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平成28年第5回教育委員会会議

2022年9月1日

ページ番号:363520

平成28年第5回教育委員会会議

日時

平成28年2月25日 火曜日 午後1時30分~午後5時30分

場所

大阪市役所本庁舎屋上会議室

出席者

大森不二雄  委員長

林  園美  委員長職務代理者

高尾 元久  委員

西村 和雄  委員

帯野久美子  委員

 

山本 晋次  教育長

寳田 啓行  教育次長

大継 章嘉  教育次長

沼守 誠也  教育監

小川 芳和  総務部長

多田 勝哉  教育改革推進担当部長

三木 信夫  学校配置計画担当部長

井上 省三  教務部長

松本 勝己  生涯学習部長

加藤 博之  指導部長

岡田 和子  学力向上支援担当部長

島田 保彦  インクルーシブ教育推進室長

源  俊司  学校経営管理センター所長

林田 国彦  教育センター所長

松田 淳至  高等学校教育担当課長

塩見 暢朗  指導部総括指導主事

綾野 宏一  指導部主任指導主事

粟屋千惠子  こども青少年局幼稚園施策担当部長

吉田 政幸  こども青少年局幼稚園運営担当課長

田村 綾子  こども青少年局幼稚園運営担当課長代理

田村 美加  こども青少年局保育企画課担当係長

高橋 年治  初等教育担当課長

井平 伸二  初等教育担当課長代理

石垣 康幸  指導部担当係長

飯田 明子  学事課長

堀川 隆史  学事課長代理

草川 正宏  学事課担当係長

森本 保彦  事務管理担当課長

萩谷 博司  学校経営管理センター担当係長

黒野 大輔  学校保健担当課長

宇野新之祐  学校保健担当課長代理

曽我部しのぶ 教務部担当係長

益成  誠  教職員給与・厚生担当課長

中野 泰裕  教職員給与・厚生担当課長代理

川田 光洋  教務部担当係長

山野 敏和  教職員人事担当課長

藤島  健  教務部担当係長

川阪  明  総務課長

松浦  令  総務課長代理

東川 英俊  総務課担当係長

ほか係員2名

議題

議案第29号  大阪市立学校の授業料等及び幼稚園の使用料に関する条例施行規則の一部を改正する規則案

議案第30号  大阪市立学校協議会運営規則の一部を改正する規則案

議案第31号  大阪市特別支援学校学則を廃止する規則案

議案第32号  大阪市児童生徒就学援助規則の一部を改正する規則案

議案第33号  大阪市立郊外小学校及び中学校規則を廃止する規則案

議案第34号  大阪市立郊外小学校及び中学校の寮舎使用料に関する条例施行規則を廃止する規則案

議案第35号  大阪市学校給食の実施に関する規則の一部を改正する規則案

議案第36号  教育委員会所管の学校の教育職員等の扶養手当の支給に関する規則の一部を改正する規則案

議案第37号  教育委員会所管の学校の教育職員等の住居手当の支給に関する規則の一部を改正する規則案

議案第38号  教育委員会所管の学校の教育職員等の通勤手当の支給に関する規則の一部を改正する規則案

議案第39号  教育委員会所管の学校の教育職員等の地域手当の支給に関する規則の一部を改正する規則案

議案第40号  教育委員会所管の学校の教育職員等の宿日直手当の支給に関する規則の一部を改正する規則案

議案第41号  教育委員会所管の学校の教育職員等の給料等の支給方法に関する規則の一部を改正する規則案

議案第42号  教育委員会所管の学校の教育職員等の災害派遣手当の支給に関する規則の一部を改正する規則案

議案第43号  平成29年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テストの実施要項案について

報告第2号  平成29年度大阪市立高等学校入学者選抜方針について

報告第3号  桜宮高等学校損害賠償請求事件判決にかかる報告について

 

なお議案第43号については、会議規則第6条第1項第5号に該当することにより、採決の結果、委員全員異議なく非公開として審議することを決定した。

議事要旨

報告第3号「桜宮高等学校損害賠償請求事件判決に係る報告について」を上程。

小川総務部長からの説明要旨は次のとおりである。

桜宮高等学校損害賠償請求事件について、判決が言い渡されましたことから、その内容について報告するものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【大森委員長】  まず冒頭に、今回の判決を受けて、私ども教育委員会といたしましては、ご遺族の方々に心からのお悔やみを改めて申し上げたいと思います。また、私ども教育委員会としては、これまで体罰・暴力行為を許さない学校づくりということでさまざまな取り組みを行ってきたところでありますが、まさに今後ともこれを決して風化させることなく、取り組みを強化していくことが、私ども教育委員会、教育行政の最大の使命であろうというふうに考えています。

 今般の訴訟、判決の内容及びそれに対する市長のご決断、控訴しないということにつきましては、ただいま詳細に事務局のほうから説明があったとおりでございますが、この点も含めて、ご質問、ご意見はいかがでしょうか。

 それでは、私が最初といいますか、引き続き発言させていただきますが、教育委員会事務局のほうに、市民の方々などから既に多数のお電話が来ている状況だと伺っておりますけれども、やはり素朴な市民感情といたしましては、今般の訴訟において、大阪市が法廷の場においてそのような主張をしていたのかというふうなお叱りといいましょうか、そういう内容のお電話が多かったと簡単に口頭の報告を受けているところでございますけれども、やはり損害賠償請求につきましては、一般的に自治体、大阪市も含めて自治体というのは、損害賠償を支払う場合には、突き詰めれば税でもって支払うということからしますと、法的に主張すべきは主張しなきゃいけないという一般的、原則的な立場があるわけでございます。並びに、損害賠償についての額というのは、そういった法廷の場で双方からのさまざまな主張を経た後に裁判所のほうで額も含めたご判断が下されるという、これが損害賠償請求事件についての原則的、一般的なことでありますので、どうしても法的な観点からの主張すべき点を主張するということと、事案発生後の本市の教育行政としての対応、例えば外部監察チームに依頼して真相究明していただいて、かつ何が問題であったかという指摘、勧告としていただいて、それに基づいて、ともかく許されない行為であったということ、その1人のたっとい命が失われた重大な事案であったということ、この基本的な考え方に基づいて、その後の対応というものを、桜宮高校の改革、並びに、高校に限らず中学校ですとか市立のあらゆる学校を対象に、生活指導の面ですとか、あるいは運動部活動ですとか、そういった面も含めて、体罰・暴力行為を許さない学校づくりに取り組んできたという、ご遺族の方々の思いをきちんと受けとめて行政としてできることを対応してきたという側面と、どうしても法廷において、やはり法的に主張できる点は主張しなきゃいけないという、こういった非常に悲しむべき事案についても行政として対応せざるを得ないということがあったんだと思います。

