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【第85号】「ハッピーをかなえるスマホ~子どもが安全にスマホと付き合うには」 大阪府子ども家庭サポーター 辻 由起子

2020年3月23日

ページ番号:497339

デジタルネイティブ・スマホネイティブの誕生


 1990年代にインターネットが解放され、そのインターネットの発展とともに育ったデジタルネイティブ(※)世代は、3次元のリアルな世界だけではなく、2次元の仮想空間も生活の一部になるなど、2次元と3次元の境界が良くも悪くも曖昧になりました。スマートフォン(スマホ)が登場すると、その傾向がますます強くなり2次元と3次元の逆転現象まで起きています。スマホネイティブ世代は、2次元の世界で起こる出来事を、3次元の世界に反映させるようになっているのです。

※デジタルネイティブ・・・学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代であり、日本では1980年前後生まれ以降が該当するとされている。

SNSで相次ぐ子どもの事件被害


 小学生世代もスマホを使う時代になっています。警察庁によると、2017年にSNSを通じて犯罪に巻き込まれた18歳未満の子どもは1,813人でした。そのうち87.7%がスマホを使ってアクセスしていましたが、有害情報にアクセスできないようにする「フィルタリング」を使用していたのはわずか8.4%でした。子どもを守るためにも、保護者がスマホについて学び、ネットに繋がる機器の「フィルタリング」(※)や「ペアレンタルコントロール」(※)は必須です。「フィルタリングのやり方がよくわからない」という方は、携帯ショップで聞いてみてくださいね。

※フィルタリング・・・青少年に有害で危険なサイトやアプリを選択的に排除する機能のこと。

※ペアレンタルコントロール・・・子どものスマホ等の利用を親が監視して制限する取り組みのこと。最近ではテレビゲーム機で遊ぶ時間の制限なども、このように呼ばれることがある。

【スマホ禁止】ではなく【スマホ共存】にむけて


 子どもに対して、全面的に「スマホ禁止」と言っても、そもそも大人が使っているツールなので子どもにだけ「禁止」と言ってもあまり説得力がありません。子どもが小さいうちはまだ自己抑制能力が身についていないので大人が「禁止」をすることも時には必要ですが、スマホとの共存を前提に、使用にあたって「我慢する力」を子どもが主体的に身につけていく取組も大切です。タイマーをセットするなど、子どもにわかりやすい簡単なルールを決めて少しずつ「我慢する力」を養ってあげてください。我慢が出来たら沢山ほめてあげてくださいね。身近な大人にほめて・認めてもらうことで「次も頑張ろう」という内発的な動機が生まれます。「禁止」は「外発的動機づけ」と呼ばれるもので、一時だけ言うことを聞いても本質的な行動変容にはつながりにくいです。「禁止」という抑圧ではなく「なぜそれがダメなのか」という理由を納得することが大切です。

根っこにあるのは承認欲求


 子どもたちがSNSを使って「いいね!」の数を競い合うのには理由があります。『かまちょ』と呼ばれる現象です。寂しいから自分のことをかまってほしい、認めてくれる相手がほしい、「かまってちょうだい」という承認欲求が根底にあります。コミュニケーションアプリを使えば24時間いつでも誰かとつながることが出来るので、リアルな世界で承認欲求が満たされないと、2次元の世界に居場所を求めます。2次元の世界にも居場所があることは良いことですが、バランスが大切です。2次元と3次元の世界をバランスよく行き来できるように、周りの大人の関わり方が大切です。子どもにとって身近な大人がどんな関わり方をしているか?「大人にとって都合の良い子どもだったら認める」という条件付きの愛情を与えるのではなく、「良い時のあなたも、悪い時のあなたも大切な存在」と、子どもの存在そのものを肯定するメッセージを、リアルな世界でどれだけ伝えられるかが「承認欲求」を満たすポイントになります。

子どもの幸せセンサーをつくる


 日頃からなんでも話せる家庭環境があれば、もし子どもがトラブルに巻き込まれてもすぐに話すことができます。家庭で「禁止」という抑圧をかけ続けていると「怒られるから言わない」という行動パターンが無意識のうちに身についてしまいます。子どもの喜怒哀楽、全て大事な感情です。喜怒哀楽を安心して家庭の中で表現できるようになると、困った時にすぐに話してくれるようになります。良い時も悪い時も受け止めてもらえる体験をすると「幸せセンサー」が身につきます。自分が大切に扱われなかった時に「嫌だ」「おかしい」と感じるセンサーが身につくことでトラブルを未然に回避できるようになります。

発達段階を知って親子一緒に成長していく


 「うちの子、スマホやゲームをやり出したらやめられません」よくある相談です。「我慢する力」は脳の「前頭前野」という部分が担っています。子どもたちは、前頭前野の働きが十分に発達していないため、欲求を我慢する力がそもそも育っていないこともあります。では、どうすれば育つのか?前述したように子どもにわかりやすいルールをつくって、「我慢する力」を育てていきます。スポーツで結果を出すために、毎日練習を積むのと同じです。前頭前野は体験や経験を積むことで発達していきます。ルールを守って取り組むことで快適に生活が出来ることを、日常生活の中で体験してもらってください。2次元の世界の方が楽しいと、2次元の世界で過ごす比率が高くなって当然です。3次元の生活を楽しめるように、日々の会話やお手伝いを通して、リアルな「楽しい!」を増やす工夫をしてみてください。たとえば「遊び」には全てシンプルなルールがあるので、まずは親子で楽しく遊ぶことから始めてみてください。①まずは親がシンプルなルールを決める。②子どもと一緒にルールを決める。③自分でルールを決める。子どもの発達段階に合わせて、スモールステップでスマホやゲームと共存できる力をつけてあげてください。初めての子育て。うまくできなくて当たり前。悩むことは成長のチャンスなので、親子でゆっくり成長していってくださいね。 

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