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平成27年第19回教育委員会会議

2022年9月1日

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平成27年第19回教育委員会会議

第19回教育委員会会議

 

1 日時  平成27年8月11日 火曜日 午前9時30分~午後0時10分

 

2 場所  大阪市役所本庁舎 屋上会議室

 

3 出席者

 大森不二雄  委員長

 林  園美  委員長職務代理者

 高尾 元久  委員

 西村 和雄  委員

 帯野久美子  委員

 

 山本 晋次  教育長

 寳田 啓行  教育次長

 大継 章嘉  教育次長

 沼守 誠也  教育監

 小川 芳和  総務部長

 多田 勝哉  教育改革推進担当部長

 三木 信夫  学校配置計画担当部長

 井上 省三  教務部長

 松本 勝己  生涯学習部長

 加藤 博之  指導部長

 岡田 和子  学力向上支援担当部長

 島田 保彦  インクルーシブ教育推進室長

 源  俊司  学校経営管理センター所長

 林田 国彦  教育センター所長

 森本 義範  中学校教育担当課長

 平田 和也  指導部主任指導主事

 西田 清盛  指導部主任指導主事

 松田 淳至  高等学校教育担当課長

 塩見 暢朗  指導部総括指導主事

 岩本 由紀  指導部首席指導主事

 平岡 昌樹  指導部主任指導主事

 小西 基裕  指導部指導主事

 川阪  明  総務課長

 松浦  令  総務課長代理

 東川 英俊  総務課担当係長

 

4 次第

(1)大森委員長より開会を宣告

(2)大森委員長より会議録署名者に西村委員を指名

(3)議題

   議案第157号 平成28年度使用教科用図書の採択について(中学校社会科を除く)

 

(4)議事要旨

【大森委員長】  議案第157号「平成28年度使用教科用図書の採択について」審議を行っていきます。本件につきましては、去る7月21日の教育委員会会議で選定委員会及び選定調査会から答申を受け取りました。これらの答申を参照しながら、先日の8月5日の教育委員会会議における採択に引き続きまして、厳正かつ公正に教科書の採択に向けまして本日の審議も行ってまいりたいと思います。

 義務教育諸学校の教科書採択につきましては、先日も説明がございましたので、本日は割愛することといたします。

 それでは、審議に入る前に、採択の進め方につきまして、再度ご説明申し上げたいと思います。

 教育委員会は、選定委員会及び選定調査会からの答申、全ての発行社の教科書それぞれの特筆すべき点が列記してある一方で推薦順位や優劣が示されていないこれらの答申を参照しつつ、教育委員会みずから調査研究を行い、採択することといたしたところでございます。すなわち、私ども教育委員が実際に教科書を手に取って、選定委員会及び選定調査会の答申を参照し、事務局からの専門的な助言や情報提供を受けながら検討を進める形で調査研究を重ねてまいりました。その上で、8月5日に引き続きまして、本日の会議の審議において、教育委員会の責任と権限のもとで理由を明確にしながら教科書の採択を行ってまいりたいと思います。

 まず、中学校でございますけれども、中学校の教科書は15種目ございますが、本日は、去る5日に採択を終えた社会科以外の種目の教科書の採択を行ってまいります。その後、引き続きまして、中高一貫校であるところの、咲くやこの花中学校で使用する全種目の教科書の採択を行ってまいります。

 それでは、まず、中学校の社会科以外の種目の採択として、最初に国語の採択を行ってまいりたいと思います。委員の皆様からご意見を伺いたいと思います。

【高尾委員】  国語についてですが、私は判断基準に、3年生のところになってどのレベルまで到達するかということ、それから、全国学力調査などで問題点が明らかになったと思うのですけども、論理を積み重ねていくことの大切さ、その辺を基準に判断をいたしました。

 その上で、三省堂ですね。全学年で論理性について読み方を学ぼうというところで詳しく説明をしておるというところ、これは3年だけではなくて、1年生のときから論理的思考力を133ページから「三角ロジック」という説明を加えるなどして非常によくやっておりますし、3年になりますと、対比とか回想とか論理展開、小見出し、人物設定、そういうものをやっているという非常にいいものがあると私は感じました。

 次に、教育出版ですけども、これは作品がいろいろ取り上げられているんですけども、「道標」というのが非常に充実している。森鴎外の「最後の一句」などの作品解説が非常に充実していると思いました。東書などでも同じ題材を使っていますけども、説明がないというところがあります。鷲田清一さんの「遠ざけられた死と生」、窪島誠一郎さんの「無言館の青春」、非常に戦争というものを深くほかの題材よりも考えさせているなと思いました。

 それから、光村図書ですけども、非常に生徒さんに興味を持たせる内容が含まれています。長倉さんの「エルサルバドルの少女へスース」という非常に息の長いルポを掲載しております。それから、特に非常に使用されている映像がきれいです。「高瀬舟」とか「額田王」であるとか、先ほどの「エルサルバドルの少女へスース」もそうですけれども、感性のところからも1つ文学に対する理解を広めるという意味では、この段階ではいいのではないかと思っております。

 それから学校図書ですが、非常に現代性があるといいますか、パブリックスピーキングというものを取り上げたり、それから、英語との発音の対比をしたり、特に「イマジン」の日英対比を国語の教科書の中に取り入れているところがあろうかと思いました。

【帯野委員】  私は学校図書の美しさが印象的でありました。言葉の美しさとともに、全体の教科書の美しさというものも大切なことだと思いますので、非常に印象に残りましたし、また、その構成につきましても、きずな、生命、群像、伝統、そして世界といったようにいい意味で叙情的な感じがいたしました。それから、作品についても、コピーライターとかエッセイストとか現代作家とか、多様な作品が引用されているということで、学校図書が印象に残りました。

 そして、もう1つ、三省堂のほうでありますが、これはレポートのつくり方であるとか、チームの力を引き出す討論ゲームという、自主的に学べるように工夫がされているというところで、三省堂もいい教科書であるとの感想をもちました。

【林委員】  私は、まず、三省堂についてですけれども、今まで2人の委員の発言にもありましたように、1年の最初の導入からまず説明文を取り上げておりまして、物事を論理的に捉えたり考えたりする態度を、3年間を通して育てようとする意欲を感じる教科書と思いました。また、3年生の途中には入試で必要な小論文の書き方を取り上げており、子どもたちにとって有為な教科書ではあるのではないかと感じました。

 また、もう1点の教科書は光村図書でありますが、こちらのほうは最初に国語学習の見通しを一覧表で明確化してありまして、何を学ぶのかが非常によくわかる教科書であるなということと、あと、説明的な文章、文学的な文章がバランスよく記載されているなという印象です。答申にもありますとおり、巻末資料ですね。説明的、文学的な文章を読むためには、文章の読み取りのポイントを簡潔に示していて、自学自習に役立つのではないかと思います。また、さらに答申にありますように、本編の末の詳細な解説はよく整理されているが難解な印象を与えるとありまして、学力の向上という観点では難しいものにチャレンジしていくというのも必要なことではないかとも感じております。

【西村委員】  私も皆さんの言われている、国語の学習では論理的に物事を捉えることと考えることが重要だと思います。説明分、論説文が充実しているという点では、光村図書、三省堂がよいと思います。

【高尾委員】  ちょっとつけ加えたいと思いますが、三省堂について非常にかたい話を私ばかりしていますけれども、非常にやわらかい部分も充実しているんじゃないかと。伝統芸能について1年生は落語、2年生は歌舞伎、3年生は能、狂言を取り上げているという。それから、2年生ですけど、超訳の勧めということで、伊奈かっぺいさんが「枕草子」を語ったらどうなるかという非常に興味深い、大阪弁だったらどうだろうなと思わせるようなこと、それから、短歌で俵万智さんとか穂村弘さんが出てきて、非常に身近な感覚としてできるよさがあるんじゃないかと思っております。

【大森委員長】  国語の教科書につきましては、かなり迷うところではございますが、総合的なバランス、それから、各委員のご発言にたびたび出てきました論理的な力を身につけるというところに特に私としても注目といいますか、重視したいと思っています。

 といいますのは、日本の国語教育においては、情緒的な面での言葉の力といいますか、そういったものについては比較的これまでそれなりの成果が上がっていたんだろうと認識しているんですけれども、ただ、大学生を教えていますけれども、大学生を見ていても論理的に頭の中で物事を整理して、それを言語化して話すとか、あるいは書くとか、そういうことが非常に弱いといいますか、そういうのがきちんとできる学生がそれほどいない、あまり多くないという現実があって、ある意味、変な言い方をすると、世界が日本人だけでできているのならそれでも社会で通用していくのかもしれません。

 ですけど、やはり諸外国の若者に比べて日本人、若者に限らない、我々大人もそうですけど、日本人の弱点は、やはり情緒的なコミュニケーションというのは非常に大切で、それはそれで気配りとかいい面はあると思うんですけれども、反面、その論理的な力というのはやっぱりこの国際社会の中で非常に必要なので、特にお互い気持ちはわかるでしょというわけにはいかない見ず知らずの人、典型的には外国の人と初対面でコミュニケーションがとられるかとか、英語以前の問題として言いたいことがきちんと言ったり書いたりできるかというのは、まず日本語、国語においてそういう力がないと英語云々ではないわけですよね。そういう意味では、論理的なところに特に力を入れて考えたいと思うんですけれども。

 委員の方々の挙げられた各社の教科書、ほかの社も論理を含めていい面はあるんですが、総合的には三省堂かなと。論理の面も含めてですね。という感が諸委員の意見を総括すると私はそう受けとめておりますし、私自身もそう考え、判断、評価しているところでございます。

 ということで、論理面を中心に最も充実しているのは三省堂ではないかと思われますけれども、ほかに委員の皆様から何かつけ加える意見等ございますでしょうか。

 それでは、採択を行いたいと思います。

 ただいまの議論を受けて、国語の教科書の中で、三省堂のものにつきましては論理的な思考力、判断力、表現力を身につけさせるなどの点において最も適切な教科書ではないかと考えまして、三省堂の教科書を採択することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、国語につきましては三省堂を採択することを決定しました。

 引き続きまして、書写の採択を行ってまいりたいと思います。

 同様に委員の皆様からのご意見を伺いたいと思います。

【林委員】  まず、5社の書写の教科書を見せていただきました。基本的な部分はどの社もほぼ同じであろうと感じました。特に特徴的だと思ったのは教育出版の本でありまして、実際の生活における文字とのかかわりにおいて、具体的に、手紙、宅配便、エアメール、願書などの書き方や実社会で文字にかかわった仕事をしている人たちが紹介されるなど、文字についての情報量が多かったように思います。パソコンやスマートフォンの普及でなかなか子どもたち、大人もそうですが、文字を書く機会が少なくなっておりますが、昨今に必要なことが取り上げられているのではないかと感じました。