 個人的な意見ではありますが、ほんとうに今般は、控訴しないという市長のご決断は、僭越ながらご英断であったんじゃないかというふうに私自身は受けとめているところでございます。

【林委員】  委員長も申されましたけれども、今回のこの判決を受けまして、真摯にその結果を受けとめるとともに、ご遺族の方にはほんとうにお悔やみを申し上げたいと思います。また、ご遺族の方の体罰を根絶していってほしいという強い願いを実現化していくのが私たち教育委員会、私自身の責務でもあると思っておりますので、今までも努力はしてまいりましたけれども、今後もそのように尽くしていきたいと思っております。

 この体罰、虐待行為を根絶するには、やはりかなり強いアプローチが必要なんだろうと思います。世間一般でも、虐待を受けた子どもは親になったら虐待をまたする確立が高いというような、虐待のサイクルがあるというふうに認知されてきておりますけれども、同じようなことがやはりこのスポーツ教育、スポーツの世界で行われているというふうに感じております。

 今までのスポーツ指導の歴史、経緯からしますと、やはり今までの指導方法等を負の連鎖として、きちんと、この事件を教訓として断ち切り、新しいスポーツ科学に基づき、我々もこの事件を受けて、力に頼る指導ではなく、プレイヤーズファーストの精神でスポーツ教育を行っていくというふうに方針転換をいたしましたけれども、今後もそこを念頭に置いて、生徒一番ということで、生徒の力を伸ばしていくためのアプローチを指導者はしていくというふうに切りかえて、そのための必要な研修等も行っていくということで進めていくべきだろうと思っております。

 また、高校だけではなくて、このことはスポーツにかかわる中学生、小学生、公教育、大阪市の子どもたち全てにその精神をおろしていくというか、根づかせていく努力を今後も進めていくべきであろうと思っております。

【高尾委員】  17歳の青年の死ということで、当時、私自身、体験者としておりました。やはり、改めまして、心からおわびとお悔やみを申し上げたいと思います。さらに、遺族の方には、全く根拠のない誹謗中傷、誤解、そういうようなものがあって、二重三重の苦しみを与えたということに対して、やはり深く反省しなければならない。判決がその点を一切否定しておりますけれども、そのことも刻んでいかなければならないと思っております。

 大事なのは、この17歳の青年がこの世に生きていたということ、そして死んだということ、それを忘れてはいけないということだと思います。当事者意識を欠く場合には、忘れたいと思う事象はすぐ忘れてしまうものですけれども、そういうことが私自身にとってあってはならないというふうに思っております。そのために、これは報告ですので、お願いということにとどめておきたいのですが、いくつか項目がございます。

 1つは、判決の徹底的な分析をしていただいて、その内容について、部活動に携わる関係する人に読んでいただくということが大事だろうと思います。もちろん、このままでは、文章はいわゆる法律語で書かれておりますので、非常に理解がしにくい。それをわかりやすくやはりお伝えすることが大事なんだろうと思います。

 また、予見可能性というところで展開されている説明をじっくりと検討していただきたいと思いますし、相当因果関係というところを判断した部分について、じっくりとお読みいただいて、説明いただけたらなというふうに思います。

 それから、この判決文の中で損害論がございます。私は、素人考えですけれども、これはやはり損害相殺はすべきではなかったなというふうに思っております。通常の人であれば、あれだけの行為、言動を受ければ、当然に死を選ぶだろうなというところが、私はあると思います。

こうしたことからも、繰り返しになりますが、1つのお願いは、ぜひ判決をかみ砕いて、よくわかるように携わる人たちにお届けいただきたいのが1点です。

 それから、やはり部活動に対する客観的なチェックシステム、これを確立しなければいけないんだと思います。その部分についてはかなり着手されておりますので、それを確実にするということです。

 まず1つは、世間。一生懸命や熱心な指導をしてもらえる。部活動は全国でも優秀な成績を上げている。そういうことがもたらす、それだけでは非常に危険だということを、改めてやはり認識しなければならないと思います。

 それから、判決が二、三、言及しておりますのは、体罰・暴力行為に関する指針ということでございます。これについても、おそらく裁判所は有効性、有用性というのを評価して、きちんと引用しているんだというふうに思います。これをやはり今後とも徹底していくことが必要だと思います。

 それから、やはり保護者の方に対するご理解も深めていかなきゃならない。判決は、保護者から嘆願書が出されていて、熱心な指導者である、あるいは懲戒免職をやめてほしいという旨が述べられたと言っておりますけれども、これを一蹴しております。そういうことを踏まえながら、やはりきちんと説明をしていくことが必要だと思います。

 それから、次の大きな点に移りたいと思うのですが、やはり先ほど委員長から指摘がありました、大阪市の対応についての判決の指摘は非常に驚きました。また残念でもありました。これには、先ほどご説明がありましたように、事案が賠償という形にしろ、公金の支出であるということ。それから民事訴訟であるということ。特に、民事訴訟においては、当事者主義というふうな原則の立場からこう言わざるを得なかったところが確かにあろうかと思います。

 ただし、私は、法的な対応だから、民事訴訟だからということでこういうふうなのがよかったのかどうか、もう1回反省するときに来ているんじゃないかと思います。特に、公、大阪市の行政裁量について判断をされるべきところですし、当事者としての大阪市というのは、より真実の側に立つべきであろうというふうに思っております。具体的に言えば、当初の認否をする段階で、否認という形ではなくて、また認めるという形でもなくても、不知という、知らずという範疇があるはずなんです。そちらを述べるということも、あるいはできたのではないかというふうに思っております。

