明らかなことだと思います。つまり、学テを内申点に活用する方式というのは、これは府教委が責任を持って設計された方式でありますし、その方式を決定できるのも府教委である。ただ、文科省が専門家会議なるものの意見を受けて今ごろになって禁止する云々ということによって影響を受ける当事者という意味では、府教委と同じぐらい大きな影響を受けると言っても過言でない。直接の当事者である中学生、中学校を抱えているという意味では、ある意味では府教委以上に深刻な影響、不安、そういうものを、はっきり言えば実害を受ける立場に大阪市はあるということも真実だと思っております。

 今の時点では私どもも紳士的に要望という形でやっていきたいと思うし、その紳士的な意見交換、議論の場を持っていきたいと思うのですが、実施要領に禁止を書き込むということもご検討であるそうですので、そうなれば、法的手段の検討も含めて、大阪府と大阪市の間でぜひ具体的な協議をして備えていかなきゃいけないと思っているのですね。

 これは今年のこの4月に既に実施した学テの活用の話じゃないわけですね。来年の4月の学テです。そこに向けて実施要綱に禁止を書き込まれるということは、どういうことですかね。府教委が学テを活用するということの今の統一基準の方針を堅持した場合に、大阪府は学テに参加させないということですかね。それは法的に許されることなのかどうか、そういったことも含めて、きちんと検討して、法的な争いになるという最悪の事態にならないように、文科省のほうにはぜひ良識のあるご判断をいただきたいと思います。良識あるご判断いただくためには、そういう法的な検討の詰めも片方でしておかなければならないと思うので、府との間で協議もしながら、府の教育委員と市の教育委員も参加するような協議の場というのを持っていくということが必要かなと。そうすれば、この間伝聞でしか聞いてない経緯もちゃんと府側からお聞きすることができると思います。

 とにかく文科省の良識に期待したいのは、全国学テというのは、本市の学校別の結果の公表の際も、実施要綱から逸脱だか何だかと言われた記憶しておりますが、その翌年度から文科省ご自身が実施要綱を改訂されて、オーケーにされたわけですから、今般の問題もよく考えていただいて、実施要綱を改正して禁止するんじゃなくて、こういう活用法は西村委員が発言されたようにほんとうに有効活用の1つで、むしろありがたい、評価するというぐらいの方針転換をしていただきたいなと思います。今のところそういう風は全然見えてこない、聞こえてこないので、具体的に事務局同士でまず法的にはどうだということを詰めていただく。そして、その報告を受けて、府教委の教育長、教育委員、そして、こちら側の教育委員、事務局も含めて意見交換もやっていくべきだろうなと思っています。それは別に府と市で合意すればやっていけるし、当然府のほうは一緒にやっていきましょうということでなると思いますのでね。

 残念ながら文科省への要望書のほうは、向こうからその気がなければ何の音沙汰もないということは十分あり得る話ですけどね。ただ、専門家会議なるものを非公開で行われて、それを錦の御旗みたいに文科省が判断を丸投げされている。納得いかないというか、疑問点だらけということをこの要望書において文科省の少なくともお役人さんは読むでしょうから、これは伝えると。ただ、ご懸念のように、意見交換会をやってくださるかどうかは向こうの対応次第なのでね。ただ、いかなる展開になっても、つまり最悪の状況にも備えた準備、協議というものを府と市で進めていきたいなと思います。

【大継次長】  今、委員の先生方からいただきましたご意見をもとに、まずは4月前後からこの間にわたるいろんな事実につきまして、府市の間でも事実はそこに書いてありますけれども、府教委のほうと文科省でどのような話があったか、文科省の中でなぜこういう動きになっておったのかということについて、その経過、事実をまず把握する努力をさせていただきたいと思いますし、委員長のほうからありましたいろんな状況を想定してどのように対処をしていくかの準備も実務的に進めさせていただいて、委員の皆さんにご説明させていただき、その後も府市のほうで委員同士での協議というものが必要であれば、またその場を持たせていただきたいと思いますので、その点を含めて、きょうの議論をもう一度府教委のほうときちっと時間を置かずにご報告をさせていただきたいと思っています。

【大森委員長】  それから、もう1点、ちょっと私のほうとして強調したいのは、相変わらず新聞やテレビを見ていると、国民の皆さん、あるいはメディアの視聴者、読者の方々は勘違いされていると思うのですね。文科省が命令して、教育委員会、府であれ市であれ、それは言うとおり従わなきゃいけないという上下関係でこの行政が行われているという、素朴な国民感覚としては相変わらずそうだと思うのですね。また、それを前提にしてとしか読めないような報道がずっとこの間続いているわけですけども、それは精神論、建前論じゃなくて、法律的な事実として間違っているわけです。文科省がこうしなさいと言って、はい、そのとおりにしますとしなきゃいけないという関係にはなっていないわけでして、法律上、地方自治法のもとで国、都道府県、市町村というのはあくまで対等な関係と。残念ながら争いがあった場合には、その手続というものも最後は訴訟も含めてあるわけでございまして、報道ベースでいけば実施要綱で禁止するという可能性も含めて8月中に何か方針をお示しになったら、あたかもそれで決定と国民、読者、視聴者が誤解されるような報道がずっと続いていると思うのですけど、それは根本的に法的に間違っている。ぜひメディアの皆さん、記者の皆様にもお願いしたいのは、法律上はそういう上下関係にはないということで、大阪府側のほうではそれで決まるわけじゃないとかおっしゃっているのは、そういう意味なのだと。

 国、文科省と協議するのはこの4月に行われた全国学テの活用じゃないですよ。来年4月の学テをちゃんとやらせてもらって、それを活用させてもらうというのが協議の目的なのですよ。そこを文科省の側は勘違いされては困るなと。政府がそうおっしゃればもうそれで決まると、誤解されては困る。大阪府や大阪市が、わかりましたと言わない限りは、それで決定にはならないということですね。

 この要望書というのは我々大阪側がまずは紳士的に対応するということで理解いただければと思います。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

(5)大森委員長より閉会を宣告。

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