【帯野委員】  私は国語の教科書と同じように、教育図書が本の美しさという点で印象に残りました。また、中に折り込みで実物大の書き初めも入っておりまして、それも印象に残ったのですが、若干その実用性とか、それから、文化、歴史という点では厚みに欠けるのかなという印象をもちました。

 それに比して、教育出版のほうでありますが、先ほど林委員のご意見にもありましたように、実生活の中で文字を生かすような指導の仕方が可能な、例えば学校生活に生かして書くとか、あるいは包み紙の書き方など、非常に具体的で、そういうところが多様な文字に親しみやすい教科書かなと思いましたし、また、歴史上の人物の残した文字というのもありましたので、こういう点で歴史というものも感じられるすぐれた教科書ではないかと感じました。

【高尾委員】  私も受け取りました答申に、光村図書につきまして、各教材に目標と学習の窓が設けられていて学習内容の焦点化が図られているとございます。確かにこういう意味では目的意識をもって生徒さんに勉強していただくということが言えるのではないかと思います。

 しかし、また、林委員が言われたんですけども、教育出版は実生活を非常に重視しているということは非常に大きいのではないか。我々が将来生きていく上で文字を書く機会、どんなものがあるかというのを非常に紹介しておりますし、書く力の必要性を強調している点で評価できると思います。

【西村委員】  学校図書と、それから東京書籍の手本が実物大もしくはそれに近い大きさで提示されていて、活用しやすいかなと思います。また、書写では伝統的な文字文化に親しむという点では、教育出版が日本建築と書、芸術としての書道など発展的記述が充実しているという特徴があると思います。

【林委員】  今、西村委員が言われた視点から見ますと、同じく教育出版では芥川龍之介や宮沢賢治といった有名な人の自筆メモ、決してうまくはない字ではありますが、自筆メモが紹介されておりまして、手書きだからこその味わいを感じることができるということもあると思いますし、また、ふだん書く機会が少ないと思われる色紙や短冊を書くという提示もされておりまして、この辺も中学生が実際にされるとおもしろいのではないかなと感じております。

【大森委員長】  各委員からのご意見を伺って、実社会において、子どもたち、中学生が生きていくこの社会、現代社会におけるこの文字の活用の実際面ですね。それと、もう1つは、やはり伝統を踏まえた文字、文化としてのこの書写、その両面において各社それぞれ特徴はあることが今のご意見で分かるんですが、その中でも特にその両面において、この教育出版の教科書がいずれにおいても特色をもって優れているという面が、各委員の意見を総合するとそういうことではないかと思います。したがいまして、書写につきましては教育出版が最も適切な教科書ではないかと思われますけれども、何かほかに委員からご意見はございますでしょうか。

 それでは、採択を行います。

 ただいまの議論によりまして、書写については、この伝統面、それから現代の実社会面両面におきまして優れている面があるということで、教育出版を採択するということでご異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、書写につきましては教育出版の教科書を採択いたします。

 引き続きまして、数学の採択を行ってまいりたいと思います。

 各委員からご意見を伺いたいと思います。

【高尾委員】  数学ですが、私が重視したのは小学校からの接続がうまくいっているかどうか。やっぱり1年生でひっかかると、2年、3年でやっぱりつまずくのではないかという観点があります。特に例えば6-(-5)、マイナスの数の引き算なども難しいんじゃないかなと思うんですけど、その辺がうまく書けているかどうか。それからあと、実際に読んでみてわかりにくかったのが、立方体、円錐とか角錐の体積、球体の表面積とか体積というのが非常にわかりにくいところがあるのではないかと思って、実際それを読んでみて自分が納得できるかどうかということを見てみました。

 1つは大日本図書なんですけども、先ほどのマイナスの数の引き算というのに、説明そのものは難しいんですけども、結論をパンとはっきり書いているというところで、あ、こうなんだなと思えば理解は可能かなという印象をもちました。

 それから、立方体などの面積について、これは大体各社そうなんですけども、液体を移しかえる実験をやってみて、化学系の実験をやってみて、3分の1だった、これはこっちは3倍だとかいう議論から体積などを類推させているという形なんですけども、正確には数学的な証明ではないと思うんですよね。どの入れ物でも、どの大きさでもこれが成り立つということを証明してないから。また、現段階で、この段階でそれを厳密に証明するというのもまたこれは難しいことなんですけども、そこの接続の言葉遣いをきちんとなされているかどうか。その点は、大日本図書は実験を示しているんですけれども、その後で、それと関係のない形で、因果関係なしで公式はこうですとやっているという、うまくイメージをつなげているという点が評価できます。だからこうであるという書き方をしないで私は評価できることであったと思いました。

 それから、啓林館の場合ですけども、これもマイナスの数の減算ということで、非常にシンプルで理解が可能なので、機械的に符号を変えて足し算してくださいということをパンと言っているということで、ああ、そうなんだということがわかるのではないかと思います。

 それから、別冊シリーズがあって、この中には防災関係のものがあったりして、避難を統計から考えさせるとか、そういう非常にちょっと高度かもしれませんけども、意欲的な内容が盛られていると思います。

 それから、ひっかかりましたのは、学校図書なんですけども、記述が、まず問題があって、それから例とか問いが続いていて、本文の説明の部分がすごく少ないんじゃないかなと思いました。自分であらかじめ勉強する、あるいは復習するときに分かるかなというちょっと不安をもちました。

【林委員】  今、高尾委員の発言にもありましたように、私もやはり子どもが中学に上がって一番最初に数学でつまずくのは負の数を引くということだと思います。なかなか納得ができず、そのままよくわからないままに数の計算をどんどん解いていくということで、納得感のないままに進んでいく子どもが多いのが以前から気になっておりまして、また、私が説明できるかというと、子どもを納得させるような説明ができてなかったんですが、その点においては大日本図書は非常に丁寧に説明を12ページ、13ページのところでされておりまして、私自身も、あ、こういうふうに言えば納得できるんだと感じた次第です。

 高尾委員も言われていましたが、負の数を引くことだけではなく、子どもがひっかかりやすいようなところが丁寧に記述されておりましてよいのではないかと思った一方で、巻末といいますか、章末にあります練習問題なんですけれども、やはりそこにおいては少しもっと発展的な練習問題とか、レベルの高いものがあってもいいのかなという気がいたしました。

 あと、啓林館につきましては、やはり数学の楽しさや数学的思考を使用する価値について触れていることは非常に評価できると思いますが、やはり納得感のないまま機械的に練習問題に取り組んでいくようになってしまうのではないかと、ちょっと懸念される部分がありますが、練習問題自身はレベルの高いものがあるなと感じました。

 また、東京書籍につきましては、答申にもありますが、3年生で分母の有利化などを取り上げて高等学校につながる内容にも触れられていて、個に応じた学力の伸びに配慮できるようなつくりになっていると思います。子どもたち、最終的に3年生の終わりには入試という関門が待っておりますので、やはりそこに対応できる教科書でないといけないのではないかという一方で、わかりやすい教科書であるという難しいところなんですが、私自身はちょっと悩みながら教科書を見させていただきました。

【西村委員】  基礎から応用までバランスがとれていると思うのは数研出版、東京書籍、日本文教出版ですね。また、これらは章末問題や練習問題と本文の接続に工夫ができていると思います。

【大森委員長】  これまでのところでは、比較的難易度の高いレベルまでの学力向上に配慮されているのではないかと思われるのが東京書籍ですとか、あるいは数研出版ですとかということじゃないかと思います。他方で、先ほどのマイナス、負の数の引き算ですとか、そこら辺でのわかりやすさという面で、ある意味、基礎・基本の定着ということかと思うんですが、大日本図書ですとか、あと、啓林館の名前が挙がっていたかと思いますけども。

【帯野委員】  今、引用されました教科書会社の中で、私は東京書籍が社会とつながるなど、職業や社会にかかわる数字の活用に触れているという点で、キャリア教育の視点から一定の工夫が見られるのではないかなと感じております。

【大森委員長】  一通りご意見を伺っておりますが、つけ加えてのご発言、ご意見があればお願いします。

【高尾委員】  答申について触れていなかったんですが、東京書籍の場合、小学校の復習をきちんとやられているというのが好感をもちました。加法・減法で配慮されている。21ページ、25ページ。それから、基本の問題できちんと確認されているというところは非常に接続はうまくできるのでないか。大阪の子どもさんたち、まだつまずいている方も多い中で非常にいいのではないかと思っております。

 啓林館、ちょっと名前を挙げるのを忘れたんですけども、ナースウオッチが出てくるんですけども、あれはちょっと読み取りが大変かなという印象を私はもちました。

【大森委員長】  委員の皆様のご意見を総合しますと、悩ましいところはあります。わかりやすさというところ、特にかなりの子どもがつまずくというご意見もありました負の数の引き算とか、そこら辺、工夫されているという大日本図書ですとか、あと、啓林館も違う面でわかりやすさということがあるかとは思います。

 他方で、やはり数学の教科書というのは最終的に力をつけなきゃいけないと。それなりの学力に達していく可能性のある子どもも含めて、それぞれの子どもにとって常に1つ上の水準に自分の数学の力を高めていくということからすると、最初の基礎といいますか、ひっかからないようにというのは大切ではあるんですが、基礎から応用まで一貫してバランスよくできている教科書かどうかということや、また、章末問題ですとか練習問題ですとか、そういったものによって力がつくという面もございますので、やはり総合力といいますか、総合的に考えると、私としては、委員の皆様のご意見を総合する形では東京書籍が最も適切と集約できたらいいのかなと思うんですが、いかがでしょうか。何かご意見ございますでしょうか。

 なければ、それでは、採択に進みたいと思います。

 ただいまの議論によりまして、数学の教科書につきましては、基礎から応用までバランスがとれている、また、章末問題、練習問題等が充実していて、本文との関係性にも工夫があるということで、東京書籍を大阪市の中学生にとって最も適切な教科書と判断、評価して採択することにしたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、数学につきましては東京書籍の教科書を採択いたします。

 引き続きまして、理科の採択を行っていきます。

 同様に委員の皆様からご意見を伺いたいと思います。

【高尾委員】  理科についてですけども、私は実験というのを非常に重視しました。学力調査の結果を見ましても、やっぱり実験のところが弱いのではないかというのを記憶いたしておりまして、きちっと実験を組み立てられるようになっているかどうかということが大事だと思いました。

 これを見比べてみますと、ある教科書は、いきなり実験をして、これは何だという問いかけをしているところがあるんです。それがやっぱりちょっとあまりにも乱雑過ぎるのではないかと思いまして。やっぱり基本的にはそれぞれの、例えばCO2とか酸素、O2の判別実験をするんだったら、それで気体ごとにその性質はどんなものだということをきちんと確認させて、その性質を判別するにはどんな実験を組み立てたたらいいのかということを考えさせていって、実際に実験をさせてみて、その結果をきちんと考察させるというプロセスが非常に不可欠なのではないかと思います。それを前半のところをバンとほって、いきなり実験して、実はこれはこんな性質をもっていたねというのが後で出てくるような記述をすると、やっぱりちょっとまずいのではないかと思うんです。

