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【第108号】「子どもも大人も性が多様である中を生きる大事なひとり~その2~」にじいろi-Ru(アイル)田中一歩

2022年3月17日

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出前講座『じぶんをいきるためのるーる。』を子どもたちに届けよう!


にじいろi-Ru(アイル)が4歳以上の子どもたち対象にする出前講座は、今年で6年目になります。「性の多様性から自分について考える」をテーマに講座をしています。出前講座では最初に「ともだち紹介」をします。いろんなともだちに出会う中で子どもたちは思ったことを口々に言います。
見た目、髪型や服装、服の色などで「女の子」「男の子」など声に出して言う子どもたちが多いです。「なんで女の子と思う?」などやり取りをしていきます。「この人はこんな髪型、こんな服が好きなんやって。みんなは自分の好きな髪型できてるかな?好きな色選んでる?」とやり取りを深めていきます。【性表現】
子どもたちは、自分が「男の子」と思っていたともだちが「女の子です」と言うと「おかしい」「えー!」「そうなんや~」などの反応をします。次々とともだちに出会う中で子ども達の中から「もうわからへんわー」「その子に聞いてみて。」などといった言葉が聞かれるようになります。『その人が思う性がその人の性であって、誰かに決められるものではない』ということを考える場面になっています。【性自認】
また「お母さんとお母さんとぼくの3人家族です。」というともだちが出てくると「なんでお母さんふたりなん?」といった質問が出てきます。子どもたち自身が自分の家族について話をしてくれたりします。『いろんな家族のかたち』『いろんな好きのカタチ』があるよということを知る場面になります。【性的指向】

「ちゃんとしてる」「ちゃんとしてない」


小学校2年生の講座でこんなやり取りがありました。
ともだち紹介の中で4人目に出てきたともだちが「わたしは女の子です。わたしは男の子のことが好きです。」と自己紹介をしてくれると、子どもたちの中から「ちゃんとしてる~」という声が聞こえてきました。ボクが「ちゃんとしてるってどういうこと?」と聞くと、ひとりの子が手を挙げて答えてくれました。

「いっぽさん、だってね、1人目のおともだちは、男の子やのに髪の毛が長いし、お母さんとお母さんの家族やからちゃんとしてない。2人目のおともだちは、女の子やのに『ぼく』って話すからちゃんとしてない。3人目のおともだちは女の子やのに、そんな短い髪がたで男の子みたいな服着てるからちゃんとしてない。でも、このおともだちは女の子で『わたし』って言っていて、ワンピース着てるし、女の子で男の子のことが好きやからちゃんとしてる。」

あまりにもすらすらと丁寧に説明してくれるこの子にボクは「そっかぁ、教えてくれてありがとう。『ちゃんとしてる』とか『ちゃんとしてない』とかって誰が決めるんかな?」と問いかけました。周りの子どもたちも首をかしげながら一生懸命考えていました。

「今、紹介しているともだちは、自分の好きな髪がたをして、自分の着たい服を着て、自分の話したい言葉で話している人たちやねん。みんなも自分の好きな髪がたができて、自分が着たい服が着れて、自分が話したい言葉で話せてたらいいなぁと思ってるよ。そして、どんな家族のカタチも「おかしい」家族のカタチはひとつもないと、ボクは思ってるよ。いろんな家族のカタチのおともだちがこの教室にもいるんちゃうかなぁって思ってるよ。」と話しました。

日常生活の中で子どもたちといっしょに考えてみる


休日にボクのともだち家族が遊びに来ました。そのともだちの子どもAちゃんは小学校1年生です。ともだちがこんな話をしてくれました。
「先週お風呂に入ってる時Aが『なぁ父ちゃん、チン(ペニス)もキン(睾丸)もない男の人なんかおらんなぁ?!』って聞いてきてん。そのとき、いろんな男の人がおるでって答えてん。いろんな身体のカタチの男の人がいるんやでーって話をしてん。」
子どもに同じように聞かれたら、あなたは何と答えますか?
このともだちは15年以上前、ボクとパートナーが自分について自分たちのことについて、はじめてカミングアウトしたともだちです。あの日からいっしょに、「性の在り方(セクシュアリティ)」「性の多様性」について、「自分とセクシュアリティについて」「自分のセクシュアリティについて」、自分の中にある「あたりまえ」について、自分の中にある性に対しての意識・偏見について、たくさんたくさん話しをしてきました。
大人が「セクシュアリティ」「性の多様性」について深く知れば、日常生活の中で子どもたちと十分話ができるのです。

性についての情報を更新し、自分の中にある「あたりまえ」と向き合ってみる


誰かの幸せを願い話されている内容が、実はその誰かの大切なことに蓋をさせてしまうことがあります。コラム①で書いた電車の中でのやりとりのように、自分にとっての「あたりまえ」を押し付けてるつもりはなくても、押し付けてしまっていることがあります。その結果、子どもたちは自分の本当に思っていることを言わない、言えなくなります。言えない子どもたちは「いないもの」にされていくのです。
そこに「いる」のに「いないもの」にしているのは、誰なのか、どんな意識なのか、まず大人が気づかないといけないなぁと思っています。そのためには、大人も性についての情報を更新し、深く知ること、そして自分が今までで思っていた「あたりまえ」や、自分の中にある偏見について向き合い、今までの「あたりまえ」を生活の中で変えていくことが必要だと感じています。

いろんなセクシュアリティの大人が存在する環境を


子どもたちは生まれた瞬間から「性のあり方」「性の多様性」を知る権利があると思っています。「お母さんとお母さんの家族」「お父さんとお父さんの家族」「じぶんの性を生きるいろんな大人たち」があたりまえに存在することは、小さな子どもにとってまず性が多様であることを知る最初の「情報」になると思っています。
多様性に満ちた大人たちがいる環境の中で育つことのできる子どもたちは、きっとそれが「あたりまえ」で、自分のことも、誰かのことも尊重できる人に育っていくのではないでしょうか。

あなたはあなたを生きていますか?

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