 それから、あと、これはご確認だけを頂戴したいのですが、判決文において、転科、科目を変わるということ、それを妨げていたことが要因になっている、つまり、スポーツの専攻をしていて、それから追い詰められたら普通科にも変われるということが可能であったらこれを防げたのではないかということを暗に言っております。実際のところ、形式的にはそういうのはあったかもしれないけれども、事実上それはできなかったんだということが判決文から伺われます。こうした転科制度は現在どうなっているかということ。

 それから、もう1つ、スポーツ推薦ということですけれども、現在もスポーツ推薦の制度が残っていると思いますけれども、これも私は教師の裁量とかいう形ではなくて、やはり公にして、その水準を示して、適格者を客観的な基準で選んで推薦するというのが正しいのだろうと思います。

 この2点について、ご確認をいただけたらと思います。

【大継次長】  転科についてのいただいた件でございますけれど、この間、桜宮高校につきましては、新たな学科を設立し、そして人間尊重、プレイヤーズファーストの精神で科学的な学問として追及していくと、そういう視点に立ってカリキュラム改革が進んできたところでございます。

 ご指摘がございました転科をしていくということについては、現在のところ十分な把握はまだできておりませんが、子どもの、生徒の意向を最大限尊重できるようなシステムにしていくべきと思っておりますので、もし仮に、現在の実態把握をいたしましてそれが十分でなければ、さらに改善を加えていきたいと思っているところでございます。

 また、スポーツ推薦、大学への推薦ということでございますけれど、これまでもこういう制度があるということは我々も知っておるところでございますけれど、進路指導や部活動については管理職がきっちり把握をして、そして責任を持った対応を行っているということが大事でございますので、この推薦の内容についても、現在の状況についてこれからまた詳細に把握をしてまいりたいと思いますが、やはり管理職がしっかりと判断し把握した上で行うということが重要であると考えておりますので、もし十分でない点がございましたら、このあたりも徹底をしてまいりたいと考えている次第でございます。

【西村委員】  まず、亡くなられた生徒さんのご冥福と、残されたご遺族に心からお悔やみを申し上げます。

 教育委員会としては、2度とこのような体罰や暴力をなくすように、安全で開かれた学校づくりの取り組みを今後もより一層続けたいと思います。

【大森委員長】   それで、1つは、訴訟については市長、首長の権限でございまして、要するに、我々、狭い意味の教育委員会、つまり5教育委員が集まって物事を決める合議制の教育委員会のほうの権限ではないということでありますが、他方で、教育委員会事務局の皆さんは市長部局と同等の市長の補助機関という立場で訴訟については対応するということになっているわけですけれども、やはりそんな主張を大阪市はしていたのかというふうな市民等の方々の声というのは十分理解できるところである一方で、現在の自治体を対象にした損害賠償請求という裁判制度の仕組みを前提に考えた場合に、法的に主張すべきはせざるを得ないという面があるという趣旨のことを冒頭のほうで発言させていただいたかと思いますが、だからしょうがないと個人的には思っていませんで、個人的意見を申し上げますと、これは何とかならないのかと。

 これは制度の話ですから、何とかなるとすれば、法律、国の立法措置によってしか多分ならないと思うのですけれども、自治体を対象にする損害賠償請求事件全体ということではなくて、学校事故、あるいは学校に関係する事件、そういったものについてはちょっと根本的に制度を見直すべきじゃないかと思っております。と申しますのは、やはり今回の判決が出た本市の桜宮高校の事件、それから近いところでは大津市のいじめによる自殺の事件がございましたし、実は過去を振り返るとたくさんの学校関係の事件、事故、そういったもので、同じような悲しい対応が繰り返されているわけでして、悲しい対応といいますか、過去を振り返って見ても、大阪市、大津市だけじゃなくて、子ども同士のいじめとか暴力とかいうこと、あるいは教師による今般のような暴力ということ、さまざまありますけれども、一貫して多くの事件について共通して見られる事件発生後のこととして、学校、教育委員会、あるいは訴訟ということで言えば首長も含めた自治体、この自治体がどうしても、少なくとも結果として、被害者側に寄り添うのではなくて、加害者側と同に近いような立場に立って被害者側に対峙するような格好になってしまっているということが1つあると思います。

 このことは、高尾委員からも若干言及がありましたが、自治体以外、学校とか教育委員会とか自治体以外の反応としても、これは私、個人としては確信しているのであえて発言しますが、教育委員会の見解ではないのですけれども、多くの事件後に非常に残念な社会の一面ではあるんですが、地域の方々の中で比較的大きな声になってくるのが、実はあまり被害者側に寄り添う立場ではなくて、少なくとも表面上を見ると加害者側をかばうとか、あるいは被害者側に対する誹謗中傷ともみなせるようなさまざまな声というのが、根拠のないうわさも含めて流れてきていると。結果として、地域社会において非常にいたたまれないような立場に、亡くなられた場合にはご遺族、被害者側の方々がそういう2次被害、3次被害的なものを受けておられるというのが、もう何回も繰り返されているんですね。これはほんとうに何とかできないのかなということはあります。

 さまざまな要因があると思いますが、その1つ、あくまで1つの要因に過ぎないかもしれませんが、この学校関係事故においても、一般の損害賠償請求事件と同様に、公金、税の投入によって損害賠償を支払う以上は、そういう立場から法的に争うべき、あるいは主張すべきはさまざまな主張を展開せざるを得ないというかこういう立場に自治体が置かれてしまっていると。

 損害賠償請求事件一般から切り離して、学校関係事故については、高尾委員がおっしゃったようにもうちょっと自治体というものが真摯に、少なくとも加害者側に近いような立場に結果として立たなくて済むような、やはり素朴な市民の感情というのは、やはり真実に近い部分があると思いますので。

 やはりそういう特別な立法措置、制度設計というものがあってしかるべきかなというふうに、個人的な見解ではありますが、つらいほどそのように思っているわけなんですけれども、今般の訴訟、市側としては控訴しないということで、判決、これで確定いただけばいいかなと個人的には思っておりますけれども、常日ごろそういうふうに思っているものですから、ほんとうにこの今回の桜宮高校の亡くなられた生徒さん、そしてご遺族、それに数え切れないぐらいの同様あるいは類似の過去の学校事故、学校事件の被害者の方々、この方々のことを考えると、やはり何らかの法的な、立法上の対応というのが必要じゃないかなと私個人は強く思うところがございます。