 その点で、私は一番いいなと思ったのは啓林館、順序がきちんとやっぱりしっかりしている。例えば砂糖なんかの判別実験が123ページにあるんですけども、まず議論をさせて、各物質がどういう特徴を示すかということを確認して、その上で実験を組み立てさせていて、一覧表をこしらえさせて、砂糖とか片栗粉とか食塩とか、そういうのをそれぞれを明らかにした上で、その調べる訳の分からない物質Xというのを、この性質はこのうちのどれに似ているかということから割り出させるということもしますし、先ほどのCO2、O2の判別実験でも同様にきちっとした丁寧な論理が組み立てられているという点が挙げられると思います。

【西村委員】  生徒がつまずきやすい力の分野の記述がどれだけ充実しているかという点で、それで、そういう点では啓林館、教育出版、東京書籍がいいと思います。大日本図書は、答申にあるように密度や電気の計算では丁寧に解説されていると思います。

【帯野委員】  私も、先ほど高尾委員が啓林館について触れておられましたけども、啓林館は別冊のマイノートの中にあるサイエンスアプローチ、これを教科書とうまく併用すれば、言語力、それから科学的思考の育成について効果があるのではないかなと感じました。

【大森委員長】  林委員、ご発言いかがでしょう。

【林委員】  まず、東京書籍について申しあげたいと思います。やはり理科は子どもたちが身近にある科学的な事象について興味をもつところからの学習だと思っておりまして、それを原点として教科書がつくられているなという印象を受けました。身近なものを取り上げてまず実験をし、そこから物質の本来の原理原則を理解していく方向に進むというアプローチをしていて、よいかなと思いました。

 あと、東京書籍の特徴は、非常に写真、コラム等が充実しておりまして、情報量が多い教科書であるなと感じております。また、1分野を中心とした計算問題によく子どもたちがつまずくことが見られますけれども、それにも対応して、本文の横に数学の知識、算数の知識を思い出して押さえることができるよう記述に工夫が見られているのがよいと思いました。

 また、あと、啓林館ですけれども、皆さんの発言にもありましたし、帯野委員の発言にもありましたが、教科書とマイノート、この二部構成になっておりまして、やはりこれは授業にも活用できると思いますし、生徒が自学自習をするという点でも活用できるようになっていると思いました。特に本文ですね。読んでわかる本文がきちんとありまして、必要なことのほとんどが視覚で、目で確認できるように構成されており、非常にわかりやすいのではないかと感じました。

【大森委員長】  つけ加えるご発言ありましたらお願いします。

【高尾委員】  もう1点、啓林館について説明しときたいと思いますが、大阪市でも防災・減災教育というのを推進しようとしておりますので、防災・減災に関する記述も非常に詳細です。世界のプレート構造であるとか、地震がもたらす事象、火災とか津波とか、そういうものを総括していますし、堆積物による地震の推定、そういったところも非常に進んでいる、分量も非常に多いということが挙げられると思います。

 それから、部活ラボ、何か水中でできる生け花とか、働く人に聞いてみたなど、非常に多彩な内容をもっているということも魅力ではないかと思います。

【大森委員長】  委員の皆様のご意見を総合しますと、各社の教科書の特色をそれぞれ述べられたかと思いますが、その中でも啓林館と東京書籍につきましては特に委員の評価が高かったと思います。いずれもそれなりに総合力のある教科書、きちんと練習問題等も充実しており、また、自学自習もできるような形ということであるかと思いますけれども、この2社ともですね。やはり特に実験ということについてしっかりとその目的が明確に示されて、きちんと実験に入っていけるということからすると、やや啓林館の教科書がその点で勝るのかなというのが、集約しますとそういうことではないかと思います。

 本市、大阪市におきましては、やはり全国の状況に比べても理科の実験が十分行われていないという課題も全国学力・学習状況調査の学校アンケートにおいても見られましたよね、大継次長、たしか。そういう課題もございますし、ここは総合力がすぐれている2つの教科書のうち、特にそういった意味で実験面がやや勝っているのではないかという啓林館、この教科書を大阪市の中学生のためには採択するのがいいんじゃないかなと私としては集約したいと思います。

 何かこの点につきましてご意見ございますでしょうか。

 そういたしましたら、採択を行いたいと思います。

 今申しあげましたような理由により、理科の教科書につきましては啓林館の刊行したものを採択するということでご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、理科につきましては啓林館の教科書を採択いたします。

 それでは、次に、音楽一般の教科書の採択を行ってまいります。

 委員の皆様からご意見を伺いたいと思います。

【帯野委員】  私は音楽につきましては教育芸術社、こちらが非常にすっきりしていて必要なことが的確に理解できるようになっておりますので、教育芸術社がよいのではないかと考えております。

【西村委員】  私も教育芸術社はさまざまなワークシートが設定されていて、学習内容が定着する工夫がされているんじゃないかと思います。

【林委員】  私も教育芸術社のほうについてコメントしたいと思います。各教材の目標が明確に示されていることと、音楽学習マップが学習の流れをわかりやすく提示しているということで、系統立った学習が期待できるのではないかと思います。また、答申にもありますように、楽曲のつくられた背景や文化、作曲者の思いについて紹介され、音楽をより身近に感じられるように工夫されていると思います。

【高尾委員】  あえて言うならというところなんですけども、教育出版さんの場合、祭りの音楽と芸能というのがありまして、全国の祭りとその音楽を紹介されています。その中に大阪の天神祭、代表的な祭りもあって、子どもたちの興味を引くかなという思いがあります。もう少し踏み込んでほしかったなという感想ももちました。

【大森委員長】  一通り委員の皆様のご意見を伺いました。音楽一般の教科書につきましては、ほぼ委員の皆様のご意見が教育芸術社が最も大阪市の中学生にとって適切ではないかということに集約できるのではないかと思いますが、この点について何かご意見はございますでしょうか。

 それでは、ないようですので、採択に進みたいと思います。

 ただいまの議論によりまして、音楽一般につきましては教育芸術社の教科書を採択することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、音楽一般につきましては教育芸術社の教科書を採択いたします。

 続きまして、音楽器楽の採択を行ってまいりたいと思います。

 同様に委員の皆様からご意見を伺います。

【林委員】  先ほど教育芸術社を採択いたしましたので、器楽のほうも音楽一般の教科書と連携がとれている教育芸術社がよいのではないかと思います。

【西村委員】  私も教育芸術社は写真資料が充実していて、楽器の演奏法などがわかりやすく提示されていると思います。

【高尾委員】  私もやはり教育芸術社だろうと思います。和楽器と西洋楽器がバランスよく取り上げられていて、伝統文化とあわせて他国の文化も系列的に理解できるというふうになっていると思います。

【帯野委員】  私も林委員の意見に同意というか、同じ意見なのですが、やはり音楽一般とのバランスがとれるという意味で教育芸術社がよいのではないかと感じました。

【大森委員長】  委員の皆様のご意見を総合いたしますと、内容面においても、また、それに加えて、先ほど採択した音楽一般の教科書との連携もとれるという副次的な効果もつけ加えまして委員の皆様のご意見を集約いたしますと、教育芸術社の教科書が最も適切ではないかということになろうかと思いますが、何かその点につきましてご意見等ございますでしょうか。

 それでは、採択に進みたいと思います。

 ただいまの議論によりまして、音楽器楽につきましては教育芸術社の教科書を採択することにいたしたいと思いますが、ご異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、音楽器楽については教育芸術社の教科書を採択いたします。

 次いで、美術の採択を行ってまいります。

 各委員の皆様からご意見をお願いします。

【帯野委員】  私は日本文教出版がよいのではないかと思います。巻末にあります色彩とか技術と、ここで基本的なことが、色の三原色、対比、いろんなところがきちんと整理されて編集されているという点で日本文教出版がよいのではないかと思います。

 それから、光村図書のほうも内容が充実しているのですが、普通の授業時間内でこの多くのことを指導するには少し工夫が必要ではないかなと感じました。

【高尾委員】  私も帯野委員がおっしゃった意見に同感です。日本文教出版なんですけども、例えば1年生で見て感じて描く、心に残った出来事を描くという、とにかく1年生、まず描いてみようよという気持ちにさせてくれるというのがうれしいと思います。それから、中に和紙が取り入れられておりまして、この風合いを直接楽しめるというところがいいと思います。それから、今はポピュラーですけども、写真についてもきちんと載せられていて、解説がなされているというのがいいと思います。

 それから、その次になると、光村図書ということになるんでしょうか。答申に東日本大震災に関連する取り組みの紹介があるということが挙げられていますけども、実際にこういう美術、デザインというのが社会で役立つということを生徒さんにわかってもらえるという工夫があると思います。

【西村委員】  日本文教出版は3分冊にすることによって基礎的な内容から発展的内容へ段階を追っての学習ができるという特徴があります。また、各単元で記されている学びのねらいが観点ごとに示されて、わかりやすく工夫されているのがいいと思います。

 開隆堂は巻末の道具箱のコーナーがよく整理されていると思います。

【林委員】  私も日本文教出版がよいと思いました。写真には非常に迫力がありますし、資料も身近な題材が多く豊富であり、子どもたちが興味・関心をもてるように工夫されているという点、それと、巻末に技法についての説明がどの教科書もありますけれども、一番詳しいかなと感じました。

 あと、光村図書ですけれども、やはり帯野委員も言われていましたが、非常に内容が豊富で、各題材のページの下部に制作過程が写真で提示されていたりして、技法や手順が非常に具体的に記述されていて、主体的に取り組んでいけるのではないかと感じました。

【大森委員長】  各委員、ぞれぞれの出版社の教科書の特色を述べていただきましたが、いずれの委員からも特に長所の強調があったところの日本文教出版の教科書、やはり美術におきましても、子どもたちが学習しやすいとさまざまな点から委員各位からご指摘があったことを総合すれば、この学習しやすい、親しみをもちながら美術を学んでいけるという点で日本文教出版の教科書が最も適切ということに集約できるのではないかと思いますが、この点につきまして何かご意見、ご発言はありますでしょうか。

 それでは、採択へ進みたいと思います。

 ただいまの議論によりまして、日本文教出版の教科書を美術の教科書として採択することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、美術につきましては日本文教出版の教科書を採択いたします。

 次は、保健体育の教科書の採択でございます。

 委員の皆様からご意見を伺います。

【帯野委員】  この中で学研についてコメントをしたいと思うのですが、学研はスポーツに関して、安全、健康、人間関係といったさまざまな視点から捉えた記述が非常に充実していると感じました。

