【第71号】「子どもの生きる力をはぐくむ家庭のちから パート3」大阪市教育委員会事務局 指導部 教育活動支援担当
2022年10月30日
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「親力アップサイト」コラム集の第13号、第41号で「学校キャラバン隊」の意義、全国学力・学習状況調査から見えてくる課題について、その一部をお示ししました。「学校キャラバン隊」がスタートした平成20年度からの訪問累計は172回となっており、平成29年度は、幼稚園、小学校、中学校、出前講座等合わせて20件実施いたしました。平成29年度からは、各学校園のニーズに応えながら家庭や地域のかかわりについて、よりわかりやすく伝えられるよう内容も一層充実させております。今号は、特に学校園からの希望が多かった、「自尊感情」「親子のコミュニケーション」についてお伝えしたいと思います。
「自尊感情」と「親子のコミュニケーション」
「学校キャラバン隊」を実施する前の打ち合わせで、
・子どもが自分自身のことを尊重できるように育てたい。
・子どもと良好なコミュニケーションをとりたいが、どう声かけしたらよいのか。気が付いたら小言ばかり言っていて、子どもはあまり話さない。
といった声をよく聞きました。
自尊感情とは、自分にはよいところがある、自分は役に立つ存在だ、自分自身を価値のあるものだと感じ、自分を大切に思える感情のことです。平成30年度全国学力学習状況調査の結果、児童生徒の肯定的な回答の割合は、年々増加していますが、全国平均よりも低いという課題は続いています。
クロス集計では、「自分にはよいところがあると思いますか」という問いに対して、肯定的な回答を示した児童生徒の方が、正答率が高いという結果が出ています。
一方「学力調査の正答率と家の人と学校での出来事について話をする率」とのクロス集計では、話をしている児童生徒の方が、正答率が高いという結果が出ており、数字的にもかなり大きな開きがあると言えます。
また、教科の正答率だけではなく、「家の人と学校での出来事について話をする」や「将来の夢や目標をもっている」「自分で計画を立てて勉強している」と回答している児童生徒ほど、「自分には、よいところがあると思う」と回答している傾向が見られます。
家の人と学校での出来事について、よく話ができる環境にあるということは家庭でのコミュニケーションが良好であると言えるでしょう。子どもの顔を見たらまず小言から始まっていると、子どもはなかなか心を開いてくれません。
では、どのようにすればよいのでしょうか。
「ミホカヨ」のすすめ
「学校キャラバン隊」では、「『ミホカヨ』のすすめ」をお伝えしています。子どもの努力の過程に目を向け、「みとめ」「ほめる」こと、たとえば子どもが家族のために何か役立ったときには、心からの「感謝(かんしゃ)」や「喜び(よろこび)」を伝えることを積み重ねることで意欲が出てきます。
また、子どもに「わかってくれている」「聴いてくれる」という実感があると、安心感に包まれ、学校でのようすや、今どう感じていて、何に悩んでいるのか、素直に話してくれるようになります。そして親子のコミュニケーションも深まるでしょう。
「学校キャラバン隊」では、具体的な例をあげて、親子のコミュニケーションに大切なことやコツなどをお話しています。
「学力の向上」とコミュニケーション
文部科学省が示している「生きる力」とは、「豊かな心」「確かな学力」「健やかな体」の3つの要素がバランスよく合わさった力をいいます。全国学力・学習状況調査の結果は、学力の一側面を表すものです。「学校キャラバン隊」では、生きる力の重要な要素である学力を支えるためには、基本的な生活習慣の確立と学習環境を整えることが、大人の役割として大切であることをお伝えしてきました。子どもとしっかり向き合い、夢や将来の希望についても、語り合うようなひとときがあれば、より子どもの意欲が高まるのではないでしょうか。
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