 これは自治体でどうにかなる話じゃありませんので、今個人的見解として申し上げているに過ぎませんので、仮にこれが個人的見解ではなくて自治体として何かやるとしても、やれることといったら国に対する要望ぐらいしか多分ないと思うのですけれども、これは教育委員の間でも議論していかなきゃいけない。あと、もちろん訴訟にかかわることですので、大阪市として何か意見を言うとか要望するとかということになれば、市長ご自身はどういうお考え方かということを、現時点では私を含めて確認している者は多分いないと思いますが、訴訟制度、損害賠償請求事件、学校にかかわる事件、事故に係るものについては、強く個人的意見としてはございます。

 それから、あと、ほかの委員の方々からございました検証。体罰・暴力行為の検証につきましては、これまでも指針の徹底ですとか、あるいは教職員に対する懲戒処分の基準の見直しですとか、そして桜宮高校の改革の取り組みですとか、さまざま取り組んでまいりました。大事なのは、これによって、もちろん体罰・暴力行為が減少すると。これはもう少なくとも減少しているのではないかというデータは得られているわけで、以前よりはさまざまなものについて報告が上がるようになってきているのは間違いないと思いますので、さまざま上がってくるようになった上で報告数そのものが減っているという状況がありますので、科学的証拠とまでは言いませんが、一定の効果は見られるかなと。

 あとは、実際に部活動あるいは生活指導においての指導のあり方として、教師、先生方の指導の実態とそれに伴う意識、それから部活動に取り組んだりする生徒さん方の意識を含む実態、そしてその保護者の方々の意識を含む実態、こういったものをやはりきちんと把握しなきゃいけないんだろうなと。次の段階の検証ということにおいては、体罰・暴力行為の数が減っていく、報告がちゃんと上がった上で数が減っていく、そういう成果が仮にあるんじゃないかとは思っていますが、認められるとしても、加えてやはりそれが本物になるためには、そういった先生方のみならず保護者の方々を含めた大阪市の学校を取り巻く意識を含んだ実態というものが、この事件を教訓として、きちんと改まったという状況に持っていくのが目的といいますか、目指すべき方向性だと思いますので、そのためには意識を含めた実態把握をきちんとしなきゃいけないと考えておりまして、非公式の打ち合わせ会において我々委員と事務局との間で議論したところで、基本的にそういう実態把握を、まず次の検証のためにやっていきましょうということを確認したところであります。

 ですから、これまでも検証は行っていますが、次の段階の検証としては、やはりそういうより根本のところの意識を含めた実態の把握に立った検証というもの、そして、さらにそれを経た後に、さらに打つべき対策がまたあるかもしれないと、こういうことになろうかと思います。

 あと質問ですけど、補助参加人という立場の元顧問教諭。この方が控訴するということは可能なのでしょうか。

【松浦代理】  可能です。

【大森委員長】  その場合、大阪市としてはどういう対応になっていくのでしょうか。次の控訴審においてということですか。

【松浦代理】  基本的には訴訟が継続するということになります。

【大森委員長】  市民の皆様からお電話等でお叱りを受けているような主張を続けるということではないですよね。

【松浦代理】  最終的には市長とまたご相談申し上げることにはなると思いますけれども、新たに主張を何か追加していくということは考えにくいと思っております。

【大森委員長】  判決の出たこの1審において主張したことを、また繰り返し主張していくことになるわけですか。

【松浦代理】  そこの対応の仕方も、弁護士と市長とを含めて検討することになるかと思います。

【大森委員長】   今の事務局からの回答というのは、ある意味、訴訟への自治体としての対応としては優等生的な答弁だろうと思うのですが、おそらく素朴な市民感情からすれば、とてもじゃないけど納得できないという方も数多くいらっしゃるだろうと思うんですね。だからこそ、やっぱり学校事故、学校事件については何か制度があってしかるべきじゃないかと。

 これは、大阪市、大津市に始まったことではなくて、もう数十年くらい、私の記憶にあるだけでも同じようなことが行われてきている。自治体、教育委員会、学校が、少なくとも結果として加害者側と同様の立場、近い立場に立っているような感じになっている。そして、そのことが大きな要因とは言えませんが、それも一因となって、あるいは助長して、非常に残念な社会のあり方ではありますが、必ずしも保護者の方々、あるいは地域の方々が、被害者側に寄り添うような立場になっていないと。これは個々人というよりは全体としての傾向としてということになりますけど。過去の事件、事故後の状況を見ても、そういうことは繰り返されていますので、少なくとも行政としては、自治体としては違う、これまで何十年繰り返されてきた対応とは違う対応が何とかできるようにならないのかなというような、これも、私自身の意見というのもある意味素朴な感情論ということで退けられるのかもしれませんが、今の時点ではなかなかそういう意見というのは捨てられないなと思っています。

 そのことと、やはりそれから今後の実態把握の上に立った検証ということ。この場で私が言っただけじゃなくて取り組んでいくということを、事務局の責任ある方から、事務局の側の決意の表明もどなたかからお願いしたいと思います。

【大継次長】  この事案をやはり風化させずに、きっちりと今後とも取り組んでいくという強い決意を持って我々も取り組んでまいりたいと思っております。そのためにも、どのようにこの事案が意識化されていっているのかと、またそういうことについてしっかりと把握をして、今後の検証、さらには新たな施策につなげていきたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げます。

 

議案第29号「大阪市立学校の授業料等及び幼稚園の使用料に関する条例施行規則の一部を改正する規則案」を上程。

こども青少年局粟屋幼稚園施策担当部長からの説明要旨は次のとおりである。

 子ども・子育て支援新制度の一時預かり事業(幼稚園型)に係る幼稚園使用料の未納者に対する措置を規定するため規則の一部を改正するものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【林委員】  これにつきましては、以前議論させていただいたときにちょっとわかりにくいと、保護者、市民にとってわかりにくいということでお願いした部分だと思います。わかりやすい形で整備していただいて、ありがとうございます。これでいいと思います。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第30号「大阪市立学校協議会運営規則の一部を改正する規則案」を上程。

