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【第88号】親子で楽しみ育む“実験あそび”の時間 その1  遊びの大切さ と科学  こどもサイエンスプラニング代表 岳川 有紀子

2021年6月10日

ページ番号:529242

小さい子どもにサイエンス(科学)・・・?

小さな子どもに科学って、それはムリでしょう、難しいでしょう、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、教科書に載っているような科学の原理を教えよう、理解させよう、ということは目指しません。それは無茶なことですし、子どもにとっても苦痛です。

今回、私が紹介する「実験あそび」は、幼児(1才~就学前の6才の子)とその保護者(親、園の先生など)を対象としたもので、題材は、小さな子どもにとって身近な現象や“もの”など。それらで遊び、観察し、会話を深めながら親子で科学を楽しみます。

決して、早期英才教育ではありません。いつもの遊びをほんの少し工夫するだけ、という感覚で、取り入れてみてください。

※:私の場合は、科学の分野でいうと主に化学,物理を中心としています。

遊びの大切さ


昔から「遊びは子どもの仕事」と言われてきました。それくらい、子どもにとって遊ぶことは大切、ということですよね。「遊び」にもいろいろありますが、小さな子どもたちにとって大切な「遊び」方は、その子の興味・関心に基づいているか、その子の考えや気持ちに基づいてじっくり遊ぶ経験を重ねているかです。キーワードは、
「楽しく遊ぶ」
「自由に遊ぶ」
この2つだけです。
どんなに幼くても、楽しくて自由な遊びの中では、多かれ少なかれ、その子なりに観察し、考え、発見し、次の行動を起こす、…そんな循環が起こっています。このような自由な行動や試行錯誤を重ねることで、「チャレンジする力」、「考える力」、「没頭する力」、「がんばる力」、「くらべる力」、「伝える力」など、『非認知能力』と呼ばれている能力が、幼児の時期に大きく発達すると言われています。こうした力は、将来、理系に進む進まないに関係なく、論理的・客観的な思考、説明ができる人になるために、だれにとっても必要で、とても大切な力です。
さまざまな試行錯誤があふれる遊びは、まさに「科学」です。ちょっと違った角度で見るだけで、普段の生活や遊びには科学がいっぱいあります。お風呂でスポイトと水で遊んでみる、ポリ袋に空気を集めて空気を感じてみる、お昼と夕方に影踏みをして遊ぶ…。実験らしい道具を用意しなくても、科学っぽい遊びを始めることができます。
そんな「実験あそび」をするときに、保護者の方にお願いしたい3つのことを、ご紹介します。

 

①子どもを見守る・・・大好きなお父さんお母さんの共感は心の栄養


「ねぇ見て見て!」「お父さん来て!」…よく子どもはそんな風に大人の気を引きますね。正直、ちょっと面倒に思ってしまう時もありますが、もしかしたら何か重大な発見をしたのかもしれません。大人にとっては、取るに足りない発見かもしれませんが、ここは愛情を前面に出して、できるだけ話に耳を傾けてあげましょう。小さな子どもの更なる挑戦、発見には、大好きな人が見てくれている、受け止めてくれる、という安心感がとっても大切です。
もちろん、大切な我が子がケガをしないように、周りに迷惑をかけないように、という意味でも、見守ることは大切です。

②できるだけ自由に遊ばせてあげてください

「自由に何かやらせたら、家の中が大変なことになる!そんなのムリ!」ですよね。

ここで言う「自由に遊ばせる」というのは、「大人が知っている正しいやり方や最適な方法を、子どもに教えたり指示したりしないでくださいね」という意味です。

例えば、砂場で高い山を作ろうと思っても、崩れてしまう…。「水をもっと入れてみたら?」、「もっと砂をギューギューに押して固めてごらん」、というようなアドバイスを、ついつい言いたくなってしまうのですが、そこをグッと我慢です。「まだ小さいからムリやろ」というような、ヤル気をそいでしまうような言葉かけも控えたいです。

とは言っても、相手は、まだ人生経験の浅い小さな子ども。放っておいて、自力で何とかできるにも、限界があります。そんなときは、「子どもは、意外と周りをよく見ている」という行動を利用します。大きなお兄ちゃんお姉ちゃんが、どんな風に砂で遊んでいるか?その結果、砂がどんな風になるか?を黙って観察したあと、じゃあ、自分もやってみよう!と行動し始めるような感じです。

もし周りに誰もいなければ、しかたありません、保護者の方が「お姉ちゃんお兄ちゃん」の役割を演じてみましょう。教えるわけでもなく、見なさいと言うこともなく、一緒に遊ぼうと誘うこともなく、ただ保護者の方が楽しそうに砂の山を作って遊んでみます。「お父さん、どうやってやったの?」と聞かれたら、お父さんがやったことを、丁寧に教えてあげてください。「やってみたい!」と言えば、「もちろんどうぞ」です。こんな感じで、子どもにとって自然にヒントを見せ、遊びのステップを上げる方法もあります。

「実験あそび」の中でも、もちろん彼らの人生の中でもですが、困難にぶつかり、失敗することもあるかもしれません。失敗したらすぐに手を差し伸べる、あるいは、先回りして困難にぶつからないようにしてあげたい、と思うのも親心です。でも、いつまでも私たち保護者が先回りをしてあげるわけにもいきません。子ども自身が気づき、立ち上がり、新しい挑戦をしていくことができるように育ててあげたいものです。

賢くなった大人から見ると、子どもの失敗やトライは回り道に見えますが、それらは無駄足ではありません。その瞬間こそ、子どもが成長している時です。教えてもらったことを、ただするだけでは、オリジナリティあふれる思考力は育めません。子どもたちの経験や思考の育成に大切な回り道と思って、できるだけ自由に遊ばせてあげましょう。

③子どもの表情、行動や言葉を観察・・・宝物の瞬間に


おしゃべりで発見を語ってくれる子もいますが、言葉にしなくても(できない年齢でも)、お母さんお父さんの方を向いて「見て!」というようなキラキラした目を向けることもあります。でもそんな時、大人がスマホを見ていると、このうれしそうな顔に気づいてあげられません。子どもも、そのキラキラした目を、しょんぼり下に戻すことになります。これは保護者として、もったいないことです。スマホはちょっと置いて、または、この子がいつどんな発見をするかわからないから、常にスマホのカメラを準備して、でもいいと思いますが、「どんな一瞬も見逃さないぞ」くらいの勢いで、子どもを観察してみましょう。
子どもの行動、表情、言葉は、今その瞬間にしか無いものです。同じことは二度と起こらない、宝物のような瞬間です。子どもの小さな発見の瞬間に立ち会えることは、保護者として幸せなことだと思います。(89号に続く)

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