【林委員】  1つの観点として、保健体育の授業においては性の問題をきちんと記述しているということが大切であると思っております。その点において、今、ちまたにあふれております性情報に対して中学生が適切に対処できる、なぜ不正なところにアクセスしたらいけないのかとか、何が起こるのかとか、非常に具体的に原因も含めて、あと、先のことも含めて、コラムではありますけれども深い記述をしていたのが東京書籍であったと思います。また、大修館のほうもきちんと取り上げて書いてありましたし、大日本図書も書いてありましたけれども、ちょっと記述が弱いかなと思いました。

 あと、もう1つの観点としては、スポーツを生涯楽しむという視点で記述されているか。オリンピックも開かれますけれども、スポーツに対してどのように生涯を通じてかかわっていくかという観点で記述されて、特に力を入れて記述されていたのは大日本図書と大修館であったように思います。そういう観点も大切かなと。東京書籍のほうも少し触れられていたかなと思います。

 あと、東京書籍に関しては、コラムの記事が最新の知見を取り上げ、非常に充実しているのではないかと感じました。

【西村委員】  東京書籍では、スポーツに関しても脳とのかかわりや心への効果について記述されています。

 また、大日本図書では、心の面の記述が充実しており、また、資料が豊富で、授業での活用が期待できます。

【高尾委員】  私は1年生に入ってきて一番悩むのはやっぱり対人関係ということ、人と人との関係をどうやっていくのかということで子どもさんが悩むんじゃないかと思うんですけども、その点、東京書籍の場合にはストレスの記述が非常に充実している。例えば野球の松井秀喜さんが登場して、立ち向かわなくてもいいということをきちんと書いて、こういうのもやっぱり子どもたちにとっては大きな参考になるんじゃないかと。具体的な問題を出して解決を考えさせる、そういう手法もとっていますし、いいんじゃないかなと思います。それから、東京書籍のもう1つの優れた点は、やっぱり防災・減災に関して非常によく詳しく書かれているということ。例えば避難所の開設とかボランティア、さらにはPTSDの問題まで言及しているということが大きな強みだろうと思います。

 それから、その次が学研。学研もストレスについて具体的にその解消方法を6つ挙げていて、そのうちのコミュニケーションについて解説しているところが評価できるのではないかと思います。

 大日本図書なんですけども、自転車の問題ですね。最近も道を歩いていて目に余るというのが多いんですけども、比較的、大日本図書の場合には自転車の記述が多かったように思います。禁止事項に加えて、実際に被害に遭った、加害者じゃないんですけど、被害に遭った少年の作文、データなんかを乗せているというところだと思います。

【大森委員長】  委員の皆様のご意見を一通り伺いますと、東京書籍と学研の2社の教科書について比較的、特色、そういう長所の強調をいただいた部分が多かったかと思います。総合的に考え集約しなきゃいけないわけですが、学研につきましても、特色、長所、今ご発言があったとおりでございますけども、東京書籍のほうにおきまして、やはりややさまざまな長所、総合するとやや勝るかなと。性に関する情報、記述もそうでございますし、また、生涯スポーツ、これは中学生にとって、現在及び将来にとってそういう性にしろ生涯スポーツにしろ重要な部分でございますし、また、そのほかストレスへの対処、これはもちろん学研のほうも記述はちゃんとなされておるわけなんですけれども、また、スポーツと脳とのかかわり、あるいは心とのかかわりとか、そういったさまざま総合いたしますと、やや東京書籍の教科書が勝るかなと委員のご意見を集約したいと思うんですけれども、この点について何かご意見、ご発言はございますでしょうか。

 それでは、採択のほうに進みます。

 ただいまの議論によりまして、保健体育につきましては東京書籍の教科書を採択するということにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、保健体育につきましては東京書籍の教科書を採択いたします。

 次に、技術の採択を行ってまいります。

 それでは、委員の皆様からご意見を伺います。

【林委員】  技術ですけれども、木工をはじめとして実際につくってみるということが大切な部分であるとともに、今、非常に技術が進化しておりまして、テクノロジーの進化の大切さとかITCの関連部門での進化は目を見張るものがありますけれども、そういうものにも触れているというバランスのよさで東京書籍がいいのではないかと全体的には感じております。挿絵とかよりも写真が多く用いられておりますし、文章の記述内容も理解しやすく工夫されていて、机に置いたときも非常に安定感がありますし、見やすいのではないかと感じました。

【高尾委員】  私は東京書籍を最初に推したいと思います。テクニカルなものづくりという、そういうわざだけではなくて、もうちょっと広い観点が感じられました。例えば技術の匠というので多数のエンジニアの紹介があって、例えばその中に掃除機つきのエアコンとかそういうのを取り上げていて、いろんなとこにこの技術というのが生きているんだなということを実感させてくれるというところにたいへん好感をもちました。

 その次、開隆堂で情報セキュリティーについて非常に詳しい。ネット依存という現象についても説明をして警戒するようにと呼びかけているというところがいいと思います。

【西村委員】  開隆堂は写真が大きく、見やすいという特徴があります。

 あと、東京書籍は、答申にもあるように、多様な実習例を数多く取り上げて、ものづくりをしながら他の教科でも必要とされる問題解決能力を育成できると思われます。

【帯野委員】  今、西村委員がおっしゃいましたように、東京書籍は実習例が豊富であって、個々の習熟度に応じて指導しやすい教科書ではないかと思います。

 それから、興味を持ちましたのは教育図書でして、全体にその表紙も含めてつくりが非常にやわらかで、女性の視点というか、今の女子中学生が私と同じ視点を持っているかどうかわかりませんが、なかなか大学の工学部等に就学を希望する女子学生が少ないという点では、もっと若い時期からものづくりに興味を持ってほしいという点で教育図書が印象に残りました。

【大森委員長】  委員の皆様のご意見を一通り伺いました。いずれの委員からも特色を挙げられた東京書籍を総合的には推すべきかなと。もちろん他社の教科書につきましても、特色、長所、委員のご発言から言及されたところではございますけれども、やはり1つには実習例の豊富さ、そういった点ですとか、情報教育についても十分に配慮されているといったことを含めて、全体として教科書としても理解しやすく工夫されていると思いますし、私としては、委員の皆様のご意見集約結果としては東京書籍を最も適切な教科書と判断、評価されていると集約したいと思いますけども、この点につきまして、ご意見、ご発言はございますでしょうか。

 それでは、採択へ進んでまいります。

 ただいまの議論によりまして、技術の教科書につきましては東京書籍の教科書を採択することとしたいと思いますが、ご異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、技術につきましては東京書籍の教科書を採択いたします。

 引き続き、家庭科の教科書の採択を行ってまいります。

 委員各位からご意見を伺いたいと思います。

【帯野委員】  私は東京書籍ですね。東京書籍が実習の関連において、手の洗い方を写真で具体に説明していたり、また、イラストを多様に使って安全面の注意を丁寧に促していたりという点で評価できるかと思います。それから、冒頭で衣と食、そして住もあったと思いますが、これにかかわる安全に対する注意事項をまとめて説明するという点で、安全面の大切さを意識させているということで、非常に優れているのではないかと考えます。

【大森委員長】  私も東京書籍の教科書につきましては、鮮明で大きな写真や図版を数多く掲載しているといった工夫が見られますので、そういう意味じゃ、特に調理実習とかという場面ではいいのかなという気はいたします。

【林委員】  家庭科という教科は家庭生活を営むために必要な知識と技能を習得する教科であると認識しております。その点からいきますと、特に注目したいのは、家族をつくり子どもを育てていくということが非常に大切なんだろうと思います。昨今、もう随分と前からですけれども、核家族化が進みまして、先の世代からの子育ての技術等、知識等の継承がなかなか難しいということがありますので、義務教育のここの場面でしっかりと学んでほしいと思っておりますし、また、家族をつくること、子どもをつくって育てるということに対して、子どもたちにぜひポジティブなイメージを持ってもらいたいし、温かいイメージ、そんな大変なことではないよと感じてもらいたいと思います。

 そういう観点から見ますと、開隆堂の教科書と、もう1点、教育図書も非常によく書けているのではないかと。取り上げ方が上手だなと感じました。

【高尾委員】  実は私、最初、東京書籍がいいなと思ったんです。料理の写真がとにかく美しい、きれいだと。これだったら何か自分でもつくってみたいなという、そんな気持ちにさせて非常にいいなと思っていたんですよ。

 それに比べて、例えば開隆堂の場合だったら、非常に黄色が基調になっていて、単一の模様が出ていて、あまり意欲というか、美しさが感じられないなと思っていたんです。でも、先ほどご議論があったみたいに、料理はそれでいいかもしれないけど、家族という大切なことについてやっぱりちゃんと学ぶことのほうがプライオリティーがあるのかなと今考えた次第です。確かに料理のところ、残念な点はあるんですけども、家族ということについてきちんと記述されている。家族とは何かとか、子育てをすることの大切さ、そういったことを書いているということからすると、やはり開隆堂のほうがいいのかなと私は考えをちょっと変えたところです。

【大森委員長】  西村委員はご意見いかがでしょう。

【西村委員】  開隆堂は、答申にもありますが、見開きで1つの学習内容が完結するように工夫されているというところで、理解を深めるのにいいかなと思います。あと、家族、育児の視点だけではなくて、全体に理解しやすい構成になっていると思います。

【大森委員長】  委員の皆様のご意見を総合していきたいと思います。私個人も先ほど発言しましたように、また、高尾委員がわかりやすくおっしゃったように、特に料理の写真、最初非常に引かれたことは事実でありまして、教科書って結構そういう第一印象、それも大事だと思います。もちろん東京書籍の教科書はそれだけではなくて優れた点があるわけなんですけれども、他方で、やはり委員全体としてのご意見がどうだったかということを公平公正に集約してまいりますと、やはり現在のこの家庭科において中学生に期待されることとして、家族ですとか育児ですとか、そういったことをとりわけ重視すべき社会状況になっているであろうということ、また、その家族、育児だけではなくて、全体的なバランスの面でも理解しやすいようなその工夫がなされているということもございます。したがいまして、集約としましては、開隆堂が最も適切な教科書という判断、評価になるのではないかと思いますが、この点につきまして、ご意見、ご発言はございますでしょうか。

 それでは、採択のほうに進んでまいります。

 ただいまの議論によりまして、家庭科につきましては開隆堂の教科書を採択することにいたしたいと思いますが、ご異議ありませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、家庭科につきましては開隆堂の教科書を採択いたします。

 中学校の種目として残された、最後でしょうか、英語の教科書の採択を行ってまいりたいと思います。

 各委員からご意見を伺います。よろしくお願いします。

【帯野委員】  英語の教材につきましては、各社しっかり見せていただきましたが、どの教科書会社をとりましてもよくできていて、遜色のない教科書ばかりであると思いました。その中で、何らかの基準をということで難易度をまず見てみました。難易度を見るに当たっては、各社のリーディングのところを各学年最初のリーディング、最後のリーディングのところで自分なりに検証してみたのですが、その結果として、「NEW HORIZON」、東京書籍が、一番難易度が高いのではないかと感じました。東京書籍については、文法もしっかりとっているというところで、大阪市の中学生の学力アップという点では期待したい教科書であると思いました。