島田インクルーシブ教育推進室長からの説明要旨は次のとおりである。

 地方公務員法の改正に伴い、規定整備を行うため、規則の一部改正を行うものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【帯野委員】  この学校協議会というのは、各学校における協議会ということですか。

【島田室長】  そうでございます。

【帯野委員】  文言整理ということで、評定が評価になるということは理解できるのですが、もう少しわかるように教えていただけますか。

【石垣係長】  この号につきましては、学校協議会の協議を行うに当たり、会議で採決を行うものを規定しているところでございます。その中で、当該学校に勤務する教員のこれまでの評定の結果とその分布の割合について、開示請求することを採決によって決めていただくと、そういう規定でございます。評定の結果の分布というのを、この地方公務員法の改正に合わせまして評価という文言に変えるということでございます。

【帯野委員】  そもそも協議会で、これは審議する事項ということに定められているわけですか。

【石垣係長】  審議といいますか、学校の教員の評価の結果、その分布の割合を協議会で開示請求をしていただくと。そういうことが協議会の所掌事務としてできるということです。

【山本教育長】  中身は変わらずに、法律上、勤務評定の結果の分布というところを、法律において勤務評定から人事評価に変わりました。そこで、この評定を評価に改正することになります。

【帯野委員】 学校協議会においてどういうことが協議されているのか。大阪市の、これは小中高ですね。こういう教員の勤務評価というのが、大阪市の場合は協議会が取り扱われているということなのでしょうか。

【大森委員長】  評定でも評価でもその分布を学校協議会が請求するのはなぜかというと、学校運営について協議会として何か協議して意見を校長等に言う場合に、その基本データとして、教職員の評価の分布はどうなっているのかというのを、学校協議会委員は知りたいという協議会が出てきてもおかしくないのですね。

 実例はどうでしょうか。

【井平代理】  実際のところは、各協議会でこの情報についてどれぐらい扱われているかというのは、事務局でつかんでおりません。

【大森委員長】  関連して、各学校の評定の結果の開示請求は、一般市民の方でも情報公開請求として可能なのですか。

【松浦代理】  公開を請求することは可能です。ただ、学校側でそういう表をつくっているかつくっていないかによると思います。表をつくっていれば、おそらくそこには個人情報等は入っていないので開示することになると思います。

【大森委員長】  分布なんてすぐつくることができますが、つくって出してくれという開示請求はどうですか。

【松浦代理】  つくって出してくれというのは、公開請求では多分できないです。

 こちら側が情報提供としてそれはしてもいいだろうということであれば、つくって出すということは可能です。ただ、公開請求という手続に厳密に則ると、存在する公文書、これを開示するかしないかというのが公文書公開請求ですので、ないものを新たにつくるというのは公文書公開請求制度とはちょっと違うことになってしまいます。

【大森委員長】  公文書はね。だけど、何かわざわざデータをつくってさしあげたみたいなことがあるじゃないですか。

【松浦代理】  それは可能です。我々として、それがつくって出そうということになれば可能です。

【寳田次長】  公文書公開の制度から申し上げると、公開と非公開と文書不存在という、そういう回答の仕方がこの制度上ありましたね。

 存在しないものは、制度上不存在ということになります。

【大森委員長】  保有している情報じゃなくて、文書でしたか。

【山本教育長】  情報公開制度というのが一般的な総称でして、その中で我々がとっている制度は公文書公開です。

【寳田次長】  それは、別に委員長ご指摘の、行政として、あるいは学校として、市民、区民あるいは保護者の皆様に対して説明責任を果たすという、当然の行政の責務はございます。それは、既に存在している公文書の開示の制度とは別に、いわゆる説明責任を果たしていかなければなりません。

【大森委員長】  ほかの自治体もそうでしたか。情報があれば、文書としてはないから不存在となるのでしたか。

【三木部長】  昔は大阪市、公文書公開条例といいまして公文書のみが対象だったのですけれども、2000年代に入りまして、国のほうで情報公開法が施行されまして、それに基づいて地方公共団体も公文書公開条例から情報公開条例に変えました。しかし、その中に2つ制度がありまして、情報公開には、1つは存在する公文書、決裁文書とかそういった公文書の公開請求というのがあります。これは先ほどからありますように、公開、非公開、それから不存在決定。これは行政処分としてしますので、不存在であってもそれが、異議申し立てや訴訟が提起できます。

もう一方が情報提供制度ということで、これは行政が保有する情報について積極的に市民に提供するということで、これについては、いわゆる処分というのはございませんので、義務ではありません。ですから、それは行政の政策判断として、提供できる情報は提供するけども、情報を加工して文書を作成してまで提供する義務はないと、そういうことでございます。

【大森委員長】  一般の方々の、あるいは市民の権利としてもないということですか。

【三木部長】  それは、行政の責務としての情報提供の責務という形です。公文書公開のほうは、公文書公開請求権という国民の請求権として存在します。

【大森委員長】  権利はないのですよね。要するに、文書としては存在しない場合に、でも情報としてはあるんだから、それを整理して紙にして、ないしは電子データにして提供してくれという、市民としてのそういう権利はないのですね。

【三木部長】  ございません。

【大森委員長】  わかりました。ちょっと正しいかどうかわからないのですが、全般として、一般論としては、国のほうが自治体よりおくれていますよね。

【三木部長】  そうでございます。情報公開は、まず自治体のほうが福島県の金山町でしたかが最初で、大阪市も最初のころにやっております。国がおくれて、2000年代になってから情報公開法を制定したということでございます。

【大森委員長】  この学校協議会の開示の請求というのは、これは文書不存在と学校長が答えるべき話ではなく、表を作っていなければ表を作って開示するということですね。

【帯野委員】  この趣旨もよくわかりますし、この原案どおりで結構だと思うのですが、前後の説明をいただいたほうがいいと思います。そうでないと、聞いている方が全然わからない、議事録を読んだ方もわからないと思うので、全体の説明を加えていただけたらよいかなという、そんな趣旨でお尋ねいたしました。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第31号「大阪市立特別支援学校学則を廃止する規則案」を上程。

