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【第74号】「よりよい関係を築く『わかりやすい伝え方』」一般社団法人教育コミュニケーション協会 福地朋子

2022年10月30日

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 相手に思った通りに伝わらない時、「どうしてわかってくれないの?」と悲しい気持ちになることや、「何度も伝えているのに!」とイライラすることもありますよね。中には最後まで話を聞いてもらえず「何がいいたいの?」と話を遮られ、自信をなくしてしまう人もいます。
 親子や夫婦、友人同士で「伝わらない」状況が続くと、大切な人間関係に思わぬ影響が出かねません。それが職場であってはさらに大変です。上司や顧客に伝わらない状況が重なると、仕事がうまくいかないだけでなく、信頼を失うことさえ考えられます。もし、あなたが伝えたいことを意図通り相手に伝えることができれば、大切な人間関係もうまくいき、不要なストレスを抱えることもなくなります。そして今よりもっと自信をもって、よりよい関係を築いていけるようになります。

「伝わらない」のは、聞く側ではなく伝える側の責任


 「伝わる」とは、相手が「わかる」状態です。反対に「伝わらない」とは、相手が「わからない」状態です。もし、何度同じことを伝えても「わからない」場合、決して相手が悪いわけではありません。相手が「わかる」ように伝えられていないのであれば、伝える側の配慮が足りないのです。「わからない話」は何度くりかえし聞いても「わからないまま」です。わかってくれない相手を責めても何も状況はかわりません。伝える側が工夫をしましょう。「わからない」原因を取り除き、相手に配慮した「伝え方」をマスターすると、よりよい関係を築く会話ができます。これは誰にでもできることです。ぜひ最後までご覧いただき、大切な人とよりよい関係を築いて頂ければ嬉しく思います。

まず「伝わらない」「わからない」原因を取り除きましょう

 あなたがいつも話しかける状況を思い出してみて下さい。何の前置きもなく、いきなりあなたが言いたい事を伝えている場面はありませんか?

 例えば、帰宅したばかりの夫に「そういえば、山田さん土曜OKだって!」と一方的に伝える。ふと見ると夫は、カバンの中を何か探している。
 このようにあなたの話を「聞く態勢ではない」相手に、一方的に話していることがあるかもしれません。まずは、相手に聞いてもらうことが重要なので、相手に聞いてもらえるように「○○のことだけど、今話してもいい?」と相手の状況に配慮をもち話しかけましょう。帰宅したばかりの夫は、仕事や明日の段取りのことで頭がいっぱいかもしれません。そんな時に、前置きもなくあなたの頭の中にある「伝えたいこと」を一方的に伝えても伝わらないのは当然です。まずは、相手が「聞く」に合意してくれることが重要です。これは、相手が子どもであっても同じです。


 「わからない」原因は、他にもあります。相手がわからない言葉を無意識につかっている場合です。あなたには「日常の言葉」であっても相手にはわからない言葉もあります。特に専門用語や熟語、カタカナ語は注意が必要です。相手のつかっている言葉をつかって話をすることで伝わりやすくなります。
 他には、不要な情報が多すぎる、一文が長すぎる場合も伝えたい要点がわかりにくくなります。なぜなら、脳は一度にたくさんの情報を処理できません。ですので、話はテーマごとに区切る、一文は短く伝えることで理解してもらいやすくなります。

では、どうすれば伝わりやすくなりますか?


 (誰)に(何)を伝えたいかを、事前に(整理)してから伝えることが重要です。あたりまえのことに聞こえるかもしれませんが、準備をせずに話はじめる人は意外と多いものです。これから相手に伝える目的(依頼・相談・質問・報告・御礼・謝罪・確認)も明確にして、最後の一文(伝えたいこと)を準備しておきます。

例えば、

(夫)に(山田さんが家族全員でバーベキューに参加すること)を報告。

(夫)に(バーベキューの材料の買い出しについて、いついってもらえるか)を相談したい場合の会話例。

 

「おかえりなさい。この前、話していたバーベキューの件で報告したいんだけど、今いい?」(いいよ)

「土曜日の午後はどうか?と話していた件、山田さんはご家族全員で参加だそうよ。」

(そうなんだ、にぎやかになるね!)

「山田さんと話をして、材料の買い出しの件もあなたに相談しようと思ってたの。今相談してもいい?」(あ、ごめん。急ぎで1件電話をしなくちゃいけないから、終わってからでもいい?)

「もちろん、こちらは急がないから後でいいよ。ありがとう。」

 

このような会話ならお互いストレスをためなくてすみますね!


 帰宅した夫(妻)に話しかけても無反応の場合、無関心・非協力的に感じ「腹が立つ!」と思ってしまうことがあるかもしれません。でも、それは勘違いかもしれません。
 私たちは、身近な相手であればあるほど、相手の理解力に頼りがちです。主語・述語のない会話をしてしまいがちです。雑談であれば問題ありませんが、伝えたいことがある場合は、発信者側が相手へ配慮して伝えることが重要です。


ぜひ、相手の状況に配慮をして、相手のペースに合わせ、相手の使う言葉をつかって、よりよい関係を築いていっていただきたいと思います。

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