【第69号】「おうちで伝える『性』のおはなし その3 ~よくあるお悩みと対応のヒント」NPO法人ピルコン理事長 染矢 明日香
2025年1月15日
ページ番号:419900
今回は、よくある保護者の悩みとその対応のヒントを紹介していきます。
お悩み1

テレビでキスシーンやエッチなシーンが流れてきた時、どう反応すればいいのか、悩んでしまいます。
対応のヒント
子どもの年齢にもよると思いますが、あまりに子どもにとって刺激が強いと感じるシーンについては、「これは大人が見るものだから、あなたにはまだ早いかな」と言ってチャンネルを変えたりテレビを消したりするのもよいと思います。思春期以降で、性について考える年齢になったら、性的なシーンが出てきた時は、性教育の絶好のチャンスではないでしょうか。 お互い押し黙って気まずい雰囲気になるよりは、ロマンチックなラブシーンやハッピーなシーンでは「一緒になってよかったね」「素敵ね~」や、突然の展開には「ちょっと展開が早過ぎない?」、暴力的で従わせようとするようなシーンは「こんなことするなんてひどい!」「これはフィクションで、実際にするのは犯罪だからね」などと率直な感想を口にしてみてはと思います。子どもにとって「大人(うちの親)ってこう思うんだ~」と学ぶ機会になるのではと思います。
お悩み2

小学校低学年の子どもが、赤ちゃんの誕生について興味を持っているようです。どのように伝えるのがよいでしょうか?
対応のヒント
いのちの誕生について「橋の下で拾った」「コウノトリが運んできた」など、うそを伝えるのはよくないと思います。子どもが真実を知った時に傷つき、また、親の性をタブー視する姿勢から、「性のことは聞いてはいけないことなんだ」と否定的なメッセージを受け取ってしまうからです。
子どもからいのちの誕生について質問されたとき、性交について話さないといけないと思って戸惑ってしまうかもしれませんが、子どもは性交について知りたいというわけではなく、いのちがどうやって誕生するのかに興味があります。子どもの年齢にもよりますが、まずは、「お父さんのいのちのもと(精子)と、お母さんのいのちのもと(卵子)があって、その2つが出会って、赤ちゃんになるんだよ」と大まかに話してみます。これだけで納得するようなら、次に質問してくるのを待てばいいと思います。それでも、「どうやって出会うの?」と興味をもっているようなら、「精子はペニスの先から出るけど、精子は空気にふれると生きていけない」「卵子は女の人のおなかの中にあり、いのちが通るワギナという道がある」「ペニスの先をワギナに入れて、精子を卵子のそばに送り届ける」などと説明してはいかがでしょうか?絵本などを見せながらお話しするという方もいるようです。
「子どもが性について興味を持ってマネをしないか心配」「言葉だけが独り歩きしてしまうことが心配」という方は、ぜひプライベートゾーンのルールを一緒にお伝えしてくださいね。性の話題は大切なことですが、プライベートなことでもあり、性的な言葉で人を不快にさせたり、公共の場や人前で話題にしたりすることはマナー違反だと話しましょう。
お悩み3

男子の性教育は父親にお願いするべきでしょうか?
対応のヒント
お悩み4

子どもが使用後のPCの閲覧履歴にアダルトサイトがあるのを見つけ、対応に困っています。
対応のヒント
子どもが性情報を見ていることに嫌悪感をもったり、つい叱ってしまいたい気持ちになったりする方もいれば、関心をもって当然だと思う方もいらっしゃると思います。アダルトサイトは大人向けの情報で、女性をモノ扱いしたり、暴力的・過激な表現も多く含まれていたり、性行為の教科書にしていいものではありません。また、画面を見ているうちに勝手に会員登録をされたり、アプリがダウンロードされ、架空請求や料金トラブルが発生したり、コンピューターウイルスによるハッキングのトラブルも多くあります。ただ、一方的に禁止をするのも得策とは思えません。「あなたも性について興味をもっているみたいだけど、それ自体は大人になっていく上で自然なこと。ただ、あなたが見ていたサイトは18歳未満の人は見てはいけないもの。見ることができてしまう環境もよくないのだろうけど、なぜそうなっているんだと思う?」と一緒に考えながら、フィクションと現実とは違う点、トラブルも多くある点などを納得してもらった上で、性情報と子どもがどう向き合っていくか、考える機会にしてもらってはと思います。
お悩み5

子どもに彼氏・彼女ができたようで心配です。門限を厳しくしようか迷っています。
対応のヒント
子どもの行動の制限や監視をするより、心配している気持ちや子どもに知っておいてほしいことを、次のような感じで率直に伝えてはどうでしょうか。
好きな人ができることや、お付き合いすることは素敵なこと。お互いを尊重して、どんなことでも話し合える関係でいてほしいと思う。そして、好きな人に触れたいと思うことは自然なことだと思うけれど、性行為をするということは、赤ちゃんができる可能性があること、性感染症にかかる可能性があることも知っておいてほしい。赤ちゃんを生んで育てるということは、親になる覚悟はもちろん、時間もお金も必要。その準備が整っているのか、お互いのことを本当に大切にするのであれば、ベストな選択はどれなのか、きちんと話し合えるといいなと思う。あなたが大切だから、傷ついたり、付き合っている人を傷つけたりしてほしくない。もし困ったことがあったら、いつでも相談してね。
以上、なかなか難しいかもしれませんが、参考にしてみてくだいね。
探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先
大阪市教育委員会事務局生涯学習部生涯学習担当生涯学習推進グループ
住所: 〒550-0014 大阪市西区北堀江4丁目3番2号(大阪市立中央図書館4階)
電話: 06-6539-3346 ファックス: 06-6532-8520