三木学校配置計画担当部長からの説明要旨は次のとおりである。

 特別支援学校の大阪府への移管に伴い、学則を廃止するものである。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第32号「大阪市児童生徒就学援助規則の一部を改正する規則案」を上程。

源学校経営管理センター所長からの説明要旨は次のとおりである。

 特別支援学校の大阪府への移管に伴い、関係する規定を整備する必要があるため、規定の一部を改正するものである。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第33号「大阪市立郊外小学校及び中学校規則を廃止する規則案」及び第34号「大阪市立郊外小学校及び中学校の寮舎使用料に関する条例施行規則を廃止する規則案」を一括して上程。

三木学校配置計画担当部長からの説明要旨は次のとおりである。

 柏原市内にある大阪市立長谷川小学校及び長谷川中学校に設置している寮舎について、児童養護施設の所管であるこども青少年局が運営することになり、同日付で寮舎を廃止することに伴い、関係する規則を廃止するものである。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【大森委員長】   施設の位置づけが変わるだけであって子どもたちへの影響はないという説明でしたが、施設の位置づけが変わると、何かしらそこでのサービスや指導といったものが変わってくるのが普通かと思う。学校教育法に基づく学校から児童福祉法に基づく児童養護施設へと位置づけが変わると、何かしら変わるということは本当にないのでしょうか。

【三木部長】  現在も教育施設としての小中学校と、その寄宿舎としての寮舎がありまして、寮舎が児童養護施設としての認可を受けております。ですから、所管局が教育委員会からこども青少年局に変わるだけで、子どもたちには影響はありません。1つ大きな変更点としましては、現在は教育機関である小中学校の付属施設という位置づけですので、中学校卒業の15歳で退所しなければならないという制約がございます。そのため、現在は中学校卒業と同時に次の措置先を探さなければなりませんが、4月からこども青少年局所管の児童養護施設となりますと、学校教育法上の制約がなくなりますので、18歳まで入所することができます。したがいまして、高校を卒業する18歳まで、引き続き施設で生活ができるようになるということで、子どものためにはメリットが大きいと考えております。

【大森委員長】  学校の付属施設という位置づけと同時に、児童養護施設の位置づけもあったわけでしょう。後者の位置づけを優先して18歳まで受け入れることは、法的に不可能だったということですか。

【三木部長】  あくまで基本は15歳まで在籍可能な小中学校として、校長が施設長を兼務して児童福祉法上の児童養護施設としての運営もしていたということです。しかしながら、社会的養護を担当するこども青少年局で所管することが望ましいことから、位置づけを変えることとしたということでございます。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第35号「大阪市学校給食の実施に関する規則の一部を改正する規則案」を上程。

井上教務部長からの説明要旨は次のとおりである。

 特別支援学校の大阪府への移管、長谷川小中学校における寮舎のこども青少年局への移管に伴い、関係する規則の一部を改正するものである。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

 議案第36号「大阪市立郊外小学校及び中学校規則を廃止する規則案」から第42号「教育委員会所管の学校の教育職員等の災害派遣手当の支給に関する規則の一部を改正する規則案」を一括して上程。

井上教務部長からの説明要旨は次のとおりである。

 寄宿舎指導員の廃止に伴い、関係する規則の一部改正を行うものである。

 採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

報告第2号「平成29年度大阪市立高等学校入学者選抜方針」を上程。

三木学校配置計画担当部長からの説明要旨は次のとおりである。

 大阪市立高等学校の入学者選抜については、大阪府と協調し、府の方針に準拠した形で実施しているところ、大阪府教育委員会において、去る2月19日に平成29年度大阪府公立高等学校入学者選抜方針が公表されたことから、本市においても同日に公表すべく、教育長専決規則第2条第1項に基づき、教育長による急施専決処分を行った。ついては、同規則第2条第2項に基づき報告し、その承認を求めるものである。

 なお、昨年度からの主な変更点については、学力検査英語において、外部機関が認証した英語力判定テストのスコア等を活用する旨の項目を新たに加えたこと、選抜方法における調査書評定について文言の追加を行ったこと等である。

 

質疑の概要は次のとおりである。

【帯野委員】  特に現段階の質問ではないのですが、具体にどれぐらいの適用者がいたかというのを後に教えていただけたらと思います。

【三木部長】  29年度の実施が終わった段階で取りまとめて報告させていただきます。

【大森委員長】  外部試験の認証に基づき、学力検査の点数をある意味保証するということですよね。本市の統一テストでもって調査書の評定を保証することについて、保証をされた生徒が授業を真面目に受けなくなってしまうという批判が一部から寄せられましたが、この外部試験の活用については、そういう議論はあったのでしょうか。

【三木部長】  特にそれはお伺いしておりません。この換算表等については、英語教育の専門家や学校関係者の意見を交えて、さまざまな比較検討の結果、府教委のほうで作成したということを伺っております。

【大森委員長】  学力検査はこれで保証されますけど、仮にTOEFL iBT60点から120点や英検準1級を取っていても、つまり学力検査としては100%が保証されていたとしても、その生徒の英語の調査書評定には5段階評価の3がつくということは理論上あり得るわけですね。

【三木部長】  理論上はあり得ますが、こういう外部検定の水準は非常に高く、高校卒業あるいは大学生レベルであると思われます。その方々については、ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4項目について相当の能力を有しておるということでございますので、それについてはきちっと保証するという配慮があるものと思います。

【大森委員長】  調査書の評定で3をつけてもいいんですね。

【三木部長】  それは学校長の判断でできると思います。

【大森委員長】   制度上は今そうなっているということは理解した上での質問ですけど、この結果、それぞれの読みかえ率で保証された生徒が、調査書の評定ではどういう分布になっているのか、市教委から府教委に情報提供の依頼はできますかね。

要するに、何か選抜の公平性を担保することが悪であるかのような理屈が理解できないのですね。

 これも本質的には同じ問題だと思うので、ほんとうに実力がある者に、学力検査であれ調査書評定であれ、保証するのは当然のことだと思うのですね。それが恣意的な判断、評価によっていかようにもなるということはおかしいのでね。やはり、日頃の頑張りを評価するというのとは別に、明らかに実力があるという者については、きちんとそれは別の評価でもって保証をするというのは全く真っ当な考え方なのでね。