 それから、内容の点につきましては、学校図書の「TOTAL ENGLISH」ですか、これについておもしろい工夫がたくさんなされていて、特に点字が含まれているのには興味を持ちました。その後、手紙を書こうであるとか、日記を書こう、旅行の計画を立てようと非常に実務的に興味を引くような工夫がなされているというところ、それから、復習ですね。復習がしっかりしているという点でいい教科書かなと思いました。

 それと、ちょっと問題を感じましたのが教育出版で、小さな問題でありますけど、イラストが全体に不統一という点で、もう少し工夫が要るのかな、もう少し丁寧につくっていただいたほうがいいのかなと感じた次第です。

 学習効果、学習力のアップという点では東京書籍、中身でいくのであれば、学校図書などもおもしろい教科書だなと感じた次第です。

【高尾委員】  私は東京書籍が導入から展開のところが非常にスムーズにいっているのではないかと考えました。基本文があって、それをきちんと覚えておけばいい、覚えやすい。むしろ内容は高度かもしれませんけど、その仕組み自体は非常に平易そうに思いました。

 それから、開隆堂ですね。これも順序がちょっとやっぱり変わっていていいなと思いました。最初にベーシックダイアログというのがあって、聞いて話してやってみて、それから本文が出てくるという展開になっているので、頭の中に大切なものは何かというのが非常に入りやすいのではないかと私は思いました。

【西村委員】  三省堂は内容が多岐にわたっていて、また、登場人物などもバランスがいいと思います。

 光村図書は3学年を通じて登場人物が一貫しているというその点がいいと思います。

 東京書籍は4技能のバランスがよいので、学力をつけるという点では役立つのじゃないかと思います。

【林委員】  私はまず、中学校での英語ということでは、3年間で文法の部分をしっかりと確実に理解しておくことが重要であろうと思っています。学習していく中でわからなくなったときに振り返り学習、常に振り返りながら子どもたちが学習していくと思うんですけれども、そのときに文法を非常にわかりやすく見やすく整理されていると感じたのが開隆堂と東京書籍でありました。開隆堂は基礎・基本を中心に学べるようになっているのに対しまして、東京書籍は書く練習に4技能をあらわすマークがつけられていて、目標がわかりやすく構成されていました。どちらもですけれども、視覚的に整理されて見やすいという印象を持っています。

 あと、三省堂のほうは、各章末にありますまとめのページが充実しているなと感じましが、文法の見やすさという点では少し劣るのではないかと感じました。

【帯野委員】  先ほど学校図書のところで復習というわかりにくい言い方をしましたので、正確には、小学校の外国語活動で学んだことを中学校にもうまくつなげているというところであります。

【大森委員長】  各社の教科書の特色、長所、委員各位のご発言の中で触れられてまいりましたので、総合、集約というのは簡単ではないんですけれども、その中で比較的、委員の言及される頻度においても東京書籍の教科書が多かったかと思いますが、その中身につきましても、冒頭の帯野委員からのご発言にもあったように、英語は易しければいいという話ではないので、やはり徐々にレベルアップしていくためには、そういうバランスよく学年の進行とともに難易度が上がっていくということは非常に重要であろうと思っております。また、4技能に着目したその目標というものがわかりやすく示されているということも含めて、やはりきちんとステップアップしていって英語力を向上させていくということでの総合力といいますか、そういう面では、これまでの委員各位のご発言を集約いたしますと、東京書籍が最も適切ということになるのではないかと思いますけれども、この点につきまして、ご意見、ご発言はございますでしょうか。

 それでは、採択に進みます。

 ただいまの議論によりまして、英語につきましては東京書籍の教科書を採択することにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、英語につきましては東京書籍の教科書を採択いたします。

 以上で中学校の教科書全種目について採択を行ってまいりましたけれども、本市、大阪市の設置する唯一の中高一貫校であります咲くやこの花中学校で使用する教科書、この採択を引き続き行ってまいりたいと思います。

 咲くやこの花中学校では、中学校入学段階から独自のカリキュラムを設けまして、ものづくり、それから、言語、スポーツ、芸術・デザインと。ものづくりというのは理工分野ということになるんですけども、これらの分野を設定しまして、中学校3年間で210時間の分野別学習に取り組んでもらっているという学校でございます。また、英語、数学を中心にその基礎学力の定着にも努めております。そして、この中学校段階で学習したことを、中高一貫校でございますので、高等学校進学後、咲くや此この花高等学校へ進学した後、さらに分野ごとの部分を深めていく、あるいは基礎学力全般もさらに延ばしていくということで、進学実績等、進路においても相当の成果、効果がこれまであらわれているんだろうと私どもは判断、評価しているところでございます。

 そこで、私ども教育委員会といたしましては、これまで全市で使用する15種目の教科書を採択してまいりましたけれども、その審議、協議の結果を踏まえながら、中高一貫校という特色、分野別の学習という特色を持ったこの学校の特性というものを加えて審議、採択を行っていく必要があると思いますけれども、この点につきまして、委員の皆様からご意見がありましたらよろしくお願いいたします。

【高尾委員】  先ほど委員長がご指摘されたとおり、咲くやこの花中学校は入学時からものづくりであるとか言語、スポーツ、芸術・デザインというそれぞれの分野別の学習に取り組むことになっております。こうした分野では高いレベルを目指して学校独自のカリキュラムを展開されています。それで、この特色ある教育を推進している内容に関連している種目の採択については、この中学校の独自性を最大限尊重する。一方、それ以外の種目については、全市で既に採択したものをここでも採択するというふうにしてはいかがかと考えます。

【大森委員長】  私としても今の高尾委員の整理、もっともなご意見ではないかと思うわけでございますけれども、高尾委員の今のご意見につきまして、何かほかの委員からご意見、ご発言はございますでしょうか。

 よろしければ、それでは、採決というわけではないんですけれども、高尾委員がおっしゃったように、学校独自のカリキュラム、この設定された分野に着目して特色ある教育を推進しているそういう教育内容に関連する種目の教科書の採択については、中高一貫校であるこの学校の独自性を最大限尊重するということが1点、他方でもう1点、2点目としましては、それ以外の種目につきましては、先ほど採択を終了した全市の採択結果をこの咲くやこの花中学校にも適用して採択するというこの2点の考え方に基づいて採択を勧進めていくということで、採決ではございませんが、特段ご異議はございませんでしょうか。

 ご異議がないようですので、以上の考え方に基づいて採択を進めていきたいと思います。

 それではまず、この咲くやこの花中学校の種目別にまいりますが、国語の採択を行ってまいります。

 全市の採択では、論理的な思考力、判断力等を身につけさせるといったこと等々から三省堂の教科書を採択したところでございます。咲くやこの花中学校におきましては、言語分野に関する独自のカリキュラムが設けられております。したがって、国語に関しましては、同校の独自性があるかと思いますので、その尊重が重要かと思います。

 国語につきまして各委員からご意見を伺いたいと思います。

【高尾委員】  光村図書が、この学校の独自性にマッチするということだろうと思います。これ、先ほど申し上げたことなんですけども、非常に映像的な表現がすぐれた教科書でもあり、文字による表現と映像的なものとあわせて感性を非常に豊かにさせてくれるんじゃないかと、さらに一歩進んだ教育を展開していただけるんじゃないかと思っております。

【林委員】  光村図書につきまして、全市採択のときに少し申しあげましたが、本編の詳細な解説はよく整理されているが難解な印象を与えるという答申の記述があるということを申しあげましたが、咲くやこの花中学校の言語分野で学習する生徒には少し歯応えがあるこれぐらいのものを使用してもらうのがよいのではないかと思います。説明的文章と文学的文章をバランスよく取り上げられておりまして、論理的な思考力や判断力、表現力も同時に身につくということで、よいのではないかと思います。

【西村委員】  咲くやこの花中学校の答申によると、光村図書はスピーチやグループディスカッション、プレゼンテーション、課題解決に向けた会議など、さまざまな言語活動の取り組みに関して評価できるとあります。こういう点から同校の特色ある教育の推進に活用できるものではないかと考えます。

【大森委員長】  委員の皆様のご意見を総合いたしまして、まず、出発点として、この咲くやこの花中学校の中高一貫校としての特性、特色というものを踏まえまして、言語分野ということで設定されておりまして、今、林委員のご発言にあったように歯応えのあるという点を含めまして、ここは光村図書の教科書、高等学校への接続にも配慮されているわけでございますし、この光村図書が最もこの中学校にとっては適切な教科書ではないかと思われますけれども、そのように集約することに何かご発言、ご意見ございますでしょうか。

 それでは、採択に進みます。

 咲くやこの花中学校の国語につきましては光村図書の教科書を採択することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の国語につきましては光村図書の教科書を採択いたします。

 続きまして、同中学校の書写の採択を行ってまいります。

 この咲くやこの花中学校においては、書写ということにつきましては独自のカリキュラムの設定ということは特にないわけでございます。したがって、考え方としては、全市の採択というものに基づいてこの学校にもそれを適用していくというのが基本的な考え方になろうかと思います。この点を含めて委員各位からご意見ございますでしょうか。

 特にご発言がないようでございますので、咲くやこの花中学校におきましても、書写につきましては教育出版の教科書を採択するということにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の書写につきましては教育出版の教科書を採択いたします。

 次いで、同中学校の社会科の教科書を一括して審議、議論して採択に進んでまいりたいと思います。

 この中学校におきましては、特に社会科ということでの独自の分野というものは設定されておりません。したがいまして、この社会科の種目、地理、歴史、公民、地図でございますけれども、これらのいずれの種目につきましても大阪市全体の採択というものを踏襲するのが先ほど確認された基本的な考え方になろうかと思います。また、その補助教材の使用につきましても、去る8月5日のこの教育委員会会議において確認、附帯決議の形で決定したところでございまして、この附帯決議による補助教材の使用に関する決定は、咲くやこの花中学校につきましても同様に適用されるべきものと考えます。

 以上、基本的な考え方を整理してみましたが、各委員のほうからご意見、ご発言はございますでしょうか。

 ないようですので、それでは、採択へと進みます。

 社会科のうち地理は帝国書院、地図は帝国書院、歴史は育鵬社、公民は育鵬社を採択するということにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の地理は帝国書院、地図は帝国書院、歴史は育鵬社、公民は育鵬社の教科書をそれぞれ採択いたします。

 また、8月5日の教育委員会会議の附帯決議のとおり、歴史の補助教材として帝国書院を、並びに公民の補助教材として日本文教出版の教科書を補助教材として使用できるように調整を図っていくということにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がございませんので、8月5日の附帯決議のとおり、咲くやこの花中学校につきましても、歴史の補助教材として帝国書院の教科書、公民の補助教材として日本文教出版の教科書を使用できるように調整を図っていくものと決しました。

