ページの先頭です

【第122号】ママとパパのハッピー・スタディーズ~親から幸せ元気になろう~その1 ホリスティック実践教育研究所 所長 金 香百合

2024年4月15日

ページ番号:623836

プロローグ「幸せな子ども時代」と「包括的子育て」


 私は「すべての人間が幸せに元気に生きる」ようになればいいなあという夢を持っています。
そのため、赤ちゃんから高齢者のことまで、人間について多様なことに関わってきました。
 現時点でわかっていることは、「幸せなこども時代」が大切だということです。子ども時代を幸せに元気に生きてくると、人間形成の土台がしっかりします。その後に出会う問題・課題・失敗等をそれなりに乗り越えて、回復して、成長していきやすいのです。(※注:しんどい子ども時代だと、不幸せになる、ということではありません)
 そして、「幸せな子ども時代」を実現するためには、親の幸せ、特に「ママが幸せで元気」であることが最重要でした。もちろん、パパも幸せで元気で、しっかりとママと子どもを支えるパートナーシップを発揮してほしいです。


 この考えから、私は1990年代半ばから、「ママのハッピー・スタディーズ」という連続講座を各地で実施してききました。時には「パパのハッピー・スタディーズ」も。
必ず入れるポイントを紹介します。講座の原点は「包括的な子育て」という考え方です。それは、子育てを、部分だけにとらわれすぎず、部分をつないで、総合的・全体的にみること、取り組むこと、です。(※ホリスティックな考え方)

1.まずはママから幸せ・元気でいてね

 孤独な子育て、やワンオペ育児という言葉があります。(多くの場合)ママがひとりで子育てし、支えてくれる人たちがない中で、産後うつやストレス蓄積がひどくなる状態です。ママに自己犠牲を強いる子育ては、そもそも間違いなのです。たくさんの育児サポートがあって、ママの心身が安定して、笑顔が多いとき、そばにいる子どもも笑顔で安心できます。すべての子育て支援関係者は、ママをまるごと受け入れ、応援する人であってほしいです。

2.相談する力、支援を受ける力(受援力)をのばしてね

 ママ・パパの周囲に、良い支援者がたくさん必要です。さらに、ママ・パパ自身からも相談することや、サポートを受けることに前向きになってほしいのです。相談力や受援力をもつことは、弱いことや恥ずかしいことではありません。そもそも人間は、「支えられたり・支えたり」の相互作用の中で生きているのですから。支えられたら、「すみません」ではなく「ありがとう」でいけばいいのです。そしていつか「恩送り」で次世代の人にかえしてあげれたら最高です。

3.子どもの人生は子どものもの、と知る

 子どもを愛するという事と支配するという事は、まったく違います。子どもに内在する可能性や個性を信じて、子どもの「自己決定」を尊重しながら育てることは基本です。ただし、子どもから、「毎日ごはんを食べずにおやつだけ食べる」と言われたら、適切な対応を考える必要はありますけどね。(笑)

4.自尊感情(自己肯定感)について知るといいよ

 自尊感情とは、自分をまるごと受け入れて、自分を好きでいられる気持ちです。弱さも欠点も含めての無条件の受容です。人にも、そう思えること。「わたしOK,あなたOK」と思えるときが、自尊感情の高いときです。自尊感情は「生きるためのエネルギー源」です。エネルギーがなくなれば、心身の不調や、マイナス思考が多くなり、毎日がつらくなることが誰にでも起こります。

5.自尊感情が高いときはこんないいことがあります

 子どもと親の自尊感情(自己肯定感)が高くなると良いことがたくさんあります。自尊感情が高い時には、エネルギーが満ちているので、誰でも学ぶことやチャレンジすることに意欲的な傾向がでてきます。対等な人間関係をつくりやすく、差別や偏見も少なく、違いや多様性を受け入れて、楽しむ傾向があります。自分も人も大切にして、自分の過ちは素直にあやまることができます。たとえば、自尊感情の高い親は、子どもにも謝ることができる、といえます。

6.自尊感情には、からだとこころの栄養が必要です(※金香百合の自尊感情栄養理論)

 自尊感情を高めるには、どうしたらいいのでしょうか。実は、からだとこころの栄養を充分にとるといいのです。からだの栄養とは、

  1. 良く寝る
  2. 良く食べる
  3. 良く動く
  4. 良く排泄する

ことです。また、こころの栄養とは、

  1. 安全・安心な居場所がある
  2. 大切にされている
  3. 温かい関心をもらっている
  4. 聴いてくれる人がいる
  5. ほめられている
  6. 認められている
  7. 信じられている
  8. 感謝されている
  9. 無条件受容されている
  10. 笑顔をむけられている

ことです。日々の生活の中で、おとなたちが笑顔でいることや、ありがとうをちゃんと言うことで、子どもたちの自尊感情は高くなります。


 さて、子育ての考え方に、「部分にふりまわされ過ぎないこと」をお願いして、ぶれない軸として、大切なポイントをお伝えしました。
 後半は、おすすめの家庭教育や、安全教育、おうち性教育や防災教育のことをお伝えしていきたいと思います。

金香百合の「自尊感情・栄養理論」

Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)別ウィンドウで開く
PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市 教育委員会事務局生涯学習部生涯学習担当社会教育・生涯学習グループ

住所:〒550-0014 大阪市西区北堀江4丁目3番2号(大阪市立中央図書館4階)

電話:06-6539-3345

ファックス:06-6532-8520

メール送信フォーム