 だから、大阪市及び大阪府がこの間取り組んできた調査書評定に関する改革は、極めて真っ当な考え方であり、この問題も実は同じ問題だということで再度訴えたかったので、発言させていただいた次第です。

【帯野委員】  もし大阪府に聞いていただけるのなら、どういう条件でこういう基準が設けられたのかというのをちょっと知りたいところですね。

 この間、英語の学力検査問題をちらっと見ましたけれど、かなり易しいなという感じがいたしましたので、それに比して準1級とか2級とか、なぜこういう基準ができたのか。何かそれを決定するためのプロセスがあったと思いますので、そこもちょっと参考までに教えていただけたらと思います。

【三木部長】  わかりました。その点と、読みかえ率100%にした根拠等につきましても、あわせてお聞きしたいと思います。

【大森委員長】  

 準1級だと、高校受験の時点での英語力としてはどうですか。帯野委員。相当高度ではないですか。

【帯野委員】  相当高度というか、どうしてこの基準を選ばれたのかという。おそらく該当者がいないだろうというような高い基準をなぜ選ばれたのでしょうか。

【大森委員長】  議案資料の3ページの一番上の行に、高等学校を設置する教育委員会の決定を踏まえ、府教育委員会で別に定める場合は、以下「府教育委員会が別に定める」という、とありますね。これは、つまり、我々大阪市教育委員会が、大阪市立高等学校については実質的に決めることができるという意味ですよね。

【三木部長】  おっしゃるとおりでございます。この点につきましては、昨年4月15日に大阪府のほうに正式に照会いたしまして、大阪府教育委員会の教育長から文書回答をいただいておりまして、入学者選抜に係る大阪市の決定権ということで、選抜の実施に係る決定に関して、その権限と責任は高等学校の設置者である大阪市教育委員会にあるということで間違いございません。

【大森委員長】  あと、ここに「以下『府教育委員会が別に定める』という。」と、以下とありますので、ここの部分だけじゃなくて、例えば調査書評定の比率のところはどこでしたか。

【三木部長】  3ページの下から3行目とか、ウとかイとかのあたりですね。調査書の評定の合計とか、あるいは実際の当日の学力検査と調査書評定の割合、それについては府教育委員会が別に定める倍率を乗じるということが書いています。この「府教育委員会が別に定める」という文言は、3ページの一番上の行に略称規定がございまして、ここの意味は、高校を設置する教育委員会の決定を踏まえて府教委が定めるということでございますので、実質的には高校設置市が定めることができるということを明記したものでございます。

【大森委員長】  要するに、学力検査と調査書評定の比率の7対3とか、その逆の3対7について、府教育委員会が別に定める倍率といっているけど、実質的にこれは大阪市立高等学校については大阪市教育委員会が定めると。そういう理解で府教委とも確認がとれているということですよね。

【三木部長】  確認済みでございます。

【大森委員長】   だからといって、独自の権限を振りかざして、違うやり方をやることを自己目的化してやるつもりはもちろん毛頭なくて、大阪府下の公立高等学校の入学者選抜において望ましいやり方というのが、府教委のやり方にそろえるのがいい部分についてはそろえればいいので、どうしても納得いかない部分は、この権限に基づいて大阪市教委が権限を行使すればいいんだと思います。

【林委員】  今年度から選抜制度が前年度と比べて大きく変わって、前期、後期試験が廃止されて1本化されたということで、先日、大阪市立高校の専門課程と、あと昼夜単位制の倍率のデータを送っていただきましたが、前年度と比べて何か特段変化があったとか、特徴があったとかがありましたら教えていただけますか。

【塩見総括】 いわゆる実技を伴う学科と面接で意欲をはかる学科について、今年度から「特別選抜」ということで実施しました。

 志願の状況ですが、工芸高校が、昨年に比べ少し受験生が多かったという状況です。定員割れにつきましては、昼夜間の中央高校のビジネス科において生じておりますが、いわゆるセーフティーネットの意味合いのある学校でございますので、倍率を超えたり超えなかったりというのは、毎年ではございませんが起きておりますので、そこに大きな変化があったということではないと思っております。

【林委員】  ありがとうございます。あと、また今後「一般選抜」があると思いますけれども、また結果等お知らせしていただけたらありがたいと思います。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

 

議案第43号「平成29年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テストの実施要綱案について」を上程。

井上教務部長からの説明要旨は次のとおりである。

平成29年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用テストの実施案について、次の点により昨年度の実施案から変更を行う。

1点目として、教員に求められる学力を備えた人材を確保するため、筆答テストをより重視した判定方法に変更する。2点目として、今後の特別支援教育を担う専門性を有する人材を採用するため、第2次選考の審査方法を見直すとともに、免許状保有者への加点制度を導入する。3点目として、受験者の経験、実践力、専門性をより多面的に評価するため、面接テストを第1次選考と第2次選考でそれぞれ異なる観点により実施する。

質疑の概要は次のとおりである。

【西村委員】  基準点というときに、筆答テストの基準点があって、かつ合計点の、全部あわせたものの基準点というのもあるわけですか。

【山野課長】  いえ、違います。筆答は筆答、面接は面接、実技は実技で、それぞれごとに基準点がございます。

【大森委員長】 第2次選考の判定方法の変更に伴い、教職経験者特例を廃止し、かわりに選考区分に教諭経験者対象選考を追加するという内容を改めて説明してください。

【山野課長】  今の教諭経験者特例というのは、第1次選考と第2次選考の面接だけで判定されるというもので、第1次の筆答と、第2次の筆答、実技が免除になります。したがって、今回の改正で第2次選考におきまして、基準点がありますけれども、中学校以上でしたら筆答、実技の点数だけで、小学校におきましても、面接で上位2割の人を先にとるなどの方法で決定してまいりますので、一般選考の特例というのでは今までどおり実施できないようになります。

このため、教諭経験者を対象にする選考は、一般選考から選考区分を独立させて、教諭経験者対象選考という形で、今までどおり第2次選考の面接だけで決める形を維持するようにしたところでございます。

