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【第81号】「仕事と家庭の『本当の』両立とは その2」ダブルムーン合同会社代表 福地朋子

2022年10月30日

ページ番号:493777

一人では解決できない・・・誰かの力をかりよう

 第二歩として、誰かの力をかりられることがないか、見直してみましょう。家族でもそれ以外でもいいと思います。一人で抱えこまず、相談してみることからはじめてみましょう。今あなたが困っていることを具体的に伝えてみることから、すべてがはじまります。家族をひとつのチームと捉え、全員がチームの一員として主体的に力を合わせていくことで、よりよいコミュニケーションが生まれます。


  仕事においても同じことが言えるでしょう。頑張っても頑張っても終わらない仕事を終わらせようと残業続きになり、疲れ切ってしまう。もちろん「そんな時期」があるのは、どの仕事でも致し方ありませんが、通年、残業続きというのは問題です。どの業界でも人手不足が深刻化しており、一人あたりの仕事量は増えるばかりです。ということは、今までと同じやり方では到底追いつかなくて当然です。私たちは、何か、やり方を変えるとき、やらないと決めるとき、とても勇気がいるかもしれません。誰かの目が気になり過ぎたりすることもあります。


  もちろん会社に貢献するための仕事ですから、会社に不利益を与えてはならないのは前提ですが、これまでのやり方にこだわっていては、どうにもならないことがたくさん出てきます。進化したコンピューターの力をかりるのはもちろん、私たちは柔軟に変化していく必要があります。自分単独の変化では仕事がうまくいかないことも出てきます。誰もが誰かとかかわって仕事をしているわけですから、そのコミュニケーションを潤滑にする必要もありますね。

円滑なコミュニケーションのために

  では「どうすればコミュニケーションが潤滑になるか」というと、相手軸(相手の価値観に合わせて)で言動することです。これは、親子のコミュニケーションでも同じことが言えますが、あなたが言いたいタイミングで、言いたいことを自分の価値観だけで伝えていてもうまくいかないわけです。相手が「YES」と言いやすいタイミング、言い方をする相手軸のコミュニケーションを取り入れることで、対話がスムーズになります。

何がいちばん大切なのか


  効率化が叫ばれる昨今ですが、目的を忘れてはならないと思うのです。私たちは豊かに幸せな気持ちで生きていきたいはずです。ついつい忘れがちなのは、大切にしたいことの優先順位です。優先順位の高い順に時間を使えるよう、日々の時間の使い方を再検討していく必要があります。ついつい、目の前の作業に意識を向けすぎると、家族とのコミュニケーションもおざなりになりがちです。例えば、「水筒を出しなさい」「お弁当箱を出しなさい」とガミガミ言ってしまった経験はないでしょうか。翌日の段取りを考えれば「夕食の片づけと同時に洗ってしまいたい」という気持ちはわからなくありません。


  しかし、それより大事な親子の会話は、他にたくさんあるはずです。「宿題したの?」のお決まりトークも同じです。「やらなければならない」と思いこんでいることばかりに意識が向き、本当にやりたいことが何なのか、考える機会がなくなっていると感じています。
  
  進路を考える時期になると「なにがしたい?」と子どもに聞きます。「なにがしたいかわからない」という子どもも少なくありません。「したいこと」は普段の会話の中から気づくものです。友人との会話もそうですが、包み隠さず話せる家族との会話から「やりたいこと」や未来像を描くこともあるのです。

『本当の』両立とは?

  仕事と家庭の両立という目的自体が、本来の目的を見失いがちなテーマかもしれません。「両立すること」よりも、私たちにとって「何が大切なのか」を考え、向き合い、話し合う時間を大切にすることで、本当の意味での両立が叶うのではないかと感じています。

  時間配分だけでなく、満足度も重要です。「何のために、仕事と家庭の両立をしたいのか」ということに意識をもち、優先順位を決めていくことが必要です。「○○しなければ」「○○であるべき」を基準に優先順位を決めている間はとても苦しい思いをするものです。

  繰り返しになりますが、一人でどんなに頑張っても、できることは限られています。

  一人の力が最大(1.0)とすれば、どんなに頑張っても1.0以上結果は生まれません。誰かの力を(0.3)借りられるならば、仮に自分の余力を(0.2)残し(0.8)の力で進んでも結果は(1.1)になるのです。



  真面目で頑張りやさんの人ほど、一人でなんとかしようという傾向があります。幼い頃「人に迷惑をかけてはいけません」と言われて育った人も少なくないと思いますが、人と人は助け合って生きていくことを前提として生まれてきたのではないでしょうか。
  
  人を助け、時に人に助けられながら「感謝を伝えあえるコミュニケーション」が私たちの生活を潤すのだと実感しています。

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