【第118号】子どものお金の教育、年齢別で家庭で行うべきお金の教育について Smile Life FP代表 岡ゆみ
2024年3月22日
ページ番号:621835
2022年4月から成年年齢が引き下げられ、18歳からクレジットカードを作るなど金融に関する様々な契約を自ら行えるようになり、金融経済教育の重要性はますます高まっています。また政府の「資産倍増計画」として新NISAのスタートや高校学習指導要領の改訂でも、金融経済教育の内容が拡充され、家庭内での金融教育が必要とされています。その一方で、「お金について何から伝えたらいいの?」「支払い方法についてもキャッシュレス決済も増えてきた今、どのように子どもたちにお金について教えたらいいの?」このように悩まれている親御さんも多いのではないのでしょうか。
もちろん学校の授業についていくということも重要だとは思いますが、大切なお子さまが、大人になって困らないように、さらにはトラブルに巻き込まれないためにも、家庭で行うべきお金の教育についてお伝えいたします。お金や経済は生活ととても密着しているので少し意識をするだけで日常の生活から教えてあげられることはたくさんあります。
未就学児
小さなお子さんは、まだお金を出して「買う」ということがわからないですよね。まずは、お店で何か物が欲しいと思った時には、「お金と交換して、物をもらえるよ。」ということを体験、理解させてあげることが大切です。キャッシュレスだと、お金を支払っているという実態が分かりにくいため、あえて現金で購入する姿を見せてあげると小さなお子さんもイメージがしやすいでしょう。この感覚が身に付けられる遊びがおままごとです。おもちゃのお金を使うと何か欲しいときはお金が必要だということが肌で感じることができます。
小学生
お金の使い方を自分なりに考えさせるのにお小遣い制を導入するのもおすすめです。お小遣いの渡し方もいくつかありますが、「毎月◯日、◯◯◯円もらえる」と決まっている方が管理しやすいでしょう。お小遣いを渡すときに「自分で考えて使っていいよ。欲しいものがあったら買ってもいいし、すぐに使わないで、貯めて使ってもいいよ」と、お子さまにお小遣いの範囲でお金の使い方を任せてみましょう。このとき、どんな使い方をしていても、口出しをしない。ということがポイントです。つい「こんなものを買ったら勿体無い」とか「無駄遣いしないで貯めなさい」大人の目線でアドバイスしたくなることもありますが、お金を使って失敗することもまた勉強です。もしお小遣いが足らなくなったら、お手伝いをして自宅の中で、「稼ぐ」というのもいいですね。
お金を貯める時も貯金箱で目に見えて貯まる楽しさを感じてみてもいいですし、一緒にATMに行き、銀行口座に預けてみるのもおすすめです。
中学生
中学生においてもお小遣い制は有効です。お小遣いUPやもし臨時で必要な場合には、「部活の◯◯を買うためにいくら必要だから◯◯◯円ください」など、その理由などをプレゼンさせるのもいいですね。中高生になると、携帯電話をもつお子さんも増えてくるかと思います。携帯料金、通話料金、アプリの課金、インターネットを使用すると料金がかかるなど、ということも一緒に確認しておきましょう。また、知らない人からのメールや送られてきたURLは無闇にクリックしないなども伝えている方が安心ですね。
高校生
高校を卒業すると寮、一人暮らし、社会に出る方いらっしゃいます。家を出る前に、社会で生きていくために教えておきたいことはたくさんありますよね。
例えば、働き始めたときに、給与も全額もらえません。それを知るために、ご家族の給与明細や源泉徴収票を見ることはとても勉強になります。クイズのようにして、「時給1000円で月に30時間働くといくらもらえる?」「お父さんやお母さんは月いくら貰っているでしょう?」などと話しながら一緒に明細を確認しつつ「あれ?給与全部はもらえていないね。色々引かれるね。税金は何に使われていると思う?」と「健康保険払うといいことってなんだと思う?」と健康保険のおかげで病院が3割で受診できていることなども伝えてみてもいいですよね。
また、18歳になると成人になるので、簡単に印鑑やサインをしない、万が一の時のクーリングオフ制度についてなど、家庭内でも話しておきましょう。お金の増やし方や運用方法を教えてあげたい方も多いかもしれませんが、クレジットカードでの支払い方法について、一括とリボ払いの違い、キャッシングなどお金を借りると金利をつけて返済しないといけないことなど、お金を守ることについてもしっかりと伝えておきたいポイントですね。
まとめ
お金の知識は、生きていく上でとても大切です。学んだことを、ぜひご家庭の中でもたくさん話し、うちの場合はどうなのだろう?と、お子さまが確認することでどんどん知識が定着していきます。また保護者の皆様も、「教えられない」と焦る必要は一切ありません。お子さまから「今日学校で何を勉強したの?」と聞いてあげてもいいですし、投資についても一緒に勉強するなど、ぜひ親子で楽しみながら学びを深めてくださいね。
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