【大森委員長】  教諭経験者特例を今までどおり維持したほうがいいかどうかを確認する必要がありますね。この特例を設けるというのは、どのような目的でしたか。

【山野課長】  きちんと教諭として勤務の経験がある人を確保したいという意図でございます。

【高尾委員】  実質的にどのような変更になるのですか。

【山野課長】  今までどおりにするために、こういうふうに区分を新たに設けるということになります。

【西村委員】  1次選考は受けるのですか。

【山野課長】  面接は受けます。筆答は受けません。

【大森委員長】  そうしたら、今般の改革に沿わないじゃないですか。 

 だって、現に教えていたのでしょう。教えている中身を筆記試験で答えられないような先生というのはまずいのではないですか。

【西村委員】  講師はどういうことになっているのですか。

【山野課長】  講師につきましては、1次の筆答は免除されますけれども、面接を受けた上で、2次は全ての試験を受験することになります。

【大森委員長】  講師特例のほうは、1次は面接だけじゃなくて、社会人経験者と同じように思考力・判断力を測る問題を受けさせたらどうですか。

【西村委員】  そのほうがいいと思いますが。

【山野課長】  ただ、講師特例というのは、大阪市立学校園現職講師特例と、他都市も含めた講師等経験者特例と2つあります。

【大森委員長】  両者は、実際の選考においてはどのような差異があるのですか。

【山野課長】  選考においては、1次は筆答が免除で、2次は全てのテストを受けるということは同じですが、大阪市立学校園現職講師特例は校長が評価して、1次の面接の点数にその分を加味するところが違います。

【大森委員長】  今度のこの案では、講師については、2次において、他都市だろうが本市だろうが、同じように筆記重視の選抜を受けるわけですね。他方で、教諭については、今までと同様に1次と2次で、それぞれ面接のみとなっているのですね。

【林委員】  教諭経験者特例をどうするかというところですけど、即戦力として期待している部分がまず1点あるという部分で、合格者の20名をどう考えるかなんだと思うのですね。この特例を廃止すると、多分20名が10名になったり5名になったりする可能性が非常に高いですよね。それが許容できる範囲なのかどうなのか。

 以前は、私が聞いた話の中ですけど、大阪市の教員になるというのは非常に人気があって、大阪府外から、府外で一度採用になった方が大阪市に移りたいというケースが結構あったように聞いています。

 もし、そういうことも踏まえてこの特例が現状の形になったのであれば、そこを今後どう考えるのかというところだと思うのですが。

【山野課長】  例えば他都市の教諭で、大阪市に来たい場合でも、人事交流はなかなか成立しないので、結局は教諭経験者特例を使って受け直すということになります。

【大森委員長】  教諭の優遇に反対しているわけではなく、選考方法が今回の筆記重視という改革の方向性とそぐわないと思うのですよ。教諭については、1次を免除として2次から受験してはどうかと。ただ、2次においては学力も見ますよというのはどうでしょうか。それで、講師については、社会人経験者と同じように、思考力・判断力を測る問題だけ受けさせて、面接もやらないで2次に進んでもらったらどうでしょうか。教諭より若干ハードルは高いけど、講師経験者ということで新卒者よりは優遇されていると。

【山野課長】  それですと、多面的な評価を1次と2次の面接それぞれでやろうという部分がなくなってしまいます。

【林委員】  講師も、大阪市の講師と他都市の講師で違うという部分ですよね。そこで、筆答に関しては、社会人経験者特例と同じでいいのではないですか。社会人も働きながら教師になるために勉強をしてこのテストを受けるので、同じ条件で、思考力・判断力を測る問題も受けてという形でそろえるということはどうでしょうか。

【山野課長】  他都市の講師の方は社会人と同じというような考え方はあろうかと思うんですけれども、大阪市の現職講師をいかに誘引するかという話と、現に校長が一定期間見た中で行った評価を加味するのかという話を考え合わせますと、例えば1次の筆答は免除するとともに、1次の面接の中できちんと校長の評価も加味したやり方もあろうかと思います。他都市の講師は社会人と同じ筆答を行い、面接も経て、2次に進む。本市の現職講師は筆答を免除して、面接の中に校長の評価も入れて点数を出して、上位のものが2次の選考に移るというやり方が考えられます。

【西村委員】  本市の現職講師も筆答を思考力・判断力を測る問題だけにするというのも、かなり負担を少なくすると思いますけど。

【山野課長】  SPIだけであれ、筆答を受けるというところで大分イメージが違うと思います。他都市の講師特例でしたらば、受験者数でいうと300人超なんですね。一方、大阪市の現職講師特例ですと1,000人ぐらいですから、受験者総数の3分の1がどう動くかというのはものすごく影響が大きいです。

【大森委員長】  とりあえず合意できるところから固めていきたいのですが、いずれの選考区分においても、2次選考の、いわゆる筆記重視のやり方はそれでいいですかね。このことを固めれば、本市の現職講師、他都市の講師経験者、教諭経験者をどう優遇するのかというのは、1次の話になりますね。

【林委員】 今回の案は、今までよりは改善点も多いですし、きちんと学力重視というところで打ち出しているので、一度これでやってみるというのも私はいいのではないかと思うのですけれども。

【山野課長】  ご議論が固まりつつあった教諭経験者特例につきましては、2次は全てのテストを受験するやり方に修正させていただきたいと思います。

【大森委員長】  あと、合意できる事項としては、他都市の講師経験者と社会人経験者は同列にしてというのも合意できますね。その場合は、他都市の講師経験者と社会人経験者は、1次では思考力・判断力を測る問題のみ筆記を受けて、そこで絞り込んだ受験者を面接するということですね。本市の現職講師については、林委員のご意見としては、1次は面接だけでいいのではないかということですね。

【林委員】  はい。

【大森委員長】  だから、本市の現職講師は、結局他都市の教諭経験者と同じになると。今の林委員のご提案でいけば、1次は面接だけ受けて、2次は筆答、実技、面接、フルセットで新卒者と同じ選考にかかるというふうになると。だから、そういう意味で本市の現職講師と他都市教諭は優遇されていると。それより優遇の度合いが低いのが、他都市講師と社会人ということですね。

【林委員】  それでいいと思います。

採決の結果、委員全員異議なく、原案に一部修正のうえ可決。

大森委員長より閉会を宣告。

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