 次の種目でございますけども、数学でございます。咲くやこの花中学校の数学の採択を行ってまいりたいと思います。この数学につきましては、全市の採択におきましては東京書籍の教科書を採択したところでございます。他方、咲くやこの花中学校におきましてはものづくり、言いかえますと理工の分野に関する独自のカリキュラムが設けられているところでございます。したがって、数学につきましては同校の独自性を尊重するということが基本的な考え方になってまいります。

 各委員からご意見はございますでしょうか。

【高尾委員】  中学校からの答申によりますと、数研出版を挙げておられます。理工分野の生徒にとって発展的な問題演習を行うことができ、本校の教育を進めていく上で適切な内容になっていると記載されております。確かに数研出版はレベルがやや高くなっておりますし、この学校にとって非常にいいのではないかと思います。また、演習問題などが充実しているということも、高校に向けてつないでいける非常に重要なポイントだろうと思っております。

【西村委員】  全市の採択の際にも申しあげましたけど、東京書籍と数研出版、両社とも章末問題や練習問題と本文の接続に工夫が見られて、それで、どちらを採択したとしても全市の採択と矛盾するものではない。したがって、同校の独自性を尊重して、数研出版で問題はないと思います。

【大森委員長】  そのほか、委員からご発言、ご意見はございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 今の高尾委員、それから西村委員のご発言、ご意見を受けまして判断いたしますと、咲くやこの花中学校は、高等学校段階まで一貫した教育を行っているという中で、数学につきましては同校の独自性を尊重していくということで、数研出版の教科書、やはりレベルが高いといいますか、歯応えがあるという面があり、また、高等学校への接続という面でも配慮がなされるのかなと、この学校の答申も参照してそのように判断できるところでございます。

 したがいまして、東京書籍の教科書もよい教科書であるわけなんですが、だからこそ全市につきましては採択いたしましたが、咲くやこの花中学校につきましては、同校の独自性を尊重し、数研出版の教科書を採択するということにいたしたいと思いますけれども、ご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がございませんので、咲くやこの花中学校の数学につきましては数研出版の教科書を採択することで決定いたしました。

 それでは、次に、理科の採択を行ってまいります。

 大阪市全体の採択におきましては、実験等々の観点から啓林館の教科書を採択したところでございます。他方、この中学校、咲くやこの花中学校にはものづくり、あるいは理工という分野の設定がございまして、独自のカリキュラムが設けられているところであります。したがいまして、理科につきましては、同校の独自性を尊重すべきというのが基本的な考え方になります。

 委員各位からご意見はいかがでしょうか。

【林委員】  私から申しあげます。先ほどの全市採択のときにも申しあげましたけれども、東京書籍においては、身近にある科学的事象について興味を持って疑問を抱くよう写真等を用いて非常に工夫されている教科書であると思います。また、情報量が非常に多くて、高校への学習へつながっていく教科書ではないかと感じております。また、実験の記載につきましては、先ほど少し全市採択のときも議論があったと思うんですけれども、啓林館のほうがより丁寧でわかりやすい実験の提示になっていたと思うんですけれども、東京書籍においては、特にものづくりで専攻されている理工分野の生徒には理解できると思いますし、また、全ての生徒が主体的に学習ができ、学力向上に資する教科書であると考えます。

【帯野委員】  咲くやこの花中学校の答申を見せていただきましても、発展的な記述が充実しており、高等学校での学習内容も中学でわかりやすく説明されていると記載されておりますので、その点でも東京書籍が適切ではないかと思います。

【西村委員】  東京書籍は同校の答申にもあるとおり、全般的に学習内容を詳しく丁寧に記述しています。かなり高等学校の学習内容と接続する発展的記述が充実しているので、理工分野の生徒の知的好奇心を満たす工夫が見られていいと思います。

【大森委員長】  理科につきましては、全市採択のほうは啓林館、その際も、啓林館と東京書籍はいずれも長所の多いといいますか、総合評価の高い教科書であったわけでございますけれども、特に実験といったところに着目して啓林館のほうを大阪市全体としては採択いたしましたが、咲くやこの花中学校につきましては、林委員でしたか、ご発言にもありましたように、特に理工分野の子どもたちがそこの実験のところでひっかかっちゃうということはおそらくないだろうということ、さらに、委員のご発言の中で出てきましたように、高等学校に向けてさらに独自のカリキュラムに基づく理工分野の学力を伸ばしていくという面で、その発展的記述も充実しておりますし、そういったことで、トータルではこの中学校の独自性を尊重すると、東京書籍が最も適切な教科書ということになろうかと思います。このような集約につきまして、ご意見、ご発言、何かございますでしょうか。

 それでは、採択に進みます。

 以上の議論によりまして、咲くやこの花中学校の理科につきましては東京書籍の教科書を採択することにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の理科につきましては東京書籍の教科書を採択いたします。

 それでは、次に、音楽一般と音楽器楽を一括して審議し、採択を行いたいと思います。

 咲くやこの花中学校におきましては、音楽に関して独自の分野設定、独自のカリキュラムということは特に設けられていないわけでございます。したがって、基本的な考え方として、大阪市全体の先ほどの採択の結果を踏襲して採択を行うということになろうかと思います。

 委員各位から何かご意見はございますでしょうか。

 それでは、採択を行いたいと思います。

 咲くやこの花中学校におきましても、音楽一般及び音楽器楽ともに教育芸術社、先ほど全市の中学校向けに採択いたしました教育芸術社の教科書を採択することにご異議ありませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の音楽一般及び音楽器楽につきましては教育芸術社の教科書を採択いたします。

 次に、美術。咲くやこの花中学校の美術の採択を行ってまいります。

 この中学校におきましては、芸術・デザインの分野に関する独自のカリキュラムが設けられております。したがいまして、美術に関しましては、同校の独自性を尊重するということが先ほど確認された基本的な考え方となります。

 この点を踏まえて委員のご意見を伺いたいと思います。

【帯野委員】  私、先ほど一般中学校のほうで、光村図書のほうは内容が豊富で充実しているが、標準時間内で活用するのは工夫が必要であると申しあげました。ある意味、盛りだくさんの教科書であったと思うのですが、咲くやこの花については標準時以上の授業数を確保しているという点で、やはりこの内容の豊富なほうが逆に望ましいのではないかなと考えます。

【林委員】  私も同様の意見でありまして、光村図書に関しましては各題材のページの下部に制作過程が写真等で示されておりますし、主体的に取り組める工夫がされていると思います。また、学習を支える資料のページで技法や材料の取り扱いが一番詳しく示されております点を踏まえましても、同校が目指す個性を伸ばす、才能を開花させることを目指す教科書として適切ではないかと思います。

【大森委員長】  そのほか、ご意見、ご発言はありますでしょうか。

 今のお二方、帯野委員及び林委員のご意見によりますと、私も同意するところですが、咲くやこの花中学校の芸術・デザインの分野のカリキュラムの独自性を考えますと、そうしますと、先ほど全市の採択の際には学習しやすさといった観点を特に重視して日本文教出版の教科書を採択したところではございますが、この中学校のこのカリキュラム、分野設定の独自性ということを考えますと、学習しやすさも大切ではありましょうが、もうちょっとある種専門性に近いような歯応えというもの、これを十分重視していくということ、そういった形でこの中学校の独自性を尊重するということ、これがより大事かなということになろうと思います。

 したがいまして、教育委員会としての意見の集約といたしましては、咲くやこの花中学校の美術につきましては光村図書が最も適切な教科書ということになろうかと思いますけども、この集約につきまして何かご意見、ご発言はございますでしょうか。

 それでは、採択へと進みます。

 咲くやこの花中学校の美術につきましては光村図書の教科書を採択することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の美術につきましては光村図書の教科書を採択いたします。

 次の種目は保健体育でございます。

 保健体育につきましては、全市のほうの先ほどの採択におきましては東京書籍の教科書を採択したところでございます。他方、咲くやこの花中学校におきましてはスポーツの分野が設定されておりまして、独自のカリキュラムがそこで設けられているということがございました。したがいまして、この保健体育の種目につきましては、同校の独自性を尊重すべきということが基本的な考え方となります。

 この点を踏まえて、各委員のご意見を伺います。

【帯野委員】  咲くやこの花中学校でスポーツの分野に関する独自のカリキュラムが設定されているということでありますので、高校との接続を視野に入れた場合に、学研がスポーツに関して安全、健康、人間関係、文化といった多様な視点から捉えた記述が充実しているという点で、学研がふさわしいのではないかなと考えます。

【高尾委員】  咲くやこの花中学校の答申では、学研について次のように書かれております。各章で高等学校との接続を進めていく上で活用しやすい構成である。もちろんこの学校は中高一貫ということに大きな特徴があるわけでございまして、そうすると、答申でお書きになっているように学研を採用するということが非常にふさわしいのではないかと思います。また、最初のところでフェアプレーあるいはスポーツマンシップということもきちんと捉えておりますし、その点からも評価できると思います。

【大森委員長】  そのほか、ご意見、ご発言はありますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 今のお二方、帯野委員並びに高尾委員のご意見、いずれも咲くやこの花中学校のカリキュラム、分野設定の独自性ということに基づきますと、学研の教科書が高等学校との接続の観点から、さまざまの視点からそういった面で優れた教科書ではないかということに集約できると思います。

 この集約につきまして、何かご意見、ご発言はありますでしょうか。

 それでは、採択へと進みます。

 ただいまの審議によりまして、咲くやこの花中学校の保健体育につきましては学研の教科書を採択するということでご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の保健体育につきましては学研の教科書を採択いたします。

 次に、技術の教科書を採択してまいりたいと思います。

 この中学校におきましては、ものづくり、すなわち理工の分野に関する独自のカリキュラムが設けられております。したがいまして、技術につきましては同校の独自性を尊重するということが基本的な考え方となります。

 この点を踏まえまして、委員の皆様からご意見いかがでしょうか。

【高尾委員】  さっきも申しあげたところなんですけども、東京書籍が、非常に技術の匠というところでそのエンジニアを紹介するなど、この学校のまさしくものづくりの分野で非常にフィットするところが多いのではなかろうかと思います。技術の継承、職業観、倫理観、そういった面で非常に生徒さんにとって有益な教科書であろうと思います。

【林委員】  私も東京書籍についてですが、全市の採択時の議論にもありましたように、ほかの教科でも必要とされる問題解決能力を育成できるという点でも同校が目指す教育に合致するのではないかと思います。また、答申のほうにも、実習例が豊富で、ものづくり、理工の分野の生徒が高校進学後も参考書として活用しやすいと記述があります点からしましても、東京書籍がよいのではないかと思います。

【大森委員長】  そのほか、ご発言、ご意見はございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 そうしますと、ただいまお二方、高尾委員及び林委員のほうからご発言、ご意見がございましたように、同校の独自性を尊重するわけなんですけれども、独自のカリキュラムというものを踏まえましても、技術につきましては大阪市全体で採択したものと同様、東京書籍の教科書が最も適切ということに集約できるかと思いますが、この点につきまして何かご発言ございますでしょうか。

 それでは、採択へと進みます。

 咲くやこの花中学校の技術につきましては東京書籍の教科書を採択するということでご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の技術につきましては東京書籍の教科書を採択いたします。

 次に、引き続き、家庭科の教科書の採択を行ってまいります。

 全市の採択におきましては開隆堂の教科書を採択しました。家族や育児といったものを特にこの時代、中学生、現在及び将来というものを考えた場合に重要じゃないかと。その他の面でもバランスがとれているということで、開隆堂の教科書を採択したわけでございますけれども、咲くやこの花中学校の家庭につきまして、委員各位のほうからご意見を伺えればと思います。いかがでしょうか。

【高尾委員】  先ほども申しあげたとおりなんですけども、やはり東書の場合には非常にこの分野においては強い、基本から発展まできちんと押さえられているというところがあります。特にこの学校がこういう分野を特色ある教育として行っているということからすると、やはり同校の独自性を尊重すべきだろうと考えます。

【大森委員長】  ちなみに、咲くやこの花中学校の場合には、高等学校段階におきまして食物文化科があるということがございまして、そういう意味で、今、高尾委員がご発言されたように、高等学校の接続という観点から、同校の独自性というものがあろうということでございます。全市の採択に当たっての審議におきまして、高尾委員、それから私も発言いたしましたが、食物、調理につきましては東京書籍の教科書、特色、長所といったものがあったわけでございます。それを踏まえての今の高尾委員のご発言ということになります。

 そのほか、ご意見、ご発言、いかがでしょうか。

【帯野委員】  先ほどの一般中学では開隆堂を採択することになりましたが、東京書籍は咲くやこの花中学校の答申にもありますように、学んだことを社会に生かすという点では家庭科で学習したことを生かして働いている人たちが紹介されており、高等学校の授業でキャリア教育を取り入れる基礎となる内容、構成となっているとございますので、高等学校への接続を進めるという意味で東京書籍のほうが望ましいのではないかと考えます。

【西村委員】  私も帯野委員の意見に賛成です。

【林委員】  先ほどの全市のほうでは開隆堂にしましたけれども、咲くやこの花中学校のほうでは、先ほど委員長も言われましたけれども、高校に食物文化科があるということを考えますと、答申のほうにも、非常に実習例が豊富であって、あと、図表や挿絵、口絵、写真、記号などが新しく適切なものが取り入れられているという記述もあるように、より進んだといいますか、詳しい教科書になっていると思いますので、東京書籍が適切なのではないかと思います。

【大森委員長】  以上、委員各位のご意見、この咲くやこの花につきましては、高等学校への接続ということを重視して、高校段階には食物文化科がございまして、そういう意味で、家庭科の教科書につきましては同校の独自性を尊重するという考え方で委員の皆様のご意見は一致したかなと思っているところでございます。したがいまして、集約といたしましては、最も適切な教科書は東京書籍の教科書ということになろうかと思いますが、この点、確認させていただきますが、何かご発言ありますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 そうしましたら、採択のほうに進みます。

 咲くやこの花中学校の家庭科につきましては東京書籍の教科書を採択することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の家庭科につきましては東京書籍の教科書を採択いたします。

 咲くやこの花中学校の最後の種目ということになろうかと思います。英語につきまして、審議、採択を行ってまいります。

 大阪市全体の採択では、比較的難易度の高い段階までレベルアップしていける、進んでいけるということで、学力向上に配慮されている等の点から東京書籍の教科書を採択したところでございます。他方、咲くやこの花中学校におきましては言語の分野が設定されておりまして、独自のカリキュラムが設けられているところでございます。したがって、英語という種目につきましては、言語分野を有する同校の独自性を尊重するというのが基本的な考え方となります。

 この点を踏まえて、委員の皆様からご意見を伺いたいと思います。お願いします。

【高尾委員】  中学校からの答申によりますと、三省堂につきまして、まとまった内容の長文を読むLET’S READや巻末付録のFurther Readingに加え、1年生の後半から各レッスンにさまざまなジャンルの読み物教材があるため、中高一貫校として高等学校へのスムーズな接続を図る上で活用しやすいとされております。実際リーディング教材が非常に充実している印象を受けました。また、発音とか文法に大変力を入れている教科書だなという印象もございます。これがよろしいのではないかと思います。

【帯野委員】  先ほど一般中学のところで6社ですか、自分なりの分析した意見を申しましたが、そのときも触れましたようにどの教科書会社も遜色のない内容になっておりますので、学校の答申を尊重するということについては全く異論はありません。

【大森委員長】  この英語につきましては、同校の独自のカリキュラムということで同校の独自性を尊重するという基本的な考え方がございます。教育の成果という観点からも、この言語分野を含めて進路等におきましてせっかく成果が見られているところでございますので、そういう意味では同校の独自性を尊重し、その答申を十分に参照させていただきまして意見集約いたしますと、三省堂の教科書が咲くやこの花中学校の英語にとっては最も適切ということになろうかと思います。

 この集約につきまして、何かご発言、ご意見はございますでしょうか。

 それでは、採択へと進みます。

 ただいまの議論によりまして、咲くやこの花中学校の英語につきましては三省堂の教科書を採択することにご異議ありませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、咲くやこの花中学校の英語につきましては三省堂の教科書を採択いたします。

 以上でこの咲くやこの花中学校の使用する教科書の採択、それから、その前に大阪市全体での中学校のための教科書の採択も全て終了したところでございます。中学校につきましては、以上のように終了いたしました。

 引き続きまして、高等学校で使用する教科書の採択へと移ってまいります。

 事務局のほうから説明願います。

【加藤指導部長】  まず、高等学校及び特別支援学校の教科用図書の採択の基本方針につきましてご説明申し上げます。

 学校が使用いたします教科用図書につきましては、文部科学大臣が教科用図書検定調査審議会の答申に基づきまして検定を行っております。本市高等学校及び特別支援学校で使用いたします教科用図書につきましては、大阪市立高等学校及び特別支援学校教科用図書選定調査会要綱に基づきまして設置されました教科用図書選定調査会の答申をもらいまして、教育委員会で採択していただくことになっております。

 高等学校におけます平成27年度使用教科書の採択につきまして、教育委員会による適正な採択のための審議の一層の充実を図るために、昨年度から教科用図書の選定候補として2つ以上の教科用図書を併記できるように様式を改善してまいりました。また、教育委員会によります調査研究を効果的・効率的に実施する観点から、高等学校におきましては今年度新たに検定に合格したものを中心に行うこととしております。したがいまして、今年度対象となります教科書は、外国語のコミュニケーション英語Ⅲの1冊だけでございました。この教科用図書が学校から答申された場合のみ、詳細な調査研究を行うこととしております。

 以上が今年度の高等学校におけます採択に関する方針でございます。

 次に、高等学校の答申書様式の説明をいたしたいと思います。

 様式1では、教科書選定に際する観点を明示いたしますとともに、選定経過の概要、調査会の構成、保護者及び生徒の意見の要旨を記載しております。この保護者及び生徒の意見につきましては、各高等学校で選定作業を行います際に選定候補となる教科書を校内に展示するとともに、保護者及び生徒に対して教科書選定に関する意見を募り、集約した実際の意見を反映しているものでございます。

 続きまして、様式2におきましては、各教科・科目で選定いたしました教科書につきまして、内容面と学習面それぞれでどういった観点を重視して選定していったのかを一覧にしております。

 次に、様式3につきましては、先ほど申し上げましたとおり、昨年度から様式を改善したものでございまして、選定の状況に応じて様式を区別しているところでございます。

 まず、様式3のAでございますが、新学習指導要領の年次進行等に伴いカリキュラムが変更され、来年度新たに教科書を選定する場合に使用いたします。選定候補となります教科書を教科書目録登載順に2冊記載し、おのおのの特徴及び選定理由を記載することとしております。このうち、平成27年度に新たに検定合格した教科書を選定する場合は様式3のAの1、それ以外の場合は様式3のAの2に記載しております。

 次に、様式3のB、様式3のCにつきましては、新学習指導要領の年次進行などに伴うカリキュラム変更の影響の及ばない教科・科目について使用することとしており、様式3のBにつきましては、前年度採択されました教科書から変更する場合、様式3のCにつきましては、前年度採択されました教科書と同じ教科書を引き続き選定する場合に使用いたします。いずれも選定候補の教科書の特徴、選定理由などを記載しております。

 最後に、様式4でございますが、これはどの高校にもあるものではございません。例えば西高校のところをごらんいただきますと様式4がございます。様式4につきましては、高等学校学習指導要領の第1章、総則の第2、各教科・科目及び単位数等におきまして、地域、学校及び生徒の実態、学科の特色などに応じ、特色ある教育課程の編成に資するように、学習指導要領に掲げます以外の教科や科目、いわゆる学校選定教科または学校選定科目を設けることができると定められており、これらの学校選定科目につきましては検定済み教科書などは発行されておりません。そのような場合には、学校教育法附則第9条及び学校教育法施行規則第89条によりまして、一般に市販されております図書を教科用図書として使用することができるとされており、これらの一般図書を選定する場合に様式4を使用いたします。

 以上が答申書様式の説明でございます。

 次に、高等学校におけます教科用図書の選定に係ります答申内容につきましてご説明いたします。

 来年度使用教科用図書の採択が行われます高等学校は、全日制の普通科系高等学校6校、商業系高等学校4校、工業系高等学校5校、総合学科高等学校2校、そして、定時制高等学校3校の計20校でございます。設置学科といたしましては、普通科及び英語科、理数科などの普通科系の専門学科、商業科やグローバルビジネス科などの商業系の専門学科、機械科や電気科などの工業系の専門学科及び総合学科がございます。それぞれ多様な教育目標や教育課程に基づきまして教育活動を展開しております。したがいまして、各校が設置しております各学科の教育目標や教育課程、生徒の興味、関心、適性、進路希望などの実態に応じまして、それぞれの学校の選定調査会が適切な教科用図書を選定し、答申しているところでございます。

 平成28年度使用の教科書につきましては、教科書目録に掲載されております教科書全体で761種、794点ございます。今年度新たに検定合格し追加されました教科書は1種、1点でございまして、教科は外国語、科目はコミュニケーション英語Ⅲでございます。

 それでは、具体的な答申内容につきましてご説明させていただきます。

 先ほどの答申書の説明のとおり、答申書におきましては各校が選定いたしました教科書の特徴及び選定理由が記載されております。また、各校からの答申のうち、今回の採択において重点的に調査研究するもの、すなわち様式3のAの1に該当するものにつきましては、別途事務局で作成いたしました資料がございます。

 資料につきましては、上段には各校の答申書の抜粋、中段には教育委員会の指示を受け事務局におきまして教科書について調査研究を行いました結果を記載しております。また、下段には、その教科書が使用されております科目について、各校のカリキュラム上の位置づけを記載しております。

 本資料以外の科目につきましては、これまでの教育委員会協議会での審理を踏まえ、既に教育委員会において候補を1点に絞り込んでいるところでございますので、本日この場におきましては、本資料に記載されました科目について審議の上、採択を決定していただきたいと考えております。

 高等学校の答申内容の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

【大森委員長】  ただいまの説明を踏まえまして、まず、高等学校における教科用図書の採択の方針について確認いたしたいと思います。

 ただいまの説明のとおり、高等学校の教科用図書の採択に当たりましては、一昨年、教育委員会において議決いたしました附帯決議を踏まえ、教育委員会みずからが調査研究するに当たり、十分な調査研究及び審議の時間を確保すべく、これまで教育委員会協議会において協議を尽くしてまいりました。この間の協議を踏まえまして、本日、各教科・科目において使用する教科用図書の採択を行ってまいります。

 なお、答申書の様式3のA1を除く様式3のA2、3のB、3のC並びに様式4記載の教科・科目につきましては、事務局の説明にありましたとおり、この間の協議において各教科・科目1点の絞り込みを行ってきたところでございます。したがいまして、本日の採択に当たりましては、これらの教科・科目につきましては、選定調査会からの答申及び学校の意見を尊重し、採択したいと考えます。

 以上につきまして、ご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、様式3のA2、3のB、3のC及び様式4記載の教科・科目につきましては、選定調査会からの答申及び学校の意見を尊重し、採択することといたします。

 それでは、様式3のA1記載の教科・科目、すなわち新学習指導要領の年次進行などに伴いカリキュラムが変更され、来年度新たに教科書を選定するもののうち、平成27年に新たに検定合格した教科書を選定する場合につきまして審議を行ってまいります。

 それでは、今回重点的に調査研究し採択する外国語、コミュニケーション英語Ⅲにつきまして、事務局の作成資料に従って審議、採択を行ってまいります。

 まず、この科目の目標や学習内容につきまして、事務局より説明願います。

【松田高等学校教育担当課長】  このコミュニケーション英語Ⅲは、コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱを履修した後に、さらに英語の履修を希望する生徒に対しまして選択履修させる科目でございます。生徒の能力をさらに伸ばしまして、社会生活におきまして活用することを目標といたしております。

【大森委員長】  それでは、この科目につきまして、南高等学校が該当するということでございますので、この南高等学校におけるコミュニケーション英語Ⅲについての審議を行います。この科目の内容の取り扱いについて、事務局より説明願います。

【松田高等学校教育担当課長】  この学校では、国語科と英語科を設置しておりまして、そのうちの国語科の3年生全員が履修する科目、コミュニケーション英語Ⅲにおいて使用いたします教科書の候補が2点ここに挙がっておりますので、その点について説明申し上げます。

 現在、2年生におきましては、継続科目でございますコミュニケーション英語Ⅱで、啓林館の「LANDMARK」を使用しております。来年度、この国語科の生徒が3年生のときに使用しますコミュニケーション英語Ⅲの採択におきまして、答申では、啓林館の「LANDMARK」と同じく啓林館で、今回検定に合格しました「SKILLFUL」が挙がっております。この当該科の多くの生徒が受験する大学の入試長文では大体400ないし500語ぐらいが平均的な分量でございまして、「SKILLFUL」がこれにあたります。もう一方の「LANDMARK」につきましては、パートⅠでは500語程度で、パートⅡではやや長文の900語程度となっております。

【大森委員長】  今の事務局からの説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見はいかがでしょうか。

【林委員】  今まで使用されてきた「LANDMARK」は、今回新たに検定合格した「SKILLFUL」と比較すると、今のご説明では、文章量が多目でやや難易度が高いという説明だったように思います。「SKILLFUL」は、実際見せていただきましても、さまざまなトピックがコンパクトにまとめられている印象がありまして、一般的には国語科の生徒にも受け入れられやすいのではないかと思います。

【高尾委員】  学校のカリキュラムを拝見しますと、コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱと「LANDMARK」を使用されてきているわけですけども、コミュニケーション英語のⅢのほうの段階で違う教科書に変えるということになりますが、これは何か問題が生じるかどうか、ご意見を承りたいんですが。

【松田高等学校教育担当課長】  「LANDMARK」、「SKILLFUL」、いずれも啓林館でございまして、編さんの方針、内容構成等、一貫性がございますので、違和感はないのではないかと考えております。また、「LANDMARK」のほうは語数が平均してやや長めの長文が載っております。一方、「SKILLFUL」は400語程度となっておりまして、たくさん長文を読ませまして読解力を高める「LANDMARK」に対しまして、「SKILLFUL」のほうは短めの英文を題材にしまして、段落の頭に来るキーワードに着目いたしまして、段落ごとの大意をつかむような工夫がございます。こういった部分に違いがございます。

【帯野委員】  先ほどからのご説明にもありますように、「LANDMARK」が500から900ワードということに対して、「SKILLFUL」が400から500ワードということで、読みやすい幅広いトピックの短文となっております。短文を多く読ませるという点で、読書量も多くなるということでありますので、ロジックを重視する国語科の生徒には適切で、特に同じ啓林館でありますので、統一性もあってよいのではないかと思います。

【西村委員】  教科書の構成や特徴はどちらの教科書を使用しても一貫性があると思いますが、国語科の生徒が使用するという点を重視して、「SKILLFUL」を使用してはどうでしょうか。

【大森委員長】  それでは、以上の委員の皆様のご意見を集約したいと思います。既に各委員のご発言で明らかなように、南高等学校の国語科のコミュニケーション英語Ⅲ、これに最も適切なのは「SKILLFUL」のほうではないかと集約できるかと思いますけれども、その集約につきまして何かご発言ありますでしょうか。

 なければ、採決に進みたいと思います。

 南高等学校国語科のコミュニケーション英語Ⅲにつきましては「SKILLFUL」を採択するということでご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、南高等学校国語科のコミュニケーション英語Ⅲにつきましては啓林館の「SKILLFUL」を採択いたします。

 以上をもちまして、高等学校で使用する教科書の採択は終了いたしました。

 引き続きまして、特別支援学校において使用する教科書の採択へと移りたいと思います。

 まず、事務局より説明願います。

【加藤指導部長】  特別支援学校の教科用図書につきましては、先日ご説明させていただきましたとおり、児童・生徒の障害の状況などを踏まえて、検定教科書、著作教科用図書、絵本などの一般図書から実態に応じました教科書の選定を行っておるところでございます。

 特別支援学校の答申内容の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

【大森委員長】  以上の説明につきまして、何かご質問あるいはご意見はございますでしょうか。

【林委員】  各校の答申書のところに保護者、生徒の意見がそれぞれ載っておりますけれども、それはどのように反映されておられるでしょうか。

【岩本首席指導主事】  意見といたしましては、子どもの能力に合わせた本を選んでいただきたい、また、わかりやすく自分から進んで学習できる内容がよい、あるいは、絵や図が載っており文字が大きいほうがいいといった意見が多くございました。各校では、保護者、生徒の意見を参考にして選定をいたしております。例えば知的障がい校である特別支援学校の小学部では、国語の教科書といたしまして、このような「電話で話そう」といった絵本を選定しております。実体験を通して電話のかけ方、話の仕方を学習できるといった内容になっております。

【高尾委員】  リストを拝見しますと、検定教科書よりも一般図書、絵本などが、一般図書から選定されているという数が非常に多うございますが、これはどのようにして選定されているのかお聞かせいただけませんか。

【岩本首席指導主事】  インクルーシブ教育推進担当の岩本です。ご質問の内容ですが、一般図書として絵本等を教科用図書として使用する場合、原則として、こちらにあります平成25年6月、大阪府教育委員会から示されました附則第9条関係教科用図書選定資料にある一般図書を選定することになっておりますが、それ以外の専門書や学校から副申を受けてほかの図書を選ぶ場合もございます。

【大森委員長】  そのほか、ご発言、ご意見、いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 そういたしますと、私ども教育委員は各学校の選定調査会からの答申を拝見しながらこれまで協議を行ってきたところでございます。それぞれの学校の答申につきましては、その学校の編成する教育課程、また、そこで学ぶ児童・生徒の興味、関心あるいは能力、適性などに応じて、現場において十分に検討されて選定されたものであると認識しておるところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、特別支援学校の教科書につきまして、各学校の選定調査会からの答申に特に異存がなければ、これを尊重して採択ということに進んでまいりたいと思いますけれども、そのように進めてよろしいでしょうか。

 委員の皆様、何かご意見、ご発言はありますでしょうか。

【林委員】  私もこの特別支援学校における教科用図書につきましては、やはり生徒、児童、一人一人の障害を適切に判断し、状況に応じて図書が選定されるということが一番重要であろうと考えておりますので、特に答申で挙がってきたものということで異存はございません。

【大森委員長】  そのほかの委員におかれましても、各校の選定調査会の答申につきまして何か疑問点などございますでしょうか。

 よろしいですか。

 なければ、採択へと進みたいと思います。

 平成28年度の特別支援学校の使用教科用図書につきましては、各学校の選定調査会から提出されました答申書のとおり採択するということでご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大森委員長】  ご異議がありませんので、平成28年度の特別支援学校の使用教科用図書は、各学校の選定調査会からの答申のとおり採択いたします。

 

 以上をもちまして、大阪市立の中学校、高等学校、そして特別支援学校につきまして、ただいま平成28年度使用の教科用図書の採択を全て終了したところでございます。

 この際、教育委員会を代表して私のほうから一言申し上げたいと存じます。

 このたびの教科書採択は、答申資料を参考にしながら行ってまいったところでございまして、そこには調査研究にかかわられました現場の方々、それから事務局の皆さんを含めて、その膨大な尽力というものがそこの答申資料となって、我々の協議、8月5日の審議、そして本日の審議に至ることができたわけでございまして、調査研究に当たられた方々を中心にご協力いただいた皆様方に対して教育委員会一同としては厚く御礼を申し上げたいと思います。

 私ども委員といたしましては、子どもたちにとってより適切な教科書を選んでほしいという保護者及び市民の皆様の思いを大切にしながら検討を進めてきたつもりでございます。それに基づきまして、8月5日の教育委員会会議及び本日のこの教育委員会会議におきまして、教科書の採択というものを、非常に重い決定ですね。各教科、各科目、各種目について行ってまいったところでございます。どの教科・科目、どの種目につきましても、これまで十分に厳正かつ公正な審議と採択というものを行えたと確信しておるところでございます。

 今後は事務局におかれて、この採択された教科書を使用いたしまして各学校、学校現場におきまして教育実践が適切に積み重ねられるように、現場の先生方とともに努力していただきたいと思います。

 

(5)大森委員長より閉会を宣告。

 

 

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